第6回保険が殺した愛
今週もとてもおもしろい展開でした。亜希子は天使なのか、悪魔なのか。強い疑いを持っていながらも、亜希子のやさしさに触れて混乱する向島と、その向島をサポートしながらも向島の動きが読めずに案ずる大野、徹底的に追求しようとする如月と一之瀬の対比が興味深い場面が続きました。来週は最終回。だれることなく、急ぎすぎもせず、丹念に描く内容はとても魅力的です。どのような結末になるか、楽しみですね。
くわしいあらすじ(ネタバレ)です。
「横村さんと心中するつもりだったんだろ? それなのに、なぜ、あんただけ生きているんだよ? 横村さんに何をしたんだ?」向島(伊藤英明)の激しい問いかけに、「私が横村さんを殺したんです」という亜希子(高島礼子)。
「私は横村さんから金銭的な援助を受けていました。一緒に死のうと言い出したのは私。私も疲れていたんです。出会う人、出会う人がみんな死んで行く。これで楽になれると思ったとき、横村さんが言ったんです。もうこれでいい。一緒に死んでくれるかどうか試しただけだって。おまえだけは生きろって」
「いい加減なことを言うな」怒声を上げる向島に「信じてくれないんですね」と冷たく言い放つ亜希子。
「信じてくれなくても、これが真実で、すべてです」
「あんた、いい加減にしてくれ!」
割って入ったのは奥居(山崎樹範)だ。
「僕が保険に入りますよ。亜希子さんはあんたたちの言うような人じゃないって照明してみせます。僕は亜希子さんを信じていますから。亜希子さんを受取人にして保険に入ります」
会社に戻った向島は心配する同僚たちにも心を開かず、あわただしく、ひとり専務のもとに談判に行くが、専務は相変わらず相手にはしない。査定部出身の専務に、向島は間違った保険の支払いはみんなを不幸にすると訴えるが、「心中するという手紙だけじゃ証拠にはならないし、その女に残してやりたいという横村の気持ちは本当だろう。保険金の支払いは決定したんだ」と告げ、部長からは「有給がたまってんだろ? 休め」と、この件から離れることを言い渡されてしまう。
心配する大野(中丸雄一)に「奥居が新しいターゲットだ。目を離すな」と指示し、向島はひとり、警察に遺書を持って行き、事件性をアピールすると、「とりあえず、受け取っておくよ」と、曖昧な返事だった。
亜希子は7000万円と、3000万円の保険金を2回受け取っている。向島はその調査を開始する。
最初の老人のときは、亜希子はハウスキーパーとしてその家にいて、老人が入院したら老人の面倒を看なくてもいい立場だったのに、本当の家族のように付き添いに来ていたという。家族は「父親の面倒なんか看ないのに、遺産の話ばかりしていた」と言い、亜希子は病院の食事なんか食べたくないとわがままを言う老人のために好きなもののお弁当まで作って持って行って食べさせていたという。医師からは怒られていたけれど、とても幸せそうに笑っていたという老人。「そう、保険金は本当に残したい人にあげることができたのね。それはよかった」という看護師の話にはどこにも不信な点はない。
さらに、次の大学教授とは、学生食堂で働いていた亜希子が教授におまけのコロッケをのせてあげたりして親しくなり、それまでさえない、学生にも人気のなかった教授が、人が変わったように明るくなって自信も深め、学生たちとも楽しく会話するようになり、亜希子にプロポーズをするんだと楽しみにしていたのに、飲酒運転の事故で亡くなったというが、この件でもとても幸せそうな話には作られたところがあるようには思えなかった。
一方、向島の考えていることがわからず焦る大野は食事を共にしながら如月に愚痴をこぼすと、「あんな女に保険金を渡してたまるか」と如月は宣言。如月は気するものがある様子だ。
向島は亜希子のアパートに行くが、「まだ、横村さんのことで何か?何を聞いたって、信じられないくせに」とあきれたように言う亜希子。
「横村さんの写真も飾っていないんだな。横村さんはあなたに会わなければ、死なずにすんだ。…わからないんです。なぜ、あなたは横村さんが死ぬのを止めなかったのか」
「幸せそうだった」と亜希子。「私が出会ったとき、横村さんは何のために存在しているのかわからなくなっていたんです。とても退屈そうで…違う生き方を探していて、別の場所に行きたかったんだと思います。私にお金を渡してくれる横村さんは、どこか得意げでとても男らしかった。けど…気がついたときには」と話す
亜希子の横で突然、腹痛を訴える翔の姿が。「救急車を呼んでください」と叫ぶ向島。
病院に入院させ、眠る翔の横で、「向島さん、ご心配をかけました」と明るい顔の亜希子。いつも腹痛を訴えるが、病院では原因はわからず、「あとはケロッとしているんです」という。翔はたしかに目覚めるといつも通りで、元気が出るようにと、手作りのスープを飲ませる亜希子に、5年前の案件がよみがえる向島。子供に飲ませるスープに毒物を混入させていた母親。あのときも子供は腹痛を訴えていたのに、わからなかったのだ。
ちょうどそのとき、5年前の被害者・敦史は容態が悪化して集中治療室に移され、祖父が懸命に呼びかけているところだった。「敦史、目を開けてくれよ。おじいちゃんを見て笑ってくれよ。どうしちゃったのかな?…あっちゃんはね、敦史っていうんだ、ほんとはね」小さく子守唄のように歌う声が病室に流れ、切ない。泣きながら立ち去ることしかできない向島。
大野が一之瀬の呼び出しに出かけてみると、「奥居さんがうちの保険に入ったわよ。書類に不備はないし、こちらとしては受け付けるしかないけど、向島さんは何やってんのよ」と一之瀬は婚約者として受取人の欄に亜希子の名前が書かれた奥居の保険申込書に腹立たしさを隠せない。大野もどうしていいのかわからず、「こっちはこっちで何とかするわ」と言う一之瀬。「これは挑戦なの。保険制度に対する、そして私たちのようにしっかりと自分の足で生きている女に対する…、あの女のしっぽ、絶対につかまえてみせるわ」
※ 次に続きます。