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ジェレスタ128「 絆 の 銀 河
          ラ イ ト ニ ン グ ギ ャ ラ ク シ ー 」




「ホントにいるんだよな!?紬!!」
「当たり前だ!!ぼさっとしてる暇あったらさっさと走れ!」
「んだと!?」
『落ち着いてくださいご主人!!』

この地下にヒカルとリンさんがいる…!!早く、早く行かねえと!!

「………!あ、ヒカル!!」

「!遊矢か!」

エクススパイラルギャラクシー…!!あれを出してるってことは……リンさんは…!

「遅かったな遊矢」

「あ、あなたどこから!」

「す、すいません!俺の友人なんです」
「よろしくお願いします!」
『律儀ですね』
「あはは…」

って!!そんな話してる暇じゃねーだろ!!


~~~


「やってますわね」

今ここで邪魔するのも悪くはありませんが、ですがもったいないですわね。

どうせなら敵は減った方がいい、デュエルが終わる頃、挨拶に向かいましょう。


~~~


「俺は魔法カード《死者蘇生》を発動!蘇らせるのはギャラクシー・カオスだ!」
《攻撃力:4000/ORU:0》

「ギャラクシー・カオスを蘇らせたか…さぁ!フェイトルーツを呼べ!」

「言われなくても当然だ!俺はギャラクシー・カオスをエクシーズ素材に、エクススパイラルエクシーズチェンジ!現れろ!《フェイトルーツ・ギャラクシー・ドラゴン》!」
《攻撃力:4500/ランク:9/ORU:1》

「すごいねあのひと!かっこいー!」
「だろー!アイツ、めちゃくちゃ強くてカッコいいんだぜ!」
「………」

フェイトルーツを狙ってるのはお互い様…、だが、ここで退くわけにはいかない!!

「フェイトルーツの効果により、相手は魔法・罠・モンスター効果を全て無効化される」

「そうだったな、だが攻撃力はもとに戻る訳じゃない!どうする…!」

「フェイトルーツのモンスター効果発動!オーバーレイユニットを一つ使い、互いの墓地のカードを一枚選択し除外、その効果を得る。俺はその効果で《アルテマ・アサシン・ナイト》を選択!」
《ORU:0》

《アルテマ・アサシン・ナイト》は、攻撃力が自分より高いモンスターとバトルする時、破壊とダメージを無効にして相手モンスターを破壊する。これで闇眼を…!!

「バトルだ!フェイトルーツで闇眼を攻撃!ギャラクシースパイラルストリーム!!」

「よっしゃ!効果は無効にされてるから闇眼の除外効果は発動しない!」
『さすがですヒカルさん!』

「………」

「俺はカードを二枚伏せターンエンドだ」
《手札:2》

「……さすがだな、ヒカル」

「アンタこそ、全力のデュエルってわかる」

「あぁ、そうだ。熱いデュエル、全力の…だからこそ負けられない。俺は―――私は勝つ!」

…!リンさんが女言葉に戻った…!これはつまり、本気か…!

「私のターン!ドロー!私は、墓地の闇眼と、エクストラデッキの《闇眼の時空竜》をエクシーズ素材にユニバースエクシーズチェンジ!」

「神のカード…!!」

「ついに来るのか!」

「雄々しき竜の叫び唸る時、月の狭間に眠る創世の神を呼び覚ませ!降臨せよ!《新月創神 ネインアスタ》!!」
《攻撃力:4000/ランク:12/ORU:1》

あれが…最後の神のカード…!

「すごーい…」
「我が家の伝説として代々受け継がれてきたカードが……実話だったなんて…」

「……」

攻撃力はフェイトルーツの方が上、だが相手は神のカード。なにをしてくるかは分からない…。

「ネインアスタの効果、発動!オーバーレイユニットを一つ使い、このモンスター以外のフィールドに存在するモンスターの効果をエンドフェイズまで得る!」
《ORU:0》

「なんだと!?」

「フェイトルーツの効果、確かにいただいた。更に!オーバーレイユニットのないこのモンスターがバトルする時、相手モンスターの攻撃力をこのモンスターの攻撃力分下げる!」

「じゃあフェイトルーツの攻撃力は…!」

《攻撃力:500》

攻撃力が500に…しかも、カードは発動できない…!………カードを…?

「これで終わりだ、ネインアスタでフェイトルーツに攻撃!ブラックムーンバース!!」

「ヒカル!!」

「……俺は手札から速攻魔法《銀河の加護(ギャラクシープロテクション)》を発動!」

「手札からの速攻魔法!?」

「このカードは相手モンスターのバトルでダメージが3000以上の時、発動できる。相手モンスターの攻撃力を半分にする!」

《攻撃力:2000》

オーバーレイユニットがなければ、フェイトルーツの手札からカードを墓地に送れない効果は発動しない!
これで攻撃力は2000、ライフは残る…!!

