ジェレスタ60「エ ク シ ー ズ シ ン ク ロ 覚 醒 ! 進 化 する 星 屑」



ようやくハートタワー・・・。ここの最深部に・・・。


《遊矢、》

「ど、ドロワ先生!?」

《私とゴーシュで指示を出す。トラップには気をつけろ!》

「分かりました!」


ラピスラズリ・バラフライドラゴンから降りてハートタワーの扉を開く。どうやらドロワ先生が遠隔操作してくれているみたいだ。

ただひたすら駆け下りれば良いというわけじゃなさそうだし、どうやって行くんだ?


《悩むノリなんかいらねえぞ!そこを右に曲がれ、Bエリアポイント3を左に行け!》

「分かった!」


とにかく今は全力で前に進むしかない。今できる事といえばそれだけなんだ!


~~~


「・・・・ポイント753はあれか・・・」


荒れ果てている・・・ということは前にココを使っていたという事か・・・?


「まさかな・・・」


ココまで来ればさすがに歩きでも十分だろう、影もいない。


~~~


「よしっ!アミ、疲れてねえよな!」

「べ、別に疲れてないわよ!これくらい!」

「そうこなくっちゃな!」


アミもムリに連れてきちまったみたいなもんなんだし、つーか・・・なんでリンさんはアミも連れて行けって言ってたんだろうな・・・俺には検討もつかないぜ・・・。


~~~


「良かったのか、遊馬」

「・・・まぁな」

「なに考えてるかは知らないけど、アミを危険に晒すような事を――」

「気にすんなよ、あいつらは絶対に戻ってくる。絶対にな」


~~~


「はーぁ・・・つ、疲れたぁ・・・」

「だよな・・・俺も疲れた・・・ってか、お前は休んでても良いんだぜ?」

「嫌よ!私は慶太くんにも頼まれて遊矢について来たんだから!」

「・・・アミ・・・」


そっか、慶太に謝ってないよな。帰ってきたら、最初にアイツに謝ろう。それが1番だぜ。


「こんなところにいたのか、風雅遊矢!孤鈴アミ!」


「・・・?」

「お前は一体なんだ!」


「俺はカリヤ、グレン様に仕えるデュエリストの1人だ」


グレン・・・・やっぱりアイツもバイオデュエリストってヤツなのか・・・。


「よぉし!俺がデュエルを――「孤鈴アミ!!」ダァッ?!」


「お前とデュエルする!お前が受けろ!」


「わ、私???」

「じょ・・・冗談じゃねえ!アミに危険なデュエルなんて――」


「じゃあお前が先に倒される事になるが、良いのか?」


「へっ、負ける道理なんてないな!」


行く手を阻むならやることはただ1つ!!


「行くぜ!Dシューター、展開!!」


「「デュエルディスクセット!」」


「Dゲイザー、セット!!」


《ARヴィジョン、リンク完了》

「「デュエル!!」」


「先攻は俺様が貰う!俺のターン、ドロー!俺は《コスモサーチャー》を召喚!」

《攻撃力:1200/レベル:3》


「更にカードを3枚伏せて、《コスモサーチャー》の効果発動!伏せカードがある時、デッキからランダムにコスモと名のつくモンスターを手札に加える!」


なるほど、先に伏せたのはそういう・・・。


「俺はこれでターンエンド!」

《手札:3》


「俺のターン、ドロー!俺は《Ss-ハリケーン・ブラスター》を召喚!ハリケーン・ブラスターは、召喚に成功した時、手札からSsのチューナーモンスターを特殊召喚できる!現れろ《Ss-ウィング・アーマー》!」

《攻撃力:1500/レベル:4》《攻撃力:1000/レベル:4》


「俺はレベル4のハリケーン・ブラスターにレベル4のウィング・アーマーをチューニング!奇跡を齎す星屑の龍よ、銀河の果てより希望を糧として星屑と銀河の姿を交えて降臨するが良い!シンクロ召喚!飛翔せよ《銀河眼の星屑竜(ギャラクシーアイズスターダストドラゴン)》」

《攻撃力:4000/レベル:8》


「・・・スターダスト・・・」


シンクロ召喚!きっとアイツも知らないはず、これなら行ける!


「俺は星屑竜の効果発動!召喚に成功した時、このカード以外の表側表示のカード効果を無効にし、デッキからカードを1枚ドローする!」


よし、押し切ってやるぜ!


「まずは攻撃だ!星屑竜で《コスモ・サーチャー》を攻撃!閃光のギャラクシーストリーム!」


「くっ!ぬあぁあああああ!!」

《カリヤのライフ:1200》


「更に俺はカードを1枚伏せる、このエンドフェイズに墓地に存在するウィング・アーマーの効果を発動!コイツはエンドフェイズにゲームから除外する事で、相手フィールドの伏せカードを1枚破壊できる!俺は真ん中のカードを破壊だ!」


これで2枚は墓地に送れた!~よしっ!!

