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Answer.2「破壊と再生」
「さぁ開幕3100のダメージだ!」
「嘘、だろ!?」
「食らいやがれ!!」
ヤバイ、このままじゃ―――!!
「遊矢!!」
「うわっ!」
「なっ…!?」
なんだなんだなんだなんだ!?
「ひ、ヒカル!?」
「間に合ったか」
「ほーぅ?風のデュエリストぶっ潰しに来たらおまけがついてきたか」
「おまけとは、お前たちの中で俺は随分とナメられているんだな」
…デュエルが中断されてる…もしかして、ヒカルが…?
「しっかし、よくもまぁ邪魔してくれたな。どうしてくれるんだ?」
「どうするつもりもない、茶番はここまでだ。遊矢、一旦退くぞ」
「えっ、退くって…」
「いいからついてこい!!」
「ちょ、ちょっと!?」
一体どういうことなんだよ!!なんでヒカルもこんな機嫌悪そうなんだよ!!
「チッ、逃げたか」
「アニマ、何をしている」
「げっ…プロム……」
「これより先は私に任せてもらうぞ」
「……なぁるほどな」
~~~
「おい待てよ!待ってくれよ!」
「…!」
「なんなんだよヒカル、デュエルを止めるなんて…」
「奴らは危険なんだ、ちゃんと対策を考えてからデュエルした方がいい」
「危険なのは分かってるさ!!でも、あそこで倒さなきゃますます被害が!」
そう、アニマって奴だけでも倒せれば被害者は減る。あの時俺がやらなきゃ、いけなかったのに…!
「遊矢にも、あぁなってほしくないんだ」
「……ヒカル…、ごめん…でも俺負けないからさ!だから次は止めないでくれよ!相棒!」
「…分かってる、必ず勝てよ」
「あぁ!…そういや、なんであそこにいるのが分かったんだ?」
いくらヒカルがハートランドについてよく知ってても個人の居場所の特定なんてそう簡単にできやしないもんな。
「アーマードの力だ」
「…あ、そっか!!」
「それと、『風』の力」
「…風?」
「敵から強烈な風の力を感じた、見た目といいなんだあの鏡みたいな人形は」
そっか、やっぱヒカルも気づくよな。あんなすっげえ風の力、気づかないわけない。
でも、鏡にそっくりな性格やら顔つき、あれは一体…。
「奴らは人形、鏡の姿に似せて造ったのなら分からなくもないが、なら、なんで鏡が現れた時になにも動きがなかったのか」
「…確かに」
「デュエルディスクを破壊して回っている理由も分からない。だが、俺たちを狙っていることには間違いなさそうだ」
「俺たちを?」
「どうやら来たみたいだな、人形どもが」
き、来た!?マジで!?どこ!!?
「察しが良い男だ、さすがはマスターが必要とするデュエリストなだけはある」
「あ、あれ?アニマじゃない?」
「…どういう意味だ」
「私の名はプロム、マスターに仕える4つの魂人形(ソウルドール)の1つ。風のデュエリストを撃破し、世界の終わりを近付けよう」
ソウルドールのプロム、…か。
世界を終わりに近づけるなんて、そんなことさせっかよ!
「さぁ、かかってこい」
「上等だ、やってやるよ!!」
「待て遊矢」
「なんだよヒカル!」
「今やったら托都の二の舞だぞ、だから」
「大丈夫!」
「…!」
「俺を信じろって!なっ!」
「…分かった、任せたぞ!」
「へへっ!任された!!」
さっきは中途半端だったからな!!今度こそはやるしかないじゃん!!
「Dシューター、展開!!デュエルディスク、セット!!」
「フンッ!」
「Dゲイザー、セット!!」
《ARヴィジョン、リンク完了》
「「デュエル!!」」
負けるもんかよ、作戦なんて俺にはいらない。
俺のやり方でこいつに勝つ!!