「うぁあぁぁああ!!」
《ヒカルのライフ:200》

「守りきっただと…」

「っく……《銀河の加護》の効果により、墓地から相手モンスターの元々の攻撃力と同じ攻撃力のモンスターを特殊召喚する!復活しろ!ギャラクシー・カオス!」
《攻撃力:4000/ORU:0》

「…カードを一枚伏せて、ターンエンド」
《手札:2》
《攻撃力:4000》

ギャラクシー・カオスをなんとか復活させるまでには持ってこれた。
だが、フェイトルーツを復活させられる手札とフィールドには到底思えない、このドローでカードを引き込めなければ俺の負け……。

「…俺のターン、ドロー!」

…!

「……どうやらその調子じゃ、運命の女神は微笑まなかったみたいだな」

「そんな…!」
「こんなところで、負けるのかよ…お前は」

いや、そうじゃない。

「引いたぜ、運命の一枚を

「な…!」

「俺は魔法カード《ブレイブ・メモリー》を発動!自分の墓地のドラゴン族モンスターを二体除外し、相手モンスターを全てデッキに戻す!」

「なんだと!?」

「いけ!ギャラクティック・カオス!フェイトルーツ!!」

「っ…!」

この効果を使ったターン、バトルはできない。でも、これでネインアスタは排除した、次のターンで…!

「ターンエンドだ!」
《手札:2

「私のターン、ドロー……エクストラデッキに戻してくれてありがとう」

「なにを言ってるかわかんねえが、フィールドはがら空き、次のターンで最後だ」

「それはどうかな…?」

「……?なっ…!」

「じしん!?」
「一体なにが起きて……あっ!!」

ネインアスタが、復活した……!?

「どうして…」

「ネインアスタの素材は墓地とエクストラデッキから、《闇眼の時空竜》を墓地から除外し、《超闇眼の光輝龍》をエクストラデッキから素材にし、特殊召喚した!」
《攻撃力:4000/ORU:1》

…じゃあ俺は、わざわざアイツをエクストラデッキに戻して、素材を回復させただけ…?
そんな……そんなことって…!

「それに、ネインアスタは破壊されたターンのエンドフェイズに手札を一枚オーバーレイユニットにすることで特殊召喚できる」

「…不死身…だと…!」

「ネインアスタの効果発動!ギャラクシー・カオスの効果を吸収し発動!」
《ORU:0》
《攻撃力:0》

「攻撃力が!」
『このままでは4000のダメージが!』
「ヒカルのやつ、なにをそんなに動揺して…!!しっかりしろ!」

「バトル!ネインアスタでギャラクシー・カオスに攻撃!トドメだ!受けてみろ!!」

「………」

たった一つのプレイングミスで、こんなので負けたら、俺は一体…今までなんのために戦ってきたんだ……なんの、ために。

「……………ない…」

「…!」

「……負けたくない…」

勝負へのこだわりなんて、世界を救えればいいとしか思ってた。勝つことよりも、負けることよりも、ただ平和が守れるならそれだけでよかった。
イグランジアとのデュエルもそうだ、遊矢を信じて負けた。
でもそうじゃない、今なら心の底から言える、負けたくない、強くなりたい、遊矢と、肩を並べる場所に立ちたい…!!

「ヒカル!!」

「…遊矢、」

「攻撃が来る、早く!!」

「………ばーか」

「なぁっ!?いきなりなんなんだよ!」

分かってる、ホントは自信喪失なんてしてないことくらい、むしろ……、

「不死身の神…上等だ」

「!(様子が変わった…?)」

「罠発動!《ライトニング・チャージ》!ライフを半分にすることで、バトルを終了させる!――うっ、く…!」
《ヒカルのライフ:100》

「バトルフェイズの強制終了だと!?」

「っ……そして、エクストラデッキからランク8としてモンスターエクシーズを1体特殊召喚する!来い!《希望騎士 ホープ・オブ・ソード》!」
《攻撃力:2500/ランク:4→8/ORU:0》

「ホープ・オブ・ソード!…あれ、俺のエクストラデッキに、ない…」

これで、ネインアスタの攻撃は終わり、俺のフィールドには遊矢のエースモンスターと俺のエースモンスターが揃った…!!

