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ジェレスタ130「 絶 望 の 鏡 V S 灼 熱 の 時 空 竜  奪 わ れ た 希 望 」




「これは…!クリス、どうなっている!?」
「リンの言っていた結界…それの崩壊か…」

バリアンの力が充満した世界とは全く違う、ただ、闇だけが支配する世界。

「遊矢たちはどこにいる!」
「わからない、今から調べる!」

「カイト!クリス!」

「ミナト…!」

「大変よ、町中…いや、中継地点から確認できる人間全てが暴徒化している!」

「なんだと!?」


~~~


「久しぶりだな、風雅遊矢」

「ほんっとに、ムカつくくらい久々だな」

遂に来た、アイツの方から…!

「結界にたまった闇の回収に来たらご覧の通りだ、予想とはちょっと違ったが…人間が溜め込んでた心の闇が人間を食らった、みたいなコトか」

「てめえ…!」
「今すぐ結界を止めやがれ!」

「お、慶太クンに狩也クンまでいたか。生憎結界はもう止められねえ、あとは闇を広げて世界を覆うだけだ」

じゃあ、もう手遅れってことなのか!?
……いや、俺たちにはまだ、まだ希望があるじゃん!!

「…なんだよ遊矢、随分余裕そうじゃねえか」

「あったり前だろ!!」
『今の鏡なら、神の敵じゃありません!やっちゃいましょう!ご主人!ヒカルさん!アミさん!』
「あぁ!」
「もちろん!」
「長々生かしておく意味もないからな!」

アミもヒカルもいるんだ、大丈夫!絶対に勝てるさ!やるしかないじゃん!!

「覚悟しやがれ!鏡!」

「――バカは死んでも治らねえらしいけどな、お前の場合は生まれ変わっても治らない、だろうな!」

「…!」
「なっ!」
『負け惜しみですね鏡!力を失った貴方では、三星神に敵うとでも!』

「ははっ、敵うさ」

…なんだこの感じ…!嫌な予感がする…!!まさかアイツ、力を取り戻して!!

「今更気づいたって、遅いんだよ!」

「!うわっ!」
「きゃっ!」
「っ…!」

「遊矢!!」
「アミちゃん!」
「お兄ちゃん!…大丈夫?」

超頭痛いけど、なんともない…?やっぱただのハッタリだった?

『あ!!』
「なんだ!タスキ!――!!」
「神のカードが…!」

「てめえらにコイツらは使わせねえ、世界は…いや、希望は俺が砕く…!!消え失せろ!!神のカード!」

「うそ…!!」
「カードが……」

砕ける……なんて……!

「そんな…」

「あっけねえなぁ!お前らが犠牲にして来たモン全部、これで無駄になったってわけだ!悲しいなあ、こいつらに溜まってた連中の力はありがたくもらってやるよ!」

俺たちが、世界を守るために手に入れた希望が、こんなに簡単に……。

「…そのまま、絶望と化して消えるが良い。じゃあな」

「待て!鏡!!」
「…遊矢」
「……」


