こんばんは。famです。

 

今日は私がトランスジェンダー目線から見た映画「ミッドナイトスワン」の感想を述べていこうと思います!

 

実は途中見ていて「おい!ふざけんな!」とホントに叫んでしまった場面もあったのですが、見終わってから「この話が無事に映画化してよかったな」とも思いました。

 

だって主演の草彅剛さんの演技はとても自然で素晴らしかったし、シナリオもトランスジェンダーあるあるが沢山あったのでリアリティに溢れていたんです。

 

この映像が今の日本社会で映画として放映されている時点で多様性を育む大きな一歩だと思います。

 

(まぁ私は新宿2丁目に通った経験もないしトランスジェンダー友達もいないのであるある話の実体験はないけれども)

 

私は一児の親でもあるので、自分の子供が成長していくことの楽しみや愛おしさという気持ちもすごくわかります。

 

子供のためなら自分を犠牲にしても願いを叶えてあげたいなんて思っちゃうんですよね。

 

ここからはネタバレになるのですが、草薙さん演じる「凪沙(なぎさ)」が兄妹から預かった中学生の女の子「一果(いちか)」のバレエレッスン代を払うために、自分のアイデンティティである「伸ばした髪」を切って、夜の仕事ではなく昼の仕事(倉庫作業)に就くという場面が描かれました。

 

ここが私の「フザケンナ!!」ポイントだったのです笑

 

いや、わかる。わかるよ。髪の長い男性は普通の企業には就職できない。

でもだからと言って自分のアイデンティティである髪を切るのはどうなのよー!!

 

一果も「そんなこと頼んでない!」と凪沙のことを一度は拒否します。

一方凪沙は絞り出すような声で「一果…お願い。こっちに来て」と”これは愛情なんだよ”と示すのです。

 

その後抱きしめあって、お互いがたとえ仮初の家族であっても、必要としあっていることを確認する。

ここはホント泣ける場面でしたよ。

でも同時に複雑でもあるんです。

だって凪沙は髪を失ってるんですから…

 

その後の展開は実母が一果を迎えに来たり、取り返しに行こうと実家に帰ったら家族からトランスジェンダーであることに拒絶されたり、SRS(性転換手術)をした後のアフターケアを怠っていたら陰部から出血したり失明したりとトランスジェンダーの陰の側面を描くシナリオへと進んでいきます。

 

そのことで映画監督のSNSが荒れたらしいです。

「トランスジェンダーをこんな風に描くな!」という意見が多かったとか。

 

そのあたりは私は特に言及しません。

冒頭に書いた通り、この話が無事に映画化されただけでも本当に大きな一歩だと思うからです。

 

私が怒りを覚えるのは、「男性が髪を伸ばしたら異常者扱いされる社会」の方です。

なんで男性だからというだけで髪を短くしないといけないのでしょうか?

自分の好きな姿で生きてはいけないのでしょうか?

 

「誰もが望む外見で生きれる社会」

これは私が実現したい社会です。

 

私は30代まで本当に普通の男性の見た目で暮らしていました。

でも本当は心の奥で願っていたんです。「髪を伸ばしたい」と。

 

そして今それが実現できています。

実現できてからは世界が全く違って見えました。

「髪を伸ばしてよかった」と今では心の底から思います。

 

まだ自分のなりたい見た目になれていない人がもし目の前にいたら、手を差し伸べてあげたいです。

一緒に応援しあって、お互いに理想を実現したいです。

 

と、途中から映画の感想とは違う話になってしまいましたが、以上が私の映画視聴感想です。

 

頑張りましょう。それでは!