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SecondAct.4「交差する運命」




「―――今、なんと仰いました?」

「朽祈ヒカルとデュエルをし、彼の実力を俺に見せてみよ…そう言った」

「…そう、ですか…」

長髪の男は座に鎮座した白髪の男に悔しそうな声を漏らす。

「…不満か?」

「……いえ、そうではなく…あれになんの価値があるのでしょうか。最早未完の聖杯はない、なんの必要もありません」

「…………」

白髪の男は立ち上がり、長髪の男に近づいて語りかける。

「全て、俺が動かす時の中に答えがある。今は委ねてくれないか」

「………貴方は―――」

「時の概念、全て、全て、俺が決める。無論――未完の聖杯もだ」


~~~


「――――ッ、一体どこに…」

町中を駆け抜ける黒い影。
人探しのため奔走する姿には焦りが感じられる。

雪原と化した大都市に人の姿はない。
それは探し人がいない、という意味ではなく本当に人がいないのだ。
歩いてもいない、店の中にもいない。
辺りを見回す托都だけがこの一帯にいる唯一の人間だ。

「……ヒカル…無事で居ろよ…」

一帯から離れ、更に高い場所へ向かう。

そこからならば町が一望できる。
もしかしたら、と一筋の希望を持ちながら。


~~~


「俺のターン!!……っ」

アルカナと名乗った男のフィールドには、バトルする時にダメージとモンスターを入れ換える《ペテン師ジョーカー》。
先程の攻撃でライフポイントがすでに3000も削られた、下手に動くことはできない。

「さぁどうしました?動かないならばターンエンドと認識させてもらいますが…」

「ッ!カオスグラビティの効果で、レベル8のモンスターをコストなしで召喚する!来い!《カオス・パージ ライトレイザー》!!」
《ATK:2000/Level:8》

光の剣を持つ戦士が銀河竜と並び立つ。

ヒカルは考えていた、端から見れば難攻不落とも言えるであろうジョーカーを破壊する方法を。
そして、それに繋がる手はフィールドに揃っている。

「ギャラクティック・カオスの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、相手フィールドのモンスターの表示形式を変更する!!」
《ORU:1》

「なるほど…安全策に走りましたか」
《DEF:0》

「たとえその効果で俺がダメージを受けるとしても、守備表示ならバトルダメージは受けない!」

そう。守備力がギャラクティック・カオスを上回ろうが下回ろうが守備表示のモンスターに仕掛けられた攻撃ならばヒカルにダメージはない。
ジョーカーは破壊されないがダメージも受けない。
しかしそれだけではダメだ。更にその先、ジョーカーの効果の穴があるとするならば……。

「バトル!!ギャラクティック・カオスでジョーカーを攻撃!」

「っまさか!!」

「どうした、効果を使わなきゃそっちのモンスターが破壊されるぜ」

「くっ!ジョーカーの効果発動です!!」

暗転したフィールド内でギャラクティック・カオスとジョーカーが入れ替わり、バトルは無意味に行われ、消し炭にされたジョーカーはまたフィールドに舞い戻ってきた。

「もう一度!!ライトレイザーでジョーカーを攻撃!!」

「ジョーカーの効果は、破壊耐性も含め1ターンに1度のみ……」

「読み通りだな、やれ!スパイラルレイザー!」

「っあぁぁ!!おのれ…!!」

ジョーカーは守備表示、ダメージは受けないが破壊されたというのはアルカナにとって苦痛だろう。
一手返した喜びより予想通りの弱点でそれを的確に突けたことの方が喜べる事実だ。