「俺のターン!俺は《Ss-スマッシュブラスター》を特殊召喚!こいつは自分の手札に風属性モンスターがいる時、手札から特殊召喚できる!更に、《Ss-ワンダー・ガードナー》を通常召喚!」
《ATK:1700/Level:4》
《ATK:100/Level:4》
「レベル4のモンスターが二体…」
「レベル4のスマッシュブラスターとワンダー・ガードナーでオーバーレイ!エクシーズ召喚!来い!《Ss-エア・ストリームソード》!」
《ATK:2100/Rank:4/ORU:2》
「そして進化せよ!風に乗る希望の輝き!《希望騎士 ホープ・オブ・ソード》!!」
《ATK:2500/Rank:4/ORU:3》
「来たか、希望の象徴…」
ホープ・オブ・ソード!こいつであの人形とかいう奴をぶっ飛ばす!
「カードを2枚伏せて、ターンエンド!」
《Hand:1》
~~~
「どうやら、無事のようだな」
「余計なお世話だ」
「…ヒカルが遊矢を探しに行ったようだが……」
「連絡はあったのか?」
「あぁ、だが…まずいことになっているぞ」
「…まずいこと、か」
とにかく二人揃って帰ってくればそれでいい、だが、嫌な予感がする。
~~~
「私のターン!私は《火炎の亡者》を召喚!」
《ATK:0/Level:1》
「ターンエンドだ」
《Hand:5》
モンスター出しただけでターンエンド!?
なんだよ、手札事故ったか?
「遊矢…(このデュエル、嫌な予感がする…)」
「さぁ、恐れずして向かってくるがいい」
「言われなくても分かってるさ!俺のターン、ドロー!ホープ・オブ・ソードで、《火炎の亡者》を攻撃!シューティングスターブレード!!」
「…まさか…遊矢!!それは罠だ!」
「なっ…!?」
「余計なことを…」
マジかよ!!?
「《火炎の亡者》の効果発動!攻撃対象に選択された時、このモンスターを破壊し、攻撃してきた相手モンスターのコントロールを得る!」
「嘘だろ!?」
「遊矢の性格をうまく利用したな、この男…」
性格は余計だ!!性格は!!
「君の希望はもらっていく、残念だったな」
《ATK:2500/ORU:0》
「でもオーバーレイユニットが墓地に送られるなら話は別だぜ!すぐに取り戻してやるさ!ターンエンドだ!」
《Hand:2》
「そうか、ならば希望を絶望に変えてやろう。私のターン!」
ふざけんな、絶望に変えるなんて…させるかよ…!!
「罠発動!《刃の鎌鼬》!相手のターン開始時、相手モンスター1体を選択してそのモンスターをエンドフェイズまで破壊する!」
「エンドフェイズまで破壊して、戻ってきた時、ホープ・オブ・ソードは遊矢のフィールドに蘇る…それを想定していたのか」
「だが、無駄なことだ。私は《ソウル・プロミネンス 月下のイグニート》を召喚」
《ATK:1000/Level:4》
攻撃力はたかだか1000!!これなら大丈夫!
「イグニートの効果発動、このターン破壊されたモンスターを選択し、その攻撃力を加える」
《ATK:3500》
「なにっ!?」
「攻撃力3500!?」
「行け!ダイレクトアタックだ!」
攻撃力が3500になっても、まだ墓地にはあのモンスターがいる!
「墓地のワンダー・ガードナーの効果発動!ダイレクトアタック時、墓地から守備表示で特殊召喚できる!復活しろ!…くっ」
《DEF:2000》
「かわしたか…だが、魔法カード《ブラストフレイム》を発動!自分フィールドの攻撃力が一番低いモンスターを破壊し、攻撃力分のダメージを与える」
「攻撃をかわされることを読んだ二重の攻撃…!?」
「食らえ!3500のダメージだ!」
「っ…!うぁぁああああ!!」
《Yuya Life:500》
そんな…!コイツ、強い…!!
「あっ、ぐ…!」
「カードを1枚伏せ、ターンエンド。ホープ・オブ・ソードはお前のフィールドに特殊召喚される」
《Hand:3》
《ATK:2500/ORU:0》
「遊矢…、…!」
くそっ!こんなんじゃダメだ!!
托都も勝てなかった人形集団、どうすりゃ…!
「離せ!っ、この!」
「!!ヒカル!」
「来たか、テラ」
「待たせましたね」
「お前…!!」
「おい!ヒカルから離れろよ!」
「それは無理な相談だ」
…なんだよ、なんでだよ!
