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Answer.3「風燻る少女」
「…あーん?」
え、マジで?あれが実力?ちょっと弱すぎやしねえか?
「どういうこった、俺の知ってる風雅遊矢より圧倒的にザコいんだけど」
もしかして、偽者か?
……いやいやまさか、見た目的に鏡と合体はしてないぞコイツ。
ならば…、
「直接会って、確かめるしかねえな」
~~~
「――――、……」
ここ、どこだ。
「……あぁ、そういうことか…」
遊矢、負けたのか…。そっか。
それでこんなところにいるわけだ、納得できないけど現実は見るべきだな。
「…?」
「お目覚めか、待ちくたびれたぞ」
「…お前は……」
「マスターがお呼びだ、来てもらおうか」
「ふんっ、人形ってのは客人の扱いを弁えてないわけか」
「…我々の手中にある中、よくもそんな口が利けたものだな」
牽制には反応するのか、人形というより最早人間だな……。
「マスターからの命だ、お前には傷を負わせず連れてこい、と」
「ふーん?」
「抵抗しなければ五体満足でマスターの元に連れていってやろう。私はこう見えて極めて短気なものでな」
「……そうかよ」
もしかしなくても、コイツら、かなりヤバイ連中なんじゃ……。
~~~
ヒカル、無事かな……。
「遊矢…」
「………」
「参ったな、遊矢がこの調子じゃ…」
「もう、しっかりしなさいよ遊矢!!クヨクヨしてたらなんにもできないじゃない!」
「そうだけどさ」
確かに、アミの言う通りだ。
なにもしないままじゃ状況は変わらない、でも……!
「…困った」
「遊矢がこんなんだから托都さんもどっか行っちゃったしなぁ…」
「遊矢さん…」
…俺に今できること、なにか、ないかな。
「悪い、ちょっと一人にさせて」
「遊矢くん…」
「雪那、」
「狩也くん…」
「今は一人にさせてやれ、仕方ない」
ヒカルを連れ戻すために、今なにができるか……どうすれば、いや、なにをするか…!!
「…きたきた、さぁて、パーティーの始まりだ」
~~~
『今度は、何用で来た。托都』
「分かりきったことを言わせるな、お前も分かってるだろう?」
『…断絶した刻印を修復しろと』
「そうだ」
今のままではデュエルができない、奴らへの対抗策はなにもないままでは…。
『…可能だが、元の状態には戻せん』
「つまり、またしばらく力を制御できなくなると」
『そうだ、だが…今回は我に考えがある』
「…ほう?」
『お前に負荷がかからぬ唯一の方法がな』
以前、あの時のようにならない方法があるというのか。
『どうする、全てはお前次第だ』
「…構わない、その方法、試してみろ」
~~~
「…雨、いつ止むかな……」
もうしばらく降ってるかな………。
「なんだぁ?その顔!間抜け面引っ提げて雨ン中で独り言たぁ随分とぼっち臭漂わせてやがる」
「…!!お、お前……」
なんだ、この違和感……俺に似てる、じゃない…!似すぎか!?
「察しが良いとこだけか、お前の良いところ。なぁ、遊矢?」
「…俺のこと、知ってんのか」
「まぁなぁ?」
俺そっくりな…女の子だよな……。でも、敵なのか?味方なのか?
「さて、無駄話もしてらんねえし、とっとと始めるか」
「な、待ってくれよ!お前誰?なんでここにいるんだ?」
「俺?そうだな、名前がないのは不便だな。うん、エースとでも呼びな」
「エース……」
「さぁて、やってくれんだろうな?アーマードのデュエリストさんよぉ!!」
エース……こいつも、プロムたちの、仲間なのか…?
~~~
「マスター、お待たせ致しました」
「うあっ!!」
「ご苦労」
普通動けないのにそのまま落とすかよ…!!
