まず私は、男→女のトランスジェンダーですが、親にカミングアウトはしていません。

 

でも、親の前で堂々と女装をしています。

 

必要ないと思ったんです。

別に一緒に住んでいるわけでもないし、そしたら生活上の配慮も必要ないじゃないですか。

 

親が私のことをどう思っているのかはわかりませんが、今のところ大きなハレーションは起こっていません。

 

でも、親が質問してきたら、それにはちゃんと答えようと思っていますよ?

 

私がこんな風に思えたのは、30代を超えてから性別越境を始めたからでしょう。

生活が自分で独立し始めると、人は勝手に自分の思う性に移行するものです。

 

悩むのは親元で暮らしている10代の時ですよね。

 

・カミングアウトしないと、本当の意味で人とつながれないと感じる

・親から性別越境に対してネガティブな話を聞いたことがある

・何も悪いことしていないのに自分だけ友達の輪から外された

 

小中学生のころにこんな体験をすると、なんとももどかしいですよね。

その気持ちすごくわかります。

 

本当は私も小学生のころからそんな風に思っていたんです。

私の場合はアニメキャラの中で性別越境しているキャラクターがいて、そのキャラクターにあこがれていました。

 

「アニメはアニメ、現実には無理だよ…」

私は自分でその思いを押し殺して生きていたんです。

今思えばその気持ちをまっすぐに表現していたら、もっと若くして性別越境できたのかもしれない。

そう思うと、時間を戻せないことが悔やまれます。

 

だからこのブログを読んでいる10代のLGBTQ+の方は、自分に勇気をもってください。

人生は自分の生きたいように進められます。

 

あなたの親御さんはポジティブな反応をするかもしれませんし、ネガティブな反応をするかもしれません。

それはカミングアウトしてみないと誰にもわからないことですが、応援してほしいなら正直に、誠実に話すことが大切です。

 

あなたの親御さんはLGBTQ+にあまり詳しくないかもしれませんから、あなたがどこに当てはまるのかは整理しておきましょう。

 

例えば私は性自認は女性ですが、性指向も女性です。

これはトランスジェンダー女性のレズビアンということになります。

ちょっと珍しい例です。

 

このように自分が自覚する性が何で、自分が好きな性は何か、そこまで説明できると親御さんもわかりやすいでしょう。

 

後はカミングアウトした後に、手術や手続き関係をどこまでしたいのかも事前に考えておきましょう。

 

トランスジェンダーの人は性別移行の治療を考える人もいるでしょう。

代表的なのはホルモン注射です。

10代半ばから2次成長が始まりますから、その時期を自分の望まない性で過ごすと取り返しがつかないことになります。

 

男性であれば骨格が大きくなり、声は低くなり、筋肉がつき性欲が盛んになります。

 

女性であれば乳房が大きくなり、生理がくるようになり、体が丸みを帯びてきます。

 

現状の性と異なるホルモン剤を投与することによってその発達を抑えるとともに、自分の望む性への成長を促進することができるようになります。

 

また、男性にには抗テストステロン剤(男性ホルモンを抑える薬)もあります。

女性ホルモン剤と併用して利用すれば、より女性に近づけます。

 

次に、性器周りですが、男性には睾丸がついています。

男性ホルモンは主に睾丸から生成されていますので、これを摘出すると男性ホルモン値を大きく下げることができます。

 

現状睾丸摘出手術をするにはGIDガイドラインに沿ったメンタルクリニックの受診が必要なので、そこまで考えている人は親御さんにそう伝える必要があります。

 

一つ留意しておきたいことがあるのですが、睾丸を取るということは、自分の生殖能力を失くすということにほかなりません。

なりたい自分になるということは本当に尊重されるべきことだと思いますが、人生において子供を育てるということは何にも変えられない喜びです。

 

私は子供が生まれてから睾丸を摘出しました。

ある意味自分の睾丸はもう役目は終えたと、納得してから降ろすことができたのです。

 

将来的に自分の子供を育てたいという人は、「精子凍結」という方法で自分の精子を保存しておくことができます。

費用は掛かりますが、子供を育てるということをしたい人にはお勧めです。

 

そして、MTF(男→女)もFTM(女→男)も、最終的にはSRS(性別適合手術)まで目指している方もいます。

 

これにもGIDの診断書が必要で、睾丸摘出と違い診断書が2枚必要です。

要は2人の医者から診断書のサインが必要ということです。

 

ガイドラインに沿ってやると1年以上の時間がかかります。

医者とじっくり話し合いながら自分のジェンダーを診断したいという人は時間をかけてやるのもいいと思います。

 

ですが、医者の質問にあいまいな回答をしていると「性同一性障害ではない」という診断になってしまう可能性もあります。

むしろ思ってなくても「私は性同一性障害です!」と言い張ってると診断が取れてしまうというケースもあります。

 

それだけ性同一性障害の診断は問診ベースであり、血液検査など客観的な数値で判断できる障害ではないということです。

 

なので、中には「私は性同一性障害です!」と一回いうだけで20分ほどで診断書を出してくれるクリニックもあるようです。

 

…脱線しました。

 

ということで診断書が手に入ると、

・名前の変更

もできるようになってきます。

 

名前の変更を申し出るには家庭裁判所で手続きをする必要があります。

これについては長くなるのでまたの記事にします。

 

そして、さらに最終的には

・戸籍(性別)の変更

も視野に入ってきます。

 

戸籍の変更まで行くと、現状日本ではSRS(性別適合手術)までしないと認められないので、痛みも伴いますし費用も掛かります。

 

でも、そこまでしたいと思っているなら、ちゃんと親御さんには伝えましょう。

 

ということで、カミングアウトするときには…

・自分の性自認は何か?

・自分の性指向は誰か?

・ホルモン治療はするか?

・睾丸摘出手術はするか?

・SRSはするか?

・名前は変えるか?

・戸籍は変えるか?

 

など、自分の希望を整理して、伝えるようにしましょう。

 

カミングアウトするということは、自分にも真面目に向き合っているということです。

 

あなたの挑戦を応援しています。