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Stage-1「 新 た な 舞 台 」
―――風雅遊矢がいたとされる時代から、約100年程度が経過した。
―――ここはフレアフェスシティ……の、小さな隣町・小春四つ葉町。
―――小さな町だが、人々がデュエルを通して笑顔になれる、いつも暖かな雰囲気がめぐる場所だ。
―――そして、
「あら、遊季ちゃんおはよう」
「おはよ!千代さん!」
「おはよう遊季ちゃん、今日も元気だねえ」
「ありがと!源六さん!」
―――ロードバイクに乗り、ストリート広場を駆け抜けていくこの少女・冬咲遊季。
―――この少女を主軸とし、今…
―――新たな物語が、動き出す。
『遊☆戯☆王EXTRA STAGE!!』
~~~
―――キーンコーンカーンコーン…
「今日も遊季先輩キレイだね」
「うんうん!あの近寄りがたい雰囲気、それに超天才っていうし!」
「そんなにすごい人なの?」
「知らないの!?」
「小春四つ葉の地主・冬咲家の一人娘で、この学校の生徒会長!」
「あの長い髪に美しい瞳、なんでこの学校にいるかすら分からないような方」
「しかも毎日武術や勉学、バレエのレッスンがあるって!」
「なにそれすごーい!!」
「……………」
なんだか酷い勘違いをされてる気がする…。
良いのよ?まだ5月だもの、上級生からそう聞かされてても仕方ないし、入学式にも土地の会議で立ち会えなかったわけだし…。
実際、髪は切るのがめんどくさいし、毎日は稽古もレッスンもないし、あと家は地主だけど……いや、あれはうん。
い、良いんじゃないかな……勘違いは時にあるものだし。
「生徒会長!今日の予定は…」
「今日は会議なしよ。みんなに伝えておいてね、東さん」
「は、はい…!」
「やっぱ美人!」
「俺、やっぱり生徒会長にアタックしようかなぁ…!」
「バカ!お前じゃ玉砕するだけだって!」
………早めに誤解は解いた方がいいわね…。
とにかく、会議はないしレッスンもしばらくはないし、今からゆっくりする!はい決まり!!
「よし、久々にデュエルできるわね!」
「あら?ノリノリじゃん、遊季」
「あっ、沙羅」
南沙羅、生徒会の会計で私の友達なんだけど…ちょっと久々に会ったかな?忙しかったし、仕方ないわよね。
「色々大変そーだよね、新入生向けの書類作りながら一学期の中間テスト勉強に家のコトとかその他諸々、最近休んでなかったでしょ」
「そこまでバッチリ言えるなんてさすがは沙羅ね、よく分かってるわ…」
口に出されるだけで疲労が肩に乗っかるようだわ…疲れた。
「まっ!今日はとにかくデュエルで、疲れを吹っ飛ばすって寸法でしょ?楽しみにしてるから!」
「ま、任せて~…遊季ちゃんのアイスショーはこれからだー」
「ホントに疲れてるね…」
でも!デュエルには人を元気にする力がある!
「あの有名な風雅遊矢も言ってたわよね!デュエルはみんなを笑顔にする魔法だって!」
「そうだっけ?」
「なんかそう考えたら元気沸いてきた!早く広場行こう!」
「……お調子者じゃないけど、遊季って…今行くよー!」
~~~
「俺のターン、ドロー!」
「私はモンスターを融合召喚!」
「バトルだ!《カイザー・シーホース》!」
相変わらず、学校隣接だからか知らないけど賑わってるわね~このデュエル場!
「待ってよ遊季~!」
「遅いぞ~!沙羅!」
「(ホントデュエルになると調子いいんだから…)」
じゃっ、相手探しでもしますか!どれくらいデュエル待ちいるかな?
「…?」
「どうしたの遊季」
「今、流れ星流れなかった?」
「まだ昼の3時だよ~?あるわけないじゃん!」
「いや、ちょっと待ってて!」
「えっ?!遊季!?」
なんで…?あの流れ星、気になって仕方ない…!
あれは……一体…!?
「……?冬咲、さん?」
何故かあの星を追い掛けないといけない気がする、そうしないと――!
「…ここは…」
もしかして私、学校敷地外に出ちゃった?山の中…というか、森の中…よね?
「…!あの塊!」
すごい…氷みたい……。
地球に落ちてきた隕石?にしてはでかすぎるし、クレーター小さいわね…。
じゃあこれ、なんなのかな?
