少し前に17歳による社会を震撼させる凶悪事件が立て続いた。


彼らは「光=良い子」と「影=悪い子」の両極端な心の分裂を生じて


いて、男子であれば他者に対しての暴力、女子であればリストカット


や拒食など自らへの暴力となって表れる。


報道にあるようによい子が、その仮面の裏で膨れ上がらせた


殺意や自虐性を持っている。


このような異変は、全人口に占める子どもの割合が13.9%という


超少子社会が招いたものだと。


大人たちの関心が子どもに過剰に注がれ、常に子どもは大人の期待に


応えて頑張ろうとした「ふつうの子どもたち」が、影を持った人間に成長


してしまう。


しかも、彼(彼女)らが成長し親になると、虐待、ドメスティック


バイオレンスなどに繋がってしまい、世代連鎖となってしまう


危険性を持っている。


アメリカでは凶悪犯罪を犯す人の100%が幼児時代に虐待を


受けていたという調査もあるようだ。


こうならないために、子供たちの「かすれた声」が生まれる


メカニズムを解明し、それを社会に広めることで少しでも


世代連鎖をなくそうというのが著者の願い。

本書を読んで改めて、幼児期の人間形成において、愛情を


注がれ、のびのび育つことの大切さを理解出来た。