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「新春一発目!」
「遊戯王EXTRA STAGE!!」
「去年よりパワーアップした僕たちの活躍を」
「よろしくおっねがいしまーす!!」
「私達、そして遊乃ちゃん、遊矢の活躍に期待してね!!」
「2016年も!よろしくお願いします!」
「それじゃあ本編、行くわよー!!」
===
Stage-4「 限 界 突 破 ! ア リ ー ナ デ ュ エ ル ! 」
「お二方、ようこそパーティーへ」
「招待いただきありがとうございます」
「まさかお呼びいただけるとは思いませんでしたわ」
「いえいえ、お子様方もお可愛くなられて…」
「感謝します、遊季、しばらく向こうで遊んでいてくれないかい?」
「分かりました、お父様。ではみなさま、しつれいいたします」
「まぁ!素敵ね、向こうには男の子がいると思うのだけど、その子と遊んでいてね」
「はい!」
多分、私が覚えてる中で一番古い記憶だと思う。
とってもすごい御家のパーティーに呼ばれて、…確か5歳くらいの頃だと思う。
「おとこのこいないのー?どこー?」
「ねえ、」
「!なぁに?」
「僕とあそぼう?」
「…いいよ!」
確か、お父さんがその家の人と話すことがあるからって、私は……そう、誰かと遊んでた。
「おとなってずるーい」
「どうして?」
「わたしも早くダンスしてみたいの!」
「ダンス?」
「そう!」
「じゃあ、」
「?」
「大人になったら、僕とおどろう?」
なんか、変な約束。
それ以来その子に会えた記憶ないし、というかその子の見た目って…あんま覚えてないわね。
でも、不思議、なんだか―――そこにいる気がする。
~~~
「私と、デュエルするの…!?」
「そうだ!アンタの実力、ここで見せてほしい」
……いや、わりと難しくない?
だって私ってまだフォースに来たばっかりよ?一方は大会に出るようなデュエリスト、無茶言わせないでほしいわ…!
「しかしエレン、ここでやるのか?いくらなんでも迷惑がかかるだろう?」
「ここではやらない、形式はアリーナデュエルでやりたい」
「アリーナデュエル…」
あんまりルール知らないけど、…できない形式ではない…わね。
「とにかくみんな待ってるし…一回戻らない?」
「そうだな、やるにしてもやらないにしても一回戻った方がいい」
「分かった分かった、戻るか」
「あぁちょっとタンマ!」
「…?」
「戻るまで、返事考えさせてくれない?」
「…いーよ」
よしっ!頑張って考えなきゃいけないわね…!
にしたって、突然すぎてビックリしたかなぁ…アリーナデュエルか…。
大体実力的にも私が勝てる気がしないのよねー、エレンが強すぎな気がする、……あーもう!!実力差が歴然過ぎる気がするのよー!!
~~~
「戻りましたー…ガッ!?」
「なに!?」
「バカヤロー!なにしてんだお前はー」
こ、コーヒーカップ投げた!?どういうこと!?
「い、いってえ……」
「大丈夫?」
「これだから来たくなかったんだよ…」
我らがリーダー、恐るべし…。
額が真っ赤になってるし、プラスチックじゃなければ死んでいた…。
「ったく、音沙汰がないと思ったらなんなんだお前はー」
「すいません……」
「で、今日はなんの風の吹き回しだ」
「新入りとデュエルがしたい、アリーナデュエルで」
「私の意思は無視なの!?」
「…やらないなら帰るけど?」
な、なんか小バカにされてる…!いくら実力差があっても会って間もない人をバカにするなんて許せないわ!
「臨むところよ!やってやろうじゃない!」
「やる気になったな!」
「じゃ、二人にやる気あるし、やるか」
「よしっ!」
「でももう夕方だよ、遊季ちゃん門限とか大丈夫?」
「…、あっ!!」
しまった、7時までには帰らないといけないの忘れてた…!
「しゃーない、明日の11時に集合だ。アリーナの設備調整もあるしな、二人もデッキ構築しとけよ」
「了解です」
「分かりました!」
「これは、明日が楽しみだな」
「そうだね!」
明日が勝負の日、ええやってやるわよ!だって私だもの!
