※〈〈読者・なう及びTwitterフォロー・アメブロ外〉〉以外のコメントは固くお断りします。コメントは削除されます上、不快と思った場合はそれなりのコメントをさせていただきます。また、宣伝やいいね返し目的のいいねはお断りします。
※深夜0時~5時までのコメントや読者登録はマナー違反です。おやめください。


===
Answer.8「復活の堕天使」



「遊矢!!しっかりして!遊矢!…デュエルディスク―――」


「触れるな!!」


「!」
「…!あれは……」
「托都、さん…!?」


「…………」

どうしてここに…?もしかして、帰ってきたの!?

「遊矢は無事か」
「見りゃ分かるだろ、無事なわけあるかよ」
「…そうか。デュエルディスクは俺が回収する、なにされたか分からないからな」
「は、はい!」

確かに、あのテラって人がよく分からない光を放ってたのは見てたけど、あれが、デュエルディスクを壊すということなの…?

「遊矢…」
「アミ、」
「狩也くん……」
「アイツが簡単にくたばるわけがない。くたばるなんてのは、俺が絶対に許さない」
「……そうよね」

遊矢が簡単に死んじゃうわけがない。
信じよう、遊矢を。

「狩也くん!アミちゃん!」


「!雪那!!」
「慶太くんたちも!」
「……」

「っ遊矢さん!?」
「……一体なにがあったの…?」

「その前にまずここを出ましょ、遊矢が…」

「……そうだな!」

こんな場所にずっといたらそれこそ危ないもの、早く遊矢を病院に…!

「ハートランドに行くぞ」

「えっ?」

「その方が都合が良いだけだ」

「…分かったよ」


~~~


「…………」

あれからもう1週間…。

遊矢は目が覚める気配もない。

ハートランドに連れていってすぐに托都さんはどこかに行ってしまったし、狩也くんもそんな托都さんに対してまた喧嘩を吹っ掛けようとしてたり…。
私達もどうしたらいいか分からなくて…。

それに、もし目覚めた時に、デュエルディスクを壊されたんだって分かったら、遊矢は……。

「…アミちゃん?」
「!ごめんね!ボーッとしてた…」
「……今日のお勉強、おしまいにしましょ!」
「えっ?」
「お見舞い行かなきゃ、狩也くんがまた托都さんと喧嘩しそうだから…」
「そう、だね」

みんな、このままじゃ……。


~~~


「……」

「また来ていたのか」

「…一言余計だ」

「間に合わなかったからこそ、気持ちは分かるがな…」

間に合わなかった…?そういう問題じゃない。

「奴を倒すのは俺だ。そこに遊矢を巻き込んだことが問題なんだ」

「ほう?」

この力はそのための力。
目的がなんであれ、あの時の屈辱は果たさなければならない。
………天城カイトの言っていることもあながち間違いではない、か。

「あ、カイトさん」

「…!」

「アミか」

「托都さんもいるなんて、珍しいですね」

……一言二言が余計だ…。

「なにしに来た?」

「遊矢くんの様子を見に…」

「なにも変わってない」

「……そうですか」

なんだこの空気は、こんなことのためにここに来たわけじゃないんだが…。

「托都さん!」

「………」

「詳しく、あのテラって人の話を聞きたいです」

「…なるほどな」


~~~


いよいよ終わりの始まり――計画遂行の新たな道を造り出す時が来た。

「マスター、準備はできています」
「いつでも扉を開けますよぉ~」
「おいヘイル、なんだそりゃ」
「これ?…そこのから貰ったのよ」
「ほーぅ?」

「溢れ話はもうよい、―――この力を以て、我が計画は最終段階へと移行する。さぁ、救世の力よ、我が世界の扉を開きたまえ」

「――――はい」

「うぉっ!?まぶしっ!!」
「喧しいわよ」

「おぉ……!これが……!」

「………」

私が求めたもの――!!

「救世の、装甲………!」


~~~


「じゃあ、あの時……」

「さすがに死ぬかと思ったがな…なんとか生きている」

托都さんが傷だらけの左腕を抱えてきた時も、遊矢と同じようなことが……。

「奴らがなんのためにしていることかは、全く俺も理解ができない…だが、止めるべきだというのは間違いないだろうな」

「…そうですね」

世界中で同じような事件が増えてる、…早く止めなくちゃ。遊矢のためにも。

「―――あの!!」

「ッ…てめぇえ!!さっきから聞いてればぁッ!!」

「!!」

「えぇっ!?」

女の子――――!?