「俺はこれでターンエンド!」
《Hand:1》

「ここまでは想定内…むしろ、こうでなくては面白くありません」

「早すぎる負け惜しみか?」

「さぁ、どうでしょう。私のターン、ドロー!!」

アルカナの口元が歪んだ。
手札にあるのは魔法カードだけだろう、ヒカルはそのことを先ほどの宣言でわかっている。
もしモンスターを引いたとすればそれは、

「儀式召喚……」

「私は儀式魔法《詐欺師ジョーカーの復讐劇》を発動!レベルが9になるよう、手札からモンスターを墓地に送る」

だがアルカナの手札に生贄にできるようなモンスターはいない。
ならやることはさっきと同じ。

「速攻魔法《ダイヤの10》を発動!これにより、レベル10のモンスターとして儀式召喚の素材になる!」

「やっぱりそれか!」

「現れろ!《詐欺師ジョーカー》!!」
《ATK:0/Level:9》

ケケケと笑う道化師は先ほどのペテン師と姿こそ変わらないが雰囲気は更に淀み、陰湿なものへと変化したのがはっきり分かった。

「ジョーカーの効果発動!相手ライフを半分借り受けます」

「借り受ける……?」
《Hikaru LP:500》

「エンドフェイズにライフを返さねばなりませんが、これによりジョーカーは相手モンスターと戦闘する時、そのモンスターを無条件に破壊し、攻撃力分のダメージを与えることができます」

ヒカルのフィールドのモンスターは3000または2000と攻撃力が高い、これではライフが戻る前に尽きてしまう。

「バトルです!ジョーカーでギャラクティック・カオスを攻撃!ダークネスエッジ!」

「罠発動!!《ミラーシェード》!!ライフを半分にし、このターン受けるダメージを0にする…!ッ!ギャラクティック・カオス…!」
《Hikaru LP:250》

鏡のようなバリアがヒカルを覆うように攻撃から守る、しかしその守りが届かないギャラクティック・カオスは破壊され、無惨に粉砕された。

「さすがだ!だが、墓地の《クラブのキング》の効果!ゲームから除外することで、このターン発動したジョーカーのライフ返還は無効となる!」

「じゃあライフは…!」

「貴方の元へと戻らない…!!」

墓地のキングが除外されたことで貸したはずのライフは戻らない、つまりヒカルのライフは250で風前の灯。

ギャラクティック・カオスがいなくなったフィールドはやけに殺風景だ。

「私はこれにてターンエンド」
《Hand:1》

次のターンで決めなければ負ける、その確信がヒカルの目の前まで来ている。

「やるしか…ないな…!!」

ぐっと拳を握る。
そこには紅い翼が光輝いていた。


~~~


ハートランドは朝日に照らされている。
絶好の散歩日和だ。

その炎天直下の道を一人、狩也は歩いていた。

――――昨夜の通信。
アミから驚くべき言葉が飛んだ時には狩也自身衝撃的であった。

―――遊矢たちがどこにもいないの!

必死で言葉を繋ぐアミを見る限り冗談とかではないようで、しかも遊矢だけでなくヒカルや托都もなのだから狩也は驚きを隠せなかった。

一体遊矢たちはどこへ行ってしまったのか。

今日狩也が一人なのは、遊矢たちを探すためだ。

「…どこにも、いないんだな」

昨日の町の空気は消え、今日は人で溢れている。
だが三人を見つけるのはいつも容易くて、町で見かけたら必ずそれで間違いないくらいのはずなのに、いない。

「……遊矢」

アミを残していなくなるなんて。
そんな言葉が口から出そうになった瞬間、それは言い訳だと自分に言い聞かせた。

―――アミのため、そうじゃない。

―――遊矢がいなくなってムカつく理由なんて、ひとつに決まっている。



~~~


「それ、使ってはいかがです?」

「ッ…?なんのことだ」

「惚けても無駄です。フリューゲルアーツ、その存在は知っていますから―――其を人形とのデュエルで使用して、錬金術師をうち倒したこと」

アルカナが語るフリューゲルアーツの全て。
聞き終えたヒカルはまた拳を強く握った。

―――知っている、…知っているだと……?