でも油断はできない、相手はまだ未知数なんだ。油断したら倒される・・・!


「中々やるな、でもこの程度で負ける俺じゃねえ!俺のターンドロー!俺は破壊された《コスモ・サーチャー》の効果発動!コイツは破壊された次のターンに手札に加えたモンスターの召喚条件を無視して、攻撃力を0、効果を無効にして特殊召喚する!現れな《コスモ・ブレイカーズ》!」

《攻撃力:0/レベル:6》


レベル6・・・だけど、アイツは攻撃力0で効果は無効になってる。これなら問題にする事もない――!


「更に俺は永続罠《無慈悲なる墓荒らし》を発動!このカードは墓地のモンスター1体のレベルを2つ上げて、特殊召喚する。ただし、俺はそいつをエクシーズ素材にしなければエンドフェイズにそのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを受けるけどな!」


自分のライフをコストにしてでもモンスターを蘇らせるってことなのか!?コイツのデュエルに賭ける情熱・・・半端じゃねえ・・・!


「現れろ《コスモ・サーチャー》!」

《攻撃力:1200/レベル:6》


「これでレベル6のモンスターが2体!」

「来るぜ・・・!」


「俺はレベル6の《コスモ・ブレイカーズ》と《コスモ・サーチャー》でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!今その闇を突き破り、突破せよ!《プラネットコスモ・バトラーパラディン》!」

《攻撃力:2800/ランク:6/ORU:2》


あれが・・・カリヤのエースモンスターなのか・・・。今まで戦ってきたドリーミストのカードと違う、デュエリストに感謝している・・・のか?そう表すようなまさに使えているって感じ。

これがアイツのモンスターと心を通わせたって証なのか・・・!


「行くぞ!バトラーパラディンの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使う事で、相手フィールドのモンスターの効果を無効にし、攻撃力を半分にする!エコーバイスギャラクシオン!」


《攻撃力:2000》

「スターダスト!!」


「おぉっとまだ続くぜ!その半分になった攻撃力分のダメージを受けてもらう!」


「うっ!!」

《遊矢のライフ:2000》


「さぁバトルだ!バトラーパラディンの効果を受けたモンスターは戦闘じゃ破壊されねえが十分!行けッ!バトラーパラディンで星屑竜に攻撃!」


「俺は罠カード《呪縛風の領域》を発動!このカードは自分のフィールドの風属性及び光属性モンスターへの攻撃を受けた時、相手モンスターも破壊する!」


「甘いぜ!俺は手札の速攻魔法《コスモエンジュール》を発動!相手の罠カードを無効にして破壊する!」


ということは《呪縛風の領域》は無効になる・・・!


「うわぁっ・・・くっ・・・!」

《遊矢のライフ:1200》


「俺はこれでターンエンドだ、さぁ遊矢のターンだぜ!」


・・・ここまで楽しいデュエルは、久々だな。


「カリヤ!お前とはこんなに楽しくデュエルできるのに、どうしてお前は――」


「バイオデュエリストは元人間。それに俺らは僕だ。負ければ死ぬ運命。それでも、確かに俺はデュエルが好きだ。だからこそお前とは全力でデュエルできる。いや、俺は誰であっても全力のデュエルをするだけだ!」


「カリヤ・・・・・」


「遊矢、お前は俺の最高のライバルだ!ここで負けても悔いはない!全力できやがれ!」


アイツは・・・。そんな運命だって受け入れる覚悟を持ってる・・・。でも、それでも全力で俺は――。アイツを倒してしまう事になったとしても――。


「世界を救うんだろ?グレン様を倒して、世界を救うんだったら俺くらい超えていけ!」


アイツを超えていく・・・!


「そうよ遊矢!超えていかなくちゃ!どんなことがあっても世界を救うんでしょ!」


「アミ・・・・」


そうだ、目の前に立っているのが今俺をライバルと認めてくれたデュエリスト、そのデュエリストに俺は全力を持って挑む。

それがライバルとしての――!!


「「!!」」


~~~


「遊矢・・・・」

「遂に来たか・・・!」


~~~


「俺のターン!!俺は俺の魂をオーバークロス!!」


「あれが――」


「カリヤ、これが――俺の全力だ!」


「アーマード・・・!」


この感覚、いつものアーマードじゃない。英雄の光を借り受けていない今どうしてこんな――。


「さぁ来いよ!!遊矢!」

「行くぜ!ドロー!!」


これが――俺の新たな力・・・・、いや、これはアミの言っていた――。


「俺は《Ss-ベールノース》を召喚!」

《攻撃力:0/レベル:4》


「更に俺はフィールドにレベル4のモンスターがいる時、《バランサーフェイマー》を特殊召喚!」《攻撃力:1700/レベル:4》


「さぁ行くぜ!俺はレベル4のベールノースと《バランサーフェイマー》でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!現れろエクシーズチューナー!《Ss-水面のヴァリキリア》!」《攻撃力:2400/ランク:4/ORU:2/チューナー》


