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ジェレスタ134「 人 形 遣 い の 悪 魔 」
「ごめんなさい!!ごめんなさいお姉ちゃん!」
「気にしないでください、ヒノが無事なら、私はいいのです」
「でも…でも……」
「大丈夫、泣いてはいけません、必ずお姉ちゃんとまた、遊びましょう」
「…うん!」
―――私達の未来を容易に奪っていった運命。
―――彼を見ると、その運命に、抗ってしまいたくなるのは、何故……?
――――――、
―――――――――、
「よくまぁ…ここまで派手にやってくれましたね」
「…別に」
「………お、お前には関係ないじゃん!」
「…反応が薄いですわ」
「無視かよ…」
「まぁいいでしょう。ここで二人とも、倒させていただきます」
アイツがいずれ来るのは分かっていた。
…もし托都の言う通りのデッキなら、絶対にこの2枚のカードを使うことになるはず…!
「やるならさっさと始めるぞ、無駄な話をする必要はない」
「その通りですわね、次こそ必ず……手に入れるのですから…」
――――――――、
―――――、
「っ~…ここは……目的の場所についた?」
遊矢もぐっすりか、…今のうちならあれが確認できるかも。
「『今日からは私が当主となる』『あの子のために、悠久を生きる』………、虐殺…それに不老不死……まさか……」
―――――、
――――――――、
……あれは本当なのか、もしも本当なら、俺に運命が変えられるかもしれない……。
だが、まず第一としてあんな女に話が通じるとも…思えないんだよな……。
「いきますわ!」
「「デュエル!!」」
「先攻は私がもらいます、ドロー!」
なにはどうあれ、負ければすべてが終わる、負けられないのはなにも変わりはない。もしなにも理解されないなら、師匠…アルヴィドと同じ、慈悲もなく葬るだけだ。
「私はカードを5枚伏せて、ターンエンド」
《手札:1》
「全伏せ!?」
「………」
「デュエルはモンスターだけで決まるものじゃありませんわ」
「その通りだな」
「だー!!敵に共感すんな!」
事実だから反論もない、アイツのデュエルスタイルなら5枚伏せもありえるはず。驚くほどでもない。
「俺のターン、ドロー!」
「永続罠《マリオネットの生成術》を発動!貴方がモンスターを召喚する度に、貴方のフィールドに《マリオネットトークン》が特殊召喚されます」
モンスターを召喚する度に、ということは実質使えるモンスターゾーンが3つか2つか。エクシーズ召喚しづらくなる状況に持っていかれる前にあのカードを破壊しないと…。
「俺はカードを三枚伏せて、ターンエンド」
《手札:3》
「お前もかよ!?」
モンスターは召喚できる…ただ下手に出れない…!やつの残り4枚のカードがなんなのかによっては、モンスターを呼び出すこと事態が罠になる……。
「私のターン!私は罠カード《ジャミングアウト》を発動!相手フィールドのカードを二枚まで選択し、墓地へ」
「!」
まさか、読んでいたのか…俺がモンスターを呼ばないことを…。
「二体の《マリオネットトークン》を特殊召喚します!」
《攻撃力:0/レベル:1》
あらゆる破壊や除去を無効にする厄介なトークン……どうする………。
「私はこれでターンエンドです」
《手札:2》
「どーすんだよヒカル…早速トークンが出てきてんじゃん……」
「俺のターン、ドロー!俺は魔法カード《光子乱舞》を発動!手札のカードを二枚墓地に送り、自分のエクストラデッキから効果を無効にしてランク8モンスターを特殊召喚する!来い!《ギャラクシー・カオス・ダークネスドラゴン》!」
《攻撃力:4000/ランク:8/ORU:0》
《攻撃力:0/レベル:1》
これでトークンはフィールドに三体…フィールドの空きは一つになった……。
「装備魔法《銀の翼(シルバーウィング)》を発動!ギャラクシー・カオスに装備され、ギャラクシー・カオスはバトル中に魔法・罠の対象にはならなくなる」
「よっしゃ!これで4000のダメージを与えたらヒカルの勝ちだ!」
「いけっ!ギャラクシー・カオス!ダイレクトアタックだ、シルバーフォトンストリーム!」
「永続罠発動!《マリオネット・ダンシング》!1ターンに1度、攻撃を無効にし、発動時に《マリオネットトークン》を二体特殊召喚します。貴方のフィールドのモンスターゾーンは1つしか空きがないので、1体のみ召喚されますわ」
《攻撃力:0/レベル:1》
「っ…また…!」
「しかもヒカルのフィールドはトークンでいっぱいになってモンスターが呼べない…じゃあ《マリオネット・ダンシング》を突破できねえじゃん!」
それだけじゃない…アイツの目的は…!!