~~~


「遊矢たちとも連絡がつかないのか…!」
「どうすれば…」


「――――」


「…!」
「貴方は…!!」


「――――」
『――――』


遊矢、逃げてくれ…!



~~~


呆気ないなんて話じゃねえ…!!俺たちは、リンさんたちを…犠牲を無駄にするなんて………!
リンさんだけじゃない、帰る場所を守るって約束した托都も、きっとこんな世界じゃ…約束を、守れなかった…!

「遊矢……」
『…まだです、まだ諦めないでください!遊矢さん!!』
「………」
『きっとまだ方法はあります!なんとかなります!だから!!だから信じてください!貴方のしてきたことは無駄じゃないって、仲間たちと築いたものは無駄じゃないって!!』

俺のやってきたこと、仲間たちとの…キズナ……。

「…一つだけ、確かにあるよ」
「えっ?」
「なんだよ大河!それを早く!」
「確率勝負だ、それでも、やるか?」

―――――、あぁ、やらなきゃ、可能性があるなら、まだ、終わらない。

「…僕とタスキの力を合わせて、次元の扉を開く。そして、遊矢は直接奴らの居場所に乗り込むんだ」
「…!」
「できるの?…あなたも、」
『……はい、すべての力を使い、安全な場所に転送して、ファントムの本拠地へ向かう……可能です』

…でも、タスキも大河も、ただじゃすまないはず。そんな賭けに、乗ることなんて……!

「…今はこの方法しかない」
「アリス先輩!」
「やらなきゃ、世界はどのみち破滅だ。抗うか、それを決めるのは遊矢だ」
「………」
「遊矢…、俺はやる」
「…!ヒカル……」
「俺はまだなにも見つけられていない、こんなところでなにも見つけられないままは嫌なんだ!」

――、俺は、なんてバカなんだ。
ヒカルが前に進もうって、なにかを見つけようとしてんのに俺は…!!

「…俺もだ、ヒカル」
「遊矢…!」
『遊矢さん!』
「タスキ、大河、俺たちは絶対に世界を絶望の闇で覆わせはしない、必ず世界は俺たちで守るんだ!」
「遊矢さん…」
「…そうね、遊矢くん!」
「さっすが!そうこないとな」
「俺たちも、とことん付き合うぜ」
「…みんな…」

みんなが、一つになれた。
そうだ、まだ始まったばっかりだ、俺たちの希望は、まだ消えちゃいない!!

『私と大河さんで、一番異世界の力が強いハートタワー前に次元の扉を開きます!皆さん、必ず、必ず来てください!未来は、あなたたちの手にあります!』
「あぁ!」
「遊矢、」
「…大河…?」
「僕もタスキも、君に出会えてよかった。だから、君がいるこの世界、必ず守って!」
「……もちろんだぜ!」

『行きますよ!大河さん!』
「うん!」

…二人とも、ハートタワーに向かったんだな。ここから、走って10分くらい…!

「行こう!みんな!!」

希望は前進する、絶対に!!負けないんだ!


「始まったか…足掻け遊矢、だが、その幕に一花くらいは、添えさせてもらうぜ」

――パチン


鏡がまた現れて、タスキと大河を攻撃したら次元の扉が閉まっちまう!それまでになんとか…!

「!」

「ヴ…ゥ……」
「ガ……」

「なんだよ、あれ…!」
「ゾンビってやつ?」

多分、心の闇にとりつかれた町の人たちだよな…しかも、囲まれた…!足止め食らってる暇ないのに!

「仕方ないね、敏也くん」
「命令なんてすんなよチビ」

「敏也、拌太…?」

「先に行ってください遊矢さん!」
「僕らも絶対に追い付きますから!」

「えっ、でも――」
「悩んでる暇はない!感謝する!敏也!拌太!」

「さて、」
「俺たちの勇姿、遊矢さんに捧げます!」


そんな!!二人を置いていくなんて…!!

「おい狩也!!」
「立ち止まってる暇なんてねえんだよ!次が来るぞ!」

「ァ……イ……」
「…ヴ……」

「ちょっと…多すぎ…!」
「デュエルで一掃するしかねえな」

「いーや、先輩!」
「ここは私たちが!」

慶太、雪那…!二人までそんなことしなくたっていいのに…!

「ダメだ慶太!雪那!みんなで行かなきゃ意味がないだろ!?」

「…遊矢、」

「……慶太…」

「鏡とデュエルした時に言われたんだ、お前との決定的な実力差ってヤツ?…俺、足手まといはごめんなんだ!狩也、遊矢を頼むぜ!」

「………」

「私も、アミちゃん!遊矢くんをお願いね!」

「雪那ちゃん……」

「さぁ行け!!遊矢ぁ!!」

………慶太……お前のその思い、無駄にしねえからな…!!

「行こう!!」


「……よかったの?行かなくてさ」
「いいの、だって私、信じてるから。遊矢くんのこと」
「よし、ならいくぜ!デュエルだ!ゾンビども!!」


~~~


「さってと、そろそろ遊矢たちが来る頃かな」
「まさか、貴方と手を組むなんて驚きです」
「私もそー思う!でもね、アルトさん!私たちが、お兄ちゃんや大河くんの代わりにみんなを守らないで、誰が守るのよ!」
「…全くそうですね!いきましょう!!」


~~~


「…あれは…!」

托美に、アルト!??

「行って!!ここは私たちが守るから!!」

「托美…!!」

「…お兄ちゃんの帰る場所、守らなかったら許さないから」

「…!」

まさか托美に念押されるなんて思わなかったぜ。
…あともう少し、もう少しだ…!!


「……、…アリス……?」


~~~


『できました!』
「よし、あとは維持して、みんなを待てば…」

「そうはさせねえ!」

『…!!』

あれは、紬さんたちを殺した糸と――!!

