「100%ストレートしかないってか?
それだよ英雄、忘れるな、その『融通』の利かねえバカ正直さに…
ひかりは惚れたんだ。」
投げる、
ど真ん中ストレートで英雄を三振。
涙が出た比呂。
(勝たないと解らせられない、いかにひかりが必要なのかを。
英雄は融通が利かない人で、最後もストレートだと思って待っていたと比呂は読み取っている、
だから真っ向勝負ではなく、曲がる球、高速スライダーを投げた比呂、勝つ為に、しかし曲がらずストレートになった、
比呂からしたら、しまった、でも、その最後のボールをストレートだと思ってバットを振った英雄は三振、なぜ?、後に英雄自身が語るが、この時スライダーだと、頭に過ぎったんだと、だからスライダーを投げた比呂は本来打たれていた、じゃあなんで?
こればっかりは神のみが細工できる、女神のみが。
比呂の覚悟は間違いではない、だから、絶対に比呂が勝たないといけない、二人が幸せになる為には、解らせる為には。きっと、ひかりママが…。
)
また三振に打ち取った直後の比呂の涙は、
自分の感情が素直に解放されたから。
初恋に終止符が告げられたから。
でも望んでいた結果、
その為に動いていたんだから、これでいい…。
「スライダーのサインだったぞ?」
「曲がらなかったんだよ…。
お前こそ、なんでミットを動かさなかった?」
「たぶん…曲がらねえような気がしたんだよ。」
(これは野田の気持ちと取れる。野田は正々堂々真っ向勝負で結果を出してほしいと、無意識に意識してたと、解釈できる。)
「あんな球…
二度と投げられねえよ。」
(スライダーを意識して投げてストレートだった球。
また二度と投げられないとは、この幼なじみと親友をからめた恋愛模様を、もう二度と味わう事はないから。)
そして野田が、
「投げさせられたんだよ、誰かに……な。」
(ひかりママ)
ベンチの壁に貼ってあったひかりママの写真を剥がす春華、
「泣いてたね…。」
(写真のひかりママに語っている。)
そしてひかりの涙は…