「お待ちなさい!」
「…?貴方、誰…?」
「私は岬エマ、お見知りおきを」
「エマさんね、でも、これを知ってるんですか?」
「ええ、一応。私も仕事柄それの存在は」
この塊を知ってる…?……じゃあ、宇宙に関わりのある仕事の人?それじゃあ―――、
――「ダメ…!」
「…!」
――「あの人に、渡したらダメ…!」
ダメって…今どこから声したの!?ちょっと!?
「すみませんが、仕事ですので退いていただけますか?」
「……」
もし今のがこの塊からした声なら……あの人に渡したらなにかまずいことが起きるはず…。なら…!!
「…これは、渡さない!これは、私のものよ!」
「なっ…!その証拠はあるのですか!」
「声がしたわ!」
「!」
「この塊が私を呼んだの、だから貴方には…渡さない!」
「……そうですか、ならば力ずくで、奪い取るまで!!」
「…デュエルね」
上等、私の実力見せてやるわ!!
「デュエルディスク!リレイトオン!」
《Duel mode Relate》
「「デュエル!!」」
《Two Life:4000》
デュエルなら絶対に負けるわけがないし、負けられない、冬咲遊季の名に懸けて!!
「先攻はもらうわ!私のターン!私は《氷華鳥カワセミ》を召喚!」
《ATK:1300/level:3》
「氷華…?」
「先攻はバトルを行えない!カードを二枚伏せ、ターンエンドよ!」
《hand:2》
まずは下準備、相手の手が分かるまではこうしなきゃね。
「私のターン!私は《鳳凰鳥フェニシア》を召喚!」
《ATK:1500/level:4》
「鳥獣デッキ……?」
「フェニシアのモンスター効果を発動!このモンスターが召喚に成功した時、手札から《鳳凰鳥フェニシア》を特殊召喚できる!現れよフェニシア!」
《ATK:1500/level:4》
レベル4のモンスターを二体…つまり、エクシーズ召喚が来る…!!
「私はレベル4の《鳳凰鳥フェニシア》二体でオーバーレイ!二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れなさい《鳳凰王鳥フェニックス》!」
《ATK:2000/Rank:4/ORU:2》
「モンスターエクシーズね…」
「意外と驚かないのですね」
「私、デュエルも勉強は欠かしてないの。貴方に比べたら色んなコト知ってるわよ」
でも、フェニックス…?あんなモンスター見たことも聞いたこともない…あの人の仕事って、一体何よ…。
「私はフェニックスの効果を発動!1ターンに1度、オーバーレイユニットを一つ使い、私の手札1枚につき400のダメージを与える!私の手札は4枚、1600のダメージです!」
《ORU:1》
「っ!」
《Yuki life:2400》
「更に私はフェニックスでカワセミを攻撃!シャイニングフレア!」
「罠発動《アイスペンデュラム》!手札から水属性のペンデュラムモンスターをエクストラデッキに送ることでバトルを無効にする!」
「ペンデュラムモンスター…最近流通し始めた新たなカードですか。カードを一枚伏せ、ターンエンドです」
《hand:4》
ペンデュラムモンスター、確かに流通し始めたばかりであんまり使ってる人いないけど、少なくとも私はこのカード気に入ったわ!
だから、今度は反撃の時間!!
「私のターン、ドロー!」
来た…!
「私は儀式魔法《氷華姫降臨》を発動!私はフィールドのレベル4のカワセミと手札のレベル2の《氷華女アイスクィーン》を素材に、儀式召喚を行うわ!」
「儀式召喚を!?」
「氷結の姫よ、氷の美しき鳥と女王を糧として光輝け!儀式召喚!現れて、レベル6!《氷華姫フローズンヴァルキリー》!」
《ATK:2500/level:6》
私のエースモンスター!あんまり儀式使いがいないからってナメてかかったら痛い目に遭うって教えてやるわ!!
「フローズンヴァルキリーの効果!召喚に成功した時、カードを一枚ドローする。更に、相手モンスターの攻撃力を半分にし、エンドフェイズまで相手の魔法・罠の発動を無効にする!」
「なっ!」
《ATK:1000》
「さぁ行くわよ!フローズンヴァルキリーでフェニックスを攻撃!フローズンブレイク!」
「きゃっ!」
《Ema life:2500》
決まったぁ!相手にダメージを与えた時の爽快感こそデュエルよね!
