水原友良の質疑応答。(前編)
とある質問を佐倉翔也の友人にしてみた。
佐倉翔也という人は善人か悪人か?
全員が全員こう答えるだろう。
「後者、だろうね。恐らく、彼の友人の人たちはそう答えると思うよ」
別の友人たちに、別の質問をしてみた。
悪人と善人、どちらが好き?
「そりゃまあ善人だろう。アンタだってそうだろうに」
それはそうだ。普通の感性ならばそう答えるのが当然だ。
では、佐倉翔也の友人たちにこう質問してみた。
――――佐倉翔也という人間は、苦手か?
「いーや。嫌いでも苦手でもないね。アイツは紛うことなく悪人だけども、アイツは大好きだ。アイツが困っていたら、問答無用で助けてやるぐらいな」
他の全員も口調、声色こそ違うものの、ほとんどがそういう答えだ。
幸せなことに、佐倉翔也の友人たちは彼の事を好いている。
では、何故か?
と、問うてみた。
「何でって言われてもねぇ……。なんとなくっていうのもあるんだろうけど、中々いないよ、あそこまでバカな人は。そうだね、一つ例え話をしてみよっか。
例えば、わたしが何かで困ってるとする。わたしはそれを周りの人たちには隠してた。周りの人も心配するだけで、わたしの悩みの原因はわからないんだ。……でもね、アイツは、翔也は違った。一瞬で気付かれちゃったんだろうね、すぐ訊いてくる。その悩みは人に言ってどうにかなるものじゃなかったから。話すと危害が加わるような悩みだったから。
それを察したんだろうね、翔也は。次の日から姿が見えなくなったと思ったら、その翌々日にはわたしの前に現れた。満身創痍っていうのはアレのことを言うんだろうけど、酷い姿だった。傷だらけで泥だらけで血まみれで、だけどその手には――――」
その手には?
「あはは、なんだか例え話じゃなくなっちゃった…………ま、いっか。わたし、一回脅されたんだ。どっかの変態がわたしの着替えてる姿を写真に撮って、それを下に、ね。大切なものも――――あ、処女とかじゃないよ。そのときはまだ中学一年だったんだから。……いや、まあやばかったけどね?
あ、何その哀れむような目は。やめてよ、わたしはまだ処女だっての!……そういうことじゃない? あははははは……じゃなくて、お母さんから貰った大切なアクセサリーとかも、金になるからって取られちゃったんだけど。このままじゃ、わたしの身体も危ないかなーって思ってたときに、アイツが来て、察してくれて。どうやったのかは想像はつくけど、どうにかして取り戻してくれたんだろうね。写真も、アクセサリーも、脅し取られたもの、全部。
しかもそれだけじゃなくて、その元凶だった男も半殺しになってた。その男たちの周辺の人たちも」
翔也も半殺しに近かったけどね。
彼女は、そういいながらも笑顔で続けた。
「でもアイツは当然のようにその人たちの所に乗り込んで、喧嘩して、ぶっ飛ばして、取り戻してくれた。わたしに何を言うのでもなくね。しかも、渡したときに言った言葉が『じゃ、また明日』」だよ?
あの時は感動したなー。その日学校行けなかったもん、涙で酷い顔になってたんだろうし。勿論、嬉しい涙。元々アイツには惚れてたけど、そっから……って何言わせんだよっ、もうっ!」
…………。
「……あ、ごめん。ええと、何の話だっけ? ああ、アイツを嫌いにならない理由か。だってさ、そんな事を小さい頃からやられてみなよ。近所のガキ大将にいじめられてた、次の日にはその男の子は謝ってくるし、みんなとも仲良くなれたり。”わたしたち”に何かあったら、アイツは当然のように”わたしたち”を助けてくれる。相手がどんな相手でも、そうだなあ、わたしの予想だけど、”国家”が相手だとしてもなんとかしてくれるような気がするなあ。
――――テメェ、俺の”家族”に手ェ出しやがったな、って。
そんな事をしながらも、アイツは自分が苦しいところを見せようとしない。教えてもくれない、ズルいっちゃズルいんだけどね……」
それでも、悪人だっていうのは、何で。
質問していた男は、咄嗟にその言葉が出てきてしまっていた。話を聞くだけなら、悪人と即答できるような人種じゃなかったからだ。
「だって、アイツ。他人には容赦ないし、関心ないもの」
?
「そうだなあ、逆に訊いてみるけど。例えば、道行くところに飢えで困ってるお金持ちの人がいたとしよっか。貴方は充分なほどに食料を持っていて、その食料をその人に与えても、何の問題もないどころか、その人は食料をくれれば充分な恩返しをするっていう。貴方はその人にあげる?」
頷く。
それはそうだ。単純に恩返しがなくとも、彼が欲しがっているものをあげて何の問題もないなら、手渡すだろう。
「でもアイツは違う。話を聞こうとしないどころか、見向きもしないんだ。単純にそこらで襲われている人がいたって見向きもしない。助けられる力を持っているいようが、関係ないんだ。興味を持とうとしないんだ。それが善人かっていうなら、それは違うでしょ?
だから善人じゃない。
悪人かって訊かれると、”わたしたち”は首を傾げるけどね?」
彼女はそういって照れたように笑った。
「長くなっちゃったけど、ようするにそういうこと。アイツ……ううん、翔也はわたしたちを損得勘定抜きで、”わたしたち”を助けることを当然のように助けてくれる。わたしたちにとってのセイギノミカタ。だから、”わたしたち”はアイツが大好き。……断言してるけど、アイツの友人ならみんなそう言うと思うよ。
現に、そうだったんでしょ?」
そう。みんな佐倉翔也という人間が嫌いか好きかと訊かれれば決まって後者を即答した。
「逆にこっちが訊きたいよ。貴方は、佐倉翔也という人間のこと、嫌いなの?」
…………。
「そっか。まだそこまで行かないか。でも、貴方も翔也の友人なら、その内わかるよ。
アイツがどれだけバカで、アホで、どうしようもないほどダメな人間で、
――――どれだけ、わたしたちに優しいかって」
じゃ、わたし用事あるから。
そういって、彼女は笑顔でこの場を後にした。
――――無論、この質問は。銀誓館にいる友人たちではない。
佐倉翔也と別の道を歩み、ただの一般人として過ごしている人たちだ。
質疑はこれでお終い。
次は、応答の番。
佐倉翔也に、答えてもらう番である。
後書く。
約一時間半。しかも下書きなし、一応見直したものの、それだけです。でも趣味で、しかもブログでやってんだからこんなもんでいいんじゃないかなあ。
感想くれると嬉しい気持ちになります。俺が。無いならないで気にしないけど。慣れてるし。
感想じゃなくてもいいけど……フヒヒヒヒヒ。(やめれ
あ、私の作品における運命予報士は一応二名。
影と鏡と虚ろな朧――――坂口真実
性別:女
年齢:17
スタイル:普通。
趣味:読書、読書、読書、家事、料理。
将来の夢:未定。
このまま行けばどっかの家でメイドさんとして過ごしていそうな女性。その内出てきます。
死期を迫る第三者――――水原友良。
性別:男
年齢:14
特徴:眼鏡。
趣味:人間観察、ゲーム、読書、ネット。
将来の夢:不定。
今回の語り部。後半だと普通にキャラとして喋ります。多分。多分。恐らく。
では。
うっしゃあああああああああああ!!!
許可取れたあああああああああああああ!
みなぎってきたwwwwwwwwwwwwww
キャラ崩さないように頑張るぜワイは!!!!
あwせdfrtgyふじこlp;
三角椿をSSに出す許可が取れました。
うあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!(落ち着け
