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ジェレスタ132「 究 極 の 師 弟 対 決 ! 白 き 騎 士 の デ ュ エ リ ス ト 」
「ししょー!」
「!…どうしたんだい、そんなに慌てたら転んでしまうだろう?」
「見て見て!ししょーと同じ!」
「おぉ、確かにお揃いだ。似合っているよ」
「やったー!よし、ししょー!デュエルしよう!」
「あぁいいぞ、行こうか」
―――、
「また負けたぁ!」
「大丈夫、いつか必ず勝てる日が来る」
「えー、師匠強すぎだもん!無理だよ!」
「弟子はいつか師匠を越えるものだ、私も、そうだからね」
「……そっか!そうと決まれば、もう一回!」
「仕方ないなぁ、あと一回だけだぞ」
「はーい!」
――――、
――――――、
あれから何年経ったか……長いものだな。
「同情は無用です、よね?」
「もちろんだ。先に私が行く」
「当然、勝ちは譲りませんけど」
~~~
「ヒカル!」
「…ミザエル?なんだ、突然」
「カイトのことだ、アイツはナッシュにこれを渡した」
メモリースティック…?もしかして、これの中に例の日記の情報があるのか……?あとで見てみよう。
「ありがとう、」
「それから、これは私からだ」
「……これは…」
「必ず役に立つ。最強のドラゴン使いが言うのだから、当然な」
「そうか、大切に使わせてもらう」
このカード……托都からもらったあのカードと合わせて使える…?
…本当に終わらせる戦いなんだな、全て。
「じゃあ、遊矢が待ってるから」
「あぁ!…必ず戻ってくるのだぞ、新たな最強のドラゴン使いとして……」
―――――――、―――、
「気を付けろよ、遊矢」
「えっ?」
「悪意の海はドン・サウザンドの力で満たされている、万が一…貴方たちがそれに飲み込まれてしまったら……」
「大丈夫!」
だって俺もヒカルも、目標が決まったら諦めない!絶対に達成するって性格だし、なんとかなるって!
「安心して待っててくださいね!アミのこと、ホントにお願いしますから!」
「任せろ、我々は君達の勇姿を見守り、彼女を守ってみせよう」
「はい!」
「遊矢!!」
「おっ、ヒカル!こっちこっち!」
こんな崖の上から行くなんて正直ちょっとビビるけど、ま、まぁ大丈夫大丈夫…!
「んじゃ!行くか!」
「そうだな」
「遊矢!」
「アミ?」
「絶対、帰ってきてね!私に「おかえり」って言わせてね!」
「…うん!じゃ、行ってきます!」
「……頑張ってね…」
一気に飛び降りて海に沈んだ。ビビって立ち止まるよりも手っ取り早い、二人で手を繋いで…これなら平気だから。
……アミ、絶対に帰ってくるからな!!
『さすがは、お前の弟だ』
「でかい口叩けるようになったんだな、アイツ」
『我々も、彼の勝利を待とう。お前もそれを望むのであろう?』
「…あぁ(遊矢、ヒカル、頑張れよ)」
~~~
海、闇、とにかく海の底。
息ができなくなるとかはないし喋れる、だけど、息苦しい。
「なんっだこれ…!」
奥に進むだけで感じるドン・サウザンドの力と闇の力、ここは――――一体なんなんだ。
「っうわ!!」
「水流!?」
下から来てると言うことは、下に出口がある、で間違いないはず……。
「遊矢!」
「大丈夫!絶対に離れねえから!」
「なら安心だ!」
グッと握った方の手に力が入る、その時――――、
「!?」
「なんだこの光…!」
「うっ…!」
突然すぎる光で、視界が全く開けなくなった。
――――、
―――――――、
「ヒノ、」
「うん!デュエル!!」
そう、私達は、ただデュエルを楽しんでいた。
ただそれすらも、運命は許してくれなかった。
「あ!カード!」
「!!ヒノ!危ない!!」
私には、ただ地を這うことしか、許されていなかったのだから。
~~~
「うっ…うー…」
「しっかりしろ遊矢!遊矢!」
「いったー…あれ?ここ、どこ!?」
まさか、寝てる間に着いてた!?飛び込んでから全然覚えてないけど……。
「まさか、水飲み込みすぎたとかアホなことしたんじゃないよな?」
「あー、その辺は大丈夫だから、……この先に…」
「恐らく、な」
真っ暗闇の道だけど、多分いるよな、なんかすごいプレッシャーみたいなの感じるし。
「立ち止まっても仕方ない、とにかく歩いてみよう」
「…だな!」
多分敵が待ち構えてるのは間違いない、でも、それも全部倒して行かなくちゃな!
