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―――1ヵ月前


「よし、じゃあ行くぜヒカル」
「あぁ遊矢」

今日この日、ついに…ついに―――!!

――ピーンポーン

「はーい?……えっ!?」

「ただいま!アミ!」

「……も、もう…!」

「帰ってきたぞ、1年ぶりにな」

「おかえり!!」

帰ってきた――――!!


~~~



「はぁ…!はぁ…!はぁ…!」

なんだよ、なんだよなんだよなんだよ!!

「!!」

「逃げ足が速いこと」

「なんだよ…てめえは一体、なんなんだよ!!」

「魂の結晶から造り出された人形――さぁ、お話はおしまい」

「た、た、助け―――助けてくれぇぇぇ!!誰かぁぁぁ!!」

「さようなら、またいつか会いましょう?」


~~~


―――ハートランドシティ・遊矢自宅


――朝だよ!朝だよ!朝だよ!朝だ

「……ふぁぁ…」

もう朝かぁ…まだなんにも終わってねえや…。

「もしもし俺ですー」
《おはよう、遊矢くん》
「どーもミナトさん……」
《その分じゃ徹夜?お疲れ様》

世界を巡る旅から帰ってきてから1ヵ月、平穏な毎日を送ってる。

今俺が住んでるのは托都の家の隣…つか、マンションの隣の部屋…?なんだけど、まぁ色々あって一人暮らしって感じ。

ヒカルは約束通りプロデュエリストになって、1ヵ月の間で世界中を飛び回ってる。忙しいけどもうすぐ2ヵ月のシーズンオフらしいし、早く帰ってこないかな。
托都は…ま、隣の部屋なんだけど、いまだになにもしてない。やりたいことが思い付かないとかなんとか。二十歳なんだからそろそろ考えた方が…とかは禁句だ。

んで俺は、アミのいる高校に編入するために今は勉強中。正直わからないことだらけだけど、まぁやるしかないじゃん。

…でも、一人暮らしを始めた理由はそうじゃない。
今起きてる事件、それが―――、

《現在、世界各国で多発しているデュエリスト襲撃事件の続報です。》

「…!」

《昨夜未明ハートランドシティ郊外で、デュエルディスクごと腕を粉砕されたデュエリスト数名が病院に搬送され、まもなく死亡が確認されました。》

「これでハートランドだと7件目か…」

そう、デュエルディスクを狙ったデュエリストの襲撃事件が世界各地で起きてる。
犯人はいまだに分からないけど、それを探るために俺は今一人で暮らしてる。姉さんたちを危険には巻き込めないしな。

「みんなのためにも、早くなんとかしなきゃな」

そう、みんなのためにも、……この胸に宿った遊馬の魂のためにも。

――コンコン

「ん…?」

「いるか?遊矢」

「お、めしー!!」

お腹すいたー!
まさか托都が自分で起きてきたのかぁ!珍しい!!

「おっはよー!!」

「お、おう…」

「お腹すいたー!飯?」
「いや、自分で買うか作れ」
「えー!?違うのかよ!!」

飯じゃない!?そんなバカな!!腹減ったのに…。

「というより遊矢、お前…」
「へっ?」
「片付けろよ…」
「……あー、うん…」

汚いよな、うん、知ってる。知ってるよ。

「たく…今日はヒカルが帰ってくる日だと言っただろ」
「……言ってたっけ?」
「言った、しかも昨日の夜」
「……」

……………、

「托都!!掃除手伝ってくれ!」
「断る、俺は片付けが苦手でな」
「うぅ…お前兄貴だろー…弟を気遣うとか」
「普通は逆だろう?」
「うぇぇ……」

まさかヒカルが帰ってくる日だったなんて…!俺どうすりゃ良いんだよ!!