「じゃあ解散!」
~~~
「………」
相手は炎属性融合使い、しかもフォースカードも持ってる。確かに勝率が低いって分かってるけど、最初っから自信がなかったら勝てる勝負にも勝てないわよ遊季!
ならやるのは融合封じ、フォースカードも融合モンスターの可能性は極めて高いはず、でも私の手元にあるのはエクシーズ、エクシーズの可能性も視野に入れるべき…?
「あー!!悩んでも悩んでも対策が思い付かない!!」
そりゃそうよ。フォースカード見たことないもの、当たり前よ。
「……『迷うならば、初めから迷うなかれ。迷う意味を問うな、最善を尽くせ』…か」
お祖父様がそう言っていた、なら…。
「普段と変わらない私で行くわよ!」
「「「おじょおおおおおおお!!」」」
「!?」
「お、お嬢!!もしや、で、でーとというやつですか!?」
「違うわよ!!デュエルよ!」
「決闘の約束!?いけません!俺達に任せて―――」
「あんたら何を聞いてたのよ!!」
「おじょおおおおおおお!!ついに嫁入りなんてえええええ!!」
「アンタはどこまで難聴拗らせてんのよバカぁ!!」
つ、ツッコミが追い付かない……。ダメだこの3バカ…早く追い出そう……。
~~~
「さて、アリーナデュエルのルールは分かってるか?」
「それが…自信ないです…」
「遊季ちゃん、やったことないなら別に恥ずかしくないよ。やらないと実感できないから」
「うん、フォローありがと」
恥ずかしながらアリーナデュエルは、ね。
「通常デュエルにはないルール、まずは『ドローorセメタリーバック』だ。デュエル中に2回までドローの代わりに墓地からカードを回収できる」
墓地からカードを、これは知らないルールね。2回までっていうのが考えどころかしら。
「次にデュエル中に発動する条件をクリアすることで発動する『クエストカード』。これは難しいが覚えて損はない」
「例えば、先に攻撃した方のライフを回復とか、そういう効果なんだ」
「アリーナデュエル特有のトリッキーな効果だが、プラスに作用するとは限らない。気を付けろよ」
「わ、分かったわ」
つまりはクイズとかしながらデュエルするってことよね、分かりやすいわ。
「最後は……」
「デュエルディスクはアリーナ内で用意されたソリッドビジョン放射型ディスクを使う、ですよね」
「ま、これは基本だな。そうだ、そして放射型ディスクを使うにあたってこのバンドをしてもらう」
確か健康上に問題が出た場合はその時点で終了なのよね、適性があるかはやって確かめろってとこかな。
「それとお前、好きな色は?」
「…白です」
「了解、手配しておく」
…?なんの手配?
「そろそろ時間か……」
「相変わらず遅刻魔ですねえ」
「エレン、確かに遅いわね」
「来てるよ」
「!」
い、いつの間に……!?
「ギリギリだな、始める準備は?」
「いつでも?」
「遊季は?」
「いつでも大丈夫です!!」
「よし、ルキ!頼んだ!」
「分かってる!さ、二人ともアリーナに入って!」
アリーナは施設の地下だっけ?…よし!!
~~~
「じゃ、いくぞー!準備しろー!」
準備万端!!いざ、勝負よ!
「エレン!昨日からずっと楽しみにしてたんだから!」
「俺だってそうだ!アンタみたいなデュエリストに出会えたことに感謝する!」
感謝だなんて、ちょっと恥ずかしいかな。
「でも、」
「だから、」
「「絶対に負けるもんか!!」」
「アリーナシステム、リレイトオン!!」
《Alina system mode Relate》
「セット!ビジョンディスク!!」
《Two Life:4000》
「「デュエル!!」」
これが、放射型の…ビジョンディスク…!
な、なんか扱い方が…!これってカード浮くのかな…!?
「なんだか相性の良さそうな二人だな」
「とっても面白いデュエルになるはずだよ!」
「しかし、なんか同じ人間がいる気分だな」
「確かに雰囲気似てますよねー」
「…もしや、双子か?」
「まっさかぁ?」
よぉし!先攻はいただいちゃうよ!!