「…!」
『!アリスさん、野依さん…!?』

「お兄ちゃんの邪魔はさせないよ」
「情報は与えたけど、勝手が過ぎるようだな鏡」

「チッ……中立の神までご一緒かよ…いいぜ、まとめてかかってきやがれ!」

「「「デュエル!!」」」


~~~


「人の数が減ってきたな…!」
「あの扉をくぐったらハートタワーはすぐよ!」
「遊矢、準備は!」
「もち!できてるに決まってんじゃん!」

俺たちのために残ってくれたみんなのために、必ず―――!!辿り着くんだ!!

「……あれは…!」

「……よお、来たか」

「鏡…!」
「!アリス!!」

アリス…!?まさか、途中からいなかったのって、次元の扉を守るために!?

「あはは…負けちゃったよ…」
「アリス…!!」
「あとは任せたよ、妹のために、世界を――」
「…っ……!」

「中立の神は消えちまったし、そいつも俺がいただくぜ」

「鏡…貴様…!!」

中立の神って、野依のこと……アイツとアリスが、敵わないなんて…!

『遊矢さん!!』

「…!そうだ!」

「早く次元の扉へ!!」
『閉じてしまいます!!』

忘れてた、あそこにいかないと!!

「行かせるかっ…!!…てめーは…」

「行かせるかよ、お前の相手は俺だ。鏡」

「…狩也……」

…そうだ、覚えてる。鏡に慶太が負けて、狩也はデュエルを挑んできた…雪那に止められたけど。
あの時の、因縁を晴らすために……でも…!

「ダメだ狩也!デュエルを受けたらお前は…!」

「遊矢、これは俺の戦いだ。遊矢は遊矢の戦いに挑んでほしい、邪魔はしないでくれ」

「…狩也……」

「大丈夫!俺は必ず、遊矢のとこに行くからな!だから安全地帯とやらに、先に行きやがれ!」

「………分かった」

狩也は、狩也なら必ず来てくれる…!!俺はそう信じて、待ってやらないといけないんだ…!!

「遊矢!!」
『早く来てください!』

「おう!」

「っ…!邪魔だ!退け!」
「退くかよ、遊矢の邪魔はさせねえ」
「…くっ!!」

「行くぜ遊矢!」
「ヒカル、アミ行こう!」
「ええ!!」

みんな、この世界、絶対に救ってくるからな!!

『……行っちゃいましたね』
「…あぁ」
『次元の扉を開いて持続するだけで力を使い果たしたみたいです…』
「ごめんね、狩也くん…君は、遊矢たちに合流させられなくて」

「…気にすんな、後は任せろ。ありがとう」

「…うん……――――――」
『さようなら、遊矢さん、……楽しかった…です…――――』

「…バカな奴らだな、今消えたら俺の力になるってわかんねえのかよ」

「黙れ!」

「…!」

「思いを託して何が悪い!そこに罪や絶望はない!人の思いは、いつだって希望に繋がるんだ!!貴様に二人の犠牲を語る資格はない!」

「――――あー、うるせえ……黙ってろよ人間のなり損ないが、まずはお前からぶっ倒してやるよ!!」

「…上等じゃねえか、いいぜ。―――倒されるのは、お前だけどな」


