年末が近づくと耳にする「年末調整」という言葉。
多くの方が関わるこの手続きですが、具体的にどんなものか、なぜ必要なのかを簡潔に解説します。
■年末調整の基本
年末調整とは、給与所得者（サラリーマンやパート・アルバイトなど）が一年間に支払った所得税を再計算し、過不足を精算する手続きのことです。
これにより、払いすぎた税金は還付され、不足分は追加で徴収されます。
■なぜ年末調整が必要なのか？
毎月の給与から引かれる所得税は、年初に予定した金額に基づいて計算されています。
しかし、実際の所得や控除対象は変動するため、年末に正確な金額を算出しないと、税金を払いすぎたり、足りなかったりします。年末調整を行うことで、最終的な所得税額を確定し、正確な税額を納めることができます。
■年末調整の対象
年末調整の対象となるのは、主に以下のような項目です：
1. 扶養控除：家族を扶養している場合、その人数や状況に応じて控除が受けられます。
2. 配偶者控除・配偶者特別控除：配偶者の収入が一定以下の場合に適用される控除です。
3. 生命保険料控除：生命保険や個人年金保険に加入している場合、その保険料に応じた控除が受けられます。
4. 地震保険料控除：地震保険に加入している場合、その保険料に応じた控除が受けられます。
5. 社会保険料控除：健康保険や厚生年金などの社会保険料は全額が控除対象です。
■年末調整の手順
1. 申告書の記入と提出：従業員は会社から配布される「扶養控除等（異動）申告書」や「保険料控除申告書」などの用紙に必要事項を記入し、証明書類とともに会社に提出します。
2. 会社での計算：会社の経理担当者が、提出された申告書を基に再計算を行います。
3. 過不足の精算：再計算の結果、払いすぎていた税金があれば還付され、不足していた税金があれば12月の給与から追加で徴収されます。
■まとめ
年末調整は、給与所得者が一年間に支払うべき正確な所得税額を確定するための重要な手続きです。
会社がこの手続きを代行することで、個人が確定申告を行う手間を省くことができます。
ただし、住宅ローン控除や医療費控除など、一部の控除は確定申告が必要なので注意が必要です。
これで、年末調整の基本的な流れと必要性について理解していただけたでしょうか。
年末調整の時期が近づいたら、必要な書類を早めに準備し、スムーズに手続きを済ませましょう。