その後僕らは三人家族となった。

 

二人の間に子どもができたのだ。

 

こう一言で書くと、僕らはとても「順風満帆」な夫婦に聞こえるかもしれないが、

彼女が子を持つ、持たないはとても決断の要することだった。

 

というのは彼女の育った家庭環境にあって、

彼女には三つ年上の兄がいたが、彼女が14のときに死んだ。

 

死因ははっきりとはわからないのだけど、そのことについては

「兄さんが死んだのは母さんのせい」

と彼女がいうから、僕はそれ以上は何も聞かなかったし知らない。

 

とにかくそういう理由から、彼女は家族で囲む「食卓」というものにある種の失望や、あるいは過大なる理想やらがあったようで、「家族で食卓を囲む」ということを恐れていたようだ。

 

がしかし、結果的に僕らは三人家族となった。

 

そして僕らは、相変わらずその楕円のちゃぶ台で食事をするようになった。

 

二人でギリギリだったちゃぶ台は、三人で使ったらなおさら狭い。

 

僕ら夫婦は楕円形のちゃぶ台の両端に向かい合わせに座り、その間に子が入る。

 

いや、

 

正確には楕円の両端が細くなっているため、そこには食膳が収まりきらず、

僕と彼女は少しだけ楕円の両端よりもズレたところに居る。

 

つまり楕円のちゃぶ台に対して、僕らは「扇型」の弧を描いているかのように、座っていた。

 

子の向かいにはテレビが置いてあり

結局そのテレビは食事の時は点いていることになった。

 

冬の時期になると鍋やすき焼きをすることもあり、

とてもじゃないけどスペースが足りない。

 

それでも僕らはお盆や、時にはダイニングテーブルの椅子を持ってきて、スペースが足りないで置けないでいる皿やなんかをそこへ置いた。

 

僕はちゃぶ台を大きいものに買い換えないか

またはこっちのダイニングテーブルで食事をしないかと提案したが

やっぱり彼女はそれを渋った。

 

 

 

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《未完》