「どういうことだ!」
「今から倒れ伏すお前にはなんの関係もない話だ、風雅遊矢」
「ふざけんな…!俺の仲間に、親友に…手出ししてんじゃねえ!!」
「遊矢……お前…」
もう、仲間を失ってたまるか…俺が傷つけた、俺が巻き込んだ仲間を…傷つけたくない!!
「大丈夫だ遊矢!」
「…ヒカル、」
「大丈夫だから、お前はデュエルに集中しろ!もし、誰かが傷ついてもお前のせいじゃない!だから、前を見て!勝利を掴め!!」
「……そっか」
なに焦ってたんだろ、バカみたいだな。
目の前の障害をぶち破って未来を掴む…!今までやって来たことと変わっちゃいないんだ。
「なら、やるしか…ないじゃん!」
「遊矢…行け!!」
「君、煩いです」
「――っ!ゆう、や……任せた、からな……っ」
ヒカルが伝えてくれた暖かいもの、必ず――!!
「俺の、ターン!!」
来た…!!これなら、逆転できる!!
「俺は罠カード《希望のバトン》を発動!自分フィールドに「ホープ」と名のつくモンスターエクシーズが存在する時、エクストラデッキから同じランクのモンスターとフィールドのモンスターを素材に、エクシーズ召喚を行う!」
「レギオンエクシーズか」
「俺はフィールドのホープ・オブ・ソードと、エクストラデッキの希望皇ホープを素材に、レギオンエクシーズチェンジ!!」
「………あれが」
「希望は絶えず揺るがない、剣士の刃をその手に宿し、希望皇は生まれ変わる!羽ばたけ未来!限界突破だ!!現れろ!《No.39 希望剣皇ホープ・ブレード》!!」
《ATK:2500/Rank:4/ORU:2》
コイツの力で必ず、必ず倒してみせる!!頼んだぜ、ホープ・ブレード!
「ホープ・ブレードで、ダイレクトアタック!!」
「させるものか、罠発動《爆炎の防壁》!ダイレクトアタックを無効にし、手札に炎属性モンスター1体を手札に加える」
「まだだ!!ホープ・ブレードの効果発動!バトルでダメージが与えられなかった時、オーバーレイユニットを一つ使い、攻撃力を二倍にして、もう一度バトルする!!フィニッシャーチャージ!!」
《攻撃力:5000/ORU:1》
これで攻撃力は5000!!アイツのフィールドはがら空き!!トドメだ!!
「行け!ホープ・ブレード!!シャイニングホープソード!!」
「プロム、」
「―――――」
――ドォォオオオン
~~~
「嫌な予感だと?」
「あぁ」
なんだこの胸騒ぎは、一体なにが起きているんだ。
「遊矢もヒカルも連絡はとれないまま…」
「二人とも…」
無事に、帰ってきてくれ。
~~~
やったか!!…これで――――。
「………」
《Prom Life:4000》
「……えっ…?」
ライフが、減ってない……?
だって、攻撃は決まったんだぜ…?そんな、そんなこと…。
「私は手札に加えた《ソウル・プロミネンス ルージュリフレクター》の効果を発動した、ダイレクトアタックによるダメージを無効にし、このモンスターを特殊召喚する」
《ATK:0/Level:1》
「更に、召喚時に受けたダメージの半分を相手プレイヤーに与える…!」
半分のダメージ…2500を…俺が…!?
「食らえ!魂の業火を!!」
「―――!あぁぁあああ!!」
《Yuya Life:0》
《WIN:Prom Ablation》
負けた――――、そんな……約束したのに…。
~~~
「雨が、降ってきましたわね」
「遊矢くんたち、風邪を引かないといいんだけど」
~~~
「くっ…うっ……」
「さて、デュエルディスクの破壊ですが」
「不可能だ」
「何故?」
「「装甲」に守られている、手出しすれば我々が危険だ」
くそっ……負けた、こんなこと…!!
