二期会によるオペラ ”リゴレット”の公演が行われます。
それに先がけて、女子クラ部さんの案内で
ゲネプロを鑑賞さて頂きました
指揮者は、注目度が高い
アンドレア・バッティストーニ
(パンフレットにも、大きく取り上げらていますよ~)
二期会通信でも特集がくまれています♪
ヴェルディの大作”リゴレット”は人気が高く
使用されている曲も
有名なカンツォーネ
女心の唄
を筆頭に
この女も あの女も
慕わしい人の名は
など、どこかで聞いたことがある旋律が
多くあるのも高い人気の証拠でしょうか。
けどストーリーと言えば
呪い
がテーマ。
人の裏側それとも本心を見ることができる
ちょっと恐ろしくそして悲しい物語。
今回のオペラは他にもみどころが!
それはパルマ王位歌劇場との提携公演ということで
パルマ王位歌劇場伝統の舞台となっています。
見どころ聞きどころを思い浮かべるだけども
ワクワク度の高い今回のオペラですよ~
さてさて、バッティストーニが登場しオペラの始まり
短い前奏曲でスタートするのですが
管楽器トランペット、トロンボーンの
付点音符の演奏が、とっても不気味。
オペラのテーマでもある【呪い】を想像させます。
けど幕が上がると一転、華やかな舞台に。
思わず”うわぁ~~華やか
と声が出そうになりました。
マントヴァ公爵の宮殿の大広間。
赤が貴重となっていて、それだけでも華やかですが
演じている方々の衣装も色鮮やか。
ぶらあぼさんのサイトでは、GPの時の画像がたくさんアップされているので、
ぜひぜひ 見て下さい。
このオペラの原作は、1832年頃に書かれた
ヴィクトリア・ユーゴーの”国王はお楽しみ”
この時代の王宮では、
このような華やかな舞踏会が日々行われていたのでしょう・・・
そして、そんな舞台に必須なのが色男。
リゴレットでは、好色男マントヴァ公が、
あちこちに手をだすことで悲劇が起こってしまいます。
今回の公演(2月19日・21日)では
このマントヴァ公を長身の古橋郷平が演じています。
好色男には、ピッタリと思ったのは私だけ!?
20日と22日の公演では
山本耕平さんが演じるのですが、こちらも好色男というイメージにピッタリ。
是非見てみたい~!!
タイトルにもなっているリゴレットは、
オペラの主人公としては当時異質の
「せむし」という肉体的欠陥をもち、
宮廷で主君や廷臣たちに奉仕しながらも
笑いやおふざけで人々を嘲笑しては、うらみを買っている道化者。
主役と言えば英雄的な存在が常識だった時代に、
ヴェルディは、新たな主役像に挑戦した作品となっています。
そのため当時、上演までに多くの関門があったようですが・・・
結果的には、代表作となるほどの大ヒット。
さすがヴェルディですね
今回は、このリゴレットを上江隼人さんが演じていましたが、
宮殿での道化としての存在やジルダの父親の一面、
どのシーンをとっても適役で、ブラボーでした。
またリゴレットの一人娘ジルダは佐藤優子さん。
好色男マントヴァ公を一途に思う気持ちを
ソプラノで歌う声が、とっても切なく響いてきました。
そんな出演者を盛り上げていたのが、
今回の指揮者”バッティストーニ”でした。
二階席から鑑賞していたので、バッティストーニの指揮振りを
全編通じて見ることができたのですが、
とっても躍動的に指揮をされていて、
ついつい見入ってしまいました。
曲の表情に合わせて、全身使っての大きな動きや
写真でよく見かける、両手を振り上げる様子は、
オーケストラの人たちを、より曲にのめりこますものだったように思います。
そこから生まれる演奏は、命が吹き込まれたようで
オペラ歌手の一員としての役割を果たしているかのようでした。
バッティストーニが、このオペラに先がけて講演会を行っていたのですが、
その場で、
という話をしていたそうです。
まさしく、その言葉がぴったりの指揮だったように思います。
アリアや二重唱、四重唱どれをとっても伴奏という位置づけでなく、
オケパートが唄っているように表情豊かでした。
また・・・
第1幕の最後 リゴレットが呪いの言葉に恐れ幕が降りるシーン
第2幕の最後 リゴレットが復讐を誓うシーン
第3幕の嵐のシーン
のバッティストーニの曲作りと指揮での盛り上げ方は必見です。
舞台とともに指揮の様子を見たいものです!
女子クラ部のレポートより → ★☆★ バッティストーニ特集 ★☆★
(こちらに、その時の様子が詳しく書かれています!)
このオペラあまりに見どころがいっぱいで、
語りつくせないのですが、
ラストでのリゴレットが衝撃を受けるシーンは
人生を呪わないではいられないのでは・・・
涙なしでは見られないような、悲劇で幕をとじます。
とても残酷なストーリーですが、
ヴェルディの音楽と舞台セットで
陰と陽の二面をたっぷり楽しめるオペラでした。
素敵な時間をありがとうございました。