「俺はこれで、ターンエンド!」
《手札:0》
「為す術もないようですわね、私のターンです!私は手札から《コラプトマリオネット マリアン》を二体、特殊召喚!このモンスターは相手フィールドに《マリオネットトークン》が存在する時、特殊召喚できます!」
《攻撃力:0/レベル:3》
レベル3のモンスターが二体、つまりここから現れるモンスターは一体だけ…托都を敗北ギリギリまで追い込んだ…アイツ……。
「私はレベル3のマリアン二体でオーバーレイ!二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!舞い踊りなさい!《コラプトマリオネット リカティナ》!」
《攻撃力:0/ランク:3/ORU:2》
「攻撃力0!?」
「見くびられては困りますわ!私はリカティナの効果を発動!オーバーレイユニットのあるこのモンスターは、相手フィールドの《マリオネットトークン》一体につき、攻撃力を400ポイントアップするのです!」
《攻撃力:1600》
そして、あのモンスターは《マリオネットトークン》の数だけ、相手に攻撃することができる…!!
「リカティナは相手フィールドの《マリオネットトークン》の数だけ攻撃を可能にするモンスターです、つまり…」
「合計6400!?マジかよ!!」
「………」
「さぁ行きますわよ!リカティナ、《マリオネットトークン》に偽りの苦痛を与えなさい!まずは1体目!」
「…っ!罠発動!《ミラーシェード》!ライフを半分払い、このターンの戦闘ダメージを0にする!うっ…」
《ヒカルのライフ:2000》
このカードが破壊されてたら負けてた…危なかった……。
「…ホッとしたぜ……」
「あら、後ろの貴方は随分楽観的なのですね」
「うるせえ!こう見えたって、すっげえ心配してるんだからな!」
「遊矢…」
「いい友情です、嫌いではありません。では…まとめてその友情、消させていただきましょう。速攻魔法《誘爆人形》発動!貴方のフィールドの《マリオネットトークン》一体につき400のダメージを与えます!」
「1600のダメージ……」
「そんな…ヒカル!」
このままだと、負ける…!
「《マリオネットトークン》は四体、1600のダメージを受けなさい!」
「うぁぁあああっ!」
《ヒカルのライフ:400》
「うわぁっ!!」
……まずい、ライフが400しかない…こんなところで負けるなんて…。
~~~
「凌牙さん!」
「凌牙!」
「来たか、二人とも」
「どうしたんですか、急に……」
「ドン・サウザンドの力を通して向こうのことが分かるようになった、今から写そうとしていたところだ」
「そうなんですか!」
遊矢、ヒカル先輩……無事でいて……!
「…!」
「あれは……」
「先輩…!!」
先輩が、デュエルを!?相手は……!?
~~~
「……墓地から、《カオスキュアー》の効果を、発動…!《カオスキュアー》を除外して、ギャラクシー・カオスの攻撃力の半分ライフを回復し、自分のフィールドのモンスターの攻撃力を1000ポイントアップさせる…」
《攻撃力:5000》
《攻撃力:1000》
《ヒカルのライフ:2400》
「墓地から罠カードを…ライフを2400にするとは…ターンエンドですわ」
《手札:0》
ライフを回復して少し体力が戻るかと思ったらそれ以上に体力が削られた…デュエルに負けるか死ぬかアイツの言いなりになるなんてこと、ありたくもない…!