「ならば仕方ありません、朽祈ヒカルはご覧の通りいつでも連れて帰れます」
「長居は無用だ、戻るぞ」
「待てよ…!」
「……?」
「ヒカルを、どこにつれてくつもりだ…!」
「…負け犬に話すほど、我々は愚かではない」
「ですが、次に会う時、彼が彼でいる保証はありません」
「なん、だと…!」
「これ以上話すことはない。負け犬は早々に立ち去れ、さもなくば――殺すぞ」
「―――!!」
俺が、………、
「俺のせいで……」
俺が、負けたから………!
「ヒカルが……くそっ…!!くそっ!」
―――「奴らは危険なんだ、ちゃんと対策を考えてからデュエルした方がいい」
あの時、俺が素直にヒカルの話を、聞いてたら……。
―――「…分かった、任せたぞ!」
無責任だ、俺は――――!
「うぁぁぁあああああああ!!」
~~~
「『風』のデュエリスト撃破に成功しましたが、ディスクの破壊には失敗しました」
「そうか、ご苦労だった」
「俺がやってたら破壊できたかもしれねえのにな、プロム」
「余計な話をするな。アニマ、次から勝手な行動は慎め」
「チッ…わぁったよ」
「しかし、一番必要なものは手に入れました」
「現在は眠らせ、拘束していますが…いつ目覚めるかはわかりません」
「ほう…」
「朽祈ヒカル……救世の装甲を持つ者が、世界を壊すとはな」
「では、彼を連れてきてくれ」
「…畏まりました」
~~~
「……!」
「遊矢……?」
「…まさか、ヒカルは……」
「俺の、せいで…ヒカルが……、敵に…」
「…くそっ!!」
「……ヒカル…」
俺の、力は…誰かを守るための力じゃないのかよ…!
俺は……俺が―――!!
→NEXT Answer
==================
【あとがき】
今回の一言「フラグ回収早すぎィ!!」
話数が少ない分ガンガン飛ばしていくスタイル。
遊矢のメンタルがブレブレだけど鏡編よりも暗いイメージでやってるから仕方ないね。
新殺法「上げて落とす」。ヒカルによる勝ちフラグを立てつつぶち壊す、遊矢だし新たな敵だから仕方ないね。補正なんてなかった、いいね?
ホープ・ブレード使ったデュエルで負けるという珍しいパターン、普通はエースモンスター出したら勝てるからね。しかし今回はアーマード化してないのも絶対デカイ。
ヒカルがアニマ戦を止めに入ったのも事情込みです、それは後々語るけど今回はとりあえず現在ある意味最強なんじゃないかというデュエリストが拉致られたという事実がアカン。この後しばらくはちょい役か回想以外に出番がないとは言えない…。
托都がよく喋ってるけど実際のとこ、あの刻印が破壊されてるということは全身に痛みを伴ってもおかしくないから重傷患者のはずなんだ。さすがは二十歳、OTONAは色々と違うな。
プロムのデッキは炎属性、相手にネチネチ嫌がらせするデッキです、ネチネチ嫌がらせするデッキです(大事なことなので2回ry)
なんかソウルドールズの性格がふわふわしつつも分かってきたわけだけど、アニマが過激派に見えてプロムが一番アブナイ人に感じる。
前回のおまけコーナーは…察して、どうぞ。
次回!!引き裂かれた絆と新たなるデュエリスト、彼女は何者?
ヒカルをプロム達に連れ去られ、落ち込む遊矢の前に現れた遊矢にそっくりな謎の少女の正体は…?
【予告】
「救世の装甲が世界を滅ぼす」錬金術師は星を堕とすべく、囚われた銀色の翼に裏切りの聖遺物を向ける。
失ったものの大きさに嘆く少年に雨は降り注ぎ、少年を見下ろす少女の影は放たれた弾丸の如く、鋭く、突き刺さり、少年を更なる未来へと導く。
Answer.3「風燻る少女」
~~~
くっ…!不覚…!!まさか俺のデュエルディスクが壊されるとは……。
だが、こう休んでもいられない。こんな状況では遊矢とヒカルだけでは勝つ可能性は極めて低い。
だからこそ俺が復活し、人形を叩き潰す!
…は?新キャラ登場?ヒカルは敵に捕まった?
