人生生涯小僧のこころ―大峯千日回峰行者が超人的修行の末につかんだ世界/塩沼 亮潤


塩沼亮潤氏(大阿闍梨)が達成した大峯千日回峰行という


壮絶な荒行の様子と精神的な変遷を綴った内容。


大峯千日回峰行とは、往復48キロ、高低差1300メートルの山道を


一日16時間をかけて歩くという行。


これを毎年5月から9月まで、9年の歳月をかけて、合計4万8千キロを


歩き続ける。


さらに、千日回峰行を達成したあとは、「食べない」「飲まない」「寝ない」


「横にならない」を9日間続ける四無行という行も行うという想像を絶する


荒行。


一度大峯千日回峰行をはじめたら高熱を出そうが、怪我をしようが途中


でやめることが出来ず、続けられなくなればその場で切腹するか首吊り


をして命を断つという決まりがあるので、行に入ること自体が相当の覚悟


を要す。


その想像を絶する行を行っている中で気づいていく境地は、生きている


こと、お天道様が見守ってくれていること、草木がそこにあること、ご飯


が食べられること、布団で寝られることなど、生きていることそのものに


感謝せずにいられないということ。


また、「現実を受け入れ、愚痴らず精いっぱい生きると、そこに道が


開けてくる」という境地に達する。


究極の世界を見た方でさえ気づく境地は、謙虚に自分と自分の置かれて


いる環境を受け入れ、感謝するということなのだ。


改めて、謙虚に驕らず、感謝して生きていかなければ、と。