「私はこれでターンエンド!」
《hand:2》
「このエンドフェイズに私は罠カード《不死鳥の舞》を発動!」
「不死鳥…もしかして!」
「そう、このカードは墓地の『鳳凰』と名のつくモンスターを特殊召喚し、攻撃力を1000ポイントアップさせるカード。蘇れ!フェニックス!」
《ATK:3000/ORU:0》
攻撃力は3000だけど、それでもオーバーレイユニットがないなら心配ないわ!
「私のターン!私は装備魔法《フェニックスの翼》を発動!このカードは装備した『鳳凰』と名のつくモンスターエクシーズのオーバーレイユニットの代わりにすることができる」
「うそっ!?」
「フェニックスの効果を発動!再び1600のダメージです!」
「うぁっ!!」
《Yuki life:600》
ギリギリライフ600…危ないわね……。
「まだ終わってはいませんよ」
「…!」
「フェニックスよ、フローズンヴァルキリーを攻撃しなさい!シャイニングフレア!」
「うぁぁあっ!」
《Yuki life:100》
嘘でしょ…?なによあの人、強いじゃない…。
「…随分呆気ないものですね。これ以上のデュエルは不用……必要なそれだけいただいて、退散しましょうか」
「……待ちなさいよ…」
「…まだなにか?」
「デュエル、終わってないわよ…!」
「いえ、終わりました。これ以上続けて、互いに利益はありません」
利益とか、ほんっとバカげてる。
何事も全力で、それでいて楽しく……だけど、なんにも楽しくない!!
「それは渡さないって、言ってるじゃない…!」
―――あの人に、渡したらダメ…!
あの塊が願ってる、私に…私を頼ってくれてるのに、私が身勝手に断るなんてできるわけないでしょ…。
「今の貴方に、なにができると言うのですか」
「私は冬咲遊季!!」
「…!」
「みんなの笑顔のために動く、冬咲の女。その魂と、共鳴する者!!」
「!?一体…!」
な、なに!?この光!!
『ありがとう、貴方は今、選ばれたのです』
選ばれた……?
『さぁ、その氷に触れて、貴方に…力を与えましょう』
力を……この塊が……。
「…!なにこれ!?」
何故だろう、分かる気がする。これは―――、
「私の、ターン!!」
「…一体なにが……!塊が、ない……つまりあれが…四人目…」
「私はスケール4の《氷結の魔術姫》とスケール9の《雪月華の魔術姫》でペンデュラムスケールをセッティング!」
《scale:4/scale:9》
「ペンデュラム…!!」
「今こそ揺れよ心のペンデュラム、空に掲げるは希望の虹!ペンデュラム召喚!まずはエクストラデッキの《氷華竜アイスドラゴ》!そして手札から《氷華王フローズンキング》!」
《ATK:2000/level:8》
《ATK:2100/level:8》
これでレベル8が二体、一気に行くわよ!!
「レベル8のアイスドラゴとフローズンキングでオーバーレイ!二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!氷の槍よ、その刃輝かせ吹雪を巻き起こせ!現れよ!《ウィンターフォース04・氷華女王ウィンディーネ・トリシューラ》!」
《ATK:2500/Rank:8/ORU:2》
「…これが…フォースカード……」
~~~
「アキサさん!」
「たいちょーさーん!」
「どうしたぁカエラ、アカネ」
「すごいパワーを感じるんですよぉ!」
「もしかしてこれ…!」
「来たみたいだな…ルキ!場所特定、急げ!」
「任せてください!!」
~~~
……なんだろう、パワーが沸いてくる!
これなら勝てるって!よし!
「私はウィンディーネ・トリシューラの効果を発動!オーバーレイユニットを一つ使い、相手モンスター全ての効果を無効にし、攻撃力を0にする!ブリザードシャウト!」
《ORU:1》
《ATK:0》
「攻撃力が…!」
「いっけえ!ウィンディーネ・トリシューラでフェニックスを攻撃!」
「まだよ!速攻魔法《鳳凰演舞》を発動!鳳凰と名のつくモンスターの攻撃力が変化した状態でバトルする時、攻撃力を戻す!」
《ATK:3000》
これで攻撃力を元に戻した…!!