「バカな…(手札にはなにもない……)…くっ、ターンエンド!」
《手札:3》

「すげえぜヒカル!さすがだぜ!」

「いや、それは違うぜ遊矢!」

「えっ?」

遊矢がいたから強くなれる。仲間として、ライバルとして、親友として。

「力を貸せ!遊矢!」

「…あぁ!もちろんだ!」

「すごいね…おばあちゃん」
「ええ、本当に」

次が正真正銘のラストターン、ネインアスタは必ず倒す、だから、俺にも力を与えてくれ、アーマード――!!

「―――道は、仲間と共に必ず切り開いてみせる!」

「さぁこい!!ヒカル!!」

「俺の、ターン!!―――俺は、風の魂で、オーバークロス!!」

「きた!!」
「これは…!」

集いし光と風、銀河に雷光降り注ぎ、奇跡は起きる!

「風を切る銀河の光、ライトニングギャラクシー!!」

「ギャラクシーが……進化した…!」

フィールドにはランク8のギャラクシー・カオスとホープ・オブ・ソード、遊矢との力で勝つ!

「俺はランク8のギャラクシー・カオスとホープ・オブ・ソードでレギオンオーバーレイ!二体のモンスターでオーバーレイネットワークを再構築!現れよレギオンエクシーズ!!」

「おぉお…!!」

「二対の流星よ、風瞬きて、その手に未来を掴め!限界突破だ!《ブレイブルーツ・スパイラル・ドラゴン》!!」
《攻撃力:5500/ランク:8/ORU:2》

これが、俺と遊矢の希望の力、俺たちの未来だ――!!

「攻撃力5500…!!」

「行け!ブレイブルーツ!ネインアスタに攻撃!連光の、スピリットストリーム!!」

「お前の気持ちはわかる、だが、そう簡単に負けるわけにはいかないからな!罠発動!《クロス・アルティメイク》!相手モンスターの攻撃を無効にし、自分のモンスターの攻撃力分のダメージを与える!」

「ダメージは4000…!これじゃあ…」
「ヒカルが負ける……」

「カウンター罠《ギャラクシー・ホール》!魔法・罠を無効にし、除外する!」

「なに!?」

これで、1500のダメージが通る!!

「っく、あぁぁあああ!!………だが、ライフはまだ、残ってるぞ!」
《リンのライフ:500》

「そう、リンさんのライフはまだ…」
『ここで倒さなければ…リンさんはまた…!』

いや、このターンで、削り取る!!

「ブレイブルーツの効果発動!オーバーレイユニットがあるこのモンスターは、そのオーバーレイユニットの数だけ、攻撃することができる」

「オーバーレイユニットは2つ…!!これを狙って…!」

「これで、トドメだ!ブレイブルーツでダイレクトアタック!連光のスピリットストリーム!!」

「―――くっ、うわぁぁぁああああ!!」
《リンのライフ:0》

《WIN:朽祈ヒカル》

「は、ぁ…はぁ……ぁ…う…」
「ヒカル!!」
「大丈夫か、しっかりしろ」
「…大丈夫、疲れただけだから……」

かった、んだよな…?ギリギリだけど、勝ったはず。

「……よくやったな、ヒカル」
「…リン、さん」
「強いよ。みんなみんな…俺たちじゃ及ばないほどに…」
「―――そんなことはない」
「え?」

強かった、カイトたちとはまた違う強さ、信念を持った強さだった。

「…ま、嬉しいよ。ほら」
『神のカード!』
「これはヒカルのものだ、継承は終わったんだ」
「…!」
「リンさんの、体が!」
「試すようなことして悪かった、でもな、俺や遊馬はあくまで過去の英雄…過去が未来を任されることはない。これからの未来は…お前たちが創るんだ」
「……!」
「…時間が来たみたいだな」

体が透けていくのが分かる、光を放って……でも、こんなんでいいのか、リンさんの最期は。

「ヒカル、」
「…!」
「いいんだよ。結局俺は、あるべき魂の形に戻るんだから。遊矢、父様たちに、よろしく頼むな」
「…ダメです…!」
「……?」
「絶対また会いますから!絶対に!」
「……ありがとう、…二人とも、ファントムへの対抗策は月の番人が握ってる、必ず、世界を救ってくれ」
「「…はい!」」
「いい返事、上出来だな。では、またいつか逢いましょう…、誇り高き未来の英雄たちよ……―――――――」

リンさん………ありがとう…さようなら。

「……」
『こんな、ことって…!!』

「…姫…様……――!!ヒカル危ない!!」

「!!」

―――グチャッ

「ぁ、…紬!!」
「…ッ……く、そ…!」

紬が…!俺を庇ったから…!?

『どこから攻撃が!?』

―――グチャッ グチャッ

「ぁが…!」
「ぃ…だぃ…よぉ」

「カイル!マーリンさん!」
「な、なにが…?」

「あらあら、全部外してしまいましたわ」

…!この耳障りかつ不快な女の声は…!!