「……」
「広い場所だなぁ…!声響くぜ!」
「ふーん……」
き、興味なさそう…声響く場所来たら興奮しないんだ、普通はヤッホーって言いたくなるよなぁ。
「!」
「どした?」
「あれは……」
なんか聞こえてきた、足音?敵か!?
「…君達は……」
「…!師匠!?」
「師匠!??」
えっ!?ええっ!?こんなとこに、師匠って…えっ、ヒカルの師匠ってカイトさんだよな!?
「おや、ヒカルじゃないか」
「師匠!やっと会えました!」
「あ、あれぇ…?」
「久しぶりだ、元気だったかい?」
「はい!…そうだ、師匠はどうしてここに?こんなところにいたら危険です!」
「なに、私も調査に来たんだ。ここがなんなのか調べるためにね」
こんなデレデレなヒカル、初めて見たぞ……信じらんねえ。
「あ、遊矢、この人は俺の師匠でアルヴィド・ホワイトラインって言うんだ」
「よろしく」
「よ、よろしく…」
味方……なのかなぁ…なんか、すっげえ怪しい……。
「遊矢くんは友達なのかい?」
「ま、まぁ…つ、つーか早くここから脱出してください!危ないですから!」
「いや…それが私にはできないんだ」
「…もしかして……」
アイツ…!!
「ヒカル!!」
「なっ…、どうした遊矢」
「先急ごう、俺たちまだやらなきゃいけないことあるじゃん」
「まぁ……でも、さすがに一般人をこんな場所においていけないだろ」
「違うんだ!」
「…?」
アイツはただの人間なんかじゃない…!!むしろ、会話の「私も」ってなんだよ、まるで俺たちが来るのを予測してたみたいじゃねえかよ!
「…お前の正体、ハッキリさせてやるぜ!何者だ!」
「な、なに言ってるんだ遊矢!師匠が敵なわけ…」
「……私は、君のような勘の良い子供が大嫌いだ」
「やっぱり…!!」
「うわっ!…おい遊矢、なんか変だぞお前、やっぱ頭でも打ったんじゃ…」
「―――」
「…!」
刃物みたいに加工されたカードが飛んできた、全部ヒカルが落としたけど…これでヒカルも分かったよな。
「…冗談きついです、師匠」
「冗談ではない。そこの彼の言う通り、私は君の敵だ」
「…じゃあ父さんと母さんに神の五王にたどり着く方法を教えたのは……」
「そこまで聞かされていたか、そこまで聞いて私を信じるとは、とんだ甘えん坊だな、君は」
「黙れよ、お前からこれ以上聞くことは何もない」
なんだよ、あの二人……さっきまであんな楽しそうだったのに、実際こんなことに……。
「遊矢、下がってろ」
「わ、分かってる」
「語ることがなければデュエルか…さすがは私の愛弟子だ」
「うるさい!俺はあんたを倒してこの先に進む、覚悟しろ」
「そうか、残念だ。自ら死にに来るその愚かな行為、良いだろう、私が君の最後の相手になってやる」
自分で巻いた種とは言え…この二人の圧力尋常じゃない、マジで殺すまでやるって勢いがする……。
「Dシューター、展開!」
「デュエルディスク――セット」
「Dゲイザー、セット!」
「「デュエル!!」」
~~~
「……ヒカル…」
「大丈夫、あの子なら…きっと」
「ええ……そう、信じたいわ」
「お兄ちゃん……頑張って…!」
~~~
