ある冬の日曜日。
 
いつも混んでいる道の駅も、シーズンオフの今なら空いているかと、
 
暇にまかせて訪れてみた。
 
 
駐車場に太鼓の音が響いてくる。
 
何かイベントでもあるのか?と近づくと、
 
太鼓で客寄せしているのは、このお兄さん。
 
隣におとなしくお猿さんが座っている。
 

ちょうどこれから猿回しが始まるところらしく、思わず、見物客の輪に加わった。

 

 

コンビを組んで4年目。

 

お猿の大河くんは、5才とのこと。

 
 
ジャンプ力がすごい!
 
 
竹馬だって得意!
 
 
客の回りをぐるりと歩き、
 
途中で急に口を開いて、シャーッとか言う。
 
「お知り合いでっか?」とりゅうきさん。
 
関西弁の掛け合いが楽しい。
 
 
竹馬のまま、バーの幅も飛び超えられるし、
 
 
縦にしたって、飛べる。
 
 
途中で何度か、顔を揉みくしゃに撫でられて、褒められた大河くんも嬉しそう。
 
もしかしたら、こういう見せ物になっている動物を、
 
かわいそう、と思う人もいるかもしれないと思ったが、
 
きっと、盲導犬と同じように、
 
人の役に立ったり、芸を披露して喜んでもらえる仕事を、
 
楽しんでいるんだろうと感じた。
 
 
時折わざと失敗したりイタズラしたりして、
 
「ちゃんとせいや!」と叱られるけど、
 
きっとこれは、笑いを取るための台本通り。
 
賢いのは、本気で叱られている訳じゃなく、セリフだと理解して演じられるところ。
 
 
逆立ちで階段を上って、隙間を飛んで、また降りて。
 
 
この年齢で、これだけの隙間を飛べるコはいないとの大ジャンプ!
 
 
こんな体勢も、信頼関係あってこそ。
 
 
晴れているように見えるが、時折雪も舞う、真冬。
 
なので、こんな風に頭を下げられたら、
 
ご祝儀を渡さないわけにいかない。
 
 
わずかなご祝儀の御礼として、ポストカードをいただいた。
 
 
 
本当は、この「雪まみれ」を食べるつもりで訪れたんだったが、
 
すっかり体が冷えて、何も買わずに帰った。
 
 
ただ、猿回しを観に来ただけになった。