三国志とは、中国の後漢末期から三国時代にかけて群雄割拠していた時代(180年頃から280年頃)の興亡史です。

 

「三国志(歴史書)」は西晋の陳寿が著した史書と、明の初期に羅漢中らの手により成立した「三国志演義」があります。

 

吉川英治の三国志は、戦後の三国志ブームの礎となった新聞小説であり、現在の日本の底本(定番本)となっています。

 

この後、柴田錬三郎、陳舜臣、北方謙三、宮城谷昌光などの小説、横山光輝の漫画や人形劇、アニメやゲームと、三国志をテーマやモチーフにした作品はたくさんあります。

 

 

 

 

 

<直近で読んだ本>

 
読始:2020年(令和2年)6月8日、読了:2020年(令和2年)7月7日

 

 

「亀雖寿:きすいじゅ」   (亀は寿と雖も:かめはいのちながしといえども)

 

神亀雖寿 猶有竟時   (神亀は寿と雖も 猶お竟る時有り)

騰蛇乗霧 終為土灰   (騰蛇は霧に乗るも 終に土灰と為る)

老驥伏櫪 志在千里   (老驥櫪に伏すも 志は千里に在り)

烈士暮年 壮心不已   (烈士は暮年 壮心已まず)          

盈縮之期 不但在天   (盈縮の期は 但だ天に在るのみならず)

養怡之福 可得永年   (怡の福を養わば 永年を得る可し)

幸甚至哉 歌以詠志   (幸い甚しく至れる哉 歌いて以て志を詠わん)

 

 

曹操五十三歳の詩である「亀雖寿」は、前半では運命論を提示します。

生あるものには必ず終わりが来るとの諦観がそこには描かれます。

そして、後半において、

そうした運命をも乗り越えるものとして意思の力を提示し、

これによって「永年」をも掴み得る可能性を宣言したものです。

人生はやがて終わるとしても、その「志」は生き続けるのです。

曹操は、中国の統一を見ずして、卒しましたが、

約四百年後、曹操の国家制度を継承する隋唐帝国によって、

曹操の志した中国の統一は成し遂げられたのです。

 

~渡邉義浩著「はじめての三国志」より、原文のままです。

 

 

魏、呉、蜀、の三国の興亡ですが、どうしても蜀というか、諸葛亮びいきの私です。

しかし、この100年位の間で、後の時代に多大な影響を与えた人物は、魏の曹操だと思います。

 

曹操のこの詩の一文、

烈士暮年 壮心不已 (れっしぼねん そうしんやまず)が、

曹操をよく表していると思います。

 

 

 

 

 

<名士という概念>

 
読始:2012年(平成24年)3月28日、読了:2012年(平成24年)4月15日
 
 
著者の渡邉義浩さんが、この本の第三章で、
 
「名士」という概念を設定して、三国時代の理解を行います。
 
と書いています。
 
 
私はこの「名士」という概念での、劉備と諸葛亮の関係などを読んで、
今までと違った、新しいものの見方で、三国志をとらえることができて、
感動しました。
 
 
著者も一番好きな諸葛亮。

諸葛亮が五丈原の陣中で病没したのが五十三歳。

たいへんおこがましく、話すのも恥ずかしいのですが、

 

私の寿命もそれくらいだろうか?

 

などという不届きな思いを持っていました。

2020年(令和2年)7月9日(木)現在、57歳の私です。

まだ身体は元気です。

 

しかし、

2016年(平成28年)12月、私の心は、死んでいます。

私が五十三歳の時。