「ようこそ少年、我が名はヴェリタス。君の主となる者だ」
「主か、俺は誰にも仕えないし命令もされたくない。他を当たるんだな」
「…呪縛の術式を使ってここまで抵抗できるものか、やはり内側を縛ることはできないと」
なに言ってんだコイツ。
体は動かないけど声が出ないわけじゃない、俺の意思も変わらない。
だからこそ、屈するわけにはいかない…!
「君は強い意思を持っているようだ」
「お褒めに預かり光栄だよ」
「そうか、しかし君が持つべきはそんなものではない。いや、なにも持つ必要はない」
「…なんだと……」
「君の使命も、希望も、未来も、もうすぐ終わる。君が終わらせるんだ、最終戦争で」
最終戦争……托都が人形から聞いていた話と同じ…だが、俺が終わらせるだと…!
「ふざけるな!貴様の勝手な野望のために俺が世界を滅ぼすと言うのか!!」
「そうだ」
「なっ――!!」
「いや、厳密には君ではないか。君の姿をした彼ら人形と同じ『心を持たぬ者』だな」
こいつ、一体何を考えている…!
大丈夫、協力してなるものか…俺は俺だ、俺がすべきは世界をコイツらから守ることだ…!
「…!貴様、返せ!!」
「君が身に付けるべきなのはこんな思い出でできたものではない、…そうだな、君には「裏切りの聖遺物」を授けよう」
裏切りの、聖遺物……。
「テラ、」
「はい、こちらに」
「…なんの、つもりだ」
「『レーヴァテイン』、錬金術を用いて裏切りの杖の欠片で造り上げた髪飾りだ」
「錬金術…そんなものが存在するわけ…!」
「あるのだよ、君にはまだ分からないだろうがね」
錬金術だと、遥か昔の人間の戯言を、人間がそんなものを使えるわけがない…。
「身につけた君の心をレーヴァテインが突き刺し、心を壊す」
「冗談じゃない!俺の心を動かせるのは俺だけだ、誰にも壊せるものか!」
「ならばあがいてみせるがいい。最も、君に呪縛を解く術があったならの話だが。ヘイル、頼むぞ」
「了解ですわ、マスター」
大丈夫、きっとトルテの時ほどのものはないはず。強く、強くあれ、そうすれば―――きっと…!!
「―――あ、っぐ!?」
「…さぁ、いつまで自分を保てるか」
「見物ですね」
なんだ…これは……、闇に飲まれるような…自分が、塗り替えられていくような…この感覚は―――!!
「あ、ぁあ…、ぐっ…ぅあぁあああああぁぁ!!ふぅっ、うぅ…!うぅぅぁぁ……!」
「意思の強さか…」
「彼の装甲には治癒能力があると聞いている、なるほど」
「うぅ、ぅぁぁ……ああぁぁああ……あ、ぁ…」
ダメだ、飲まれたらいけない、塗り潰されるな、俺は俺だ、俺を動かすのは俺だけだ、こんな……こんなものに……!!
「辛いか?」
「うぅう…ぁ…だ、まれ……!」
「裏切りに身を任せよ、そうすれば楽になる」
「そんな、こと…!くっ、うぅ…あぁぁ…!」
「ならば君を癒すその装甲から、奪い取ってやろう」
アーマードを、奪うだと…!?力を失っても消えなかったものを……コイツが…?
「さぁ、私の目を見るのだ」
「っ……!!」
「目を閉じるとは、いけない子だ」
「やめっ…ぐっ…!」
目が、離せない…!嫌だ、アーマードが、奪われたら……!
「ぐっ、ぁ…!あっ…ぁぁ……そんな……」
「…救世の装甲、それ以外は封印した。君の二対の目の輝きも、治癒能力も、失われたということ。…救世の装甲が世界を滅ぼす、どんな気分だ?」
「…くっ、ぁ…ああ……滅ぼす、…ものか」
「なに?」
みんなに、迷惑を、かけたくない…!
