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ジェレスタ123「 失 わ れ し 遺 跡  囚 わ れ た 者 の 呼 び 声 」




「九十九遊馬が消えただと?冗談もほどほどに――」
「奴の姉が言っていた、目の前で消えたとな」
「…じゃあ……」
「紛れもなく、最近の行方不明事件の行方不明者の一人になってしまったようだ」
「……なんで遊矢じゃなくて、俺に伝えたんだよ」
「遊矢のメンタルを考慮した結果だ、悪く思うな。それと、遊矢には秘密にしてくれ」
「…分かった」


~~~


「(何故遊馬さんが…あの人が一番闇には耐性があるはずなのに…分からないことだらけだ)」

―――「…………」

「(…!人の声…!)」

―――「来るのだ…我が遺跡へ…」

「(遺跡に……?)」

―――「さぁ……」

「(なんだ…この声…!誰なんだ…!)」

「ヒカルー!」

「!遊矢、」

「大丈夫か~?なんかあったら言ってくれよ~?」

「あ、あぁ…(声が消えた…?)」

なんかヒカル、またボーッとしてた…。周りにはなんもないし、あいつどうしたんだろ。

「見えた!」

「!」

「あれが最初の遺跡――空の遺跡だ」

空の遺跡……。


~~~


「うっわああ……」
「すっごく広そう……」

なんていうか、遺跡というよりこれって城なんじゃないかってレベルの…。元々城だったのかな?

「……」
「って、リンさん、どうしたんですか?なんか考え込んじゃって」

「…実はな、俺も内部には入ったことがない」

「えええっ!?」
「なんで言わなかったんですか!?」

「ま、初見同士だ。迅速かつ冷静に遺跡を調べよう」

『軽く今スルーしましたね』

こ、この人は……なんというか、残念な人かもしれない…。今更だけど。
とにかく中に入らなきゃなんの手掛かりも見つからねえんだ、やるしかないじゃん!


「すげえ…」
「まるで迷路みたい…」

最初から分かれ道、これ、まぁ迷路…だよな。

『うわぁ…めんどくさいことこの上ないですね』
「文句言っても仕方ないだろ…行くぞ~」

上から見下ろしたら良い気がするけど、それじゃあ探索意欲湧かないもんな!

「遊馬さんから、前に迷路攻略のコツ聞いたから大丈夫!ほらみんな行くぜー!」

「あー!待ってよ遊矢ー!」
『ご主人!一人でいかないでくださーい!』

大丈夫大丈夫!なんとかなるって!!


「……やっぱり…(さっきから声がする…)こっちから…?」


~~~


さっきからこの声が聞こえてきて、ずっと考えてた。
もしかしたら、この声の主がこの遺跡を守ってるんじゃないかとか。そうだとしたら、なんで俺を呼んだりする必要があるのか分からない。

「…怪しいと思わないか、遊……えっ?」

いない…?確かに、一本道を進んでいたはず…遊矢を追ったはずなのに、これは……。

迷ったか……いや、分析してる場合じゃない。ここは敵地も同然…一人で行動するわけにもいかない……。

「なんとかして遊矢たちと合流を…」

『さぁ…』

「…!また…誰なんだ!」

『我は――神を護る者』

やはりここの主だったか…!ならデュエルで…!

『我が儀式は祭壇にて行われる』

「祭壇だと…?」

『其方に儀式を受ける資格はない、あるのはその魂を神に捧げることだけだ』

「なっ…!お断りだ!そんなの!」

『そうか、』

神に選ばれてないのはどうでもいい、だがそうじゃない…!!
なんでそんなことを俺が…!

『ならば、』

「………ぁ…!」

『その力、力ずくで我が貰い受けよう』


~~~


「だいぶ進んだけど…全然奥まで着かないな…」

「なんだろう、道が変わってるみたいな…?」
『同感です。さっきからこの辺りをグルグルしている気が…』

じゃあやっぱり迷子…?おかしいなぁ…遊馬さんに言われた通りに進んでるんだけど…。

「…そういえば、ヒカルはどこに行った」

「ええっ!?そうだよ、ヒカル!!」

「どこかではぐれちゃったなんてそれはないだろうし…」
『あの方も頭は良いですからね、無闇に一人で行動は…』

「じゃあこれは…」

迷子になった上にヒカルまでいなくなるなんて…。このままじゃなんの手掛かりも見つけられない……。

―――「さぁ……」

「…!」

―――「祭壇へ…祭壇へ来るのだ…」

この声…誰の…。

―――「神への…道を」

「神への道…?」

「遊矢?」
『どうかなさいましたか?ご主人』

「こっちだ!!」

「おい遊矢!?」

なんでか分かんない、分かんないけど祭壇ってとこまでの道が分かる…!知らないはずなのに、初めて来たはずなのに!

