ボーン・コレクター | 沈みかけ泥舟のメモ

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ジェフリー・ディーヴァーの「ボーン・コレクター」は

期待に違わない面白い作品でした。

いわゆる「本格ミステリー」ではなく「サスペンス」なので

ある謎が解けることで一気にモヤが晴れる、

というタイプの作品ではありませんでした。


主人公、リンカーン・ライムと相棒アメリア・サックス。

犯人ボーン・コレクターとその被害者たち。

いくつもの視点で物語が語られていくのでスピード感があり、

謎が提示され解かれると、新たな謎が浮かび上がるという連続で、

大きなどんでん返しというよりは、次の展開が読めないというタイプの本です。

ジェットコースターと呼ばれる理由がわかった気がします。


一応、真犯人の伏線もしっかり張られていますし

ミスリードも用意されているのですが、

「そうだったのか!」という驚きはあまりなく

その犯人とライムたちの戦いの続きが気になってしまう感じで、

真犯人の登場さえ読めない展開の一部みたいに思えます。


本格ミステリーのような内容をイメージしてると

ちょっと期待はずれかもしれません。


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この作品は個人的には京極夏彦さんの
「百鬼夜行シリーズ」に似た印象も受けました。

口が悪くて自分では動かない(動けない)主人公。
主人公に知恵を借りる個性が際立ったキャラクターたち。
妖怪や宗教、科学といった様々な知識を盛り込んだ「百鬼夜行」に対して
最先端科学捜査技術の知識を盛り込んだ「ボーンコレクター」。
物語構成の巧みさも印象が似ていると思った理由だと思います。

京極夏彦さんの本が詰め込まれた知識に面白さを感じられないと
読むのが辛いと言われてしまうのと同じで
ジェフリー・ディーヴァーの「リンカーン・ライム」シリーズも
科学捜査のうんちくが楽しめない人にはオススメ出来ない作品だと思います。
アメリカのドラマ「CSI」シリーズが好きな人にはオススメです。

すぐに次を買って読むとまた睡眠時間が削られ身体を壊しそうなので
続きはまたの機会に買おうと思います。

泥舟、凄惨な犯行の描写があるのもオススメする人を選びそう。