だから、
「抵抗して、やる……、あんまり、俺(コイツ)を…ナメるな、よ…っ……」
「…堕ちたか」
「あれが、覚醒体……?」
「強い精神の裏にはあれが潜んでいたか」
「…装甲の治癒能力を失った今では、ただの可愛い抵抗だ。部屋に連れていけ」
「よろしいのですか」
「問題はない。心は次第に着実に、壊れるものだ」
~~~
「さぁ抜けよ!風の剣を!」
「っ!!」
やるしかないのかよ…!
「安心しろよ、俺ァ人形なんかとカンケーねー」
「…えっ」
「単におめーの実力拝見に来ただけだしな、やるかやらねえのか、返答してみろ!!」
プロムたちとは関係ない……のか。
「なら、売られた勝負は買うしかないな!!」
「ノッたか!良いぜ、抜いてこい!!お前の剣を!!」
「Dシューター、展開!!」
「デュエルディスク、セット!!」
「Dゲイザー、セット!」
《ARヴィジョン、リンク完了》
「「デュエル!!」」
「先攻は俺だ!俺は《Bs-白銀のアロー》を召喚!!」
《ATK:1500/Level:4》
バースト、ソニッカー……!?
スカイソニッカー、ゼアルソニッカーとも違う新たなモンスター!?
「更に俺は手札から永続魔法《弾薬精製》を発動!自分フィールドに「Bs」と名のつくモンスターが召喚されたターン、そのモンスターと同じレベルのモンスターをデッキから特殊召喚できる!来い!《Bs-蒼天のリボルバー》!」
《ATK:1400/Level:4》
「早速レベル4が揃った…!」
「レベル4のアローとリボルバーでオーバーレイ!!二体のモンスターで、オーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!炎より来たれ魂を打ち込む力、今こそ世界に鉛をぶっぱなせ!!《Bs-蒼穹のバリスタ》!!」
《ATK:2100/Rank:4/ORU:2》
バーストソニッカー……一体どんなモンスターなんだ!
「蒼穹のバリスタの効果!1ターンに1度、オーバーレイユニットを一つ使うことで俺の手札1枚につき400ポイントのダメージを与える!手札の枚数は3枚!」
《ORU:1》
「初っぱなから大ダメージかよ!」
「鉛玉を食らいやがれ!」
「うわっ!!」
《Yuya Life:2800》
「カードを1枚伏せて、ターンエンドだ!」
《Hand:2》
つえー…これがバーストソニッカーか…!
でも、俺にも負けられない理由がある!!
「俺のターン、ドロー!!俺は《Ss-ワンダー・ブレーダー》を召喚!更に《Ss-スマッシュブラスター》を特殊召喚!こいつは自分の手札に風属性モンスターがいる時、手札から特殊召喚できる!」
《ATK:1900/Level:4》
《ATK:1700/Level:4》
「レベル4が二体、てめーも揃えてきたか」
「レベル4のワンダー・ブレーダーとスマッシュブラスターでオーバーレイ!エクシーズ召喚!来い!《Ss-エア・ストリームソード》!」
《ATK:2100/Rank:4/ORU:2》
攻撃力は同じ、でも!!
「行け!エア・ストリームソードで、蒼穹のバリスタを攻撃!!」
「相討ち狙いか!」
「違う!エア・ストリームソードの効果、オーバーレイユニットを一つ使うことでこのモンスターのバトルでの破壊を無効にし、ダメージを半分にする!ウィングバリア!」
《ORU:1》
「罠発動《弾幕》!バトルによる破壊を無効にし、俺の手札1枚につき300ポイントのダメージを与える!900のダメージを食らえ!」
「っ!!」
《Yuya Life:1900》
しまった、返り討ちに合うなんて…!!でも、まだまだこれからだ!
「墓地のワンダー・ブレーダーの効果発動!このモンスターを除外することで、エア・ストリームソードの攻撃力を800ポイントアップさせ、もう一度バトルできる!」
《ATK:2900》
「なにっ…!」
「エア・ストリームソード!もう一度攻撃だ!ストリームブレード!!」
「チッ…!!」
《A Life:3200》
なんとかライフを削れた!
