夜。蛙の合唱は耳に障らないのだが、


鳥がうるさい。


この時期、一晩中鳴くのはホトトギスで、それも不気味で苦手なのだが、


今年は「ケリ」がやってきたかもしれない。



ネットで鳴き声を検索していたこの声が聞こえて、煽ってしまったか?


と、恐怖を覚えるほど鳴き続けている。


もしもケリなら、この辺りでは絶滅危惧種と載っていたが、


そう言われても、絶えず聞き続けるのはうんざりする声だ。


近所も同感だろうかと、隣に住むイトコにLINEをしたら、


「ピィピィ言ってるから、長渕って呼んでるよ」


と斜め上の返信があった。



そんなやり取りをした翌日、仕事でホテルに泊まった。


同室の仲間のイビキが物凄く、


屋外の鳥の声くらい、気にするに値しなかったと思いながら一夜を明かした。



ふと気づくと、ケリ?の声はもうしない。


この一週間で、婚活が無事終わったのだろうか。


思い返せば、朝4時頃から大騒ぎしていたキジの兄さんも、鳴りを潜めたようだ。


季節が先に進むのを感じる。


「都会の喧騒を離れて…」とかいう言い回しがあるが、


田舎もなかなかに騒々しいのだ。