「……その心、いただきますわ」
「えっ?――!!あっくぅ…!お前…!」
「少しでも私の前で弱気な部分を見せたのが仇になりましたわね。こうやって少しずつ、今度こそ確実に…!」
頭が痛い…あの時と同じ、鏡とのデュエルの時にあったのと力は弱いけど、同じだ……まずい、意識が持っていかれたら今度は―――。
「…ヒカル……!」
「――、無駄です。あがけば苦しみ、受け入れれば楽園……諦めなさい、そうすれば彼は帰してあげます」
「……それは…っ……ダメだ…!」
「…!」
「俺達の未来は、俺達が守る…邪魔する権利は…誰も持ってない!」
「………」
「だから――――っ!」
「……!ヒカル!」
「静かになさい、その闇の中で、自分の敗北を見届けぬまま、終わらせてあげます」
~~~
『…これは………』
「どうした、ドン・サウザンド。…!あれは…」
『……あぁ、間違いはないはずだろう』
あの闇の力……もしかしたら……。
「…………」
『どこへ行くつもりだ』
「決まっている、あの場所に―――」
『お前の体はまだ完全ではない、分かっているのか』
「そんなことは分かっている!だが、…」
『だが…?』
「二人は仲間だ、この身に代えても必ず、俺が守る」
『……そうか』
「頼む、行かせてくれ。俺があいつらにしてやれることは、これくらいなんだ」
『…分かった、だが、時間は3分のみ。戻れなければ私がお前の体を守ることはできない』
「……3分あれば十分だ」
『行け、闇の中へ――――』
~~~
「そんな…卑怯だぞトルテ!!」
「卑怯ではありません、彼はどうせ、後にこうなっていたのですから」
「こうなっていた…?」
闇の中に閉じ込められる…つまり、結界の力で魂を奪われる、みたいなこと…!?
「さぁ、ターンは再開します。私のターン!」
「ヒカル!!目覚ませよ!!早く!!」
「リカティナでまずは一体目の《マリオネットトークン》を攻撃!ファーストフローラルウィップ!!」
《ヒカルのライフ:1800》
《マリオネットトークン》の攻撃力は1000まで上がってる。でも、1回で600のダメージ……あと3回攻撃を受けたら、ヒカルはライフジャストで負ける!!
「しっかりしろよ!!ヒカル!!」
「貴方はそこから出られない、ゆっくり終わらせてあげます…確実に―――」
~~~
「さぁって、そろそろ終わりかな」
『…………』
「せいぜい足掻けよ、遊矢、ヒカル。俺は、待ってるぜ、なぁ!アンタもだろ!」
「――――――もちろん」
135話へ続く
=================
【あとがき】
今回の一言、「いつもの」
ヒカルどうしたの、いや、いつものです。トルテさんの独占欲が強すぎてもうどうにもならない、三期に比べたら喘いでないから全く問題にしないね、できないでしょ?
托都がいるだけで安心感強い、なんなのあの人、さすがお兄ちゃん属性やなぁ…と感じずにはいられないッ!!つか最早あの人人間自覚してやめ始めてるからもうなにも言うことはない、さすがや。
トークンデッキはやっぱ楽しいですね!トルテのデュエル描いたの一年近く前なんで楽しく書いてます!あんまりアニメもトークンでデュエルを構築させるの見たことないんで、おジャマとかくらいしかテーマとして食い込んでるやつ見たことない気がする。やっぱトークンは書くのも回すのも楽しい、だからって幻獣機やめて、デッキの相性悪いの。
遊矢が空気化しつつあるし活躍がないけど裏切り者がやっと喋り始めたのでこれはワクワクする他ないじゃないですか!!まだまだ予想しづらいけど私的にはぜひ皆さんに予想してほしいです!!色んな予想が聞けたらいいじゃないですかー!!
次回かその次でトルテ戦終わりますね、うわぁ……ラストが近付いてくる……泣ける。
次回!!その思いはいつしか希望に変わる!!
トルテの力で闇に閉じ込められ、徐々に攻撃を受けて敗北に近づくヒカル。そのヒカルを救うため、托都が再び登場!!
そして、運命は変わる―――!?
【予告】
トルテによって闇に閉じ込められたヒカルは、リカティナの攻撃によって徐々に敗北へ近づいていく…。
その間、ドン・サウザンドの力で闇の中に入り込んだ托都は少ない時間の中、ヒカルを闇から目覚めさせるために彼を探していた。
「思いはいつしか希望に変わる」その言葉とヒカルの持つ最大限の勇気、その力でヒカルは運命を変えるために奇跡の装甲を呼び覚ます――!!