ダメージを与えつつ身を守る……マジで弾幕って感じだな。
「カードを2枚伏せて、ターンエンドだ!」
《Hand:2》
「中々やるじゃねーか、悪くねえ」
「そりゃどーも!褒められたら照れるじゃねーかよ!」
「だけどな、俺の方がスゲーぜ。体も温まってきたし、こっからが本番だ!瞬きせずに見てろよ!」
い、一体どんなことを…!!
「俺は、光の蒼穹で――オーバークロス!!」
「オーバー、クロス…!!?」
つまり、アーマード!?
「そうだ、お前と同じ輝き。それが俺に宿った力――天に放つ永久の力、ルーンエターナルアーマードだ!」
「ルーンエターナル、アーマード…」
あれが、アイツの…!?いや、俺とヒカル以外にアーマードをちゃんと使える奴が、存在するなんて…!!
「さ、こうなったからには、全力の俺を存分にお見せするぜ!」
全力のアーマード…なら、俺も受け止めきってやる!全部受けて、
「俺が勝つ!」
「そうこなくちゃな、俺もアーマードを見せた甲斐がねえ」
「さぁ来い!エース!」
「あぁ!やってやるさ!!やるしか、ないじゃん!!」
→NEXT Answer
=================
【あとがき】
今回の一言「中に誰もいませんよ」
ヒカルの中に人がいるわけないだろ!!…いや、いるけどあれって人なの?俺も正直カテゴライズできないんですが。
プロデュエリストの顔になんてことを…!!と言わざるを得ないくらい今回のヒカルは珍しくアレだった気がする。こんなの鏡編でも見られなかったよ!!
あのヒラヒラな腋が見えるあの服装だと思うと若干犯罪臭が増している気がする、男じゃなかったらアウトだったというか髪長すぎてグレー。そしてヴェリタスのあの台詞回しである。動けないいたいけな少年を顎クイなんて!!…いた、いけ…?
ちなみにメインキャラのヒカルさんですがしばらくは基本ちょい役でしか出番ありません。嘘だろ承太郎。
「救世の装甲」がどこで絡むかを楽しみにしててね!
さて、錬金術組を語っている暇があるなら新キャラの話しろっていう。
まさかの遊矢そっくりな新キャラクター「エース」ちゃん。女アーマード使い初!!おっぱい要員とか言わないのそこ。
遊矢は言わずと知れた剣。ならばエースちゃんは弓・銃器がモチーフになってます。
ツイッターとプロフィールでは公開してた謎ヒロインAちゃんなわけですが、ネタキャラかと思いきやめちゃくちゃ重要キャラっていう。どういうことなの。
口は悪いけど悪い子ではないです、むしろ良い子。ちょっと不器用なだけだから!!
抜けよ(意味深)が頭に残って離れないとかもう言えない。
すっかり埋もれてるけど托都がまた死亡フラグ立ててる、もうやだこの兄貴。
次回!!「永久の装甲」アーマードの少女に遊矢はどう対抗するのか…!?
エースのアーマードに対抗するために遊矢はホープ・オブ・ソードを呼び、デュエルは更にヒートアップ!
【予告】
雨は止み、虹が覗く空の下。永久の装甲を目の前に、風は吹き大地は芽吹く。
誰かを守るため、誰かといるため、その力で強くなった少年は失ったモノを取り戻すため、更なる強さを得るため、目の前の強者に向かっていく。
Answer.4「ちっぽけな勇気」
~~~
どうだ!!俺こそ新たなアーマードの使い手・エース様だ!
主人公交代、A.Visionのヒロイン、最強デュエリストの名はほしいまま!それでは皆さんご一緒に!!
キャンディーみたくあまったるーい!!
きゃー決まったー!こりゃもうみんな俺についてこい!
