右翼保守系エンタメ作家、百田尚樹? | 沈みかけ泥舟のメモ

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今はネタバレなしの映画感想ブログ化してます。

NHKの経営に口出しする仕事を引き受けた
「永遠の0」の百田尚樹さんですけれど、

「南京大虐殺はなかった」
「アメリカは東京大空襲という大虐殺をした」
「東京裁判は東京大空襲の大虐殺をごまかすためのものだった」

というような発言をしたことで注目されているようです。

「南京大虐殺」についての発言は中国を
「東京大空襲」「東京裁判」の発言はアメリカの
一部政治家やメディアの反感を買ったようです。

安倍晋三さんの思い通りになるNHK会長が就任し
すぐに「慰安婦問題」に関して
「どこでもやってた」と橋下徹元大阪市長と同じ発言をして
すぐに撤回に追い込まれるというバカなことをつい最近したので、
またも「日本の公共放送」に携わる人間が国際社会を見下したと
素早く反応されてしまったのでしょう。

侵略戦争を行ったことの反省にばかり力を入れる歴史観を
「自虐史観」と呼んで見下す百田尚樹さんたちのような人が、
「南京事件」や「七三一部隊」でみられた虐殺すべてを
「なかった」「ねつ造だ」と無視して
「日本を誇れ」と熱病に冒されたように
自己肯定に走ることは「自己愛史観」とでも呼ぶべきでしょうか。

たしかに「東京大空襲」は大虐殺だったし
「通称、東京裁判(極東軍事裁判)」は
中立なシステムも発想もなかった当時、
戦勝国による復讐裁判だったことも疑いありません。

とはいえ、アメリカや中国、韓国から批判され
安い自尊心を傷つけられたからと
アメリカが東京大空襲という大虐殺を隠したように
南京虐殺もすべてでっち上げだと
短絡的に言ってしまうのは浅はかでしょう。

百田尚樹さんの正確な発言内容は知りませんが、
自称愛国者による自己愛史観では
「日本の戦争行為は防衛戦争で正しく、
虐殺や非道な行為はなくて戦勝国がでっち上げた」
と言い出してしまいますし、
反省を求める人の集まりでは
「日本は侵略戦争を行い数多くの虐殺や非道をしたのだから
常に反省と贖罪を忘れてはいけない」
と世界の罪を一身に背負うような悲壮な決意をにじませます。

どちらも事実と虚構が入り混じってしまっています。

「ココロの盲点」にもある通り
同じ考えを持つ者だけの集団が出来上がったための
弊害なんじゃないかと思います。

また、国内の問題だけではなくて
もう一方の当事国である中国が
被害者数を時間をおうごとに水増ししたという事実があり
余計に自己愛史観を持つ人たちは
「南京大虐殺はなかった」という極端な意見に傾いたのでしょう。

戦後の早い段階で大日本帝国軍幹部が
「誇りにかけて」調査した軍の規律に違反した虐殺行為と、
中国が初期に発表した南京での虐殺被害者は
およそ三万人くらいと近い人数でした。
なので「南京での虐殺行為はあり三万人近い犠牲者が出た」
という辺りが事実なんだろうと考えます。

でも、反省したい人は「三十万人」という被害者数で納得し、
誇りを持てという人は「0」と言ってゆずりません。

まあ、どちらも自分の気持ちに正直なんだろうと思いますが。

もっと厄介なのはそんな東京裁判否定派の百田尚樹さんが
信頼して持ち上げてやまない安倍晋三さんやその政権は、
公式見解として「日本は侵略戦争を反省している」としてますし、
特にアメリカ様に気に入られたい安倍晋三さんは
東京裁判への批判をアメリカに持ち込むどころか
集団的自衛権やTPPや憲法改正など
アメリカ様のお役に立ちたい一心で奉公しています。

中国や韓国には強気なのに中国や韓国の理屈の元になってる
アメリカの主張には逆らわないというねじれをしています。

日本の自称愛国者や自称保守は中身が千差万別です。

簡単に百田尚樹さんだけを右翼だ保守だと言うことは出来ません。

泥舟、反戦平和主義の永遠の0ファンは大勢いる。