「ッ!なんの真似だ、これは」
「すかしてんじゃねえよ…思いっきり偽善者ぶりやがって!!」
「なんだと…」
「アンタがいればアイツは―――!!」

「やめて!」

「!アミ……!?」
「…!」

誰か分からないけど、突然襲いかかるなんてそんな!

「托都さん、見た目よりは優しい人だから!話せば分かるよ!」

「み、見た目より……?」
「アミの頼みでもそいつぁ聞けねえ相談だ!!」

私のこと、知ってる……!?

「コイツはオレにとっての敵だ…!ぶっ倒す!!」
「…まさか人形の仲間か…?」
「はぁ?んなわけねえだろッ!」

……なにがどうなってるの……?

「オレの名はエース!さぁ、オレと戦え!!デュエルだ!!」

「…そういうことか、良いだろう。慣らし運転がてらに片付けてやる!」

「二人とも落ち着いて!!」

「落ち着けるものか!!」

「そういうことだ、下がっていろ」

も、もう!!わけわかんない!!

「「デュエル!!」」


~~~


「はぁ…!はぁ…!」

お父さん……。

早く、早く見つけなきゃ…!

この力を扱える人たちを、あと二人を…!


~~~


「先攻はもらったぜ!オレは《Bs-白銀のアロー》を召喚!」
《ATK:1500/Level:4》

「バーストソニッカー!?」

「…いつの間に種類が増えたのか」

………まさかな。

「更に《Bs-爆風の銃士》を特殊召喚!!このモンスターは手札を一枚墓地に送ることで特殊召喚できる!」
《ATK:1700/Level:4》

「レベル4のモンスターが二体!」

「オレはレベル4のアローと爆風の銃士でオーバーレイ!!エクシーズ召喚!現れろ《Bs-蒼穹のバリスタ》!!」
《ATK:2100/Rank:4/ORU:2》

エア・ストリームソードと同ステータスモンスター…?これはやはり、偶然ではない…のか?

「蒼穹のバリスタの効果発動!1ターンに1度、オーバーレイユニットを一つ使うことでオレの手札1枚につき400ポイントのダメージを与える!手札の枚数は2枚!よって800ポイントのダメージ!!」
《ORU:1》

「っ!」
《Takuto Life:3200》

「カードを1枚伏せて、ターンエンドだ!さぁ早くしろ!!」
《Hand:1》

だがもしそうだとして、理由はなんだ。どうしてこんな場所にいるんだコイツは。
しかもさっきから意味不明な言動ばかり…。なにか知っているとすれば、聞き出す他はない…!

「俺のターン!俺は魔法カード《シャドウスフィア》を発動!デッキからレベル4と8の闇属性モンスターを1体ずつ選択し墓地に送ることで、カードを1枚ドローできる」

「ヘッ!たかがドロー1回だけの魔法カードかよ」

「焦るな、これだから子供は……」

「!!て、てめえ……!」

……?
なにかがおかしい、奴にしては違和感があるような…。

「手札の罠カード《クラウン・リンカーネイション》を墓地に送り、効果を発動!」

「手札から罠カード!?」

「このカードは、このターン墓地に送られたモンスターを攻撃力0で全て特殊召喚できる」

「そのための《シャドウスフィア》か!!」

「フィールドに舞い戻れ!《ネクロスフィア エレメントコア》《ネクロスフィア モルフィーネ》!」
《ATK:0/Level:4》
《ATK:0/Level:8》

「いくらモンスターを二体揃えても、レベルが揃わなきゃエクシーズ召喚もできねえ!」

確かに、レベルが違うのならエクシーズ召喚はできない。レベルが違うならな。

「エレメントコアの効果、特殊召喚に成功したこのモンスターはエンドフェイズまでレベルを倍にすることができる!」
《Level:8》

「なにっ!?」

「これでレベルが揃ったわ!!」

行くぞ、これが新たな力だ。

「レベル8となったエレメントコアとモルフィーネでオーバーレイ!二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!」