「じゃあ、出掛けてくる」

「あー待って!!待ってってば!!」

「夕方までには帰るから、掃除しろよ」

「…ぐ、ぐぅ……」

……掃除、始めるか……。


~~~


《まもなく、当ジェットはクヴェルヴォント国際空港に着陸致します。》

「……」

2週間ぶりの日本……日本語が喋れなくなりそうなくらい別の言葉を喋った気がする。

そもそも、日本に戻ってから1ヵ月なんだって事実が信じられない、時差のせいなのか…それとも、また別の理由か。

「少年、」
「!」
「君を必ず、迎えに行くよ」
「…!お前…何者だ!」

――ざわっ…

「あ、すいません…」

なんだ、今通った男は……まさか、あれが…?

《まもなく、当ジェットはクヴェルヴォント国際空港に着陸致します。お席をお立ちにならないよう、お願い致します。》


~~~


適当な理由すらつけずに出てしまったが、遊矢なら問題ないだろう、多分。

しかし、ヒカルが帰ってくるのは少なくとも2時間後か…することもないな。

「…?」

今の男は………。

「追うか」

巷で噂の連続デュエリスト襲撃事件、テレビに映っていた人影は間違いなく――今の。


「……分かっている、……そうだ」


「…なんの話を……」

あの金髪の男…、


「だが、その前に…虫が紛れ込んだようです」

「――!!」

「……ほう、また連絡しますマスター」

「…随分と攻撃的な男だな」

「そちらこそ、後をつけるとは趣味が悪い」

誉め言葉だ、趣味が悪くて何が悪い。

「だが、私も貴方を探していました。堰櫂托都さん、いや…バリアンの混血と言うべきか」

「名が知れてて光栄だが、やはり貴様が…」

「ええ、私がデュエリストを襲撃している一派の一人。よく分かりましたね、貴女方をおびき寄せるためわざと監視カメラに映り込んだとはいえ、貴方の記憶力や洞察力には驚かされました」

話が長い…話の長い奴とは極力話したくはないんだがな。

「…ですが、ここでまずは一人目…」

「一人目だと…」

「さぁ、分かっているでしょう?デュエルです、さぁ……さぁ!」

「そうか、良いだろう!受けて立つ!」

「ありがたい、さぁ我らにその腕、差し出すがいい!!」

冗談じゃない、早く終わらせる―――!!

「「デュエル!!」」


~~~


―――ハートランド・ハートタワー


「「「ヒカルさん、おかえりなさーい!!」」」

「た、ただいま…」
「ヒカルー!!おかえりー!」
「…遊矢近い」

ヒカルと電話以外で話したのひっさしぶりー!!やっぱヒカルとは間近で話したいよなぁ!

「やっと一息つけるな、お疲れ様だ」

「ほんっと、大会とインタビューばっかりで休む暇なんてなかったからな」

「ヒカルさんの人気がうかがえるな」
「さすがは大人気プロデュエリスト!!」

「べ、別に人気なんかじゃ…」

でも、ヒカルが人気なのは事実。
まずイタリアで行われたワールドグランプリで優勝、そこから飛躍的に期待度は上がって、今じゃ老若男女誰からも期待されるプロデュエリストになってる。
カイトさん曰く、今年のMVPデュエリストはヒカルでほぼ決まりだって、親友として嬉しいじゃん!

「しかし、ホントに休みたくて仕方ないんだからな」

「確かにヒカルさんの人柄的にはそうかも…」
「でも、そう言いつつ頑張るのが素敵です」
「うんうん!」

「勘違いするな、俺は自分のしたいことをしてるだけだ」

「自分のしたいことなのに文句言うのもヒカルさんらしいな」
「やっぱヒカル最高!」

最高だぜー!!

「……そういえば、托都、いないのか?」
「あー、夕方までには帰るとか言ってたような…」

「勝手に行ってはダメよ!」

「?」

今の声、璃緒さん…だよな?

「早く戻りなさい!!」

「なんか、外騒がしいな」
「どうしたのかな…」

――ガタッ

「――!!」
「おい……」

「………っ…」

「托都!!」
「おいどうしたんだよ!!」

「ひどい怪我……」

なにがどうしたんだよ、事故ったのか!?いや、ならなんで左腕だけあそこまで……まさか!!

「遊矢…」

「えっ」

「人形どもに、気を付けろ…」

「人形って、どういうことだよ!」

「デュエリストを、襲撃していた……奴らは…人間では……な、い…っ………」

「托都!!」

人間じゃないって……ちくしょう、そういうことか!!

「なにをしているんですの!早く治療しないと!!」
「分かってます!」
「遊矢!」

「…!」

「なにしてるの!」
「早くこっちこい!」

「…分かった!」