フリューゲルアーツ。
錬金術師との戦いで得た新たな力。
心の闇と対話し、闇を受け入れ理解することで分解し力に変える。
ルクシアが父を取り戻すため遊矢、ヒカル、托都に与えた力……それを知っているということは、

"錬金術師との戦いを全て知っている"

未完の聖杯のこともそうだったが、そんな根の深い話を知っているのだ、間違いなく全てを知ってアルカナはヒカルの目の前に立っている。

更に連中が分からなくなってきた。

「貴方がその宝刀を抜くというのならば、漸くこちらに対し危機を感じたと見なしましょう。だが抜かないのなら、私は容赦なく貴方を抹殺しましょう」

「……そうか」

危機感、か。
とヒカルはぼそりと呟き、ペンダントのように紐で繋がれたフリューゲルアーツを敵前に翳した。

「なら見届けろ。これが、お前が見る最後の輝きだ!フリューゲルアーツ…――解放!!」

解放(リリース)。

呼応するように、黒い光を放つフリューゲルアーツ。
それに飲み込まれるヒカルは一瞬悪鬼のごとき影を見せる。


「おぉ…!!これが――!」


どこかで、紅い瞳が煌めいた。


《Arts Release Mode Nigredo》

蠢く黒翼がデュエルディスクを包み、白銀を放つそれを黒く塗り替える。
Dゲイザーを装着していた左目は黒く変異して敵を捉えた。

「俺の、ターン!!」

引いたカードは逆転の一手。
これならば、勝てる―――!希望は確信となった。

「魔法カード《黒影転生》を発動!墓地とエクストラデッキのモンスターエクシーズを1体ずつ選択し、入れ換える。俺は墓地のギャラクティック・カオスとエクストラデッキのギャラクシー・カオスを入れ換える」

フィールドのカオスグラビティを見る、勝利へのコンボは完成した。

「カオスグラビティの効果により、現れろ!《カオス・パージ カードトランサー》!カードトランサーが召喚に成功した時、デッキから魔法カードを1枚選択し、手札に加えることができる」
《ATK:400/Level:8》

「手札に加えたカードは…!」

「カードトランサーとライトレイザーでオーバーレイ!エクシーズ召喚!フィールドに舞い戻れ、《ギャラクティック・カオス・ドラゴン》!!」
《ATK:3000/Rank:8/ORU:2》

フィールドに帰還したギャラクティック・カオスは歓喜の雄叫びをあげる。
だがまだだ、まだ一手足りない。

「魔法カード《黒夜流星》発動!墓地から、「ギャラクシー」と名のつくモンスター1体を特殊召喚する!降臨せよ!《ギャラクシー・カオス・ダークネスドラゴン》!」
《ATK:4000/Rank:8/ORU:0》

開いた黒い穴から光輝く流星が降り注ぎ、それは竜の形となってフィールドに顕現する。

二体の銀河竜がフィールドに集った。
これが意味するのは―――たったひとつ。

「俺は、ギャラクシー・カオスとギャラクティック・カオスで、レギオンオーバーレイ!二体のモンスターでオーバーレイネットワークを再構築!レギオンエクシーズチェンジ!!」

「ついに…!!!」

「星の声聞く黒き新星、遥かなる想い秘めた力を銀河の起源へ示せ!降臨せよ《ギャラクシールーツ・ブラックノヴァ・ドラゴン》!」
《ATK:0/Rank:8/ORU:2》

黒い翼、それでいて銀に輝く身体。宇宙の全てを宿した眼の竜。
《ギャラクシールーツ・ブラックノヴァ・ドラゴン》、ヒカルがフリューゲルアーツで得た自分の弱さにして強さだ。

「ギャラクシールーツの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、素材となった攻撃力が一番高いモンスターより元々の攻撃力が低いモンスターを全て破壊する!」
《ORU:1》

