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ジェレスタ127「 真 実 を 見 る 者  新 月 の 守 人 」




「おーい!!おきてよー!朝だよお兄ちゃん!」

「……ヒカリ…あと5分……」

「そんなこと言ってたら寝坊しちゃうよー!はーやーくー!!」

「…………うん…」

最悪だ……まさかヒカリに起こされるなんて…最近寝不足だったから、よく寝たなぁ…。

「早くしないとモノレール来ちゃうよー!」
「そうだな…ちょっと待ってろ」

普段から寝起きのひどさは自覚してたんだけど、今日みたいなことはあんまないからな…参った、というか下手したら夕方まで寝てた…。


「お!起きてきたか、お兄ちゃん!遅いぞ!」

「うっせえな、寝不足なだけだ」

「あはは、まぁムリもないよね。あんな毎日動き回ってたらさ」

動き回ってたつもりはないんだが……、いや、動いてたか。はぁ……どっちにしてもしばらくは休みみたいだし、ゆっくりするしかないか。

「お母さんのトコ行くんだっけ?」

「あぁ、そうだ」
「ふーん…たまにはヒカリにも構ってあげてよねー」
「当然だ!大切な弟だしな」
「……そっか」

………自分で言っといてなんか恥ずかしい……。

「お兄ちゃーん!ほら急いで!」

「分かってるよ!じゃ、また後でな!」

「うん!………大切な弟、か」


~~~


「おかーさーん!」

「いらっしゃい、ヒカリ」
「きたか、遅かったな二人とも」

「あ、あぁ……まぁ」
「お兄ちゃんが寝坊するからモノレール行っちゃったんだよ!」
「ヒカリ…!」

「まぁ!ヒカルったらお寝坊さんね」

「か、母さん!」

親子揃って言われたらもう逃げようもないじゃねえか………悲しくなる……。

…あれから、父さんはすぐに仕事を再開した。元々結構偉い人だったらしいし、すぐに社会復帰できてた。
で、母さんは………、

「そ、そんなことより調子は?」
「上々よ。お腹の子達、すっごく元気らしいわ」
「寝たきりかと思ったら子供いたとか信じられなかったんだけど、ホント」
「まぁまぁ、なにも言わないでくれ」

近々妹か弟が産まれるらしい。しかも二人も。
アリスとヒカリで手詰まりなのにこれ以上増えたら世話が大変になるな、って考えるだけでちょっと嬉しい……かな。

「あ!ヒカリくんだー!あそぼー!」

「!聖名ちゃん!ねえお兄ちゃん!聖名ちゃんと遊んできていいー?」
「いいけど、みんなに迷惑はかけるなよ?」

「うん!」

「気を付けてね、ヒカリ!」

ハートランド郊外の病院だから、退屈しないかとか思ったらいつの間にか友達ができてたらしい。
いつの間にか、気付かないうちに……か。

「…なぁヒカル、」
「………」
「あれから、どう思う?」
「あれからって?いつから?」
「……あまり聞かないでほしいんだが、神の五王との戦いが終わってからだ」
「…!」

……そうだ、神の五王との戦いで父さんや母さんと再会した、それ以外にも最悪なことだらけだった。
それ以降…?……、

「失ったものは、簡単には戻ってこない…それくらいかな……」
「……ヒカル…」

あの場所が無くなるなんて許せない、約束を破ることはできない、だから……だから、守らないと、この世界を。

「無理はしないでほしい」
「…」
「ヒカルには、迷惑をかけてしまった。辛い思いをさせてしまった。苦しまないでほしい、自分が正しいと思ったことだけを、してほしいんだ」
「父さん、それは違う」
「…?」
「俺が正しいと思ったから、今までがある。なら、次は他人を肯定しなきゃ、始まらない。辛いことから逃げてたらダメなんだ」
「……そうか」

間違った道を行ってきた、自分だけが正しい道を押し通してきた。だから今度は、仲間の思いを、尊重する道を進まないと、この戦いは終わらせることはできない。

「…そうだ!聞きたかったことがあるんだ」
「なにを?」
「……父さんたちに、神の話を教えたのは…誰なんだ?」
「…あれは…緑の髪の…男性だったわ」
「緑の髪の…男…」
「長い髪を結った…そう、今のヒカルのような髪型の………」
「…!!」

そんな、あの人が……?あの人が父さんたちに神の話をしたのか…?

「大丈夫…?顔が真っ青よ…?」
「…大丈夫、多分気のせいだから」

そうだ、気のせいだ。あの人に限ってそんなこと、するわけない…!