次回!第135話「運命を変える者 フェイトシャイニング」
※深夜0時~5時までのコメントや読者登録はマナー違反です。おやめください。
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ジェレスタ134「 人 形 遣 い の 悪 魔 」
「ごめんなさい!!ごめんなさいお姉ちゃん!」
「気にしないでください、ヒノが無事なら、私はいいのです」
「でも…でも……」
「大丈夫、泣いてはいけません、必ずお姉ちゃんとまた、遊びましょう」
「…うん!」
―――私達の未来を容易に奪っていった運命。
―――彼を見ると、その運命に、抗ってしまいたくなるのは、何故……?
――――――、
―――――――――、
「よくまぁ…ここまで派手にやってくれましたね」
「…別に」
「………お、お前には関係ないじゃん!」
「…反応が薄いですわ」
「無視かよ…」
「まぁいいでしょう。ここで二人とも、倒させていただきます」
アイツがいずれ来るのは分かっていた。
…もし托都の言う通りのデッキなら、絶対にこの2枚のカードを使うことになるはず…!
「やるならさっさと始めるぞ、無駄な話をする必要はない」
「その通りですわね、次こそ必ず……手に入れるのですから…」
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―――――、
「っ~…ここは……目的の場所についた?」
遊矢もぐっすりか、…今のうちならあれが確認できるかも。
「『今日からは私が当主となる』『あの子のために、悠久を生きる』………、虐殺…それに不老不死……まさか……」
―――――、
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……あれは本当なのか、もしも本当なら、俺に運命が変えられるかもしれない……。
だが、まず第一としてあんな女に話が通じるとも…思えないんだよな……。
「いきますわ!」
「「デュエル!!」」
「先攻は私がもらいます、ドロー!」
なにはどうあれ、負ければすべてが終わる、負けられないのはなにも変わりはない。もしなにも理解されないなら、師匠…アルヴィドと同じ、慈悲もなく葬るだけだ。
「私はカードを5枚伏せて、ターンエンド」
《手札:1》
「全伏せ!?」
「………」
「デュエルはモンスターだけで決まるものじゃありませんわ」
「その通りだな」
「だー!!敵に共感すんな!」
事実だから反論もない、アイツのデュエルスタイルなら5枚伏せもありえるはず。驚くほどでもない。
「俺のターン、ドロー!」
「永続罠《マリオネットの生成術》を発動!貴方がモンスターを召喚する度に、貴方のフィールドに《マリオネットトークン》が特殊召喚されます」
モンスターを召喚する度に、ということは実質使えるモンスターゾーンが3つか2つか。エクシーズ召喚しづらくなる状況に持っていかれる前にあのカードを破壊しないと…。
「俺はカードを三枚伏せて、ターンエンド」
《手札:3》
「お前もかよ!?」
モンスターは召喚できる…ただ下手に出れない…!やつの残り4枚のカードがなんなのかによっては、モンスターを呼び出すこと事態が罠になる……。
「私のターン!私は罠カード《ジャミングアウト》を発動!相手フィールドのカードを二枚まで選択し、墓地へ」
「!」
まさか、読んでいたのか…俺がモンスターを呼ばないことを…。
「二体の《マリオネットトークン》を特殊召喚します!」
《攻撃力:0/レベル:1》
あらゆる破壊や除去を無効にする厄介なトークン……どうする………。
「私はこれでターンエンドです」
《手札:2》
「どーすんだよヒカル…早速トークンが出てきてんじゃん……」
「俺のターン、ドロー!俺は魔法カード《光子乱舞》を発動!手札のカードを二枚墓地に送り、自分のエクストラデッキから効果を無効にしてランク8モンスターを特殊召喚する!来い!《ギャラクシー・カオス・ダークネスドラゴン》!」
《攻撃力:4000/ランク:8/ORU:0》
《攻撃力:0/レベル:1》
これでトークンはフィールドに三体…フィールドの空きは一つになった……。
「装備魔法《銀の翼(シルバーウィング)》を発動!ギャラクシー・カオスに装備され、ギャラクシー・カオスはバトル中に魔法・罠の対象にはならなくなる」
「よっしゃ!これで4000のダメージを与えたらヒカルの勝ちだ!」
「いけっ!ギャラクシー・カオス!ダイレクトアタックだ、シルバーフォトンストリーム!」
「永続罠発動!《マリオネット・ダンシング》!1ターンに1度、攻撃を無効にし、発動時に《マリオネットトークン》を二体特殊召喚します。貴方のフィールドのモンスターゾーンは1つしか空きがないので、1体のみ召喚されますわ」
《攻撃力:0/レベル:1》
「っ…また…!」
「しかもヒカルのフィールドはトークンでいっぱいになってモンスターが呼べない…じゃあ《マリオネット・ダンシング》を突破できねえじゃん!」
それだけじゃない…アイツの目的は…!!