「トルテ…!!」

「久しぶりです、ヒカルさん。早速ですが、貴方をもらいに来ましたの。この糸はヒカルさん以外には物理能力があるのです。お仲間を殺されたくなければ早くこちらへどうぞ」

『脅迫ですか、あれ…!』
「マジで言ってんのかよ!!」

ふざけんな、仲間の命とたった今交わした約束をかけるのかよ…!そんなの、選べるわけ、ない…!

「返答が遅いですわ。やはり、拠点に連れていってから話をつけましょう?ね、お人形さん」

「…!」
「またくる!」

ダメだ、遊矢を傷付けるわけには…なら、やっぱり俺が……!

「ダメだ、ヒカル!」
「!」
「あぁぁっ!!くぅ…!」
「紬、やめろ!これ以上は…!」
「気にすんなよ、姫様との約束…簡単には破らせねえ…!それに…好きだったんだ、マスターと同じくらいな」
「マスター……?」
「俺の今使える最後の力だ!行け!遊矢!ヒカル!!世界を、救え!」

うそ!?まさかこれは…!!

「逃がしませんわ!!」

「やらせるかよ!!」
「…!あなた、自ら糸を…!」
あいつの未来は、俺が守ってみせる…!!」

「紬!!」

「………さよならだ、ヒカル…今でも、好きだった」

「つむ…――――――!!」


「逃がしましたわ…!おのれ、呪龍…!まぁいいですわ、死に絶えの三人、纏めてたまには遊んであげます」

「……(頼むぞ、ヒカル、遊矢)」


~~~


「「うわぁぁぁぁ!!」」

な、なんかデジャヴ?身に覚えのある落ち方を……。
で、ここはハートランドの扉の前?

「……紬…!」
「……カードが、真っ白になってる……」

きっとトルテが追い打ちかけたに違いないな…。

『カイルさんとマーリンさん、無事でしょうか……』
「……わかんねえ」
「………」
「…、ヒカル……」

「ごめん、今日は帰る」

「ヒカル!大丈夫だから!絶対、絶対に!」

「あぁ、遊矢のことは信じてる。だから、ちょっと整理する時間がほしい」

「…………」

「紬…リンさん……犠牲は、無駄にはしない…!」

「…!」

今、ヒカルの腕……黒い靄みたいなのが、見えなかったか?……気のせい…?

『行っちゃいましたね…』
「……」

ヒカルの言う通り、失ったものは絶対に無駄にしない!
神のカードは揃った。必ずお前たちを倒すぜ、鏡、ファントム!!


~~~


「ついに神が揃いやがったな」

『…臆することはない、もうすぐ…力は蘇る、さすれば、世界は我のもの!』

「へっ…(待ってろよ、遊矢…次こそは必ず、お前を倒す!)」







129話へ続く

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【あとがき】

今回の一言、「すべて壊すんだ(電子器具)」
リンと紬が逝ったアアアアアアアアア。ま、紬は厳密には死んでなさそうな感じしますけどね、不死身っぽいですし(設定を確認しにいかない聖桜のクズ)。リンも下手するとそうだし。

いくつか解説です。リンは神のカードを持っているのに何故継承の儀式をわざわざあんな場所でやったのか。
神のカードを使うこと自体は場所を問わないんですが、儀式は神の納められている本来の場所で行わなければならないんです、だからリンは旧マスカローズ邸の地下に行ったんです。
トルテの物理技はいわゆる思想など心のあり方によるもの、紬やあの二人は糸で串刺しにあったと思ってください、針みたいに硬いんですよあれ。
じゃあ紬さんそこは呪術!とか思う方いらっしゃると思うんですけど、一撃目は不意打ちでやられたのが地味に致命的だったから、遊矢とヒカルを次元転送するために力を残してたんです。
結果的に真っ黒に一歩近づきつつあるからある意味ダメだったかもね。

次回!!その真実を知る者はヒカルの中に!?
リンの書斎や様々な場所を調べる遊矢たち、しかしリンの言っていた月の番人は一向に現れず遊矢は困り果てていた。

【予告】
手掛かりを失った遊矢たちは、トロンに許可を得てリンの書斎や隠し図書館の本を調べる一方、ヒカルもハートランド図書館、そして旧マスカローズ邸に出向き、着々とトルテと禁断の契約など、更なる謎に纏わる文献を探していた。
一向に解けない謎やファントムについて、リンの言う通り月の番人から聞き出そうと考える遊矢、しかしヒカルの中にいるはずのゲデヒトニスは現れず…?
次回!第129話「神話の謎に迫れ!月の番人が語る秘密」