「(俺の読み通りなら、ネクロブラッティが来る…!)」

「紅き世界の神霊よ、幻影の闇纏う翼で大空を舞え!降臨せよ《機械堕天使 シャドウ・ハルシオン》!!」
《ATK:3000/Rank:8/ORU:2》

「なっ……!?」

「シャドウ……ハルシオン……」

これが、シャドウ・ハルシオン……。


~~~


あの時に俺、しっかりヒカルの手、握れてたかな…。

あぁ、ちゃんと握ってた。絆の光はちゃんと輝いてた。覚えてるよ、俺。

でも―――俺が、離したんだ、今度も。



―――これからも仲間として隣に居たい。だから、目を覚ましてくれ…遊矢、


「…………ヒカル…」

俺、また守れなかった。

「…デュエルディスク……」

……そうだよな、負けたんだよな。俺、また負けたんだ…!

「……っ…う…ぅ………ごめん……ごめんな……っ…!」

今のままじゃ、ダメなのに、俺は……。


「………バカ遊矢……」


~~~


「なんだよ…!シャドウ・ハルシオンなんて聞いたことねえぞ…!!」

「そうだろうな。これは俺が、今『初めて召喚した』モンスターだ」

「なん…だと…!?」

この反応のしよう……あぁ、そういうこともありえるわけか、ならば仕方がないな。

「シャドウ・ハルシオンでバリスタを攻撃!トワイライトレイン!」

「罠発動!《バレットリカバリー》!!相手はカードを1枚ドローする代わりに、戦闘を無効にし、相手モンスターを破壊する!」

「無駄だ。シャドウ・ハルシオンが戦闘する時、相手の魔法・罠カードを1度だけ無効にすることができる」

「くそっ…!!」
《A Life:3100》

バリスタは破壊したが、まだアレを残しているとしたら気は抜けないか。

「カードを2枚伏せ、ターンエンド」
《Hand:3》

「このデュエル…どうして、見覚えがあるの…?…エース、貴方もしかして……」

「…っくせぇ……」

「…?」

「いつだってそうだ、アンタがオレたちの平和を砕く…アンタがいるとみんなが不幸になる!!」

「……エース…?」

なにを言い出すかと思えば……。

「俺はお前と面識はない、とやかく言われる筋合いはないが?」

「うるせえッ!!」

「………」

「アンタが偽善者ぶったせいで…アミも…」

「…!」

「みんなみんな…!!オレの前からいなくなっちまった!!全部全部アンタが―――!」

「いい加減にしろ!!」

「!?」

「聞いていれば他人の話を俺に押し付けたがるか…いいかよく聞け!!俺はお前の兄じゃない!!この世界の風雅遊矢の兄だ!」

「…遊矢……!?」

「………」

俺の推測が正しければ、コイツは別世界の遊矢で間違いないはず…。
まぁ、性別は関係ないということでいいだろう。

「分かってる、分かってるけど止まらねえんだよ…!!アンタがいなきゃ、よかった。でも、アンタが間に合えば遊矢が犠牲にはならなかった…だからアンタはどの世界でも変わらない。それなら、オレがこの手で叩き潰す!!」

「……どうしてそうなる…」

「オレのターン、ドロー!!俺は《銃弾蘇生》を発動!!墓地から「Bs」を1体選択し特殊召喚する!!復活しろバリスタ!!」
《ATK:2100/ORU:0》

…こんなデュエル、付き合っていられない。

「装備魔法《ブレイザーカノン》をバリスタに装備!!行けっバリスタでシャドウ・ハルシオンを攻撃!!」

「攻撃力が低いモンスターで攻撃を…!?」

「《ブレイザーカノン》を装備したモンスターの戦闘ではダメージは発生せず、相手モンスターは破壊されその攻撃力分のダメージを与える!!」

シャドウ・ハルシオンが効果を無効にできるのは自分のターンのみ…この効果は防げない。
そして、あえてバリスタを召喚したのはその後なにかしらの方法でオーバーレイユニットを手元に戻し、効果でトドメを刺す寸法か。
悪くはないな。

「くっ…!」
《Takuto Life:200》

「托都さん…」

「《ブレイザーカノン》は戦闘後、破壊することでモンスターエクシーズのオーバーレイユニットとして使用できる!バリスタの効果、オーバーレイユニットを1つ使い手札一枚につき400ポイントのダメージを与える!これで仕舞いだ!!食らえ!!」
《ORU:0》

だが、その効果―――利用させてもらう。

「罠発動!《パラドクスゲイナー》!!相手モンスターエクシーズの効果によって発生した効果ダメージを無効にし、墓地からモンスターエクシーズ1体を特殊召喚する!蘇れシャドウ・ハルシオン!」
《ATK:3000/ORU:0》