おいどういうことだ!待て!尺が足りな…
※深夜0時~5時までのコメントや読者登録はマナー違反です。おやめください。
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Answer.2「破壊と再生」
「さぁ開幕3100のダメージだ!」
「嘘、だろ!?」
「食らいやがれ!!」
ヤバイ、このままじゃ―――!!
「遊矢!!」
「うわっ!」
「なっ…!?」
なんだなんだなんだなんだ!?
「ひ、ヒカル!?」
「間に合ったか」
「ほーぅ?風のデュエリストぶっ潰しに来たらおまけがついてきたか」
「おまけとは、お前たちの中で俺は随分とナメられているんだな」
…デュエルが中断されてる…もしかして、ヒカルが…?
「しっかし、よくもまぁ邪魔してくれたな。どうしてくれるんだ?」
「どうするつもりもない、茶番はここまでだ。遊矢、一旦退くぞ」
「えっ、退くって…」
「いいからついてこい!!」
「ちょ、ちょっと!?」
一体どういうことなんだよ!!なんでヒカルもこんな機嫌悪そうなんだよ!!
「チッ、逃げたか」
「アニマ、何をしている」
「げっ…プロム……」
「これより先は私に任せてもらうぞ」
「……なぁるほどな」
~~~
「おい待てよ!待ってくれよ!」
「…!」
「なんなんだよヒカル、デュエルを止めるなんて…」
「奴らは危険なんだ、ちゃんと対策を考えてからデュエルした方がいい」
「危険なのは分かってるさ!!でも、あそこで倒さなきゃますます被害が!」
そう、アニマって奴だけでも倒せれば被害者は減る。あの時俺がやらなきゃ、いけなかったのに…!
「遊矢にも、あぁなってほしくないんだ」
「……ヒカル…、ごめん…でも俺負けないからさ!だから次は止めないでくれよ!相棒!」
「…分かってる、必ず勝てよ」
「あぁ!…そういや、なんであそこにいるのが分かったんだ?」
いくらヒカルがハートランドについてよく知ってても個人の居場所の特定なんてそう簡単にできやしないもんな。
「アーマードの力だ」
「…あ、そっか!!」
「それと、『風』の力」
「…風?」
「敵から強烈な風の力を感じた、見た目といいなんだあの鏡みたいな人形は」
そっか、やっぱヒカルも気づくよな。あんなすっげえ風の力、気づかないわけない。
でも、鏡にそっくりな性格やら顔つき、あれは一体…。
「奴らは人形、鏡の姿に似せて造ったのなら分からなくもないが、なら、なんで鏡が現れた時になにも動きがなかったのか」
「…確かに」
「デュエルディスクを破壊して回っている理由も分からない。だが、俺たちを狙っていることには間違いなさそうだ」
「俺たちを?」
「どうやら来たみたいだな、人形どもが」
き、来た!?マジで!?どこ!!?
「察しが良い男だ、さすがはマスターが必要とするデュエリストなだけはある」
「あ、あれ?アニマじゃない?」
「…どういう意味だ」
「私の名はプロム、マスターに仕える4つの魂人形(ソウルドール)の1つ。風のデュエリストを撃破し、世界の終わりを近付けよう」
ソウルドールのプロム、…か。
世界を終わりに近づけるなんて、そんなことさせっかよ!
「さぁ、かかってこい」
「上等だ、やってやるよ!!」
「待て遊矢」
「なんだよヒカル!」
「今やったら托都の二の舞だぞ、だから」
「大丈夫!」
「…!」
「俺を信じろって!なっ!」
「…分かった、任せたぞ!」
「へへっ!任された!!」
さっきは中途半端だったからな!!今度こそはやるしかないじゃん!!
「Dシューター、展開!!デュエルディスク、セット!!」
「フンッ!」
「Dゲイザー、セット!!」
《ARヴィジョン、リンク完了》
「「デュエル!!」」
負けるもんかよ、作戦なんて俺にはいらない。
俺のやり方でこいつに勝つ!!