エクシーズチューナー・・・。シンクロモンスターとモンスターエクシーズを繋ぐ希望の架け橋・・・なのか・・・。


「すげえ・・・すげえぜ遊矢!さぁ思う存分見せてくれ!」


「あぁ!!俺はレベル8の《銀河眼の星屑竜》にランク4の《Ss-水面のヴァリキリア》をチューニング!その銀河解き放ち、無限を超える時空(とき)を経て、その流星を束に集結せよ!エクシーズシンクロ召喚!舞い降りろ《銀河眼の流星龍(ギャラクシーアイズシューティングスタードラゴン)》!!」

《攻撃力:4500/ランク:12》


「あれが・・・遊矢のエクシーズシンクロ・・・」


「エクシーズシンクロ召喚・・・・だと!?」

「行くぜカリヤ!!《銀河眼の流星龍》でバトラーパラディンに攻撃!!」

「だがな!罠はつ――なにっ!?罠が発動しないだと!」

「そうだ、《銀河眼の流星龍》はフィールドに存在している場合、バトルフェイズ中相手は魔法・罠を発動できない!!」


これが俺の全力!!俺が前へ進んでいく事の証!!


「・・・遊矢、相変わらず強いな。お前は――――――」

《カリヤのライフ:0》


《WIN:風雅遊矢》


「―――。カリヤ!」

「遊矢、相変わらずお前は強いぜ」

「それって・・・」


ヘッドギアを外すと見覚えがある顔がある。まさか――。


「覚えてないか?遊矢」

「お前は――。狩也!?狩也、どうしてこんなところに――」


「かり・・・や・・・?」


「コイツは俺と雪那ともう1人の仲間だったんだ。だけど――」


ある日行方不明になって、捜索されたけど、死んだものにされてそのまま――。


「そんな・・・ひどい・・・・」


「まぁな、なんにも変わっちゃいなかったな!遊矢!」

「だけど・・・・俺は・・・・・」

「気にすんなよ、俺はこれでいいさ。最期のデュエルをお前で迎えられた事、感謝してる。だけどな最後のお願い、これだけ聞きやがれ!」

「えっ・・・」

「絶対にグレンを倒せ!!俺はお前を応援し続ける、例えどこであってもな」

「狩也・・・」

「それと、雪那には俺の事は言わないでくれよな。このことは・・・」


このこと・・・・せっかく雪那に教えようと思ったのに・・・。残念だった・・・。


「・・・・そろそろ時間みたいだな、」

「えっ!?体が消えていく・・・?」

「正確には溶けるらしいな、遊矢―――頼んだ」

「狩也!!」


・・・・消えた・・・・・。

こんなことが――こんなことがあってたまるかよ・・・!なんでこんなことが――!!


「遊矢、」

「許せねえ・・・!狩也・・・雪那・・・・俺がなんとかするから、絶対に待っててくれよ!」


~~~


「・・・・。ここが・・・そうか」


「ようこそ!ゲートを潜る人間さん♪」


「・・・・・・貴様は――」


「私はリリーヤ、さぁ始めましょ。命を賭けたデュエルを!」



61話へ続く


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【あとがき】


予告詐欺そしてムリヤリ感の強すぎる設定。これくらいから遊矢の中に「強くあり続けなければいけない」ってムリすぎる正義感が生まれたのかもしれないですね・・・・。


今回はとにかくアツい!!というのを目指したかったんです!アリトみたいな好敵手を作りたかったんですよ!3期は話が重くなるんでアツいデュエルする人がホントに味方陣営にしかいなくなっちゃうんで・・・。

狩也くんはこの1話きりの登場じゃありません。この後の展開を読めば分かります。大体分かりますよね。こんな消え方する人たちって。

検索⇒遊戯王 消える 敵

もしかして⇒ダー○シグ○ー


次回は久々に托都兄さんのデュエル。誰であれ容赦のなさは相変わらず天下一品もの。

でも久々に地獄を見るよ。あと顔芸が火を噴くぜ!!


【予告】

最初に大穴への道へたどり着いた托都を待ち受けていたのは悪夢使いのリリーヤだった!

デュエルにおいても心理作戦で追い詰められていく托都。

しかし逆転の一手となる約束のカード、そしてとある人物の声がこのデュエルに終止符を打つ!!

第61話「過去を乗り越えろ!!悪夢のリリーヤ」


【おまけ】


遊矢「俺らのサントラもほしいよな!」

ヒカル「里奈に音楽センスがないからムリだな」

托都「よく作詞やらピアノはやるくせにな・・・」

遊矢「なんだろ・・・この悲しさは・・・」