って、おっと、誰か来たようだな。
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Answer.3「風燻る少女」
「…あーん?」
え、マジで?あれが実力?ちょっと弱すぎやしねえか?
「どういうこった、俺の知ってる風雅遊矢より圧倒的にザコいんだけど」
もしかして、偽者か?
……いやいやまさか、見た目的に鏡と合体はしてないぞコイツ。
ならば…、
「直接会って、確かめるしかねえな」
~~~
「――――、……」
ここ、どこだ。
「……あぁ、そういうことか…」
遊矢、負けたのか…。そっか。
それでこんなところにいるわけだ、納得できないけど現実は見るべきだな。
「…?」
「お目覚めか、待ちくたびれたぞ」
「…お前は……」
「マスターがお呼びだ、来てもらおうか」
「ふんっ、人形ってのは客人の扱いを弁えてないわけか」
「…我々の手中にある中、よくもそんな口が利けたものだな」
牽制には反応するのか、人形というより最早人間だな……。
「マスターからの命だ、お前には傷を負わせず連れてこい、と」
「ふーん?」
「抵抗しなければ五体満足でマスターの元に連れていってやろう。私はこう見えて極めて短気なものでな」
「……そうかよ」
もしかしなくても、コイツら、かなりヤバイ連中なんじゃ……。
~~~
ヒカル、無事かな……。
「遊矢…」
「………」
「参ったな、遊矢がこの調子じゃ…」
「もう、しっかりしなさいよ遊矢!!クヨクヨしてたらなんにもできないじゃない!」
「そうだけどさ」
確かに、アミの言う通りだ。
なにもしないままじゃ状況は変わらない、でも……!
「…困った」
「遊矢がこんなんだから托都さんもどっか行っちゃったしなぁ…」
「遊矢さん…」
…俺に今できること、なにか、ないかな。
「悪い、ちょっと一人にさせて」
「遊矢くん…」
「雪那、」
「狩也くん…」
「今は一人にさせてやれ、仕方ない」
ヒカルを連れ戻すために、今なにができるか……どうすれば、いや、なにをするか…!!
「…きたきた、さぁて、パーティーの始まりだ」
~~~
『今度は、何用で来た。托都』
「分かりきったことを言わせるな、お前も分かってるだろう?」
『…断絶した刻印を修復しろと』
「そうだ」
今のままではデュエルができない、奴らへの対抗策はなにもないままでは…。
『…可能だが、元の状態には戻せん』
「つまり、またしばらく力を制御できなくなると」
『そうだ、だが…今回は我に考えがある』
「…ほう?」
『お前に負荷がかからぬ唯一の方法がな』
以前、あの時のようにならない方法があるというのか。
『どうする、全てはお前次第だ』
「…構わない、その方法、試してみろ」
~~~
「…雨、いつ止むかな……」
もうしばらく降ってるかな………。
「なんだぁ?その顔!間抜け面引っ提げて雨ン中で独り言たぁ随分とぼっち臭漂わせてやがる」
「…!!お、お前……」
なんだ、この違和感……俺に似てる、じゃない…!似すぎか!?
「察しが良いとこだけか、お前の良いところ。なぁ、遊矢?」
「…俺のこと、知ってんのか」
「まぁなぁ?」
俺そっくりな…女の子だよな……。でも、敵なのか?味方なのか?
「さて、無駄話もしてらんねえし、とっとと始めるか」
「な、待ってくれよ!お前誰?なんでここにいるんだ?」
「俺?そうだな、名前がないのは不便だな。うん、エースとでも呼びな」
「エース……」
「さぁて、やってくれんだろうな?アーマードのデュエリストさんよぉ!!」
エース……こいつも、プロムたちの、仲間なのか…?
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「マスター、お待たせ致しました」
「うあっ!!」
「ご苦労」
普通動けないのにそのまま落とすかよ…!!