~~~


「だあああぁぁ!!疲れたぁぁ!」
『!!?』

「なによ!いきなり大声出して!ビックリしちゃったじゃない!」
「そうよ遊矢くん、どうしたの?」

「昨日まで遺跡巡りで今日は四時間体育の特別授業!しかも部活!足腰いてーんだよ!」
『ご主人それが貴方の得意分野でしょ』
「うっせー!!」

例の結界の力で教師が消えた上にドロワ先生は結界の解析でカイトさんたちに付きっきり、璃緒さんも凌牙さんと現地解析だし、遊馬さんはまたどっか行ってる!
しかもリンさんはいないし、なによりヒカルも来てねーんだもん!!なんだってんだよー!!

「そればっかりは仕方ないじゃん?な?」
「そうですよ、事件は深刻化してるんですから」
「むしろ遊矢はハイテンションだからまだ元気だね」

「大河ぁ!お前いつから呼び捨てを!」
『気にすることそこなんですか……』

事件のことは確かに気になる、でも今の神のカードが揃ってない状況じゃ俺たちにはどうすることもできない。
だから、今はとにかく楽しく、体を休ませねーと!

「元気そうだ、よかったよ」

「…!野依……」
「誰?」
「一応知り合い」

「知り合いかは微妙だけど、まぁそういうことにしとくよ。生き残りおめでとう!遊矢」

「そりゃどーも!」

「だけど、本番はこれからだ」

本番……?確かに、まだ鏡も姿を現してないけどそこまでの話か?

「忠告しといてあげよう、君たちの中に―――裏切り者がいる」

「――!!」

裏切り……者……!?
俺たちの中に……?そんな、誰が…!

「嘘よ!そんなこと!」
「そうだ!俺たちはみんな仲間だ、お前のことなんて信じるかよ!」
「みんな…」

「…うーん、まぁ聞くかどうかは君らの自由だからいいんだけど。好きにしなよ、それじゃ、またいつか会おう」

「ちょ、待てよ!うわっ!」

消えた……?なんなんだよ、アイツ……。

「遊矢……」
「…大丈夫だよ!俺はみんなのこと、疑ったりなんかしねえから!」
「もちろん!」
「僕だって、みんなを信じてるよ!」

『大丈夫……大丈夫、ですよ…きっと』


~~~


「参りました、神のカードはあと一枚、しかも所在不明だなんて……」

「はぁ?所在がわかんねえなら探してる間に全員消しちまえばいいんじゃねえのかよ」

「そうではありませんわ、私はヒカルさんにこちらに来ていただかないと困るのです。貴方だって、出向くよりは待ち構える方が有利ではありません?」

「そうだが、めんどくせーもんはめんどくせーんだよ。なんなら今からでも…」

「無理はしない方がよろしいのでは?結界をわざわざ解く必要はありませんこと、もうしばしの辛抱で目的は達せられるのですから」

「はっ、そうかよ」


~~~


「はい!ということだ!ヒカル!」
「どういうことかはわかったんですけど、説明ひどくないですか」

……話は一時間前に遡る、帰宅途中、リンさんに呼び出しを受けて、ヒカリを家に帰したあと、呼び出された場所に行ったら……、

「まぁつまりは、俺が何となく思い立った遺跡かもしれない場所に付いてきてほしいんだよ!」
「………それは、いいですけど…俺だけ?」
「あぁ、呼ぶの面倒だし」
「…………」