きっとそこに、声の主もいる…誰なんだ、それは…!!


~~~


「…はぁ…はぁ……」

ここが、祭壇のはず……。

『待っていたぞ』

「…!アンタが、俺を呼んだのか!」

『いかにも、我はこの遺跡を守り、神を護る者……そして、遠き二つの魂の記憶を繋ぐ者』

「神を護る…、じゃあアンタを倒せば神に認められるのか!」

『…風雅遊矢よ、確かに其方には儀式を受ける資格がある。その魂に覚悟があるならば、かかってくるがいい』

アイツを倒せば一枚目の神のカードが…。
ただでさえ俺たちには時間がないんだ、さっさと倒して次にいかないと…!!

「も、もう遊矢ったら……」
「…ゲデヒトニス…」
「リン、さん?」
「ヤツがここの番人だったとは……(それに、なんだ…?この既視感は…)」

ヒカルがどこにいるのかも気になるけど、それは終わってからでも大丈夫のはず!今はこいつとのデュエルに全力で挑むんだ!

「Dシューター、展開!!デュエルディスク、セット!」

『―――』

「Dゲイザーセット!」

「『デュエル!!」』

「先攻はもらうぜ!俺のターン!」

この手札じゃエクシーズ召喚できない…なら、守りを固めてアイツの動きを見る!

「俺はモンスターを裏守備表示でセット!カードを一枚伏せてターンエンド!」
《手札:4》

『えーっ!?これだけですかー!?』
「なにか、策はないのかな」
「……遊矢、どうするつもりだ」

『我のターン!』

なにがくる…!!

『我は魔法カード《原初の記憶》を発動、このカードは相手がこのデュエルの初めに召喚したモンスターとなる』

「だけど!裏守備表示のモンスターなんだから分かるわけないじゃん!」

『速攻魔法《記憶の開門》を発動。相手フィールドにセットされたカードを全て確認する』

んなぁ!?そんなんアリなのかよ!!

『ほう、《Ss-アルテマ・センクション》、そして《スピンブレード》か』

「くっ…!」

『《原初の記憶》はその効果により、《Ss-アルテマ・センクション》として特殊召喚!』
《攻撃力:200/レベル:4》

なんてヤツだよ…相手のモンスターをコピーして、セットカードまで確認するなんて…。

『我はカードを3枚伏せ、ターンエンド!この三枚は其方の記憶、さぁどう挑むか』
《手札:1》

「俺の記憶とかなんとかさっきからわけわっかんねえことばっか言ってるけど、ホントになんなのかさっぱり分かんないんだけど」

つか、なんにも説明してくれてないような…アイツ絶対まだなにか隠してる。

『…其方にはまだ解らぬか…』

「うっせー!さっきから分かるとか分かんないとかなんのことなんだよ!」

『自身が理解できなければ知る必要のないことだ』

「あぁそうかよ!俺のターン!」

あんなめんどくさいヤツほっといて、さっさとデュエル再開だ!

「俺はアルテマ・センクションを反転召喚!」
《攻撃力:200/レベル:4》

「更に《Ss-ワンダー・ガードナー》を通常召喚!」
《攻撃力:100/レベル:4》

『これでレベル4二体です!』
「……」

「レベル4のアルテマ・センクションとワンダー・ガードナーをオーバーレイ!エクシーズ召喚!来い!《Ss-エア・ストリームソード》!」
《攻撃力:2100/ランク:4/ORU:2》

よしっ!これでホープ・オブ・ソードを呼べば…!!

「さぁ来い!《希望騎士 ホープ・オブ・ソード》!!」
《攻撃力:2500/ランク:4/ORU:2》

『………希望の剣…』

「ホープ・オブ・ソードでアルテマ・センクションに化けた《原初の記憶》を攻撃!!シューティングスターブレード!」

『………』
《番人のライフ:1700》

「なぁんだ!でかいこと言うわりに大したことないじゃん!」

ビビって損した気分だぜ、これならホープ・オブ・ソードが進化しなくたって余裕なんじゃ!!

『今の攻撃、其方を敗北へ導く一歩となった』

「へーんだ!大それたこと言ったって俺は引っ掛からねえからな!」

『永続罠《前進の記憶》を発動!我がダメージを受けた時、相手は500ポイントにつき400のダメージを受ける』

「なっ!?」

『我が受けたダメージは2300、1600のダメージを受けよ!』

「っ…!!」
《遊矢のライフ:2400》

「遊矢!!」
『しっかり!!たったの1600ですよ!』

すっげえ衝撃…こんなんイグランジアとのデュエルでも経験できてねえぜ。

『これで、先程までの軽口は叩けまい』

「そうかもな!でもそんな実力じゃ俺にはぜってー勝てねえぜ」

『…儀式に賭けられた代償も知らぬ愚か者が…まだ減らず口を』

「……賭けられた代償…?」

こういうデュエルだ、なにかあるんじゃないかとかは思ってたけど一体なにを…。