「ようこそ少年、我が名はヴェリタス。君の主となる者だ」
「主か、俺は誰にも仕えないし命令もされたくない。他を当たるんだな」
「…呪縛の術式を使ってここまで抵抗できるものか、やはり内側を縛ることはできないと」
なに言ってんだコイツ。
体は動かないけど声が出ないわけじゃない、俺の意思も変わらない。
だからこそ、屈するわけにはいかない…!
「君は強い意思を持っているようだ」
「お褒めに預かり光栄だよ」
「そうか、しかし君が持つべきはそんなものではない。いや、なにも持つ必要はない」
「…なんだと……」
「君の使命も、希望も、未来も、もうすぐ終わる。君が終わらせるんだ、最終戦争で」
最終戦争……托都が人形から聞いていた話と同じ…だが、俺が終わらせるだと…!
「ふざけるな!貴様の勝手な野望のために俺が世界を滅ぼすと言うのか!!」
「そうだ」
「なっ――!!」
「いや、厳密には君ではないか。君の姿をした彼ら人形と同じ『心を持たぬ者』だな」
こいつ、一体何を考えている…!
大丈夫、協力してなるものか…俺は俺だ、俺がすべきは世界をコイツらから守ることだ…!
「…!貴様、返せ!!」
「君が身に付けるべきなのはこんな思い出でできたものではない、…そうだな、君には「裏切りの聖遺物」を授けよう」
裏切りの、聖遺物……。
「テラ、」
「はい、こちらに」
「…なんの、つもりだ」
「『レーヴァテイン』、錬金術を用いて裏切りの杖の欠片で造り上げた髪飾りだ」
「錬金術…そんなものが存在するわけ…!」
「あるのだよ、君にはまだ分からないだろうがね」
錬金術だと、遥か昔の人間の戯言を、人間がそんなものを使えるわけがない…。
「身につけた君の心をレーヴァテインが突き刺し、心を壊す」
「冗談じゃない!俺の心を動かせるのは俺だけだ、誰にも壊せるものか!」
「ならばあがいてみせるがいい。最も、君に呪縛を解く術があったならの話だが。ヘイル、頼むぞ」
「了解ですわ、マスター」
大丈夫、きっとトルテの時ほどのものはないはず。強く、強くあれ、そうすれば―――きっと…!!
「―――あ、っぐ!?」
「…さぁ、いつまで自分を保てるか」
「見物ですね」
なんだ…これは……、闇に飲まれるような…自分が、塗り替えられていくような…この感覚は―――!!
「あ、ぁあ…、ぐっ…ぅあぁあああああぁぁ!!ふぅっ、うぅ…!うぅぅぁぁ……!」
「意思の強さか…」
「彼の装甲には治癒能力があると聞いている、なるほど」
「うぅ、ぅぁぁ……ああぁぁああ……あ、ぁ…」
ダメだ、飲まれたらいけない、塗り潰されるな、俺は俺だ、俺を動かすのは俺だけだ、こんな……こんなものに……!!
「辛いか?」
「うぅう…ぁ…だ、まれ……!」
「裏切りに身を任せよ、そうすれば楽になる」
「そんな、こと…!くっ、うぅ…あぁぁ…!」
「ならば君を癒すその装甲から、奪い取ってやろう」
アーマードを、奪うだと…!?力を失っても消えなかったものを……コイツが…?
「さぁ、私の目を見るのだ」
「っ……!!」
「目を閉じるとは、いけない子だ」
「やめっ…ぐっ…!」
目が、離せない…!嫌だ、アーマードが、奪われたら……!
「ぐっ、ぁ…!あっ…ぁぁ……そんな……」
「…救世の装甲、それ以外は封印した。君の二対の目の輝きも、治癒能力も、失われたということ。…救世の装甲が世界を滅ぼす、どんな気分だ?」
「…くっ、ぁ…ああ……滅ぼす、…ものか」
「なに?」
みんなに、迷惑を、かけたくない…!