要は遺跡かもしれないから付いてこい、ってことらしい。

「ま、行ってもいいんじゃねえの?」
「つ、紬…?いつからそこに…」
「さっきからだよ。なにか発見があるかも知れねーし、連れてってやろうか?」
「誰が!!」

なんか無性に腹立つな……、はぁ…。

「だが、実際行かなければいけなくなる場所だった」
「え……?」
「そこには、あのトルテ・マスカローズの情報もある」
「トルテの…!」
「必ず、避けては行けない、さぁどうする」

……托都に言われた、アイツに勝てって…それなら、アイツの秘密をなにかしら知る必要がきっとある…!
過去になにがあって俺をつけ回してるのか、そのすべてを。

「行きます!」
「……よしきた、ならすぐにでも行くぞ。遊矢たちには、連絡せずに、だ」
「…はい!」
「アドルイン、任せた」
「はいよ」

もし、秘密があるなら…アイツにはなにか意味がある行動のはず、知らないといけないんだ…。


~~~


「………普通の家?」
「まぁな」
「普通に感じないから疑ってんだろ」
「……」

いや、にしても家だな……。

「突っ立ってても始まらないな、行くぞ」

「…いいのか、これ」
「多分、平気だろ。姫様だし」

とにかく付いていってみるか、入ればなにかしら謎が解けるかも――――!

「な――!」
「…ヒカル?」

……あれ、なんだ…この感覚……。

なんでだろう………懐かしい…気がする…。

「!おい、しっかりしろ!おい―――!」


―――――、

―――――――、


「イブお姉ちゃん!」
「どうしたんですか?ヒノ」
「みてみてー!新しいデッキ!買ってもらったの!」
「まぁ!よかったですね
「うん!…あ、おとーさん!」

「イブ、足の調子はどうだ?」

「……まだ、動きません」

……ここは、どこだ……?
…あれは、トルテ……か。…トルテ?えっ、ここ、本格的にどこだ?俺もなぜか透けてるし。

「まぁ、ゆっくり治そう。時間はまだまだあるんだ」

「……はい、お父様」

足……?いや、トルテは普通に歩いてた。じゃあ、この光景は――――、


―――――――、

――――、


―――!――――!

「ヒカル!」
「……、紬か……?」
「はぁ……よかった、大丈夫か?」
「…なに言ってるのかさっぱり………、そうだ」

さっきの、敷地に入ったら何故か頭の中真っ白になって……覚えてねえ。

「大丈夫かい?」

「…!」
「ここの家の人だ、事情話したら上げてくれたんだ」
「話していいのかよ…」

まぁ、助けてもらったみたいなものだし、感謝はしないと、かな。

「…リンさんは?」
「姫様なら、地下にいるってよ。後で呼べって言われたから、一緒に行こうな」
「お、おう…」

「君、風邪でも引いてたのかい?顔赤いよ?」

「あ、いや、ちょっと……」
「風邪は危ない病だからね、後でこの地方に伝わる薬をあげるよ」
「い、いやそんな対したことないです!」

家の人なのは分かるけど、ずいぶん世話焼きな人なんだな……。

「おばーちゃん!」

「あら!カイルちゃん、どうしたの?」

「おそうじおわったよ!」
「そう!偉い偉い!」

「…………」
「子供はカイル、あの人はマーリンさん。ここに二人で暮らしてるらしいんだ」
「そうなのか……」

なんか、すごい平和そうだな……こんなところにトルテの手掛かりが……!そうだった!!

「なぁアンタ!」

「おや?なんだい?」

「トルテ・マスカローズ、って知らないか?」

「うーん……知らないわねえ…」

………そっか、知らないのか……。

「だけど、マスカローズなら知ってるわよ?」

「え」

「マスカローズは、この地を治めていた領主だ。100年前、イブ・マスカローズの代で私のお祖母さんに領主を任せてイブ・マスカローズは行方不明になったらしいけど…」

イブ・マスカローズ……!さっきの夢に出てきたのも同じ名前、ということはトルテとイブは同一人物…?

「写真とかはあるのか?」

「そうねえ…あ、これなんてどうかしら」

「これは…!」
「……間違いないな」
「……あぁ」

トルテはイブ、そしてこの紫髪の少年は…さっきの弟らしき少年?
……というか、トルテはなんで生きてるんだ…不老不死かなにかか……?

「写真の裏…見てもいいですか?」

「いいわよ、ほら」

「紬?」
「………『禁断の契約は完了した。必ず、あの子を取り戻す』…か」

禁断の契約……不老不死の契約をしたのか?…だが、誰と…。ファントムか鏡…いや、まさか裏切り者と…?そんなことが可能なのは恐らく二択……。

「……悩んでても仕方ないわよ、君」

「……」

「いつか必ず分かるわ、必ず真実には辿り着ける。あなたがなにを求めているかは分からないけど、きっとね」

…そうだ、悩んでも仕方ない。色んなことが謎として残ってる…それは必ず解決させる。

「今はリンさんのところに行こう!」
「…調子戻ってきたな」
「あぁ、案内お願いします!」

「任せな!連れてってあげるよ!」