「私が先攻だ、ドロー!私は《虚栄のホワイト・ナイト》を特殊召喚!私の手札にホワイト・ナイトが存在する時、特殊召喚することができる。その効果により、二体目も特殊召喚する」
《攻撃力:2100/レベル:5》
デッキは全く変わってないか……。
「更に手札の《栄光のホワイト・ナイト》を特殊召喚!このモンスターはフィールドにホワイト・ナイトが二体以上存在する時、手札から特殊召喚できる」
《攻撃力:2000/レベル:5》
レベル5が3体……まぁ、予想してはいたけどな。
「私はレベル5の《虚栄のホワイト・ナイト》二体と《栄光のホワイト・ナイト》でオーバーレイ!二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!」
「うぉお!?」
「早速来るか…」
「鎧輝かせし白光の騎士、その身は刃となり悪を切り裂け!《光輝のホワイト・ナイト ベレロフォン》!!」
《攻撃力:2800/ランク:5/ORU:3》
師匠…、のエースモンスター……コイツの効果は何度も身をもって体験してる、だがこれ以外にまだなにかを隠しているなら……。
「私はカードを二枚伏せ、ターンエンド。さぁ、君のターンだ」
《手札:1》
「俺のターン!」
「永続罠《黒騎士の屍》を発動!自分のフィールドにホワイト・ナイトが存在する限り、相手プレイヤーはバトルを行わなければならない!」
「っ……!」
《黒騎士の屍》はバトルが行われなかった場合、俺はエンドフェイズにライフを半分にされる…それだけはなんとしても避けたい…!だが、ベレロフォンの効果は…。
「《混沌幻影竜》の効果発動!ギャラクシー・カオスを選択し除外、同名カードとして特殊召喚!」
《攻撃力:4000/ランク:8》
「だが、《混沌幻影竜》は召喚したターンはバトルを行えない、どうする?」
「速攻魔法《強制送還》を発動。《混沌幻影竜》を除外し、除外されたギャラクシー・カオスを甦らせる!来い!」
《攻撃力:4000/ランク:8/ORU:0》
これでギャラクシー・カオスが戻ってきた、さて…どうやって突破するか…このターンには解決できそうにない、なら、まずはあのオーバーレイユニットを減らす!
「ギャラクシー・カオスでベレロフォンを攻撃!!ヴァーミリオンストリーム!」
「ベレロフォンの効果発動!オーバーレイユニットを一つ使い、攻撃を無効にし、相手に1000ポイントのダメージを与える!」
《ORU:2》
「ええっ!?ヒカル、なんのために攻撃を……」
「っ~~くぅ…!」
《ヒカルのライフ:3000》
ここまでは想定済み、伏せカードで迎撃するしかないか…。
「まだだ!永続罠《白騎士の刃》!相手に効果ダメージを与えた時、そのダメージをもう一度与え、相手モンスター1体を破壊する!」
「なんだと!?」
知らない間にこんなコンボを編み出してたのか…!
「ギャラクシー・カオスの破壊デメリット、800のダメージも加え、1800のダメージを受けろ!」
「うあぁあああぁぁっ!!」
《ヒカルのライフ:1200》
「ヒカル!!」
……ギャラクシー・カオスのデメリットまでアイツは知っていた、アイツに教わっていたことは全てやっていないも同然なのに、誰かから聞いている……か?