だから、
「抵抗して、やる……、あんまり、俺(コイツ)を…ナメるな、よ…っ……」
「…堕ちたか」
「あれが、覚醒体……?」
「強い精神の裏にはあれが潜んでいたか」
「…装甲の治癒能力を失った今では、ただの可愛い抵抗だ。部屋に連れていけ」
「よろしいのですか」
「問題はない。心は次第に着実に、壊れるものだ」
~~~
「さぁ抜けよ!風の剣を!」
「っ!!」
やるしかないのかよ…!
「安心しろよ、俺ァ人形なんかとカンケーねー」
「…えっ」
「単におめーの実力拝見に来ただけだしな、やるかやらねえのか、返答してみろ!!」
プロムたちとは関係ない……のか。
「なら、売られた勝負は買うしかないな!!」
「ノッたか!良いぜ、抜いてこい!!お前の剣を!!」
「Dシューター、展開!!」
「デュエルディスク、セット!!」
「Dゲイザー、セット!」
《ARヴィジョン、リンク完了》
「「デュエル!!」」
「先攻は俺だ!俺は《Bs-白銀のアロー》を召喚!!」
《ATK:1500/Level:4》
バースト、ソニッカー……!?
スカイソニッカー、ゼアルソニッカーとも違う新たなモンスター!?
「更に俺は手札から永続魔法《弾薬精製》を発動!自分フィールドに「Bs」と名のつくモンスターが召喚されたターン、そのモンスターと同じレベルのモンスターをデッキから特殊召喚できる!来い!《Bs-蒼天のリボルバー》!」
《ATK:1400/Level:4》
「早速レベル4が揃った…!」
「レベル4のアローとリボルバーでオーバーレイ!!二体のモンスターで、オーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!炎より来たれ魂を打ち込む力、今こそ世界に鉛をぶっぱなせ!!《Bs-蒼穹のバリスタ》!!」
《ATK:2100/Rank:4/ORU:2》
バーストソニッカー……一体どんなモンスターなんだ!
「蒼穹のバリスタの効果!1ターンに1度、オーバーレイユニットを一つ使うことで俺の手札1枚につき400ポイントのダメージを与える!手札の枚数は3枚!」
《ORU:1》
「初っぱなから大ダメージかよ!」
「鉛玉を食らいやがれ!」
「うわっ!!」
《Yuya Life:2800》
「カードを1枚伏せて、ターンエンドだ!」
《Hand:2》
つえー…これがバーストソニッカーか…!
でも、俺にも負けられない理由がある!!
「俺のターン、ドロー!!俺は《Ss-ワンダー・ブレーダー》を召喚!更に《Ss-スマッシュブラスター》を特殊召喚!こいつは自分の手札に風属性モンスターがいる時、手札から特殊召喚できる!」
《ATK:1900/Level:4》
《ATK:1700/Level:4》
「レベル4が二体、てめーも揃えてきたか」
「レベル4のワンダー・ブレーダーとスマッシュブラスターでオーバーレイ!エクシーズ召喚!来い!《Ss-エア・ストリームソード》!」
《ATK:2100/Rank:4/ORU:2》
攻撃力は同じ、でも!!
「行け!エア・ストリームソードで、蒼穹のバリスタを攻撃!!」
「相討ち狙いか!」
「違う!エア・ストリームソードの効果、オーバーレイユニットを一つ使うことでこのモンスターのバトルでの破壊を無効にし、ダメージを半分にする!ウィングバリア!」
《ORU:1》
「罠発動《弾幕》!バトルによる破壊を無効にし、俺の手札1枚につき300ポイントのダメージを与える!900のダメージを食らえ!」
「っ!!」
《Yuya Life:1900》
しまった、返り討ちに合うなんて…!!でも、まだまだこれからだ!
「墓地のワンダー・ブレーダーの効果発動!このモンスターを除外することで、エア・ストリームソードの攻撃力を800ポイントアップさせ、もう一度バトルできる!」
《ATK:2900》
「なにっ…!」
「エア・ストリームソード!もう一度攻撃だ!ストリームブレード!!」
「チッ…!!」
《A Life:3200》
なんとかライフを削れた!