「ジョーカーの攻撃力は0…」

「そう、戦闘する時の効果が厄介ならそれをせずに倒すまで!バトル!ギャラクシールーツが攻撃する時、攻撃力は素材となったモンスターの合計になる!」

《ATK:7000》

銀河の粒子を一点に集中させ、竜は敵へ牙を向ける。

「攻撃力…7000…!!」

「行け!!《ギャラクシールーツ・ブラックノヴァ・ドラゴン》で、ダイレクトアタック!!クラスターノヴァストリーム!!」

「ぐっ…ぅ、くぁああああああ!!!」

《Arcana LP:0》

銀河の全てを内包する光に巻き込まれ、男の影は白く消えていく。

ARが消滅した時、アルカナは倒れ伏していた。

「…はぁ………」

ヒカルも倒れてはいないが、膝をつき肩で息をし続けていた。
ため息混じりに呼吸を整える。

フリューゲルアーツを使用した時の体力消費は他のデュエルと比較になるものではない。

落ち着いた後、立ち上がってアルカナの元へ向かう。

「答えろ、出口はどこだ」
「……出口…?そんなもの、ありませんよ。ここには」
「なっ……!?」
「最初から、入り口も出口もない。貴方を逃がすと思いますか…?」
「てめえ…!」
「もし、そんなものがあるのなら……ふふっ」