「立ち上がれ、君は私自らが始末する」
「…元よりその気だろうがよ、手札の《カオス・パージ ネクロマンサー》の効果発動!墓地のギャラクシー・カオスを復活させ、このカードをオーバーレイユニットにする…!」
《攻撃力:4000/ORU:1》
「なるほど、破壊された後の手もあったか」
アイツ、相変わらず先の読めないデュエリストだ、それは全く変わってない。だからといって、俺も変わってないわけじゃない、むしろ…変わりすぎたくらいだ。
「カードを一枚伏せ、ターンエンド!」
《手札:2》
「ふっ…私のターン!私はベレロフォンで、ギャラクシー・カオスに攻撃!そして再び、効果を発動する!」
《ORU:1》
「この攻撃力を受けたらヒカルの負け…ヒカル!しっかり!」
「行け!ペガサスグレイブ!!」
「――――罠発動!《フューチャータイムアウト》!手札からカードを一枚除外することで効果ダメージを無効にし、2ターン後のお前のエンドフェイズに除外されたカードを手札に戻す!」
「…ほう」
「た、助かったぁ……」
……このカード、いずれ役に立つはず…それが分かるのは、2ターン後の未来――!!
「だが、これだけで終わったとは思わないことだ」
「へえ…なにか見世物でもあるのかよ」
「あるさ、見せてやろう!私の力を、本当の力を!」
「っうわっ!!」
「この力は…!」
まさかコイツ、マイナスエクシーズを…!
「私はベレロフォンをエクシーズ素材に、マイナスエクシーズチェンジ!一体のモンスターでオーバーレイネットワークを逆構築、現れよ!」
「なんて力…今までの比じゃない…!」
「魔天の刃轟かせ、微かな希望を剣で砕け!《魔光のホワイト・ナイト ベレロフォンペガサス》!!」
《攻撃力:3500/ランク:6/ORU:2》
《攻撃力:3000/ORU:0》
ベレロフォンペガサス…あれがすさまじい力の正体……。
「………」
「さぁ、まだデュエルは始まったばかりだ、続けようか、どちらかが死するまで―――!」
「もちろんだ、まぁ勝つのは俺だけどな」
「ヒカル……(デュエルから凄い力を感じる、…絶対に無茶はするなよ…!)」
133話へ続く
=================
【あとがき】
今回の一言、「凄まじい変化ぶり」
ヒカルさんつよい、いや、あそこまで瞬時にオンオフを切り替えるとか、あのデレデレがあそこまでキレるんだなぁとか思うとかなり笑える、外人四コマか。
アルヴィド師匠は、カイトの前にデュエルを教えていた例の野郎。かなり温厚で優しい強きデュエリスト……しかし彼が何故鏡の仲間になったのか、それにはかなり深い意味があるんですね。次回の話ですが。
ナッシャークさんとかミザエルが活躍する中、唐突に現れる(面)白き盾ドルベさん、もうなんか喋らせるだけでネタ過ぎて笑う。お前はもう喋るんじゃない!!腹筋インフェルノするんだよ!!
そして久しぶりだな托都オオオオオオオオ!!ドンもいるよ!まだ不完全だからあの場所から出たら死ぬけどバリアン世界なので遊矢たちを見てました、復活の日も近い……かも?
さて、ヒカルが遊矢に見向きもしなくなったからこれはヤバイ兆しですね。久々に誰も死なない回だったけど次が不穏すぎて悩んでるんだ、俺。
次回!!アルヴィドの衝撃の事実であれが遂に呼び覚まされる!!
マイナスエクシーズ「ベレロフォンペガサス」を呼び出され、ますます状況が不利になるヒカル。そこに追い討ちをかけるアルヴィドだったが……。
【予告】
闇の世界、師弟対決が続く中、マイナスエクシーズ「ベレロフォンペガサス」を呼び出され、ヒカルはますます不利な状況へと追い込まれていく。
そこに、余裕持つアルヴィドはヒカルの知らない事実を突き付け、更に追い込もうと目論む。
しかし、その事実によってヒカルは遂に、誠とのデュエルで目覚めたあの力を覚醒させ――!?