「俺のターン!俺は《Ss-スマッシュブラスター》を特殊召喚!こいつは自分の手札に風属性モンスターがいる時、手札から特殊召喚できる!更に、《Ss-ワンダー・ガードナー》を通常召喚!」
《ATK:1700/Level:4》
《ATK:100/Level:4》
「レベル4のモンスターが二体…」
「レベル4のスマッシュブラスターとワンダー・ガードナーでオーバーレイ!エクシーズ召喚!来い!《Ss-エア・ストリームソード》!」
《ATK:2100/Rank:4/ORU:2》
「そして進化せよ!風に乗る希望の輝き!《希望騎士 ホープ・オブ・ソード》!!」
《ATK:2500/Rank:4/ORU:3》
「来たか、希望の象徴…」
ホープ・オブ・ソード!こいつであの人形とかいう奴をぶっ飛ばす!
「カードを2枚伏せて、ターンエンド!」
《Hand:1》
~~~
「どうやら、無事のようだな」
「余計なお世話だ」
「…ヒカルが遊矢を探しに行ったようだが……」
「連絡はあったのか?」
「あぁ、だが…まずいことになっているぞ」
「…まずいこと、か」
とにかく二人揃って帰ってくればそれでいい、だが、嫌な予感がする。
~~~
「私のターン!私は《火炎の亡者》を召喚!」
《ATK:0/Level:1》
「ターンエンドだ」
《Hand:5》
モンスター出しただけでターンエンド!?
なんだよ、手札事故ったか?
「遊矢…(このデュエル、嫌な予感がする…)」
「さぁ、恐れずして向かってくるがいい」
「言われなくても分かってるさ!俺のターン、ドロー!ホープ・オブ・ソードで、《火炎の亡者》を攻撃!シューティングスターブレード!!」
「…まさか…遊矢!!それは罠だ!」
「なっ…!?」
「余計なことを…」
マジかよ!!?
「《火炎の亡者》の効果発動!攻撃対象に選択された時、このモンスターを破壊し、攻撃してきた相手モンスターのコントロールを得る!」
「嘘だろ!?」
「遊矢の性格をうまく利用したな、この男…」
性格は余計だ!!性格は!!
「君の希望はもらっていく、残念だったな」
《ATK:2500/ORU:0》
「でもオーバーレイユニットが墓地に送られるなら話は別だぜ!すぐに取り戻してやるさ!ターンエンドだ!」
《Hand:2》
「そうか、ならば希望を絶望に変えてやろう。私のターン!」
ふざけんな、絶望に変えるなんて…させるかよ…!!
「罠発動!《刃の鎌鼬》!相手のターン開始時、相手モンスター1体を選択してそのモンスターをエンドフェイズまで破壊する!」
「エンドフェイズまで破壊して、戻ってきた時、ホープ・オブ・ソードは遊矢のフィールドに蘇る…それを想定していたのか」
「だが、無駄なことだ。私は《ソウル・プロミネンス 月下のイグニート》を召喚」
《ATK:1000/Level:4》
攻撃力はたかだか1000!!これなら大丈夫!
「イグニートの効果発動、このターン破壊されたモンスターを選択し、その攻撃力を加える」
《ATK:3500》
「なにっ!?」
「攻撃力3500!?」
「行け!ダイレクトアタックだ!」
攻撃力が3500になっても、まだ墓地にはあのモンスターがいる!
「墓地のワンダー・ガードナーの効果発動!ダイレクトアタック時、墓地から守備表示で特殊召喚できる!復活しろ!…くっ」
《DEF:2000》
「かわしたか…だが、魔法カード《ブラストフレイム》を発動!自分フィールドの攻撃力が一番低いモンスターを破壊し、攻撃力分のダメージを与える」
「攻撃をかわされることを読んだ二重の攻撃…!?」
「食らえ!3500のダメージだ!」
「っ…!うぁぁああああ!!」
《Yuya Life:500》
そんな…!コイツ、強い…!!
「あっ、ぐ…!」
「カードを1枚伏せ、ターンエンド。ホープ・オブ・ソードはお前のフィールドに特殊召喚される」
《Hand:3》
《ATK:2500/ORU:0》
「遊矢…、…!」
くそっ!こんなんじゃダメだ!!
托都も勝てなかった人形集団、どうすりゃ…!