「私は《氷華鳥カワセミ》を召喚!カードを2枚伏せて、ターンエンド!」
《ATK:1300/Level:3》
《Hand:2》
「最初っから策が見え見えだけど、本当に大丈夫なのかよ?」
「その策がエレンの思い通りとは限らないわ!さ、エレンのターンよ!」
「ふっ…俺のターン!ドロー!俺は魔法カード《融合》を発動!」
初っぱなから融合だなんて、やるじゃない。
「手札の《炎華舞姫 フレイムダンサー》と《炎華獣 ボムビースト》を融合!炎の中舞い踊る王女よ、弾ける炎の獣よ、その魂一つとし、戦場に赤い華を咲かせよ!融合召喚!来い!《炎華舞踏士 イグナイトダンサー》!!」
《ATK:2100/Level:6》
「もう融合を決めるとは……」
「でも、これもまだ準備だよね」
「イグナイトダンサーは1ターンに1度、このモンスターの召喚に使用した素材モンスター1体を選択し除外することで、相手に800ポイントのダメージを与える!ボムビーストを除外!」
「っ!」
《Yuki Life:3200》
モンスター効果でダメージを与えて攻撃に繋げる、昨日のデュエルでも効果ダメージを多用していた…エレンのデュエルスタイルはそういうことね…!
「イグナイトダンサーでカワセミを攻撃!イグニートワルツ!」
「罠発動!《凍結》!相手のモンスター1体の攻撃を無効にし、相手の手札を1枚デッキに戻す!」
「さすが…ターンエンド!」
《Hand:2》
よし!まずはスタイルが分かったわ、この調子でガンガンやるわよ!!
「私のターン!…!」
「クエストカード…!」
「来たね」
「条件は……」
相手に1000以上のダメージを与える…ね。でもカードの効果の中身はお楽しみと考えたら、このクエストは乗るべきか……。
「私は魔法カード《マリンスノー・イルミナイト》を発動!フィールドの水属性モンスター1体をリリースすることでデッキから儀式魔法1枚とレベル5以下の水属性モンスターを手札に加える!」
「モンスターをリリースするだけで儀式召喚に必要な素材を揃えられるカードだね」
「つまりそういうデッキ?」
「だな」
これで儀式召喚が可能!じゃあサクッとチュートリアルみたく行くわよ!
「私は儀式魔法《氷結神殿の舞踏》を発動!レベル5の《氷華野獣 フラワライオ》とレベル2の《氷華妖精 アイスフェアリー》を手札から墓地に送り、現れよ!《仮面の氷華舞踏姫(マスカレードフローズプリンセス)》!」
《ATK:2400/Level:7》
「やーっぱり似てるよねー」
「氷華と炎華は似たようなテーマと聞いている、たまたま使い手がこの二人だから似てるように見えるだけだろうな」
攻撃力の差はたったの300だけど、クエストカードには「戦闘」ダメージで1000ポイント以上ダメージを与えろとは書いてないわ!
なら、あえて正攻法でぶつかるよりも、ちょっと工夫を凝らした一撃をぶつければいいだけのこと!
「私はリリースしたアイスフェアリーの効果を発動!このターン、自分フィールドの儀式モンスターのバトルを放棄する代わりに、相手モンスター1体を破壊する!」
「バトルせずにイグナイトダンサーを…!くっ…!」
「更に!《仮面の氷華舞踏姫》の効果発動!モンスターの効果によって相手モンスターを破壊した時、そのモンスターの攻撃力分のダメージを与える!」
イグナイトダンサーの攻撃力は2100!これで一気にライフを削るわ!
「いけっ!フローズンワルツ!」
「ぐっ!」
《Eren Life:1900》
「通った!」
「クエストカードの効果は………」
さぁ、これでなにが出る…!!