~~~


「『闇』のデュエリストを撃破致しました、マスター」

「ご苦労、テラ」

「いえ、容易いこと」

「次の標的は、」

「『風』のデュエリスト、風雅遊矢」

「待っていただけません?『星』のデュエリストは、どう致しますの?」

「彼は十分に利用価値がある。我々の最終戦争の為、『風』を撃破次第、こちらに引き込む」

「気に食いませんのー!って、アニマはどこに…?」

「…またか」


~~~


「………」

――「人形どもに、気を付けろ…!」

人形、やっぱり襲撃事件の犯人は人間じゃなかった……。
托都が負けるなんて、そんなこと、ないと思ってたのにどうして……。

「ヒカル、……もしヒカルまでそうなったら…」

みんなが犠牲になる前に、止めるんだ、俺が…!

「よう、遊矢」

「…!!お前は…!」

なんで、どうしてこんなところに―――!!

「…鏡……」

「ヘッ、勘違いされたら困るんだ!俺はアニマ、アニマ・ベントゥス!」

「アニマ…って、そっくりすぎなんだ!っつーか浮いてるのかよ!」

「なにが悪いんだよ!」

ま、まさかこいつが……、

「…人形、なのか」

「んあ?…んだよ、てめえの兄貴から聞いてたのか。つまんねえな」

「お前らが…!!」

「話がはえーな、デュエルなら受けて立つぜ」

「いいぜやってやろうじゃねえか!!」

「ヘッ!やってやるよ!ただな、デュエルディスクごと腕吹っ飛ばされたくなかったら逃げるんだな!!」

逃げるかよ!!こんな機会は今を逃したらきっとない!
やってやるさ、やるしかないじゃん!

「行くぜ!Dシューター、展開!!」

「デュエルディスク、セット!」

「Dゲイザー、セット!」

「「デュエル!!」」

「先攻はもらうぜ!」

今年から先攻はドローできなくなった、でもこの手札だって問題はない!!派手にやってやるさ!

「俺は《Ss-疾風のカーツ》を召喚!カーツの効果により、デッキからSsと名のつくモンスターを手札に加える!俺は《Ss-シュート・ブレイブ》を手札に加えて特殊召喚!」
《攻撃力:1400/レベル:4》
《攻撃力:1600/レベル:4》

「スカイソニッカー、風の…デュエリスト……」

「レベル4のカーツとシュート・ブレイブでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!風と雅を呼ぶ者、聖なる希望を胸に宿して現れろ!《Ss-エア・ストリームソード》!」
《ATK:2100/Rank:4/ORU:2》

マイフェイバリットモンスター!!やっぱコイツがいなきゃ、始まらねえからな!

「俺は装備魔法《疾風の剣》を発動し、エア・ストリームソードに装備!これにより攻撃力が1000ポイントアップする!カードを1枚伏せてターンエンドだ!」
《ATK:3100》
《Hand:2》

「へーぇ、おもしれえ…!」


~~~


「―――……、」

「…!托都!」
「…悪かったな」
「開口一番でそれかよ、遊矢心配してたんだぞ」
「分かっている。…お前はずっとここに?」
「あぁ」

そりゃあ、心配だったから……当然のことだ。
…いや、聞かなきゃいけないことは違ったな。

「人形、ってどういうことだ?」
「……奴らは言っていた、『最終戦争が始まる、そのために造られた』と」
「造られた…、最終戦争……!?」

最終戦争…ラグナロク、北欧神話に登場する終焉…?

