貧乏人と愛国心と天皇 | 沈みかけ泥舟のメモ

沈みかけ泥舟のメモ

訪問していただき、ありがとうございます。

内容が定まらない更新少なめ不定期なメモ。

今はネタバレなしの映画感想ブログ化してます。

私は愛国心のある人間だと思います。
その「愛国心」は安倍晋三さんや官僚、自衛隊員が言う
「愛国心」とはかなり違うようですが。

日本語は受け手が解釈する言語だ、
という話は前にも書きましたけれど
「愛国心」や「反日」「非国民」などという言葉も
使う人によってかなり意味が違っているように思います。

「愛国心」というモノを掲げるのは
貧乏な人、下層の生活者であることが多いです。
政治権力を持つ人、経営者や資産家などお金を持つ人に対して、
持たざる者が対抗する手段として「国家」を持ち出すわけです。

貧民の出身者が政治家に対する怒りを持ち、
その結果として天皇崇拝に傾倒していく。
日本の「右翼」「国粋主義者」が成立していった基本的な流れです。

日本の歴史を見てみると
公家や武士と違って天皇直属となっていたある職能集団が
天皇の影響力が弱まることで「非人」などと差別される階級になるという事例があります。
下層の人が天皇を求めるという形の逆ですけれど、
日本の最下層民と天皇家のつながりという流れがある例にはなるのではないでしょうか。

2・26事件は貧農出身の若者たちで構成された皇道派という人たちが
天皇を崇めて、日本を悪くした政治家や官僚たちを排除することを目的として
起こしてしまった事件です。
天皇本人からそっぽを向かれたため失敗したクーデターでしたが
これも生活の苦しい人が天皇を求めた一例です。

また、大正時代の「自由民権運動」が産み出したのが現在の「右翼」と言われていて
時の権力者に対抗する姿勢と「愛国心」にはいつも密接なつながりが見えます。

現在、ネットで匿名であることを利用して過激な外国人排斥や自衛隊賛美のような
書き込みが行われていて「ネット右翼」だとか「草の根保守」だとか言われています。
これも長引く不況によって実生活が苦しい人たちが
不満を吐き出そうとした結果起こってきた現象という面があります。

この「愛国心」は一面でしかありません。
大日本帝国が掲げ、安倍晋三さんたち保守反動が口にする
「力を持つ人が利用する愛国心」もあります。
同じ「愛国心」という言葉を使ってはいますけれど
実は複数の意味があるというのが
「愛国心」の抱える問題なのではないでしょうか。

泥舟、自民党の言う「愛国心」はまたの機会に。