なにかを含むような笑いにヒカルの怒りは静かだが確実に限界を越えそうになっていた。
瞳に紅い光を帯び始めた瞬間、空間に風が吹き込んだ。

「……?」

風の香りは優しげで、どこか寂しそうに感じて振り返る。

「ないのなら作ればいい、貴方ならそうおもうだろう?」

白いマントがはためいて、白銀の髪が揺れる。

ヒカルはその白さに目を開いた。

黒くも白い、あまりに矛盾した長身の男は優しい顔をしながらゆっくりと近付いてくる。

「初めまして、朽祈ヒカル。我が名はトラヴィス―――貴方の時を戻す者」

右手に蒼銀の時計を浮かべ、男はそこに降り立った―――。


~~~


白い道に足跡を残しながら遊矢はハートランドを駆け抜ける。

移り変わる状況に困惑しつつも悲鳴を上げた誰かのために走り、そして声の主を探す。

「誰かー!!いないのかー!!」

大声を上げる遊矢に応える声はない。

本当に誰かいるのだろうか?
疑いかけてその感情を切り伏せる。困っている人を助けずして平和な世界が望めるものかと下唇を噛む。

また声を上げようと息を吸い込んだ瞬間、遊矢の前に人影が現れた。

「あれは…!」

その人は黒いローブを周囲に散らばし、膝をついて苦悶の表情を浮かべている。

なにか事件が起きている。
確信した遊矢は一気に人影に近づく。

そして―――、

「お、前……は…」

紫苑の髪、病的なまでの白い肌、そしてその顔は―――、


あの日遊矢たちをこの世界に飛ばした。

「―――風雅、遊矢……?」

あのデュエリストと同じ顔をしていた。









Next Act→


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【あとがき】

今回の一言、「ヒカルさん本気を出す」。
普段ヒロインだなんだときゃっきゃきゃっきゃ騒いでいますが、遊矢がいないとやっぱりイケメン化してる気がしてならない僕であった。

前回までがだいぶ長かったので今回の本編は短めに、あんまり長すぎると見る気失せるし。
ただしおまけは長いよ!!!!!(クズ)
前回の二本立てもそうだけど盛り上がると打ち込む指の勢いが止まらない。
今日も三時間くらい絶好調でした、そりゃあもう超絶好調でしたよええ。
ヒカルさんが今回はすごく精神的に強い感じに仕上がっててA.Visionなんてなかったいいね?と笑ってしまった。あれだけメンタルボロボロなヒカルは一体どこへ……。
そーんなヒカルのことは気付かぬまま、遊矢と托都は奔走しまくってて草不可避。
ギャラクシールーツも登場して、三体の銀河竜をがっつり出せたのはここにきてようやくまともに書けたなぁと個人的な満足感を得つつ、労力を尽くしきってしまって死に体になりかけているという。
敵であるアルカナも敬語キャラではあるけども同じ敬語キャラのテラと差別化が若干なされているような気がする、いや、差別化はがんばったんだ…結構がんばったんだ。
トラヴィスもここでついにヒカルの前に現れて、今まで傍観していたけど明確に敵キャラだと誇示し始めました。まぁ4話まできてここまで目立たないとラスボス味がなくなっていってる気がしてアカン。
そして遊矢が見つけたある人物、一体何者なのか……何者なのでしょう……?

次回!!またまた世界は移り変わって狩也の元へ!!
遊矢たちを探す狩也の前に現れる謎のデュエリスト、太陽の下で焦がれた勝利へのカウントダウンが始まっていく。
C.Cの真の物語はここからだぞう!!

【予告】
Second Act.5「灼熱の空、嵐と暴風」


















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「……ここからなら、行方を…!!」

正面に偽界樹が佇む高台にやってきた。

ハートランド中を見渡せるこの場所は三人だけが知る秘密の高台だ。
いつからあったかは分からないが托都がヒカルをここに連れてきて、それから何故か遊矢もここを知っている。

これだけ白い町ならば、人の姿を捉えるのは容易だ。
目を凝らして見つめる。

どこだ、どこにいるんだ。

焦りで握った拳から血が溢れていることも気付かぬまま探す。

―――その時、

PPPPPPP…

「なんだ……?」

今まで沈黙していた通信端末から機械音が流れ出す。

取り出して相手を確認する。
もしかしたら遊矢がなにか手掛かりを見付けたのかもしれない。

だがその予想は外れた。

そこに映し出されたアドレスは間違いなくヒカルのものだった。

「ヒカル!?今どこに…!!」

《俺は大丈夫だ托都!それより遊矢が――!!》

「遊矢が……?」

《早くいかないと、取り返しのつかないことになる!俺はいいから遊矢を!!》

「………分かった」

ヒカルの必死の叫びに托都も納得し、高台を降りる。





―――その通話先で不気味な笑みが溢れていることにも気付かずに。




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ふ…ふふっ、時の全ては俺が操る。ということだ、アルカナ、ここの尺を伸ばしてみせよ。

お待ちくださいトラヴィス様!!私が、ですか!?

そうだ!俺がやったのなら間違いなく尺を伸ばすことができてしまうからな、ジカダンパンというやつに行くがいい。

最早時の概念というものとは程遠い話になっていますトラヴィス様!!!


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【新型ディスク説明後の二人のその後…】


「……はぁ…」
「おつかれさまー、本当に一時間で終わらせるなんてやればできる子だな」
「どれだけ俺はお前にナメられているんだ」
「………遊矢よりは圧倒的に格下だな」
「あれと比べるだけ無駄だろう…!?」
「そうだな」
「分かって言っていたのか…」
「托都はいじると面白い反応するからな」
「お前は……一応俺は年上で、お前より人生経験だって長いんだ。馬鹿にされたら困る」
「……へー。じゃあ掛け算九九全部言ってみろよ」
「くっ…!なんたる不覚…!!」
「へし折れるの早いな!?」
「仕方あるまい!大体!デュエリストならばデュエルだけで生きていける!…違うか?」
「プロが言うのもおかしいけどデュエルだけじゃ無理だろ」
「………」
「ま、これで凹んだなら少しは勉強するんだな」
「……はぁ」


END


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【新型ディスク説明後の二人のその後のその後…】


「………」

よもやここにきて遊矢の父親…あの男と対面する機会が訪れるとは…。もう二度とないものだと思っていたが、不思議なこともある。

―――最早奴を屠ろうなどとは思わんが、それでも…いまだに…。

「クソッ!!」

どうしてまた―――、

奴が、俺の邪魔をするんだ…!

「…………」

「…………あのー」

「………ヒカル、空気は読んでくれ」

「……なんというか…壁が凹んで…」

「気にするな、致命傷だ」

「……あと風呂場でそれはビックリしたというか…」

「……その、なんだ、俺もー叫びたくなることはある」

「…あと、1つだけ」

「なんだ」

「托美から聞いたんだが!!間違っても裸で部屋に戻るなよ!!」

「――――そ、そうか…」

いやまて、待てよ。

「何故知っている!?いやっあの女ッ!!」

………。

「…反省しよう」


END