《ライフポイント1000回復》
「おっ!?回復!やったぁ!!」
《Yuki Life:4200》
「…まずは譲るよ、ビギナーズラックってやつだな」
な、なんか鼻につく……でも効果はランダムなのよね。ビギナーズラックっていうのも、偶さかではないのかも。
「私はこれでターンエンドよ」
《Hand:1》
「俺のターン、ドロー!…さすがにまだクエストカード来ないか……」
「ねー、エレンあんなだった?」
「クエストカードに頼るところは、あまり見たことないわね」
「そもそも彼、ここじゃほとんどデュエルしないからな…」
クエストカード頼りのデュエルをするようには見えないけど、心理的な陽動…?
「俺は魔法カード《回収融合(サルベージフュージョン)》を発動!!手札1枚をゲームから除外することで、墓地の融合モンスターと《融合》をエクストラデッキに戻すことができる!」
「イグナイトダンサーをエクストラデッキに…!」
「更に、俺のライフが相手を下回っていた場合、回収したモンスターと手札のモンスターを素材に融合召喚を行う!」
墓地から回収したとはいえ、エクストラデッキのモンスターで融合を可能にするカード!?そんなのアリ!?
「俺は、イグナイトダンサーと手札の《炎華虫 フレイムビー》で融合!」
「融合モンスターを使った融合召喚…」
「流石だな」
「火炎に踊る舞踏士よ、毒纏う虫よ、今一つとなり空に舞う羽根となれ!融合召喚!!《炎華蜂騎士 イグナイト・ホーネット》!」
《ATK:2800/Level:8》
一度破壊した融合モンスターを使って……、新たな融合モンスターをこんな方法で呼び出すなんて…!
これだから、デュエルは面白いのよね!
「イグナイト・ホーネットの効果!俺のライフが相手を下回っている時、相手モンスターの攻撃力を半分にする!」
「うそっ!?」
《ATK:1200》
「ライフ回復のクエストカードが裏目に出たな」
「っ…!」
クエストカードで有利になったと思ったら、それを覆すほど考えられた戦術…。
ありえないとかそんなこと思えないくらい、…いや、難しいことは考えなくていいわ。
彼は強い、その事実が今身に染みるくらい分かった。
「イグナイト・ホーネットで、《仮面の氷華舞踏姫》を攻撃!!ブラストニードル!」
「きゃっ…!!」
《Yuki Life:2600》
なら、尚更楽しくなってきた…!
「さっすがに…」
「参ったか、甘く見てるなよ」
「ええ、これは考えを少し改めるわ…やっぱ強い、少しでもナメてかかった私の慢心かな」
だから次は慎重にやる!
もう大丈夫、必ず勝つって決めてるんだから当たり前よね!
「全力、出していこう!」
「…当たり前だろ!」
絶対負けない、負けるわけがない!
それくらいの気持ちで、エレンに勝つ!!
5話へ続く
==================
【あとがき】
今回の一言、「待たせたな」
遅すぎワロスwwwwww何ヵ月ぶりだよwwwwネタバレばっかりぶちこみやがってごめんなさい!!!!!
長すぎましたね……Fateばっかやってんじゃねえよ聖桜!!ジャンヌ再臨しました。
一応ですね、夏に変えたスマホが扱いづらくてもう大変で、A.Vision更新も色んな理由で滞り、弁解のしようもないですねホントに。大変お待たせいたしました、ここに新春復活です!
年末落下も書けずじまいでもうなにしてんだお前的な泥沼に陥ってましたが、かかさずやってる1月1日の更新がギリギリできてよかったです。ほんとよかった。
さぁ、まぁ記憶が違わぬ内に書けてよかった、忘れてたら惨事だし。ちょくちょく進めてはいたけど気がのらなうわなにするやめ。
初っぱなから救いようがないバカさ加減を露呈してしまいましたが、今月はLS新作長編公開、そして2月からは新作一本発表あります。
こんな傍迷惑奴ではありますが、今年もぜひ生暖かく見守っていただけましたら幸いです。
今年から次回予告が簡略化+タイトルのみとなります。
皆さんで展開の考察のほど、よろしくお願いいたします。
それでは皆様、今年もよろしくお願いします!
【次回】
第5話「灼熱の大剣 炎の華・エレン」
Happy new year!!