「これで私の勝ちです!」
「それはどうかしら?」
「…?」
「私はセッティングされた《氷結の魔術姫》のペンデュラム効果を発動!攻撃力がカード効果で変化した時、その攻撃力を0にするわ!ブリザードゲイン!」
《ATK:0》
「なっ…なんですって!?」
「さぁ決まりよ!ウィンディーネ・トリシューラでフェニックスに攻撃!フローズンブラスターブリザード!」
「きゃあぁぁあっ!!」
《Ema life:0》
《WIN:冬咲 遊季》
…………、か、か、
「勝ったぁ…」
危なかったぁ…。ウィンターフォース……強い…というか、相性がいい……。
ホッとしたぁ……。
「…貴方、」
「…!」
「強いわね…でも、彼らには敵わない…」
彼ら……って、体消えかけてる!?どうしたの!?
「黒き盾の名の元に…フォースカードはいずれ、我々の手に――!!」
「!黒き盾って!?貴方一体、なにも、の……」
消えた…?もしかして今の、リアルソリッドビジョン……?多分そうだよね?
とにかく、戻るか。
~~~
「遊季ぃ!!」
「…!あっ、沙羅!」
「ちょっと、どこ行ってたの?夕方だよ?」
「えっ?あっちの森だけど…」
「森?」
「なにさぁ」
なんか笑いこらえられてるんだけど!!私変なこと言った!?
「遊季!あっち、森じゃなくて崖じゃない!」
「えっ?」
「よく見てみなさいよ、ホラ!」
「………あっ」
よく見ると言うか、もうなんか傾斜があった。
「あ、あはは~!は、はは…」
「遊季?ボケには早いぞっ」
「だねえ…」
というか、ヤバイね。そろそろ帰らないと門限が――――。
「ねえ君!」
「…!あれ?あの子、」
「隣のクラスの春澤くん…だよね?」
「…どうしたの?」
「あのデュエル見てたよ!すごかった!」
「えっ?」
えっ!?だって誰も見てなかったわよね!?周り誰もいなかったわよね!?
「そんなすごい冬咲さんに、お願いがあるんだ!」
「で、できる範囲なら…」
「うん!僕が所属してる、フォースチームに入ってほしいんだ!」
「うん!それなら―――えっ?」
「ふぉ…フォース……って…」
フレアフェスシティから排出されたデュエルチーム内で、日本一の実力を誇ってる、あのチーム!?
「え…ええええええええっ!!?」
2話へ続く
=================
【あとがき】
今回の一言、「リメイクも程々にしろよ聖桜オラァ!!」
リメイクっつーか最早別物と化してる件、2年くらい前のをなんとかしてるんだから誰も突っ込まないで。
なお、リメイク前は削除させていただきました、なので黒歴史は誰も見れません(自分への皮肉)
遊季ちゃんの性格好きすぎる、男前なんだけど言葉遣いはちゃんと女性みたいな。周りに気を配ってるわけじゃないけどなんか華って雰囲気するんだろうね。そしてそれが災いして基本友達少ない。そんな遊季の弱点が次回晒されると…。
よかれと思って氷華デッキをエクシーズ儀式ペンデュラムオラァに改変しました!ペンデュラム効果を多用するとこをあんまりアニメで見たことがなくて(要点要点で使ってるイメージ)、切り札級の効果を与えたかったんです。許してください。
リメイク前だと小者レアハンターだったエマ姉さん、今回リメイクでまさかのシュバゲのメンバーらしき発言。やったぜ。ただしもうデュエルさせたくない、不死身デッキは死神だけで十分やから!!
一話のプリキュア感半端ない、日常→やられ→決意→覚醒→反撃、このプリキュア感。あと声に関してはまだ触れないでいつか触れるから、触れるからね!触れるから!!(伏線放置しながら)
カエラかわいい、あとカエラかわいい(大事なことなので二度ry)アカネちゃんもかわいいけど実際カエラが一番かわいいよね。そしてエレン仕事しろ。
設定集は近日公開します、そちらで新しくなった設定とキャラデザをよろしくお願いします!
次回!!立ちはだかるは漢・大文寺剛!?フォースチーム入隊へ!