ダメージを与えつつ身を守る……マジで弾幕って感じだな。
「カードを2枚伏せて、ターンエンドだ!」
《Hand:2》
「中々やるじゃねーか、悪くねえ」
「そりゃどーも!褒められたら照れるじゃねーかよ!」
「だけどな、俺の方がスゲーぜ。体も温まってきたし、こっからが本番だ!瞬きせずに見てろよ!」
い、一体どんなことを…!!
「俺は、光の蒼穹で――オーバークロス!!」
「オーバー、クロス…!!?」
つまり、アーマード!?
「そうだ、お前と同じ輝き。それが俺に宿った力――天に放つ永久の力、ルーンエターナルアーマードだ!」
「ルーンエターナル、アーマード…」
あれが、アイツの…!?いや、俺とヒカル以外にアーマードをちゃんと使える奴が、存在するなんて…!!
「さ、こうなったからには、全力の俺を存分にお見せするぜ!」
全力のアーマード…なら、俺も受け止めきってやる!全部受けて、
「俺が勝つ!」
「そうこなくちゃな、俺もアーマードを見せた甲斐がねえ」
「さぁ来い!エース!」
「あぁ!やってやるさ!!やるしか、ないじゃん!!」
→NEXT Answer
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【あとがき】
今回の一言「中に誰もいませんよ」
ヒカルの中に人がいるわけないだろ!!…いや、いるけどあれって人なの?俺も正直カテゴライズできないんですが。
プロデュエリストの顔になんてことを…!!と言わざるを得ないくらい今回のヒカルは珍しくアレだった気がする。こんなの鏡編でも見られなかったよ!!
あのヒラヒラな腋が見えるあの服装だと思うと若干犯罪臭が増している気がする、男じゃなかったらアウトだったというか髪長すぎてグレー。そしてヴェリタスのあの台詞回しである。動けないいたいけな少年を顎クイなんて!!…いた、いけ…?
ちなみにメインキャラのヒカルさんですがしばらくは基本ちょい役でしか出番ありません。嘘だろ承太郎。
「救世の装甲」がどこで絡むかを楽しみにしててね!
さて、錬金術組を語っている暇があるなら新キャラの話しろっていう。
まさかの遊矢そっくりな新キャラクター「エース」ちゃん。女アーマード使い初!!おっぱい要員とか言わないのそこ。
遊矢は言わずと知れた剣。ならばエースちゃんは弓・銃器がモチーフになってます。
ツイッターとプロフィールでは公開してた謎ヒロインAちゃんなわけですが、ネタキャラかと思いきやめちゃくちゃ重要キャラっていう。どういうことなの。
口は悪いけど悪い子ではないです、むしろ良い子。ちょっと不器用なだけだから!!
抜けよ(意味深)が頭に残って離れないとかもう言えない。
すっかり埋もれてるけど托都がまた死亡フラグ立ててる、もうやだこの兄貴。
次回!!「永久の装甲」アーマードの少女に遊矢はどう対抗するのか…!?
エースのアーマードに対抗するために遊矢はホープ・オブ・ソードを呼び、デュエルは更にヒートアップ!
【予告】
雨は止み、虹が覗く空の下。永久の装甲を目の前に、風は吹き大地は芽吹く。
誰かを守るため、誰かといるため、その力で強くなった少年は失ったモノを取り戻すため、更なる強さを得るため、目の前の強者に向かっていく。
Answer.4「ちっぽけな勇気」
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どうだ!!俺こそ新たなアーマードの使い手・エース様だ!
主人公交代、A.Visionのヒロイン、最強デュエリストの名はほしいまま!それでは皆さんご一緒に!!
キャンディーみたくあまったるーい!!
きゃー決まったー!こりゃもうみんな俺についてこい!
って、おっと、誰か来たようだな。