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「新春一発目!」
「遊戯王EXTRA STAGE!!」
「去年よりパワーアップした僕たちの活躍を」
「よろしくおっねがいしまーす!!」
「私達、そして遊乃ちゃん、遊矢の活躍に期待してね!!」
「2016年も!よろしくお願いします!」
「それじゃあ本編、行くわよー!!」
===
Stage-4「 限 界 突 破 ! ア リ ー ナ デ ュ エ ル ! 」
「お二方、ようこそパーティーへ」
「招待いただきありがとうございます」
「まさかお呼びいただけるとは思いませんでしたわ」
「いえいえ、お子様方もお可愛くなられて…」
「感謝します、遊季、しばらく向こうで遊んでいてくれないかい?」
「分かりました、お父様。ではみなさま、しつれいいたします」
「まぁ!素敵ね、向こうには男の子がいると思うのだけど、その子と遊んでいてね」
「はい!」
多分、私が覚えてる中で一番古い記憶だと思う。
とってもすごい御家のパーティーに呼ばれて、…確か5歳くらいの頃だと思う。
「おとこのこいないのー?どこー?」
「ねえ、」
「!なぁに?」
「僕とあそぼう?」
「…いいよ!」
確か、お父さんがその家の人と話すことがあるからって、私は……そう、誰かと遊んでた。
「おとなってずるーい」
「どうして?」
「わたしも早くダンスしてみたいの!」
「ダンス?」
「そう!」
「じゃあ、」
「?」
「大人になったら、僕とおどろう?」
なんか、変な約束。
それ以来その子に会えた記憶ないし、というかその子の見た目って…あんま覚えてないわね。
でも、不思議、なんだか―――そこにいる気がする。
~~~
「私と、デュエルするの…!?」
「そうだ!アンタの実力、ここで見せてほしい」
……いや、わりと難しくない?
だって私ってまだフォースに来たばっかりよ?一方は大会に出るようなデュエリスト、無茶言わせないでほしいわ…!
「しかしエレン、ここでやるのか?いくらなんでも迷惑がかかるだろう?」
「ここではやらない、形式はアリーナデュエルでやりたい」
「アリーナデュエル…」
あんまりルール知らないけど、…できない形式ではない…わね。
「とにかくみんな待ってるし…一回戻らない?」
「そうだな、やるにしてもやらないにしても一回戻った方がいい」
「分かった分かった、戻るか」
「あぁちょっとタンマ!」
「…?」
「戻るまで、返事考えさせてくれない?」
「…いーよ」
よしっ!頑張って考えなきゃいけないわね…!
にしたって、突然すぎてビックリしたかなぁ…アリーナデュエルか…。
大体実力的にも私が勝てる気がしないのよねー、エレンが強すぎな気がする、……あーもう!!実力差が歴然過ぎる気がするのよー!!
~~~
「戻りましたー…ガッ!?」
「なに!?」
「バカヤロー!なにしてんだお前はー」
こ、コーヒーカップ投げた!?どういうこと!?
「い、いってえ……」
「大丈夫?」
「これだから来たくなかったんだよ…」
我らがリーダー、恐るべし…。
額が真っ赤になってるし、プラスチックじゃなければ死んでいた…。
「ったく、音沙汰がないと思ったらなんなんだお前はー」
「すいません……」
「で、今日はなんの風の吹き回しだ」
「新入りとデュエルがしたい、アリーナデュエルで」
「私の意思は無視なの!?」
「…やらないなら帰るけど?」
な、なんか小バカにされてる…!いくら実力差があっても会って間もない人をバカにするなんて許せないわ!
「臨むところよ!やってやろうじゃない!」
「やる気になったな!」
「じゃ、二人にやる気あるし、やるか」
「よしっ!」
「でももう夕方だよ、遊季ちゃん門限とか大丈夫?」
「…、あっ!!」
しまった、7時までには帰らないといけないの忘れてた…!
「しゃーない、明日の11時に集合だ。アリーナの設備調整もあるしな、二人もデッキ構築しとけよ」
「了解です」
「分かりました!」
「これは、明日が楽しみだな」
「そうだね!」
明日が勝負の日、ええやってやるわよ!だって私だもの!