フォースチームへの勧誘を受けた遊季はとりあえずフォースの本部に行ってみることに。
しかし何故か因縁をつけられた大男・大文寺とデュエルすることに。
【予告】
カエラからフォースチームへの勧誘を受けた遊季。
とにかく行ってみようとフレアフェスシティにあるフォースの本部へ足を踏み入れた遊季を出迎えたのは同じ学校のカエラや後輩のアカネ、チームリーダーのアキサなどの愉快な仲間たち。
そんな中、遊季を迎える気はないという面持ちで現れたフォースのメンバー・大文寺剛にデュエルを申し込まれた遊季なのだが…。
次回!第2話「超速デュエル!氷結のウィンディーネ!」
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Stage-1「 新 た な 舞 台 」
―――風雅遊矢がいたとされる時代から、約100年程度が経過した。
―――ここはフレアフェスシティ……の、小さな隣町・小春四つ葉町。
―――小さな町だが、人々がデュエルを通して笑顔になれる、いつも暖かな雰囲気がめぐる場所だ。
―――そして、
「あら、遊季ちゃんおはよう」
「おはよ!千代さん!」
「おはよう遊季ちゃん、今日も元気だねえ」
「ありがと!源六さん!」
―――ロードバイクに乗り、ストリート広場を駆け抜けていくこの少女・冬咲遊季。
―――この少女を主軸とし、今…
―――新たな物語が、動き出す。
『遊☆戯☆王EXTRA STAGE!!』
~~~
―――キーンコーンカーンコーン…
「今日も遊季先輩キレイだね」
「うんうん!あの近寄りがたい雰囲気、それに超天才っていうし!」
「そんなにすごい人なの?」
「知らないの!?」
「小春四つ葉の地主・冬咲家の一人娘で、この学校の生徒会長!」
「あの長い髪に美しい瞳、なんでこの学校にいるかすら分からないような方」
「しかも毎日武術や勉学、バレエのレッスンがあるって!」
「なにそれすごーい!!」
「……………」
なんだか酷い勘違いをされてる気がする…。
良いのよ?まだ5月だもの、上級生からそう聞かされてても仕方ないし、入学式にも土地の会議で立ち会えなかったわけだし…。
実際、髪は切るのがめんどくさいし、毎日は稽古もレッスンもないし、あと家は地主だけど……いや、あれはうん。
い、良いんじゃないかな……勘違いは時にあるものだし。
「生徒会長!今日の予定は…」
「今日は会議なしよ。みんなに伝えておいてね、東さん」
「は、はい…!」
「やっぱ美人!」
「俺、やっぱり生徒会長にアタックしようかなぁ…!」
「バカ!お前じゃ玉砕するだけだって!」
………早めに誤解は解いた方がいいわね…。
とにかく、会議はないしレッスンもしばらくはないし、今からゆっくりする!はい決まり!!
「よし、久々にデュエルできるわね!」
「あら?ノリノリじゃん、遊季」
「あっ、沙羅」
南沙羅、生徒会の会計で私の友達なんだけど…ちょっと久々に会ったかな?忙しかったし、仕方ないわよね。
「色々大変そーだよね、新入生向けの書類作りながら一学期の中間テスト勉強に家のコトとかその他諸々、最近休んでなかったでしょ」
「そこまでバッチリ言えるなんてさすがは沙羅ね、よく分かってるわ…」
口に出されるだけで疲労が肩に乗っかるようだわ…疲れた。
「まっ!今日はとにかくデュエルで、疲れを吹っ飛ばすって寸法でしょ?楽しみにしてるから!」
「ま、任せて~…遊季ちゃんのアイスショーはこれからだー」
「ホントに疲れてるね…」
でも!デュエルには人を元気にする力がある!
「あの有名な風雅遊矢も言ってたわよね!デュエルはみんなを笑顔にする魔法だって!」
「そうだっけ?」
「なんかそう考えたら元気沸いてきた!早く広場行こう!」
「……お調子者じゃないけど、遊季って…今行くよー!」
~~~
「俺のターン、ドロー!」
「私はモンスターを融合召喚!」
「バトルだ!《カイザー・シーホース》!」
相変わらず、学校隣接だからか知らないけど賑わってるわね~このデュエル場!
「待ってよ遊季~!」
「遅いぞ~!沙羅!」
「(ホントデュエルになると調子いいんだから…)」
じゃっ、相手探しでもしますか!どれくらいデュエル待ちいるかな?
「…?」
「どうしたの遊季」
「今、流れ星流れなかった?」
「まだ昼の3時だよ~?あるわけないじゃん!」
「いや、ちょっと待ってて!」
「えっ?!遊季!?」
なんで…?あの流れ星、気になって仕方ない…!
あれは……一体…!?
「……?冬咲、さん?」
何故かあの星を追い掛けないといけない気がする、そうしないと――!
「…ここは…」
もしかして私、学校敷地外に出ちゃった?山の中…というか、森の中…よね?
「…!あの塊!」
すごい…氷みたい……。
地球に落ちてきた隕石?にしてはでかすぎるし、クレーター小さいわね…。
じゃあこれ、なんなのかな?