「俺はこれで、ターンエンド!」
《手札:0》
「為す術もないようですわね、私のターンです!私は手札から《コラプトマリオネット マリアン》を二体、特殊召喚!このモンスターは相手フィールドに《マリオネットトークン》が存在する時、特殊召喚できます!」
《攻撃力:0/レベル:3》
レベル3のモンスターが二体、つまりここから現れるモンスターは一体だけ…托都を敗北ギリギリまで追い込んだ…アイツ……。
「私はレベル3のマリアン二体でオーバーレイ!二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!舞い踊りなさい!《コラプトマリオネット リカティナ》!」
《攻撃力:0/ランク:3/ORU:2》
「攻撃力0!?」
「見くびられては困りますわ!私はリカティナの効果を発動!オーバーレイユニットのあるこのモンスターは、相手フィールドの《マリオネットトークン》一体につき、攻撃力を400ポイントアップするのです!」
《攻撃力:1600》
そして、あのモンスターは《マリオネットトークン》の数だけ、相手に攻撃することができる…!!
「リカティナは相手フィールドの《マリオネットトークン》の数だけ攻撃を可能にするモンスターです、つまり…」
「合計6400!?マジかよ!!」
「………」
「さぁ行きますわよ!リカティナ、《マリオネットトークン》に偽りの苦痛を与えなさい!まずは1体目!」
「…っ!罠発動!《ミラーシェード》!ライフを半分払い、このターンの戦闘ダメージを0にする!うっ…」
《ヒカルのライフ:2000》
このカードが破壊されてたら負けてた…危なかった……。
「…ホッとしたぜ……」
「あら、後ろの貴方は随分楽観的なのですね」
「うるせえ!こう見えたって、すっげえ心配してるんだからな!」
「遊矢…」
「いい友情です、嫌いではありません。では…まとめてその友情、消させていただきましょう。速攻魔法《誘爆人形》発動!貴方のフィールドの《マリオネットトークン》一体につき400のダメージを与えます!」
「1600のダメージ……」
「そんな…ヒカル!」
このままだと、負ける…!
「《マリオネットトークン》は四体、1600のダメージを受けなさい!」
「うぁぁあああっ!」
《ヒカルのライフ:400》
「うわぁっ!!」
……まずい、ライフが400しかない…こんなところで負けるなんて…。
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「凌牙さん!」
「凌牙!」
「来たか、二人とも」
「どうしたんですか、急に……」
「ドン・サウザンドの力を通して向こうのことが分かるようになった、今から写そうとしていたところだ」
「そうなんですか!」
遊矢、ヒカル先輩……無事でいて……!
「…!」
「あれは……」
「先輩…!!」
先輩が、デュエルを!?相手は……!?
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「……墓地から、《カオスキュアー》の効果を、発動…!《カオスキュアー》を除外して、ギャラクシー・カオスの攻撃力の半分ライフを回復し、自分のフィールドのモンスターの攻撃力を1000ポイントアップさせる…」
《攻撃力:5000》
《攻撃力:1000》
《ヒカルのライフ:2400》
「墓地から罠カードを…ライフを2400にするとは…ターンエンドですわ」
《手札:0》
ライフを回復して少し体力が戻るかと思ったらそれ以上に体力が削られた…デュエルに負けるか死ぬかアイツの言いなりになるなんてこと、ありたくもない…!