~~~


「えっ?ヒカル、帰ってきてないのかよ」
《うん、お兄ちゃんまだいないよ》

なんでだよー、今なにしてるか気になったのになぁ…どこほっつき歩いてんだろ。

《ごめんね、役に立てなくて》
「あ、気にすんなよ!じゃあ、また明日学校でな!」
《うん、じゃあね》

そっかぁ~探しにいくのもいいけど、夜だから小鳥姉さんが何て言うのか……。

『うーん……』
「なんだよタスキ、なんか考えてんの?」
『なぁんかいやーな予感がするんですよねー、なんでしょうかこれ』
「なんだよお前、昼間の野依の話疑ってんのかよ」
『そうではないんですけど…なんなんでしょう……本当に』


~~~


「本当にこの先にリンさんがいるのか?」
「うん!おんなのひとはいってったもん!」
「ここの人が言うなら信じるしかないな」

階段長いな…地下何階だよ、今。

「…着いたな」
「あ!…リンさん!」

「……遅かったな、ヒカル」

「こっちこそ、なんで地下にいるんだよ。しかもなんだこれ…魔方陣?」

「ご名答、じゃあ始めるか。―――継承の儀式を」

「…え…?」

継承の儀式を……ということはここに神のカードが…!!

「なら、継承者はどこに……」

「なに寝惚けてんだ、継承者は紛れもないこの俺だ」

「なっ!!」

「継承の儀式のため、お前だけをここに呼んだ。だが俺は負ける気はない、お前が消えたなら次はアミたちを呼ぶまでのこと」

「…まさかとは思うけど、アンタは…裏切り者か…?」

「さぁ?捉え方によっては形が変わるな」

リンさんも怪しいとは思ってた、イリュージョンミラーのように敵にして継承者の可能性は捨てきれない。極論を言えば、白にしても黒にしても、これ以上俺たちに協力する気はないってことか。

「さぁどうする、ここで諦めるか、道を開くか!好きな方を選べ!!」

「ここで立ち止まるわけにはいかない!いいだろう、継承の儀式、受けて立つ!」

「…良い返答だ、いくぞ!!」

「Dシューター、展開!!」

「デュエルディスク、セット!」

「Dゲイザーセット!」

「「デュエル!!」」

「ねえ、おばあちゃん、あのひとたちなにをしてるの?」
「いずれカイルにも、分かるときが来るわ。必ず」

負けたら終わり、勝てばこの先の未来に進める。必ず、勝ってみせる!!

「先攻はもらう!俺のターン!俺は魔法カード《融合》を発動!手札の《アルテマ・キャスター》と《アルテマ・アサシン・ナイト》を融合!」

「いきなり融合か…!!」

「日輪の鏡を開く者よ、その御霊神になりて蘇れ!融合召喚!現れよ《アルテマ・キャスター・アマテラス》!」
《攻撃力:2000/レベル:6》

リンさんとはデュエル経験がない、…どこまで知ってる戦略を使ってくるかも分からないままだ、だけど、そこには必ず穴になる部分があるはず…!

「俺はカードを二枚伏せ、ターンエンド!」
《手札:1》

「俺のターン、ドロー!自分のフィールドにモンスターが存在しない時、《カオス・パージ フラムセイバー》は特殊召喚できる!来い、フラムセイバー!」
《攻撃力:0/レベル:8》

「レベル8……」

「そして、自分のフィールドにレベル8のモンスターが存在する今、《カオス・パージ ライトレイザー》を特殊召喚!」
《攻撃力:2000/レベル:8》

よし、これでレベル8のモンスターが二体。あの伏せカードも警戒したいが…今はやってみるしかない!!