「じゃあ解散!」
~~~
「………」
相手は炎属性融合使い、しかもフォースカードも持ってる。確かに勝率が低いって分かってるけど、最初っから自信がなかったら勝てる勝負にも勝てないわよ遊季!
ならやるのは融合封じ、フォースカードも融合モンスターの可能性は極めて高いはず、でも私の手元にあるのはエクシーズ、エクシーズの可能性も視野に入れるべき…?
「あー!!悩んでも悩んでも対策が思い付かない!!」
そりゃそうよ。フォースカード見たことないもの、当たり前よ。
「……『迷うならば、初めから迷うなかれ。迷う意味を問うな、最善を尽くせ』…か」
お祖父様がそう言っていた、なら…。
「普段と変わらない私で行くわよ!」
「「「おじょおおおおおおお!!」」」
「!?」
「お、お嬢!!もしや、で、でーとというやつですか!?」
「違うわよ!!デュエルよ!」
「決闘の約束!?いけません!俺達に任せて―――」
「あんたら何を聞いてたのよ!!」
「おじょおおおおおおお!!ついに嫁入りなんてえええええ!!」
「アンタはどこまで難聴拗らせてんのよバカぁ!!」
つ、ツッコミが追い付かない……。ダメだこの3バカ…早く追い出そう……。
~~~
「さて、アリーナデュエルのルールは分かってるか?」
「それが…自信ないです…」
「遊季ちゃん、やったことないなら別に恥ずかしくないよ。やらないと実感できないから」
「うん、フォローありがと」
恥ずかしながらアリーナデュエルは、ね。
「通常デュエルにはないルール、まずは『ドローorセメタリーバック』だ。デュエル中に2回までドローの代わりに墓地からカードを回収できる」
墓地からカードを、これは知らないルールね。2回までっていうのが考えどころかしら。
「次にデュエル中に発動する条件をクリアすることで発動する『クエストカード』。これは難しいが覚えて損はない」
「例えば、先に攻撃した方のライフを回復とか、そういう効果なんだ」
「アリーナデュエル特有のトリッキーな効果だが、プラスに作用するとは限らない。気を付けろよ」
「わ、分かったわ」
つまりはクイズとかしながらデュエルするってことよね、分かりやすいわ。
「最後は……」
「デュエルディスクはアリーナ内で用意されたソリッドビジョン放射型ディスクを使う、ですよね」
「ま、これは基本だな。そうだ、そして放射型ディスクを使うにあたってこのバンドをしてもらう」
確か健康上に問題が出た場合はその時点で終了なのよね、適性があるかはやって確かめろってとこかな。
「それとお前、好きな色は?」
「…白です」
「了解、手配しておく」
…?なんの手配?
「そろそろ時間か……」
「相変わらず遅刻魔ですねえ」
「エレン、確かに遅いわね」
「来てるよ」
「!」
い、いつの間に……!?
「ギリギリだな、始める準備は?」
「いつでも?」
「遊季は?」
「いつでも大丈夫です!!」
「よし、ルキ!頼んだ!」
「分かってる!さ、二人ともアリーナに入って!」
アリーナは施設の地下だっけ?…よし!!
~~~
「じゃ、いくぞー!準備しろー!」
準備万端!!いざ、勝負よ!
「エレン!昨日からずっと楽しみにしてたんだから!」
「俺だってそうだ!アンタみたいなデュエリストに出会えたことに感謝する!」
感謝だなんて、ちょっと恥ずかしいかな。
「でも、」
「だから、」
「「絶対に負けるもんか!!」」
「アリーナシステム、リレイトオン!!」
《Alina system mode Relate》
「セット!ビジョンディスク!!」
《Two Life:4000》
「「デュエル!!」」
これが、放射型の…ビジョンディスク…!
な、なんか扱い方が…!これってカード浮くのかな…!?
「なんだか相性の良さそうな二人だな」
「とっても面白いデュエルになるはずだよ!」
「しかし、なんか同じ人間がいる気分だな」
「確かに雰囲気似てますよねー」
「…もしや、双子か?」
「まっさかぁ?」
よぉし!先攻はいただいちゃうよ!!