~~~


「…くっ……ぐ…!」
《カイトのライフ:0》

「――――」

「貴様…!何故だ、俺達を…裏切ったのか…!」

「――――」

「っ……!――――――」

「――――」


~~~


「「デュエル!!」」

「先攻はもらう、俺のターン!俺は手札から《コスモ・ダイバー》を特殊召喚!コイツはフィールドにレベル4以下のモンスターがいなければ、特殊召喚できる」
《攻撃力:1000/レベル:8》

「早速、レベル8モンスターのお出ましか」

「まだだ!フィールドの《コスモ・ダイバー》のレベルを1つ下げることで、《コスモ・タイタン》を特殊召喚!」
《攻撃力:2300/レベル:7》
《レベル:7》

これで、レベル7のモンスターが二体…行くぞ!

「俺はレベル7の《コスモ・ダイバー》と《コスモ・タイタン》でオーバーレイ!エクシーズ召喚!来い!《機光皇 コズミック・チャージナイト》!!」
《攻撃力:2500/ランク:7/ORU:2》

コズミック・チャージナイトは1ターンに1度だけ、相手の発動したカード効果を無効にする効果がある。もし、アイツの使うデッキがダークソニッカーなら…勝機はある。

「俺はカードを二枚伏せて、ターンエンド!」
《手札:2》

「俺のターン、ドロー!俺は《Ds-砂塵のグレイプニル》を召喚!」
《攻撃力:1700/レベル:4》

やはりダークソニッカーか…!!

「グレイプニルのモンスター効果!手札のDsを一枚墓地に送り、デッキからレベル4以下のDsモンスターを特殊召喚する!現れろ《Ds-ブラック・ホルス》!」
《攻撃力:1500/レベル:4》

フィールドにはレベル4が二体、墓地のカードも警戒すべきだな…。

「さぁ始めるぜ、これが俺の力だ!」

「ッ……」

「レベル4のグレイプニルとブラック・ホルスでオーバーレイ!二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!」

なんだこの凄まじいエネルギー…!!慶太のデュエルした時と全く違う力…これは一体…!

「漆黒に蠢く翼よ、覚醒の時出でて今こそその刃を見せろ!来い!《Ds-ダーク・ストリームブレード》!!」
《攻撃力:2100/ランク:4/ORU:2》

「コイツは…!!」

エア・ストリームソード…なのか…!?

「ダーク・ストリームブレードの効果発動!召喚に成功した時、フィールドのカードを二枚までデッキに戻す。俺は伏せカードとコズミック・チャージナイトを選択だ!」

「コズミック・チャージナイトの効果!1ターンに1度、相手のカードを無効にする!シャイニーローブ!」

「防いだか…だがな、ダーク・ストリームブレードはまだ攻撃力が残っている!行け!」

攻撃力はコズミック・チャージナイトの方が上なのに攻撃だと!?

「ダーク・ストリームブレードの効果、オーバーレイユニットを一つ使い、バトルする相手モンスターの攻撃力を攻撃力に加える!」
《攻撃力:4600/ORU:1》

「なんだと!」

「コズミック・チャージナイトに攻撃だ!ダークウィンドブレイザー!!」

「っ!!く、うぁあぁぁあ!!」
《狩也のライフ:1900》

なんつー攻撃だ、アイツ…あの時よりも、強くなってる…。

「この程度でくたばるなよ?わざわざ出向いてきたのに、お前のせいで遊矢は取り逃がした、なんてムカつく話だ」

「…はっ、この程度…?冗談言うなよ、俺にとっては、ありがたい話だ」

「なに…?」

「なんのために俺がカードを守ったと思ってる」

「まさか…!」

そう、時空竜は必ず現れる!

「速攻魔法《時空灼熱(タキオンブレイズ)》!自分のモンスターエクシーズが破壊された時、フィールドの伏せカード一枚とこのカードをエクシーズ素材に、エクストラデッキのドラゴン族エクシーズを二体、攻撃力0で特殊召喚する!」

「二体のドラゴンだと!!」

「俺はエクストラデッキから、《No.107 銀河眼の時空竜》と《太陽眼の炎神竜》を選択し、特殊召喚!!現れろ!二体の竜!」
《攻撃力:3000/ランク:8/ORU:1》
《攻撃力:3500/ランク:8/ORU:1》

アポロス、お前のモンスター…大切に使わせてもらうぜ。

「二体の竜を同時に揃えるなんて…!!」

「見くびってたな、鏡!俺たちの絆の力があれば、不可能はない!遊矢たちが必ず世界を救うように!俺たちも、必ず世界を守る!」

「おのれ…!!」

「覚悟しろ鏡!!デュエルは、まだ始まったばかりだ!!」








131話へ続く

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【あとがき】

今回の一言、「すべて壊すんだ(祠)」
合同追悼まったなし、野依の台詞がなかったのは後々の作品の伏線なので触れてあげてた方々ありがたいね。アリスも、死んでなさそう。

邪神に灰にされる三枚の神のカード。主人公組使ってねえぞ!!?どういうことだ!答えろルドガー!聞いてねえぞそんな展開!!……ま、予告でバレてましたが。
そしてなにもしないまま消えてしまったカイト。前回の日記の話が残ってるのになぜ消えたし。ま、ちゃんと回収しますから!安心してください!!
そのカイトたちは裏切り者の襲撃にあった訳なんですが、そろそろ誰だかわかってきたんじゃないですかね!バラしたい!!いや、このあと胸熱だからダメだね!!
狩也がイケメンすぎて辛いけど俺的MVPは慶太だと思うの、やっぱ幼馴染み組は強いね、仕方ないね。雪那ちゃんは次回まだ活躍があるから、活躍……活躍かなあれって……。
タスキたちは力使い果たして魂が消えました、元々幽霊のタスキはともかく大河はマジで死んだかもしれない。それほど二人で次元を開くのは大変なんです。

次回!!友との別れ、時空竜と太陽竜が究極の合体――――!!
ハートランドシティに残された遊矢の仲間たちはそれぞれ、闇に冒された人間たちとデュエルを、そして狩也は鏡と因縁のデュエル。一方の遊矢たちは…。


【予告】
ハートランドシティに残された遊矢の仲間たちは闇に冒された人間たちと必死の攻防を繰り広げてた。
次々と仲間たちが倒れていく中、狩也は鏡との因縁のデュエルに挑み、ハートタワー前は両者一歩も引かない激しいデュエルフィールドと化していた。
デュエルが終わりに近づく最中、追い込まれた狩也は最後の力「ファイナルシャイニングエクシーズ」を発動する…!!
次回!第131話「さらば友よ ファイナルシャイニングエクシーズ」