「……その心、いただきますわ」
「えっ?――!!あっくぅ…!お前…!」
「少しでも私の前で弱気な部分を見せたのが仇になりましたわね。こうやって少しずつ、今度こそ確実に…!」
頭が痛い…あの時と同じ、鏡とのデュエルの時にあったのと力は弱いけど、同じだ……まずい、意識が持っていかれたら今度は―――。
「…ヒカル……!」
「――、無駄です。あがけば苦しみ、受け入れれば楽園……諦めなさい、そうすれば彼は帰してあげます」
「……それは…っ……ダメだ…!」
「…!」
「俺達の未来は、俺達が守る…邪魔する権利は…誰も持ってない!」
「………」
「だから――――っ!」
「……!ヒカル!」
「静かになさい、その闇の中で、自分の敗北を見届けぬまま、終わらせてあげます」
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『…これは………』
「どうした、ドン・サウザンド。…!あれは…」
『……あぁ、間違いはないはずだろう』
あの闇の力……もしかしたら……。
「…………」
『どこへ行くつもりだ』
「決まっている、あの場所に―――」
『お前の体はまだ完全ではない、分かっているのか』
「そんなことは分かっている!だが、…」
『だが…?』
「二人は仲間だ、この身に代えても必ず、俺が守る」
『……そうか』
「頼む、行かせてくれ。俺があいつらにしてやれることは、これくらいなんだ」
『…分かった、だが、時間は3分のみ。戻れなければ私がお前の体を守ることはできない』
「……3分あれば十分だ」
『行け、闇の中へ――――』
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「そんな…卑怯だぞトルテ!!」
「卑怯ではありません、彼はどうせ、後にこうなっていたのですから」
「こうなっていた…?」
闇の中に閉じ込められる…つまり、結界の力で魂を奪われる、みたいなこと…!?
「さぁ、ターンは再開します。私のターン!」
「ヒカル!!目覚ませよ!!早く!!」
「リカティナでまずは一体目の《マリオネットトークン》を攻撃!ファーストフローラルウィップ!!」
《ヒカルのライフ:1800》
《マリオネットトークン》の攻撃力は1000まで上がってる。でも、1回で600のダメージ……あと3回攻撃を受けたら、ヒカルはライフジャストで負ける!!
「しっかりしろよ!!ヒカル!!」
「貴方はそこから出られない、ゆっくり終わらせてあげます…確実に―――」
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「さぁって、そろそろ終わりかな」
『…………』
「せいぜい足掻けよ、遊矢、ヒカル。俺は、待ってるぜ、なぁ!アンタもだろ!」
「――――――もちろん」
135話へ続く
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【あとがき】
今回の一言、「いつもの」
ヒカルどうしたの、いや、いつものです。トルテさんの独占欲が強すぎてもうどうにもならない、三期に比べたら喘いでないから全く問題にしないね、できないでしょ?
托都がいるだけで安心感強い、なんなのあの人、さすがお兄ちゃん属性やなぁ…と感じずにはいられないッ!!つか最早あの人人間自覚してやめ始めてるからもうなにも言うことはない、さすがや。
トークンデッキはやっぱ楽しいですね!トルテのデュエル描いたの一年近く前なんで楽しく書いてます!あんまりアニメもトークンでデュエルを構築させるの見たことないんで、おジャマとかくらいしかテーマとして食い込んでるやつ見たことない気がする。やっぱトークンは書くのも回すのも楽しい、だからって幻獣機やめて、デッキの相性悪いの。
遊矢が空気化しつつあるし活躍がないけど裏切り者がやっと喋り始めたのでこれはワクワクする他ないじゃないですか!!まだまだ予想しづらいけど私的にはぜひ皆さんに予想してほしいです!!色んな予想が聞けたらいいじゃないですかー!!
次回かその次でトルテ戦終わりますね、うわぁ……ラストが近付いてくる……泣ける。
次回!!その思いはいつしか希望に変わる!!
トルテの力で闇に閉じ込められ、徐々に攻撃を受けて敗北に近づくヒカル。そのヒカルを救うため、托都が再び登場!!
そして、運命は変わる―――!?
【予告】
トルテによって闇に閉じ込められたヒカルは、リカティナの攻撃によって徐々に敗北へ近づいていく…。
その間、ドン・サウザンドの力で闇の中に入り込んだ托都は少ない時間の中、ヒカルを闇から目覚めさせるために彼を探していた。
「思いはいつしか希望に変わる」その言葉とヒカルの持つ最大限の勇気、その力でヒカルは運命を変えるために奇跡の装甲を呼び覚ます――!!
次回!第135話「運命を変える者 フェイトシャイニング」