「お待ちなさい!」
「…?貴方、誰…?」
「私は岬エマ、お見知りおきを」
「エマさんね、でも、これを知ってるんですか?」
「ええ、一応。私も仕事柄それの存在は」
この塊を知ってる…?……じゃあ、宇宙に関わりのある仕事の人?それじゃあ―――、
――「ダメ…!」
「…!」
――「あの人に、渡したらダメ…!」
ダメって…今どこから声したの!?ちょっと!?
「すみませんが、仕事ですので退いていただけますか?」
「……」
もし今のがこの塊からした声なら……あの人に渡したらなにかまずいことが起きるはず…。なら…!!
「…これは、渡さない!これは、私のものよ!」
「なっ…!その証拠はあるのですか!」
「声がしたわ!」
「!」
「この塊が私を呼んだの、だから貴方には…渡さない!」
「……そうですか、ならば力ずくで、奪い取るまで!!」
「…デュエルね」
上等、私の実力見せてやるわ!!
「デュエルディスク!リレイトオン!」
《Duel mode Relate》
「「デュエル!!」」
《Two Life:4000》
デュエルなら絶対に負けるわけがないし、負けられない、冬咲遊季の名に懸けて!!
「先攻はもらうわ!私のターン!私は《氷華鳥カワセミ》を召喚!」
《ATK:1300/level:3》
「氷華…?」
「先攻はバトルを行えない!カードを二枚伏せ、ターンエンドよ!」
《hand:2》
まずは下準備、相手の手が分かるまではこうしなきゃね。
「私のターン!私は《鳳凰鳥フェニシア》を召喚!」
《ATK:1500/level:4》
「鳥獣デッキ……?」
「フェニシアのモンスター効果を発動!このモンスターが召喚に成功した時、手札から《鳳凰鳥フェニシア》を特殊召喚できる!現れよフェニシア!」
《ATK:1500/level:4》
レベル4のモンスターを二体…つまり、エクシーズ召喚が来る…!!
「私はレベル4の《鳳凰鳥フェニシア》二体でオーバーレイ!二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れなさい《鳳凰王鳥フェニックス》!」
《ATK:2000/Rank:4/ORU:2》
「モンスターエクシーズね…」
「意外と驚かないのですね」
「私、デュエルも勉強は欠かしてないの。貴方に比べたら色んなコト知ってるわよ」
でも、フェニックス…?あんなモンスター見たことも聞いたこともない…あの人の仕事って、一体何よ…。
「私はフェニックスの効果を発動!1ターンに1度、オーバーレイユニットを一つ使い、私の手札1枚につき400のダメージを与える!私の手札は4枚、1600のダメージです!」
《ORU:1》
「っ!」
《Yuki life:2400》
「更に私はフェニックスでカワセミを攻撃!シャイニングフレア!」
「罠発動《アイスペンデュラム》!手札から水属性のペンデュラムモンスターをエクストラデッキに送ることでバトルを無効にする!」
「ペンデュラムモンスター…最近流通し始めた新たなカードですか。カードを一枚伏せ、ターンエンドです」
《hand:4》
ペンデュラムモンスター、確かに流通し始めたばかりであんまり使ってる人いないけど、少なくとも私はこのカード気に入ったわ!
だから、今度は反撃の時間!!
「私のターン、ドロー!」
来た…!
「私は儀式魔法《氷華姫降臨》を発動!私はフィールドのレベル4のカワセミと手札のレベル2の《氷華女アイスクィーン》を素材に、儀式召喚を行うわ!」
「儀式召喚を!?」
「氷結の姫よ、氷の美しき鳥と女王を糧として光輝け!儀式召喚!現れて、レベル6!《氷華姫フローズンヴァルキリー》!」
《ATK:2500/level:6》
私のエースモンスター!あんまり儀式使いがいないからってナメてかかったら痛い目に遭うって教えてやるわ!!
「フローズンヴァルキリーの効果!召喚に成功した時、カードを一枚ドローする。更に、相手モンスターの攻撃力を半分にし、エンドフェイズまで相手の魔法・罠の発動を無効にする!」
「なっ!」
《ATK:1000》
「さぁ行くわよ!フローズンヴァルキリーでフェニックスを攻撃!フローズンブレイク!」
「きゃっ!」
《Ema life:2500》
決まったぁ!相手にダメージを与えた時の爽快感こそデュエルよね!
