寝室には暖房器具がない。
 
水銀温度計で見て氷点下と思っていたのは、その実、1℃台だったようだが、
 
どちらにしろ布団がなければ凍死レベル。
 
 
去年あたりから寒さが堪えるようになり、ようやくストーブを買う決断をした。
 
灯油を入れるのは面倒臭いし、エアコンは取付が大変。
 
風が出るヒーターは埃が舞って咳が出る。(掃除しなさい)
 
結果、オイルヒーターが良いのではと思ったが、
 
ネットでピンキリの価格差があり、しばらく選べずにいた。
 
そこに、ホームセンターのチラシが入り、
 
ようやくそれにしようと決めた。
 
 
県内に数店舗あるその店。
 
我が家近くの店に行ったところ、チラシの商品は置かれていなかったので、
 
近くにいたオジサン店員に、取り寄せを依頼した。
 
すると「取り寄せかぁ…」と面倒臭そうな声。
 
「在庫処分の時期なんで取れるか分からないし」と続ける。
 
「今日のチラシですよ?」と食い下がりつつ、
 
変な店員に声を掛けてしまったかなぁと少し後悔。
 
 
すると「あれはどうですか?」と店頭の商品を指さす。
 
それが昨年からずっと店に置いてあった、
 
この店唯一のオイルヒーターであることは、以前から知っている。
 
それはチラシのよりも少し高額なのだ。
 
「チラシのがいいんですが…」となおも食い下がったところ、
 
「現品5,000円引きでどう?」
 
まさかの提案で、チラシ商品よりも安くなった。
 
この店員、もしかして店長だったんだろうか。

(値引交渉をする電器店もあるらしいがしたことがない。
ホームセンターもそういうもんなのか?)
 
 
箱もない商品をその店員が運びながら、
 
レジに値引きの指示をしているところに、
 
「ブロックちょうだい!」と、声を割り込ませた客がいた。
 
たまたまセールの日だったため、
 
私が支払いが終わった後も、次回使えるクーポンなどがレジから吐き出され、
 

ヒーターを抱えた店員は、すぐにブロックの対応はできそうにない。

 
するとその客。
 
「あー!そのストーブはいいよ!ウチでも使ってるよ!」と話し掛けてきた。
 
店員「実は妻を肺腺癌で亡くしてね。
 このヒーターは、病院でも使われていていいよ。
 アナログだから壊れにくいし」
 
と、車まで運ぼうとしてくれている。
 
ブロックの客も売り場が外なのでそのまま付いてきて、
 
ヒーターを褒めちぎる2人に見送られ帰宅した。
 
 
家に着いて焦った。こんなに重いとは思わなかった。
 
中に入っているオイルが循環する仕組みなのだから、重いのだ。
 
箱もないので持ちづらく、爺とやっとのことで二階の部屋に運んだ。
 

 

まず、必ず説明書を読む私。

 

え?2口のコンセントを他と併用してはいけないの?

 

電気毛布も一緒に使いたいのだが!延長コードもダメなのか!

 

よくよく見ると、使うのは6畳の部屋なのに、10畳以上対応のものだった。

 

ぬかった。電気量が大きいのだ。

 
 
やむなく電気毛布のコードを長々遠くから引くことにする。
 
店員が「アナログ」と言っていたが、本当になかなか原始的な仕組み。
 
 
 
 
実際使ってみると、じんわり部屋を暖めるため、
 
部屋全体が適温になるのに時間を要する。
 
「春や秋の暖房を使わない室温」という感じで、
 
ファンヒーターのような明確な暖かさよりは、
 
「寒くない」という感覚に近い。寝るには悪くない。
 
ただやはり、我が家の強烈な寒さに対応するには、
 
電気量の小さいものでは、太刀打ちできなかったかもしれないと思う。
 
(が次回の電気料金はいかに?)