「私は《氷華鳥カワセミ》を召喚!カードを2枚伏せて、ターンエンド!」
《ATK:1300/Level:3》
《Hand:2》
「最初っから策が見え見えだけど、本当に大丈夫なのかよ?」
「その策がエレンの思い通りとは限らないわ!さ、エレンのターンよ!」
「ふっ…俺のターン!ドロー!俺は魔法カード《融合》を発動!」
初っぱなから融合だなんて、やるじゃない。
「手札の《炎華舞姫 フレイムダンサー》と《炎華獣 ボムビースト》を融合!炎の中舞い踊る王女よ、弾ける炎の獣よ、その魂一つとし、戦場に赤い華を咲かせよ!融合召喚!来い!《炎華舞踏士 イグナイトダンサー》!!」
《ATK:2100/Level:6》
「もう融合を決めるとは……」
「でも、これもまだ準備だよね」
「イグナイトダンサーは1ターンに1度、このモンスターの召喚に使用した素材モンスター1体を選択し除外することで、相手に800ポイントのダメージを与える!ボムビーストを除外!」
「っ!」
《Yuki Life:3200》
モンスター効果でダメージを与えて攻撃に繋げる、昨日のデュエルでも効果ダメージを多用していた…エレンのデュエルスタイルはそういうことね…!
「イグナイトダンサーでカワセミを攻撃!イグニートワルツ!」
「罠発動!《凍結》!相手のモンスター1体の攻撃を無効にし、相手の手札を1枚デッキに戻す!」
「さすが…ターンエンド!」
《Hand:2》
よし!まずはスタイルが分かったわ、この調子でガンガンやるわよ!!
「私のターン!…!」
「クエストカード…!」
「来たね」
「条件は……」
相手に1000以上のダメージを与える…ね。でもカードの効果の中身はお楽しみと考えたら、このクエストは乗るべきか……。
「私は魔法カード《マリンスノー・イルミナイト》を発動!フィールドの水属性モンスター1体をリリースすることでデッキから儀式魔法1枚とレベル5以下の水属性モンスターを手札に加える!」
「モンスターをリリースするだけで儀式召喚に必要な素材を揃えられるカードだね」
「つまりそういうデッキ?」
「だな」
これで儀式召喚が可能!じゃあサクッとチュートリアルみたく行くわよ!
「私は儀式魔法《氷結神殿の舞踏》を発動!レベル5の《氷華野獣 フラワライオ》とレベル2の《氷華妖精 アイスフェアリー》を手札から墓地に送り、現れよ!《仮面の氷華舞踏姫(マスカレードフローズプリンセス)》!」
《ATK:2400/Level:7》
「やーっぱり似てるよねー」
「氷華と炎華は似たようなテーマと聞いている、たまたま使い手がこの二人だから似てるように見えるだけだろうな」
攻撃力の差はたったの300だけど、クエストカードには「戦闘」ダメージで1000ポイント以上ダメージを与えろとは書いてないわ!
なら、あえて正攻法でぶつかるよりも、ちょっと工夫を凝らした一撃をぶつければいいだけのこと!
「私はリリースしたアイスフェアリーの効果を発動!このターン、自分フィールドの儀式モンスターのバトルを放棄する代わりに、相手モンスター1体を破壊する!」
「バトルせずにイグナイトダンサーを…!くっ…!」
「更に!《仮面の氷華舞踏姫》の効果発動!モンスターの効果によって相手モンスターを破壊した時、そのモンスターの攻撃力分のダメージを与える!」
イグナイトダンサーの攻撃力は2100!これで一気にライフを削るわ!
「いけっ!フローズンワルツ!」
「ぐっ!」
《Eren Life:1900》
「通った!」
「クエストカードの効果は………」
さぁ、これでなにが出る…!!