次回!第133話「引き裂かれた思い」
※深夜0時~5時までのコメントや読者登録はマナー違反です。おやめください。
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ジェレスタ132「 究 極 の 師 弟 対 決 ! 白 き 騎 士 の デ ュ エ リ ス ト 」
「ししょー!」
「!…どうしたんだい、そんなに慌てたら転んでしまうだろう?」
「見て見て!ししょーと同じ!」
「おぉ、確かにお揃いだ。似合っているよ」
「やったー!よし、ししょー!デュエルしよう!」
「あぁいいぞ、行こうか」
―――、
「また負けたぁ!」
「大丈夫、いつか必ず勝てる日が来る」
「えー、師匠強すぎだもん!無理だよ!」
「弟子はいつか師匠を越えるものだ、私も、そうだからね」
「……そっか!そうと決まれば、もう一回!」
「仕方ないなぁ、あと一回だけだぞ」
「はーい!」
――――、
――――――、
あれから何年経ったか……長いものだな。
「同情は無用です、よね?」
「もちろんだ。先に私が行く」
「当然、勝ちは譲りませんけど」
~~~
「ヒカル!」
「…ミザエル?なんだ、突然」
「カイトのことだ、アイツはナッシュにこれを渡した」
メモリースティック…?もしかして、これの中に例の日記の情報があるのか……?あとで見てみよう。
「ありがとう、」
「それから、これは私からだ」
「……これは…」
「必ず役に立つ。最強のドラゴン使いが言うのだから、当然な」
「そうか、大切に使わせてもらう」
このカード……托都からもらったあのカードと合わせて使える…?
…本当に終わらせる戦いなんだな、全て。
「じゃあ、遊矢が待ってるから」
「あぁ!…必ず戻ってくるのだぞ、新たな最強のドラゴン使いとして……」
―――――――、―――、
「気を付けろよ、遊矢」
「えっ?」
「悪意の海はドン・サウザンドの力で満たされている、万が一…貴方たちがそれに飲み込まれてしまったら……」
「大丈夫!」
だって俺もヒカルも、目標が決まったら諦めない!絶対に達成するって性格だし、なんとかなるって!
「安心して待っててくださいね!アミのこと、ホントにお願いしますから!」
「任せろ、我々は君達の勇姿を見守り、彼女を守ってみせよう」
「はい!」
「遊矢!!」
「おっ、ヒカル!こっちこっち!」
こんな崖の上から行くなんて正直ちょっとビビるけど、ま、まぁ大丈夫大丈夫…!
「んじゃ!行くか!」
「そうだな」
「遊矢!」
「アミ?」
「絶対、帰ってきてね!私に「おかえり」って言わせてね!」
「…うん!じゃ、行ってきます!」
「……頑張ってね…」
一気に飛び降りて海に沈んだ。ビビって立ち止まるよりも手っ取り早い、二人で手を繋いで…これなら平気だから。
……アミ、絶対に帰ってくるからな!!
『さすがは、お前の弟だ』
「でかい口叩けるようになったんだな、アイツ」
『我々も、彼の勝利を待とう。お前もそれを望むのであろう?』
「…あぁ(遊矢、ヒカル、頑張れよ)」
~~~
海、闇、とにかく海の底。
息ができなくなるとかはないし喋れる、だけど、息苦しい。
「なんっだこれ…!」
奥に進むだけで感じるドン・サウザンドの力と闇の力、ここは――――一体なんなんだ。
「っうわ!!」
「水流!?」
下から来てると言うことは、下に出口がある、で間違いないはず……。
「遊矢!」
「大丈夫!絶対に離れねえから!」
「なら安心だ!」
グッと握った方の手に力が入る、その時――――、
「!?」
「なんだこの光…!」
「うっ…!」
突然すぎる光で、視界が全く開けなくなった。
――――、
―――――――、
「ヒノ、」
「うん!デュエル!!」
そう、私達は、ただデュエルを楽しんでいた。
ただそれすらも、運命は許してくれなかった。
「あ!カード!」
「!!ヒノ!危ない!!」
私には、ただ地を這うことしか、許されていなかったのだから。
~~~
「うっ…うー…」
「しっかりしろ遊矢!遊矢!」
「いったー…あれ?ここ、どこ!?」
まさか、寝てる間に着いてた!?飛び込んでから全然覚えてないけど……。
「まさか、水飲み込みすぎたとかアホなことしたんじゃないよな?」
「あー、その辺は大丈夫だから、……この先に…」
「恐らく、な」
真っ暗闇の道だけど、多分いるよな、なんかすごいプレッシャーみたいなの感じるし。
「立ち止まっても仕方ない、とにかく歩いてみよう」
「…だな!」
多分敵が待ち構えてるのは間違いない、でも、それも全部倒して行かなくちゃな!