「俺はレベル8のフラムセイバーとライトレイザーでオーバーレイ!エクシーズ召喚!現れろ《ギャラクティック・カオス・ドラゴン》!!」
《攻撃力:3000/ランク:8/ORU:2》

「ギャラクティック・カオス……」

「そして来い!《ギャラクシー・カオス・ダークネスドラゴン》!!」
《攻撃力:4000/ランク:8/ORU:3》

「わあ!かっこいードラゴンさんだよ!」
「………」

ギャラクシー・カオスの効果があれば、キャスター・アマテラスを簡単に倒してワンターンキルできる。だが、リンさんが対策をしていないわけがない…!!

「バトルだ!ギャラクシー・カオスでキャスター・アマテラスを攻撃!ヴァーミリオンストリーム!!」

「っ…!!」
《リンのライフ:2000》

伏せカードを使ってこなかった……?

「俺はキャスター・アマテラスの効果発動!破壊された時、素材になったモンスター二体をフィールドに特殊召喚する!」
《攻撃力:1200/レベル:3》
《攻撃力:0/レベル:3》

「……カードを一枚伏せて、ターンエンドだ」
《手札:3》

まさか破壊されるのが狙いだった…?
いや、それじゃあ攻撃表示にしておく意味がない……なんのつもりで…。

「俺のターン!ドロー!…ふっ…」

「わらってる?」
「………」

「俺はレベル3のキャスターとアサシン・ナイトでオーバーレイ!エクシーズ召喚!現れろ《アルテマ・ライダー・キング》!」
《攻撃力:3000/ランク:3/ORU:2》

《アルテマ・ライダー・キング》……確か、毎ターンオーバーレイユニットを墓地に送らないと破壊されるモンスター……いや、リンさんの狙いは…!

「ライダー・キングをリリース!眩く輝きし銀河よ、今、希望の闇を拡げ我が僕に宿れ!降臨せよ《闇眼の光輝竜》!」
《攻撃力:4000/レベル:8》

「攻撃力はギャラクシー・カオスと同じ……だが、」

「俺はこれで、ターンエンドだ」
《手札:1》

攻撃封じ、闇眼の効果はバトルの対象になった瞬間に発動する効果。手札が揃うまで守りを固めるつもりかよ…!

「俺のターン!」

「罠発動!《バトルグラビティ》!このターン、相手フィールドの攻撃力が一番高いモンスターは必ず攻撃しなければならない!」

「なに!?」

攻撃誘発の罠……まずい、恐らくリンさんはギャラクシー・カオスの効果発動を待ってる。もう一枚のあの伏せカードはそれの対策……。
ならば、あえて攻撃にいく!

「ギャラクシー・カオスで《闇眼の光輝竜》を攻撃!!」

「闇眼の効果、バトルの対象になった時、互いのモンスターをバトル終了まで除外する」

「…バトルは終わりだ」

「効果によって互いのフィールドにモンスターは特殊召喚され、相手がモンスターエクシーズならその素材をすべて墓地に送り、一つにつき攻撃力を500ポイントアップする!」
《攻撃力:5500》
《ORU:0》

ギャラクシー・カオスのデメリットの発動条件を満たした…。それにあの攻撃力と効果なら…一撃でやれる範囲内か。

「俺はカードを一枚伏せてターンエンド!」
《手札:3》

「俺のターン、ドロー!俺は闇眼の効果発動!相手フィールドの光属性モンスターを除外し、攻撃力分のダメージを与える!!」

「速攻魔法《カオス・エフェクト》!墓地のカオスと名のつくモンスターを除外!効果ダメージを無効にする!」

「だが…迂闊だったな!フィールドにモンスターは存在しない、これでダイレクトアタックが決まれば俺の勝ちだ!」

「…………」

「バトルだ!闇眼でダイレクトアタック!!」