「離せ!っ、この!」
「!!ヒカル!」
「来たか、テラ」
「待たせましたね」
「お前…!!」
「おい!ヒカルから離れろよ!」
「それは無理な相談だ」
…なんだよ、なんでだよ!
「どういうことだ!」
「今から倒れ伏すお前にはなんの関係もない話だ、風雅遊矢」
「ふざけんな…!俺の仲間に、親友に…手出ししてんじゃねえ!!」
「遊矢……お前…」
もう、仲間を失ってたまるか…俺が傷つけた、俺が巻き込んだ仲間を…傷つけたくない!!
「大丈夫だ遊矢!」
「…ヒカル、」
「大丈夫だから、お前はデュエルに集中しろ!もし、誰かが傷ついてもお前のせいじゃない!だから、前を見て!勝利を掴め!!」
「……そっか」
なに焦ってたんだろ、バカみたいだな。
目の前の障害をぶち破って未来を掴む…!今までやって来たことと変わっちゃいないんだ。
「なら、やるしか…ないじゃん!」
「遊矢…行け!!」
「君、煩いです」
「――っ!ゆう、や……任せた、からな……っ」
ヒカルが伝えてくれた暖かいもの、必ず――!!
「俺の、ターン!!」
来た…!!これなら、逆転できる!!
「俺は罠カード《希望のバトン》を発動!自分フィールドに「ホープ」と名のつくモンスターエクシーズが存在する時、エクストラデッキから同じランクのモンスターとフィールドのモンスターを素材に、エクシーズ召喚を行う!」
「レギオンエクシーズか」
「俺はフィールドのホープ・オブ・ソードと、エクストラデッキの希望皇ホープを素材に、レギオンエクシーズチェンジ!!」
「………あれが」
「希望は絶えず揺るがない、剣士の刃をその手に宿し、希望皇は生まれ変わる!羽ばたけ未来!限界突破だ!!現れろ!《No.39 希望剣皇ホープ・ブレード》!!」
《ATK:2500/Rank:4/ORU:2》
コイツの力で必ず、必ず倒してみせる!!頼んだぜ、ホープ・ブレード!
「ホープ・ブレードで、ダイレクトアタック!!」
「させるものか、罠発動《爆炎の防壁》!ダイレクトアタックを無効にし、手札に炎属性モンスター1体を手札に加える」
「まだだ!!ホープ・ブレードの効果発動!バトルでダメージが与えられなかった時、オーバーレイユニットを一つ使い、攻撃力を二倍にして、もう一度バトルする!!フィニッシャーチャージ!!」
《攻撃力:5000/ORU:1》
これで攻撃力は5000!!アイツのフィールドはがら空き!!トドメだ!!
「行け!ホープ・ブレード!!シャイニングホープソード!!」
「プロム、」
「―――――」
――ドォォオオオン
~~~
「嫌な予感だと?」
「あぁ」
なんだこの胸騒ぎは、一体なにが起きているんだ。
「遊矢もヒカルも連絡はとれないまま…」
「二人とも…」
無事に、帰ってきてくれ。
~~~
やったか!!…これで――――。
「………」
《Prom Life:4000》
「……えっ…?」
ライフが、減ってない……?
だって、攻撃は決まったんだぜ…?そんな、そんなこと…。
「私は手札に加えた《ソウル・プロミネンス ルージュリフレクター》の効果を発動した、ダイレクトアタックによるダメージを無効にし、このモンスターを特殊召喚する」
《ATK:0/Level:1》
「更に、召喚時に受けたダメージの半分を相手プレイヤーに与える…!」
半分のダメージ…2500を…俺が…!?
「食らえ!魂の業火を!!」
「―――!あぁぁあああ!!」
《Yuya Life:0》
《WIN:Prom Ablation》
負けた――――、そんな……約束したのに…。
~~~
「雨が、降ってきましたわね」
「遊矢くんたち、風邪を引かないといいんだけど」
~~~
「くっ…うっ……」
「さて、デュエルディスクの破壊ですが」
「不可能だ」
「何故?」
「「装甲」に守られている、手出しすれば我々が危険だ」
くそっ……負けた、こんなこと…!!