「……」
「広い場所だなぁ…!声響くぜ!」
「ふーん……」
き、興味なさそう…声響く場所来たら興奮しないんだ、普通はヤッホーって言いたくなるよなぁ。
「!」
「どした?」
「あれは……」
なんか聞こえてきた、足音?敵か!?
「…君達は……」
「…!師匠!?」
「師匠!??」
えっ!?ええっ!?こんなとこに、師匠って…えっ、ヒカルの師匠ってカイトさんだよな!?
「おや、ヒカルじゃないか」
「師匠!やっと会えました!」
「あ、あれぇ…?」
「久しぶりだ、元気だったかい?」
「はい!…そうだ、師匠はどうしてここに?こんなところにいたら危険です!」
「なに、私も調査に来たんだ。ここがなんなのか調べるためにね」
こんなデレデレなヒカル、初めて見たぞ……信じらんねえ。
「あ、遊矢、この人は俺の師匠でアルヴィド・ホワイトラインって言うんだ」
「よろしく」
「よ、よろしく…」
味方……なのかなぁ…なんか、すっげえ怪しい……。
「遊矢くんは友達なのかい?」
「ま、まぁ…つ、つーか早くここから脱出してください!危ないですから!」
「いや…それが私にはできないんだ」
「…もしかして……」
アイツ…!!
「ヒカル!!」
「なっ…、どうした遊矢」
「先急ごう、俺たちまだやらなきゃいけないことあるじゃん」
「まぁ……でも、さすがに一般人をこんな場所においていけないだろ」
「違うんだ!」
「…?」
アイツはただの人間なんかじゃない…!!むしろ、会話の「私も」ってなんだよ、まるで俺たちが来るのを予測してたみたいじゃねえかよ!
「…お前の正体、ハッキリさせてやるぜ!何者だ!」
「な、なに言ってるんだ遊矢!師匠が敵なわけ…」
「……私は、君のような勘の良い子供が大嫌いだ」
「やっぱり…!!」
「うわっ!…おい遊矢、なんか変だぞお前、やっぱ頭でも打ったんじゃ…」
「―――」
「…!」
刃物みたいに加工されたカードが飛んできた、全部ヒカルが落としたけど…これでヒカルも分かったよな。
「…冗談きついです、師匠」
「冗談ではない。そこの彼の言う通り、私は君の敵だ」
「…じゃあ父さんと母さんに神の五王にたどり着く方法を教えたのは……」
「そこまで聞かされていたか、そこまで聞いて私を信じるとは、とんだ甘えん坊だな、君は」
「黙れよ、お前からこれ以上聞くことは何もない」
なんだよ、あの二人……さっきまであんな楽しそうだったのに、実際こんなことに……。
「遊矢、下がってろ」
「わ、分かってる」
「語ることがなければデュエルか…さすがは私の愛弟子だ」
「うるさい!俺はあんたを倒してこの先に進む、覚悟しろ」
「そうか、残念だ。自ら死にに来るその愚かな行為、良いだろう、私が君の最後の相手になってやる」
自分で巻いた種とは言え…この二人の圧力尋常じゃない、マジで殺すまでやるって勢いがする……。
「Dシューター、展開!」
「デュエルディスク――セット」
「Dゲイザー、セット!」
「「デュエル!!」」
~~~
「……ヒカル…」
「大丈夫、あの子なら…きっと」
「ええ……そう、信じたいわ」
「お兄ちゃん……頑張って…!」
~~~