「私はこれでターンエンド!」
《hand:2》
「このエンドフェイズに私は罠カード《不死鳥の舞》を発動!」
「不死鳥…もしかして!」
「そう、このカードは墓地の『鳳凰』と名のつくモンスターを特殊召喚し、攻撃力を1000ポイントアップさせるカード。蘇れ!フェニックス!」
《ATK:3000/ORU:0》
攻撃力は3000だけど、それでもオーバーレイユニットがないなら心配ないわ!
「私のターン!私は装備魔法《フェニックスの翼》を発動!このカードは装備した『鳳凰』と名のつくモンスターエクシーズのオーバーレイユニットの代わりにすることができる」
「うそっ!?」
「フェニックスの効果を発動!再び1600のダメージです!」
「うぁっ!!」
《Yuki life:600》
ギリギリライフ600…危ないわね……。
「まだ終わってはいませんよ」
「…!」
「フェニックスよ、フローズンヴァルキリーを攻撃しなさい!シャイニングフレア!」
「うぁぁあっ!」
《Yuki life:100》
嘘でしょ…?なによあの人、強いじゃない…。
「…随分呆気ないものですね。これ以上のデュエルは不用……必要なそれだけいただいて、退散しましょうか」
「……待ちなさいよ…」
「…まだなにか?」
「デュエル、終わってないわよ…!」
「いえ、終わりました。これ以上続けて、互いに利益はありません」
利益とか、ほんっとバカげてる。
何事も全力で、それでいて楽しく……だけど、なんにも楽しくない!!
「それは渡さないって、言ってるじゃない…!」
―――あの人に、渡したらダメ…!
あの塊が願ってる、私に…私を頼ってくれてるのに、私が身勝手に断るなんてできるわけないでしょ…。
「今の貴方に、なにができると言うのですか」
「私は冬咲遊季!!」
「…!」
「みんなの笑顔のために動く、冬咲の女。その魂と、共鳴する者!!」
「!?一体…!」
な、なに!?この光!!
『ありがとう、貴方は今、選ばれたのです』
選ばれた……?
『さぁ、その氷に触れて、貴方に…力を与えましょう』
力を……この塊が……。
「…!なにこれ!?」
何故だろう、分かる気がする。これは―――、
「私の、ターン!!」
「…一体なにが……!塊が、ない……つまりあれが…四人目…」
「私はスケール4の《氷結の魔術姫》とスケール9の《雪月華の魔術姫》でペンデュラムスケールをセッティング!」
《scale:4/scale:9》
「ペンデュラム…!!」
「今こそ揺れよ心のペンデュラム、空に掲げるは希望の虹!ペンデュラム召喚!まずはエクストラデッキの《氷華竜アイスドラゴ》!そして手札から《氷華王フローズンキング》!」
《ATK:2000/level:8》
《ATK:2100/level:8》
これでレベル8が二体、一気に行くわよ!!
「レベル8のアイスドラゴとフローズンキングでオーバーレイ!二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!氷の槍よ、その刃輝かせ吹雪を巻き起こせ!現れよ!《ウィンターフォース04・氷華女王ウィンディーネ・トリシューラ》!」
《ATK:2500/Rank:8/ORU:2》
「…これが…フォースカード……」
~~~
「アキサさん!」
「たいちょーさーん!」
「どうしたぁカエラ、アカネ」
「すごいパワーを感じるんですよぉ!」
「もしかしてこれ…!」
「来たみたいだな…ルキ!場所特定、急げ!」
「任せてください!!」
~~~
……なんだろう、パワーが沸いてくる!
これなら勝てるって!よし!
「私はウィンディーネ・トリシューラの効果を発動!オーバーレイユニットを一つ使い、相手モンスター全ての効果を無効にし、攻撃力を0にする!ブリザードシャウト!」
《ORU:1》
《ATK:0》
「攻撃力が…!」
「いっけえ!ウィンディーネ・トリシューラでフェニックスを攻撃!」
「まだよ!速攻魔法《鳳凰演舞》を発動!鳳凰と名のつくモンスターの攻撃力が変化した状態でバトルする時、攻撃力を戻す!」
《ATK:3000》
これで攻撃力を元に戻した…!!