「効果を無効に…モンスターを復活!?」

「そして、速攻魔法《オーバーレイ・タイフーン》を発動。俺の手札を二枚まで選択し、モンスターエクシーズのオーバーレイユニットに変化させる」
《ORU:2》

「くっそ……ターンエンド…!」
《Hand:1》

あの人形の時よりも体力使ったかもしれないぞ、そこは遊矢らしさと捉えるべきか。

「俺のターン、ドロー!シャドウ・ハルシオンの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、相手モンスター1体を選択、そのモンスターの効果と攻撃力を得る!俺はバリスタを選択!」
《ATK:5100/ORU:1》

「なにっ!?」

「バリスタの効果を得たことにより、効果を発動。オーバーレイユニットを1つ使い、手札1枚につき400ポイントのダメージを与える。手札は4枚、よってダメージは1600!」
《ORU:0》

「うぁっ!」
《A Life:1500》

終わったな。

「シャドウ・ハルシオン!バリスタに攻撃!トワイライトレイン!!」

「っくしょう…!!うぁあああっ!」

《A Life:0》

「……」

複雑……だ、自覚していたつもりだが……。
やはりどの世界でも疫病神か、俺は。

「…エース、」
「……アミ…」
「貴方は本当に遊矢なの?」
「…知りたかったら人形どもぶっ倒せよ…」
「……そう」

「じゃあな」

「おい、」

「…んだよ」

「ヒカルのことは、任せておけ」

「……しくじったら次はぶっ殺す」

…そう言われてしまっては余計に使命感が増すものだ。

だが、…次はきっと。


~~~


「おい遊矢!!」




「!!…慶太……」


~~~


「入るよ遊矢くん…?」

……………。

「遊矢く………!?」


「雪那ちゃん…?」

「アミちゃん……!」

「どうしたの!?」
「…?」

「遊矢くんが、…遊矢くんがいなくなっちゃったの…!!」

「えっ…!?」








→Next Answer


==================
【あとがき】

今回の一言、「俺の弟がこんなにめんどくさいわけがない」
エースさんご乱心、仕方ないね。しかし弟がいたと思ったら妹がいて別世界から弟じゃなくて妹が来たとか混乱するわ。

後のヒカルの黒歴史である(迫真)
意識があろうとなかろうと問答無用の黒歴史認定に脱帽せざるを得ない、世界よこれがヒロイン()だ。
でも次回とか正気な頃の台詞あるだろうからいいよね、多分いいよね(脅迫)
散々設定で名前だけ公開されてたのがついにお披露目でした!よかったね托都!
名前的に物騒な奴と違ってシャドウ・ハルシオンは幻影的でなんかかっこいいイメージなんですが、どうなんですかね…効果も強いし…。
アミちゃんのヒロイン力大好き、超好き。でも最近やっぱり遊矢遊矢言ってるから軌道修正し始めてる感ある。彼女は柚子ではない。
遊矢がかわいそうだと言ったけどかわいそうだからこそ逆境から乗り越える力もあると俺は信じてるってばよ!!
次回は遊矢回だからね!というかやっぱ幼馴染関係の回ってホント輝いてて好きだわ…。
さぁ……そろそろ反撃が見たくなってきたなぁ…。


【予告】
Answer.9「絆の光」


===


ま、まさかエースが遊矢だなんて…。

しかし、奴はなんなんだ。俺がなにかしたか、むしろ俺は何かされた側の被害者だ畜生め。

托都さんも…そんなこと言わないでください…!!

ふんっ…子供のお守りのために年齢設定が無駄に上がっているわけではないんだぞ…。

メタ発言はやめてください!!?


~~~

【刻印修復の間…2】


「ふむ…これにて全て終わったわけだが…」
「………よく分からん」
「どうだ。痛覚機能が格段に上がっている」「上がっている…、という問題か!!というか何故上げた!?」
「ハハッ息子に嫌がらせをするのは実に悪くない気分だ」
「嫌がらせだったのか!?これのせいで8年も悩まされていた俺の苦労も知らずに…!」
「ほう?例えるならばいついかなる時に」
「ただ腕が他人にぶつかっただけでうずくまる程度には激痛だ!」
「他人に…ぶつけるとな……!」
「そこで笑うか貴様!」
「だが、…ふふっ……そうさな、…ならば擽ってみてはいかがなものか、試したことはないな…?」
「お、おいなんだその手の動きは……」
「我が次への礎になるがいい!我が息子よ!」
「ひっ!?断る!!」

「逃がすものかァ!」

「早く人間界に帰せこのダメ親父がッ!!」


END