「私が先攻だ、ドロー!私は《虚栄のホワイト・ナイト》を特殊召喚!私の手札にホワイト・ナイトが存在する時、特殊召喚することができる。その効果により、二体目も特殊召喚する」
《攻撃力:2100/レベル:5》
デッキは全く変わってないか……。
「更に手札の《栄光のホワイト・ナイト》を特殊召喚!このモンスターはフィールドにホワイト・ナイトが二体以上存在する時、手札から特殊召喚できる」
《攻撃力:2000/レベル:5》
レベル5が3体……まぁ、予想してはいたけどな。
「私はレベル5の《虚栄のホワイト・ナイト》二体と《栄光のホワイト・ナイト》でオーバーレイ!二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!」
「うぉお!?」
「早速来るか…」
「鎧輝かせし白光の騎士、その身は刃となり悪を切り裂け!《光輝のホワイト・ナイト ベレロフォン》!!」
《攻撃力:2800/ランク:5/ORU:3》
師匠…、のエースモンスター……コイツの効果は何度も身をもって体験してる、だがこれ以外にまだなにかを隠しているなら……。
「私はカードを二枚伏せ、ターンエンド。さぁ、君のターンだ」
《手札:1》
「俺のターン!」
「永続罠《黒騎士の屍》を発動!自分のフィールドにホワイト・ナイトが存在する限り、相手プレイヤーはバトルを行わなければならない!」
「っ……!」
《黒騎士の屍》はバトルが行われなかった場合、俺はエンドフェイズにライフを半分にされる…それだけはなんとしても避けたい…!だが、ベレロフォンの効果は…。
「《混沌幻影竜》の効果発動!ギャラクシー・カオスを選択し除外、同名カードとして特殊召喚!」
《攻撃力:4000/ランク:8》
「だが、《混沌幻影竜》は召喚したターンはバトルを行えない、どうする?」
「速攻魔法《強制送還》を発動。《混沌幻影竜》を除外し、除外されたギャラクシー・カオスを甦らせる!来い!」
《攻撃力:4000/ランク:8/ORU:0》
これでギャラクシー・カオスが戻ってきた、さて…どうやって突破するか…このターンには解決できそうにない、なら、まずはあのオーバーレイユニットを減らす!
「ギャラクシー・カオスでベレロフォンを攻撃!!ヴァーミリオンストリーム!」
「ベレロフォンの効果発動!オーバーレイユニットを一つ使い、攻撃を無効にし、相手に1000ポイントのダメージを与える!」
《ORU:2》
「ええっ!?ヒカル、なんのために攻撃を……」
「っ~~くぅ…!」
《ヒカルのライフ:3000》
ここまでは想定済み、伏せカードで迎撃するしかないか…。
「まだだ!永続罠《白騎士の刃》!相手に効果ダメージを与えた時、そのダメージをもう一度与え、相手モンスター1体を破壊する!」
「なんだと!?」
知らない間にこんなコンボを編み出してたのか…!
「ギャラクシー・カオスの破壊デメリット、800のダメージも加え、1800のダメージを受けろ!」
「うあぁあああぁぁっ!!」
《ヒカルのライフ:1200》
「ヒカル!!」
……ギャラクシー・カオスのデメリットまでアイツは知っていた、アイツに教わっていたことは全てやっていないも同然なのに、誰かから聞いている……か?