「だが、不覚を取った…左腕はご覧の有り様、デュエルはできない」
「一体…なにが起きたんだ?」
「ヒカル、お前は見ていないか?」
「えっ?」
「奴らは着実に近付いている、そして…」
「…!まさか」

あの飛行機にいた男も、人形…!?

「奴らの目的は分からない、だが、俺を一人目だと言った。遊矢とお前も、なにかしらで狙われているかもしれない」
「…もしかして、遊矢は…!」
「…今一人ということは……」
「急いで探そう!!」

遊矢も、人形に狙われている…!?


~~~


「俺のターン!!俺は魔法カード《魔術錬成-風》を発動!」

「風デッキか!!」

「その効果により、手札二枚を墓地に送ることでエクストラデッキからランク8のモンスター1体を特殊召喚できる!」

「なにっ!?」

そんな反則効果ありなのかよ!?

「俺はエクストラデッキからランク8《ソウル・エアロ 蒼弓のテンペスト》を特殊召喚!!」
《ATK:0/Rank:8/ORU:0》

「で、でけえ…!」

「蒼弓のテンペストの効果、召喚に成功した時、相手モンスターの攻撃力の合計のダメージを与える」

「なっ!?」

「さぁ開幕3100のダメージだ!食らいやがれ!!」

「嘘、だろ!?」









―――Answer.1「邂逅の日」


→NEXT Answer

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【あとがき】

今回の一言、「おまたせ」
托都の噛ませ化が更に進んでしまった!!何!?托都が噛ませなのは本編だけじゃないのか!?(歓喜)

約半年ぶりにLS組が復活!!
新たな敵は錬金術師!って、都心の一等地をゴロゴロ転がしたり友達を会員に加えて分配配当をry
はい、茶番挟みましたが新たな敵は「魂の人形」と「錬金術師」です!彼らは何者なのか、ラグナロクとはなんなのか。それはこれを見続ければわかるはず!!
そしてまさかの1話から托都が負ける!!托都ってよく負けるよねとはもう言わせないはずだった私の気持ちは露知らずどうしてこうなった!!
そしてヒカルに熱い死亡フラグか人質フラグが!お前相変わらず男のくせに扱いがッ!つーかあの服で飛行機乗ってると思うとやたらシュールというかかっこいい()ファッションだなぁとか。
1話が最初からクライマックスすぎてもう最終回まで勢いを損なわずに書ける気がしない…ッ!!
ちなみに話数は深夜アニメくらいなのでハイペースかつ世界樹公開までには終わらせるつもりなので精神的に聖桜の本気が拝めるよ!やったね聖桜!(オイヤメロ

次回!遊矢に迫る新たな脅威、そして物語は動き出す。
遊矢たちの前に人形たちが姿を現す!!責任感に追われる遊矢は……。


【予告】
「錬金術」によって造り出された「魂の人形」。
彼らに宿るものは主から課せられた目的の遂行のみ。
暴風吹き荒れる中、『風』のデュエリストに近付く脅威と『星』のデュエリスト。
世界を終末へと導く、物語が始まった。
Answer.2「破壊と再生」























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「あーぁ、キャンディーみたくあまったるーい」

あんなやつらのために、わざわざ遠い世界から来たんだと思うと、胸くそ悪いってレベルじゃねーぞ。

「ま、お手並み拝見だよね」

見ればわかる、見なきゃ分からない。

「確かめさせてもらうぜ、―――風雅遊矢」
















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新たな敵出現!!こりゃもうやるしかないじゃん!!

って、デュエルディスク破壊して物理的に腕を破壊するとんでも人形集団!?

こんなんもう俺に曇れって言ってるようなもんじゃ、

って托都がやられた!?

もうダメだぁぁぁぁぁぁ!!おしまいだぁぁぁぁぁぁ!!