「ならば仕方ありません、朽祈ヒカルはご覧の通りいつでも連れて帰れます」
「長居は無用だ、戻るぞ」
「待てよ…!」
「……?」
「ヒカルを、どこにつれてくつもりだ…!」
「…負け犬に話すほど、我々は愚かではない」
「ですが、次に会う時、彼が彼でいる保証はありません」
「なん、だと…!」
「これ以上話すことはない。負け犬は早々に立ち去れ、さもなくば――殺すぞ」
「―――!!」
俺が、………、
「俺のせいで……」
俺が、負けたから………!
「ヒカルが……くそっ…!!くそっ!」
―――「奴らは危険なんだ、ちゃんと対策を考えてからデュエルした方がいい」
あの時、俺が素直にヒカルの話を、聞いてたら……。
―――「…分かった、任せたぞ!」
無責任だ、俺は――――!
「うぁぁぁあああああああ!!」
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「『風』のデュエリスト撃破に成功しましたが、ディスクの破壊には失敗しました」
「そうか、ご苦労だった」
「俺がやってたら破壊できたかもしれねえのにな、プロム」
「余計な話をするな。アニマ、次から勝手な行動は慎め」
「チッ…わぁったよ」
「しかし、一番必要なものは手に入れました」
「現在は眠らせ、拘束していますが…いつ目覚めるかはわかりません」
「ほう…」
「朽祈ヒカル……救世の装甲を持つ者が、世界を壊すとはな」
「では、彼を連れてきてくれ」
「…畏まりました」
~~~
「……!」
「遊矢……?」
「…まさか、ヒカルは……」
「俺の、せいで…ヒカルが……、敵に…」
「…くそっ!!」
「……ヒカル…」
俺の、力は…誰かを守るための力じゃないのかよ…!
俺は……俺が―――!!
→NEXT Answer
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【あとがき】
今回の一言「フラグ回収早すぎィ!!」
話数が少ない分ガンガン飛ばしていくスタイル。
遊矢のメンタルがブレブレだけど鏡編よりも暗いイメージでやってるから仕方ないね。
新殺法「上げて落とす」。ヒカルによる勝ちフラグを立てつつぶち壊す、遊矢だし新たな敵だから仕方ないね。補正なんてなかった、いいね?
ホープ・ブレード使ったデュエルで負けるという珍しいパターン、普通はエースモンスター出したら勝てるからね。しかし今回はアーマード化してないのも絶対デカイ。
ヒカルがアニマ戦を止めに入ったのも事情込みです、それは後々語るけど今回はとりあえず現在ある意味最強なんじゃないかというデュエリストが拉致られたという事実がアカン。この後しばらくはちょい役か回想以外に出番がないとは言えない…。
托都がよく喋ってるけど実際のとこ、あの刻印が破壊されてるということは全身に痛みを伴ってもおかしくないから重傷患者のはずなんだ。さすがは二十歳、OTONAは色々と違うな。
プロムのデッキは炎属性、相手にネチネチ嫌がらせするデッキです、ネチネチ嫌がらせするデッキです(大事なことなので2回ry)
なんかソウルドールズの性格がふわふわしつつも分かってきたわけだけど、アニマが過激派に見えてプロムが一番アブナイ人に感じる。
前回のおまけコーナーは…察して、どうぞ。
次回!!引き裂かれた絆と新たなるデュエリスト、彼女は何者?
ヒカルをプロム達に連れ去られ、落ち込む遊矢の前に現れた遊矢にそっくりな謎の少女の正体は…?
【予告】
「救世の装甲が世界を滅ぼす」錬金術師は星を堕とすべく、囚われた銀色の翼に裏切りの聖遺物を向ける。
失ったものの大きさに嘆く少年に雨は降り注ぎ、少年を見下ろす少女の影は放たれた弾丸の如く、鋭く、突き刺さり、少年を更なる未来へと導く。
Answer.3「風燻る少女」
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くっ…!不覚…!!まさか俺のデュエルディスクが壊されるとは……。
だが、こう休んでもいられない。こんな状況では遊矢とヒカルだけでは勝つ可能性は極めて低い。
だからこそ俺が復活し、人形を叩き潰す!
…は?新キャラ登場?ヒカルは敵に捕まった?
おいどういうことだ!待て!尺が足りな…