自衛官の皆さんが心配 | 沈みかけ泥舟のメモ

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自衛官の皆さんは13歳くらいの子どもを撃ち殺しても
普通に食事をしたり生活出来るような訓練は受けているのでしょうか。

自衛隊の通常任務にPKO活動が含まれるようになって久しいですが
武器使用基準の緩和や憲法9条廃止の動きなど
現場で働いている自衛官の皆さんと直接関わらないところで
自衛官の皆さんの人生に関わる部分が変えられていく流れがあります。

政治家や文化人、知識人、タレントは簡単に「軍事力」「武力行使」と言いますが
彼らの頭の中に自衛官一人一人の人生があるとは思えません。

例えば、武器使用基準の緩和は危険な現場にいる自衛官にとって重要な問題です。
厳しすぎる基準は手足を縛って死地に送るようなものですし
同じ現場で働く別の国の兵士が撃たれている時に
基準に合わないからと見殺しにするしかないのは
自衛官にとってあまりに残酷な話です。
ですが、他国の兵士を撃ち殺しても、自衛官は手出ししなければ撃ってこない
と相手が認識しているのなら自衛官を守ることにもつながります。
もし、自衛官も内戦地帯で「敵」と認識された場合、
自衛官は標的にされることになります。
その時、銃を向けてくる相手は軍人とは限りません。
PKOで派遣される戦地を考えれば敵は軍人よりも
銃を持った民間人の可能性の方が高くなります。
その中には日本なら小学生や中学生くらいの子どもも少なくありません。
時には、テロリストが「おかしを上げるから、この荷物をあそこの兵隊さんに届けて」
と、爆弾を5歳とか6歳くらいの子どもに持たせて
自爆テロを仕掛けてくるなんていう状況もあります。
現場では近づいてくる相手がどんなに小さな子どもでも
制止の命令を聞かなければ撃ち殺さなくてはならない可能性があるのです。
武器使用基準の緩和によって他国の兵士との連携を可能にすれば
自衛官が民間人や子どもを射殺することになる可能性は高まります。

安全な国会やビルの中にいる政治家や官僚、自衛隊幹部は
子どもを殺しても帰ってきたら家族と笑って生活出来るような訓練を自衛官にさせているのでしょうか。
単純に銃の使用基準を緩めればいいという問題ではありません。
快楽殺人犯のように一般市民や子どもを殺しても
心に傷を負わないように訓練しなければ自衛官は現場から帰っても
まともな日常生活が送れない危険性があります。

そんな強靭な心を訓練で培えるかどうかは疑問ではあるんですけど。

日本よりはるかに数多く国民を戦地に送っていて
経験豊富なアメリカでさえ帰還兵問題は解決していません。
精神的な病になる人。
強姦や殺人、家庭内暴力など犯罪を犯す人。
普通の就職が出来ない人や自殺する人もいます。
同じことは戦中や戦後すぐの日本でもありました。
戦地から戻って連続強姦事件を犯した日本兵なんかもいたわけです。
それだけ戦地の経験というのは強烈なものなんでしょう。

自衛隊や自衛官が前線で活躍出来るように法整備するのは勝手ですが、
同時に戦地で傷ついた身体と心をケアする万全な体制はとっていただきたいです。
子どもや民間人を殺したのに英雄視したり
よくやったとねぎらったり、褒め称えたりするだけなのは
自衛官個人に苦しみを背負わせて社会や政府が知らんぷりするようなものです。
殺人の罰を与えられる殺人犯の方がまだ精神的に楽かもしれません。

自衛隊や自衛官を武力と呼び、国軍と呼び、必死に正当化するだけなのも
暴力装置と呼び、憲法違反だと否定し、存在を嫌悪するだけなのも
自衛隊に属する同じ日本国民の一人一人のことを
真面目に考えていないという点では同じに見えます。

改憲でも護憲でも、先制攻撃論でも専守防衛論でも
どんな立場で何を語るのも勝手ですけども
自衛官一人一人の人生についてはもっと考えていただきたいです。

戦車がかっこいいとか、戦闘機がかっこいいとか
厳しい訓練をしてスゴいとか、制服がかっこいいとか
表面的なことを語るだけのアイドルやタレントを見ていると
人殺しになる覚悟を持つ人を簡単に語るなと言いたくなります。

泥舟、まじめに考えるほど自衛隊は否定も肯定も出来ない。