~~~


「えっ!?マジかよタスキ!」
『はい、恐らく……』

もし、本当にヒカルだけで遺跡に向かってるなら……まずい。

「場所はわかんないのかよ!」
『いえ、私には検討すら………』
「そんな…」

「遊矢!」

「…!お前は……」
『紬さん……』

「来てほしい場所がある」


~~~


「罠発動!《異次元投下》!このターン除外されたモンスター1体を特殊召喚する!来い!ギャラクシー・カオス!…っ!」
《攻撃力:4000/ORU:0》
《ヒカルのライフ:2500》

「ギャラクシー・カオスの効果ダメージも受けてもらう!」

「…!あぁあああっ!!」
《ヒカルのライフ:1700》

「ターンエンドだ」
《手札:2》

……なんとか凌ぎきった、でもライフは1700、リンさんのライフを下回ってる。それに攻撃力は5500か、用意には越えられない壁だな……。

「どうした、この程度か」

「…るせえ…こんなんで終わるかよ」

「その調子ならまだ問題ないな」

どうする、一気にフェイトルーツで倒すか……いや、そうしかないか……!

「俺のターン!俺は銀河の奇跡でオーバークロス!!」

「なに!?」
「あれは……まさか…!」

「光輝く銀河の奇跡、エクススパイラルギャラクシー!」

「来たな!!」

ギャラクシーの力で、必ずリンさんを倒す!ここからが本当のデュエル!

「勝負だ!リン!!」

「…ふっ、望むところだ!!」







128話へ続く

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【あとがき】

今回の一言、「紬さんマジ苦労人」
たまに出てくるといいアクセントよね、苦労人書くのは嫌いじゃないから楽しいぜバーニー。

はい、Twitterで思いっきりネタバレかましてきた聖桜です。見た人は見たかな?リンのデッキ内容忘れたとか言ってたでしょ?バカ野郎そいつがルパンだ、おえー!!
冗談はさておき、リンのラストデュエルですね、明らかに。どう考えてもリンさん死ぬフラグ立てまくりです、もう救えません本当にありがとうございました。
朽祈夫妻は久々の登場でしたね、ヒカリも。たまには家族団欒が自分でも見たかったんです。見たかったけどどうしてこうなった、あと絶対扉の前で紬が聞き耳たててただろ。
トルテ関連の謎が一つ明らかになりました、でもまだいっぱいありますから!契約とか、誰となのかとか!期待しててください!

次回!!絆の力は無限!ライトニングギャラクシーが登場!
フェイトルーツVS闇眼が実現!!そして最後の神がその姿を現す、このデュエルどうなるのか…!!

【予告】
エクススパイラルギャラクシーを発現したヒカルと継承者として全力のデュエルに挑むリンのデュエルは激しさを増していた。
フェイトルーツと闇眼がぶつかり合う中、遂に最後の神のカードがその姿を現す…!!
そして、二人のデュエルの果てには衝撃の結末が待ち受けていた……。
次回!第128話「絆の銀河 ライトニングギャラクシー」