『この儀式は神への生け贄を決める儀、我か、其方ともう一人の魂…儀式に破れた者が捧げられる』

「もう一人……まさか!!」

『見よ、』

「嘘でしょ!?」
「ゲデヒトニスめ、なにを考えている…!」

「………ヒカル…」

『彼の者は我が異界へ幽閉した。其方の勝敗次第で、彼の者の生死は其方に懸かっている』

じゃあ、とりあえず無事…なんだな……。
なににしたって、あの野郎…!なんて汚い手を!!

「てめえ……!!」

『やっと顔が変わったな、風の少年』

「絶対負けねえ!必ずお前を倒す!!」

『ならばデュエルを続けるがよい』

「っ……カードを一枚伏せてターンエンド!」
《手札:2》

ざっけんなアイツ…!!負けるわけにはいかない…アイツを必ず打ち負かす!!

『我のターン!我は永続罠《契約の記憶》を発動。我がドローフェイズを行うごとに、相手の手札を1枚選択し、デッキに戻す』

「なにっ!?」

『右のカードを手札に戻してもらおう』

すまねえ《ウィンド・クリボー》…。

『更に我は永続罠《軋みの記憶》を発動!1ターンに1度、相手のカードが手札かフィールドから離れた時、相手のモンスター1体のコントロールを得るか、相手のフィールドのカードを1枚破壊する』

「ま、マジかよ!!」

『我はホープ・オブ・ソードを破壊する』

「くっ!!ホープ・オブ・ソード!」

これがヤツの永続罠コンボ…!《契約の記憶》で手札からカードが離れるのを利用して《軋みの記憶》でモンスターを奪うか、カードを破壊する……。
俺の記憶とかわけわかんねえこと言ってたけど、関係ない…これを崩さないと……!

『さぁ、まだ儀式に神は満足してはいない。風の少年よ、立て、その身で知るがよい、己の記憶を。そして、神の力を』

「神の力…!」

上等だ…!そんなん越えなきゃ面白くない!
それに……、ヒカルが…。

「……やってやるよ…!いや、やるしかないじゃん!!」







124話へ続く

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【あとがき】

今回の一言、「最近普通のイケメンに戻りつつあるイケメンをヒロインにしようとする人間の屑」
さすが俺、ぶれねえ。いや、だいぶ前にこの辺の話は決まってたんでこれ以前の話を突発的に決めてたからヒカルについては…。

実は最近お好み焼きがトレンドの聖桜氏。理由は某所にてのある方の呟きなのですが、なんだか色んなファンの方がいるようで嬉しいです。壁ドン!(300円)
感想があればぜひお願いします、質問なども受け付けていますのでコメントや某所にどうぞ\(^o^)/

さぁ、今回について語りましょうか。
なんかアビス臭がすごいゲデヒトニス、リンは彼を知ってるようですけど何者なんでしょうか……?
つかゲデヒトニスって発音しづらいね。名前の由来は調べてみてください、わりと出てくるかもしれないよ、タブンネ。
今回のメイン登場人物少なすぎて草不回避、化物語もビックリだよ!!つか久々にこの三人くらいで進行してるなぁとか思ってる。文化祭回以来か。
まぁ次回は慶太たち登場する予定なんで、大丈夫じゃないかな!!(投げやり)
なんか遊矢が物凄い反抗期。回りくどいの嫌いだから仕方ないね、番人みたいなタイプは嫌いなんだよ。

次回!!月を司る者と激突!遊矢に隠された秘密とは…?
番人・ゲデヒトニスとの激闘が続く中、ゲデヒトニスはなんと神のカードを呼び出し、遊矢は絶体絶命に!?
今回のサブタイトルの理由もこれを見ればわかります!!

【予告】
遺跡の祭壇で神の番人・ゲデヒトニスとのデュエルが続き、永続罠のコンボによって遊矢は徐々に追い詰められていた。
それに追い討ちをかけるようにゲデヒトニスは遺跡に隠された神の力「月を司る者」を呼び出し、遊矢に更なる猛攻を仕掛ける。
そして、デュエルが終わる時、遊矢に秘められたある「記憶」が目を覚ます…!
次回!第124話「永久の記憶 月の神・セレネウス降臨」


【告知】

メシア――救世主が現れし、希望と絶望の神・オルフェウスが目を覚ます。

Lighting sky本編終了から半年後、遊矢とヒカルはある招待状を送られ、ハートランドシティに帰ってきていた。

その招待状はハートランド主催の新たな世界大会「デュエルアーチウォーズ」の参加資格でもあり、遊矢とヒカルだけでなく様々なデュエリストが参加を予定していた。

しかし、それと同時期にハートランドシティでデュエリストとカードが消失する事件が頻発。

救世主と呼ばれる奇跡のカード。
そして破壊者――ディストラクターを名乗る青年・遥羽シアラ。

総てが繋がった時、希望と絶望の神・オルフェウスが覚醒する――!!

遊戯王Lighting sky  オルフェウスの救世主