「これで私の勝ちです!」
「それはどうかしら?」
「…?」
「私はセッティングされた《氷結の魔術姫》のペンデュラム効果を発動!攻撃力がカード効果で変化した時、その攻撃力を0にするわ!ブリザードゲイン!」
《ATK:0》
「なっ…なんですって!?」
「さぁ決まりよ!ウィンディーネ・トリシューラでフェニックスに攻撃!フローズンブラスターブリザード!」
「きゃあぁぁあっ!!」
《Ema life:0》
《WIN:冬咲 遊季》
…………、か、か、
「勝ったぁ…」
危なかったぁ…。ウィンターフォース……強い…というか、相性がいい……。
ホッとしたぁ……。
「…貴方、」
「…!」
「強いわね…でも、彼らには敵わない…」
彼ら……って、体消えかけてる!?どうしたの!?
「黒き盾の名の元に…フォースカードはいずれ、我々の手に――!!」
「!黒き盾って!?貴方一体、なにも、の……」
消えた…?もしかして今の、リアルソリッドビジョン……?多分そうだよね?
とにかく、戻るか。
~~~
「遊季ぃ!!」
「…!あっ、沙羅!」
「ちょっと、どこ行ってたの?夕方だよ?」
「えっ?あっちの森だけど…」
「森?」
「なにさぁ」
なんか笑いこらえられてるんだけど!!私変なこと言った!?
「遊季!あっち、森じゃなくて崖じゃない!」
「えっ?」
「よく見てみなさいよ、ホラ!」
「………あっ」
よく見ると言うか、もうなんか傾斜があった。
「あ、あはは~!は、はは…」
「遊季?ボケには早いぞっ」
「だねえ…」
というか、ヤバイね。そろそろ帰らないと門限が――――。
「ねえ君!」
「…!あれ?あの子、」
「隣のクラスの春澤くん…だよね?」
「…どうしたの?」
「あのデュエル見てたよ!すごかった!」
「えっ?」
えっ!?だって誰も見てなかったわよね!?周り誰もいなかったわよね!?
「そんなすごい冬咲さんに、お願いがあるんだ!」
「で、できる範囲なら…」
「うん!僕が所属してる、フォースチームに入ってほしいんだ!」
「うん!それなら―――えっ?」
「ふぉ…フォース……って…」
フレアフェスシティから排出されたデュエルチーム内で、日本一の実力を誇ってる、あのチーム!?
「え…ええええええええっ!!?」
2話へ続く
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【あとがき】
今回の一言、「リメイクも程々にしろよ聖桜オラァ!!」
リメイクっつーか最早別物と化してる件、2年くらい前のをなんとかしてるんだから誰も突っ込まないで。
なお、リメイク前は削除させていただきました、なので黒歴史は誰も見れません(自分への皮肉)
遊季ちゃんの性格好きすぎる、男前なんだけど言葉遣いはちゃんと女性みたいな。周りに気を配ってるわけじゃないけどなんか華って雰囲気するんだろうね。そしてそれが災いして基本友達少ない。そんな遊季の弱点が次回晒されると…。
よかれと思って氷華デッキをエクシーズ儀式ペンデュラムオラァに改変しました!ペンデュラム効果を多用するとこをあんまりアニメで見たことがなくて(要点要点で使ってるイメージ)、切り札級の効果を与えたかったんです。許してください。
リメイク前だと小者レアハンターだったエマ姉さん、今回リメイクでまさかのシュバゲのメンバーらしき発言。やったぜ。ただしもうデュエルさせたくない、不死身デッキは死神だけで十分やから!!
一話のプリキュア感半端ない、日常→やられ→決意→覚醒→反撃、このプリキュア感。あと声に関してはまだ触れないでいつか触れるから、触れるからね!触れるから!!(伏線放置しながら)
カエラかわいい、あとカエラかわいい(大事なことなので二度ry)アカネちゃんもかわいいけど実際カエラが一番かわいいよね。そしてエレン仕事しろ。
設定集は近日公開します、そちらで新しくなった設定とキャラデザをよろしくお願いします!
次回!!立ちはだかるは漢・大文寺剛!?フォースチーム入隊へ!
フォースチームへの勧誘を受けた遊季はとりあえずフォースの本部に行ってみることに。
しかし何故か因縁をつけられた大男・大文寺とデュエルすることに。
【予告】
カエラからフォースチームへの勧誘を受けた遊季。
とにかく行ってみようとフレアフェスシティにあるフォースの本部へ足を踏み入れた遊季を出迎えたのは同じ学校のカエラや後輩のアカネ、チームリーダーのアキサなどの愉快な仲間たち。
そんな中、遊季を迎える気はないという面持ちで現れたフォースのメンバー・大文寺剛にデュエルを申し込まれた遊季なのだが…。
次回!第2話「超速デュエル!氷結のウィンディーネ!」