《ライフポイント1000回復》
「おっ!?回復!やったぁ!!」
《Yuki Life:4200》
「…まずは譲るよ、ビギナーズラックってやつだな」
な、なんか鼻につく……でも効果はランダムなのよね。ビギナーズラックっていうのも、偶さかではないのかも。
「私はこれでターンエンドよ」
《Hand:1》
「俺のターン、ドロー!…さすがにまだクエストカード来ないか……」
「ねー、エレンあんなだった?」
「クエストカードに頼るところは、あまり見たことないわね」
「そもそも彼、ここじゃほとんどデュエルしないからな…」
クエストカード頼りのデュエルをするようには見えないけど、心理的な陽動…?
「俺は魔法カード《回収融合(サルベージフュージョン)》を発動!!手札1枚をゲームから除外することで、墓地の融合モンスターと《融合》をエクストラデッキに戻すことができる!」
「イグナイトダンサーをエクストラデッキに…!」
「更に、俺のライフが相手を下回っていた場合、回収したモンスターと手札のモンスターを素材に融合召喚を行う!」
墓地から回収したとはいえ、エクストラデッキのモンスターで融合を可能にするカード!?そんなのアリ!?
「俺は、イグナイトダンサーと手札の《炎華虫 フレイムビー》で融合!」
「融合モンスターを使った融合召喚…」
「流石だな」
「火炎に踊る舞踏士よ、毒纏う虫よ、今一つとなり空に舞う羽根となれ!融合召喚!!《炎華蜂騎士 イグナイト・ホーネット》!」
《ATK:2800/Level:8》
一度破壊した融合モンスターを使って……、新たな融合モンスターをこんな方法で呼び出すなんて…!
これだから、デュエルは面白いのよね!
「イグナイト・ホーネットの効果!俺のライフが相手を下回っている時、相手モンスターの攻撃力を半分にする!」
「うそっ!?」
《ATK:1200》
「ライフ回復のクエストカードが裏目に出たな」
「っ…!」
クエストカードで有利になったと思ったら、それを覆すほど考えられた戦術…。
ありえないとかそんなこと思えないくらい、…いや、難しいことは考えなくていいわ。
彼は強い、その事実が今身に染みるくらい分かった。
「イグナイト・ホーネットで、《仮面の氷華舞踏姫》を攻撃!!ブラストニードル!」
「きゃっ…!!」
《Yuki Life:2600》
なら、尚更楽しくなってきた…!
「さっすがに…」
「参ったか、甘く見てるなよ」
「ええ、これは考えを少し改めるわ…やっぱ強い、少しでもナメてかかった私の慢心かな」
だから次は慎重にやる!
もう大丈夫、必ず勝つって決めてるんだから当たり前よね!
「全力、出していこう!」
「…当たり前だろ!」
絶対負けない、負けるわけがない!
それくらいの気持ちで、エレンに勝つ!!
5話へ続く
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【あとがき】
今回の一言、「待たせたな」
遅すぎワロスwwwwww何ヵ月ぶりだよwwwwネタバレばっかりぶちこみやがってごめんなさい!!!!!
長すぎましたね……Fateばっかやってんじゃねえよ聖桜!!ジャンヌ再臨しました。
一応ですね、夏に変えたスマホが扱いづらくてもう大変で、A.Vision更新も色んな理由で滞り、弁解のしようもないですねホントに。大変お待たせいたしました、ここに新春復活です!
年末落下も書けずじまいでもうなにしてんだお前的な泥沼に陥ってましたが、かかさずやってる1月1日の更新がギリギリできてよかったです。ほんとよかった。
さぁ、まぁ記憶が違わぬ内に書けてよかった、忘れてたら惨事だし。ちょくちょく進めてはいたけど気がのらなうわなにするやめ。
初っぱなから救いようがないバカさ加減を露呈してしまいましたが、今月はLS新作長編公開、そして2月からは新作一本発表あります。
こんな傍迷惑奴ではありますが、今年もぜひ生暖かく見守っていただけましたら幸いです。
今年から次回予告が簡略化+タイトルのみとなります。
皆さんで展開の考察のほど、よろしくお願いいたします。
それでは皆様、今年もよろしくお願いします!
【次回】
第5話「灼熱の大剣 炎の華・エレン」
Happy new year!!