「立ち上がれ、君は私自らが始末する」
「…元よりその気だろうがよ、手札の《カオス・パージ ネクロマンサー》の効果発動!墓地のギャラクシー・カオスを復活させ、このカードをオーバーレイユニットにする…!」
《攻撃力:4000/ORU:1》
「なるほど、破壊された後の手もあったか」
アイツ、相変わらず先の読めないデュエリストだ、それは全く変わってない。だからといって、俺も変わってないわけじゃない、むしろ…変わりすぎたくらいだ。
「カードを一枚伏せ、ターンエンド!」
《手札:2》
「ふっ…私のターン!私はベレロフォンで、ギャラクシー・カオスに攻撃!そして再び、効果を発動する!」
《ORU:1》
「この攻撃力を受けたらヒカルの負け…ヒカル!しっかり!」
「行け!ペガサスグレイブ!!」
「――――罠発動!《フューチャータイムアウト》!手札からカードを一枚除外することで効果ダメージを無効にし、2ターン後のお前のエンドフェイズに除外されたカードを手札に戻す!」
「…ほう」
「た、助かったぁ……」
……このカード、いずれ役に立つはず…それが分かるのは、2ターン後の未来――!!
「だが、これだけで終わったとは思わないことだ」
「へえ…なにか見世物でもあるのかよ」
「あるさ、見せてやろう!私の力を、本当の力を!」
「っうわっ!!」
「この力は…!」
まさかコイツ、マイナスエクシーズを…!
「私はベレロフォンをエクシーズ素材に、マイナスエクシーズチェンジ!一体のモンスターでオーバーレイネットワークを逆構築、現れよ!」
「なんて力…今までの比じゃない…!」
「魔天の刃轟かせ、微かな希望を剣で砕け!《魔光のホワイト・ナイト ベレロフォンペガサス》!!」
《攻撃力:3500/ランク:6/ORU:2》
《攻撃力:3000/ORU:0》
ベレロフォンペガサス…あれがすさまじい力の正体……。
「………」
「さぁ、まだデュエルは始まったばかりだ、続けようか、どちらかが死するまで―――!」
「もちろんだ、まぁ勝つのは俺だけどな」
「ヒカル……(デュエルから凄い力を感じる、…絶対に無茶はするなよ…!)」
133話へ続く
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【あとがき】
今回の一言、「凄まじい変化ぶり」
ヒカルさんつよい、いや、あそこまで瞬時にオンオフを切り替えるとか、あのデレデレがあそこまでキレるんだなぁとか思うとかなり笑える、外人四コマか。
アルヴィド師匠は、カイトの前にデュエルを教えていた例の野郎。かなり温厚で優しい強きデュエリスト……しかし彼が何故鏡の仲間になったのか、それにはかなり深い意味があるんですね。次回の話ですが。
ナッシャークさんとかミザエルが活躍する中、唐突に現れる(面)白き盾ドルベさん、もうなんか喋らせるだけでネタ過ぎて笑う。お前はもう喋るんじゃない!!腹筋インフェルノするんだよ!!
そして久しぶりだな托都オオオオオオオオ!!ドンもいるよ!まだ不完全だからあの場所から出たら死ぬけどバリアン世界なので遊矢たちを見てました、復活の日も近い……かも?
さて、ヒカルが遊矢に見向きもしなくなったからこれはヤバイ兆しですね。久々に誰も死なない回だったけど次が不穏すぎて悩んでるんだ、俺。
次回!!アルヴィドの衝撃の事実であれが遂に呼び覚まされる!!
マイナスエクシーズ「ベレロフォンペガサス」を呼び出され、ますます状況が不利になるヒカル。そこに追い討ちをかけるアルヴィドだったが……。
【予告】
闇の世界、師弟対決が続く中、マイナスエクシーズ「ベレロフォンペガサス」を呼び出され、ヒカルはますます不利な状況へと追い込まれていく。
そこに、余裕持つアルヴィドはヒカルの知らない事実を突き付け、更に追い込もうと目論む。
しかし、その事実によってヒカルは遂に、誠とのデュエルで目覚めたあの力を覚醒させ――!?
次回!第133話「引き裂かれた思い」