ジェレスタ45「ド リ ー ミ ス ト の 真 実 ! ? 語 ら れ た 闇 の 正 体」




「まずは、私の名前を言わなければいけないですね」

「あぁ・・・そういえばそうだよな」


謎の幽霊を見事にドリーミスト(現役)だと思い込んで倒してしまったんだけど、どうやら元ドリーミストで俺に協力してくれるらしい。

怪しい気がするけど、本当に幽霊みたいだし・・・本当なのかな。


「私の名前は、アルトゥルス。まぁ長いのでアルトとでも呼んでください」

「アルト、な。それで、ドリーミストの正体って・・・」

「・・・今から言う話は、真実です。絶対に嘘だと思わないで」

「お、おう・・・・」


そんなに重要なことなのか?逆にもったいぶられると困るんだけど・・・。


「ドリーミストは、今から500年前のサーカス団体なのです」

「と、ということはもういるわけないじゃない!」

「そうです。ドリーミストの団員は、もうこの世に存在していません」

「じゃあアイツらも・・・幽霊?」

「違います。今のドリーミストの団員達は、異世界の魂が集合して集まった異世界人たち。例外で、私のようにただの人間もいますが・・・」


人の姿をしているだけの、異世界からの使者だったってことなのか・・・?

驚きはしないけど、まさかアストラル世界が関係してるんじゃないよな?でもアストラルがいる限り、そんなことないだろうし・・・。


・・・つーかそうだね、みんなまず異世界人というのがビックリだよな。俺は色々ともう慣れてるけど、アミとかも。だけどほかのみんなはつい昨日までこんなこと知らなかったわけだし。


「10年前、異世界の扉が開いた時、ドリーミストの異世界人たちはこの世界にやってきました。そして、私やサギーのような人間を引き込んで、ドリーミストを今の形として再現した」

「サギーのこともアンタ知ってるのか」

「誰ですか?」

「俺が武藤遊戯さんの時代で出会ったデュエリストだよ、今頃仲良くしてると思うけど」

「異世界人というぐらいですから、人々を洗脳し、操っていました。そして私はとある秘密を、知ってしまった」

「秘密・・・?」

「ココから先はドリーミスト自体の機密情報、心して聞いてください」


機密情報・・・一体、どんな秘密が待ってるんだ・・・・!?



~~~



「・・・マズい、色々と」


なにか「アレ」から嫌な予感がしてならない。あのバカなにしやがった。


「それと、遊矢の奴、デュエル終わったみたいだな。行ってやらないと―――?」


天城カイトから・・・?

一体なんだ?あんまり関わりたくない人物・・・いや絶対に関わりたくない人物No.1から通信って。


「はい?」

《出たか、お前の事だからと思ったが》

「今ココで切るぞ、電源ごと」

《それはやめろ、重大な事だ》


実際頼んだのは俺だから今のはしょうがないのか・・・。遊矢のためだし、少しでもあいつら何とかしとかないといけないし。


「それで、どういうことになったんだ?」

《とんでもないことを掴んだようだ、今すぐ来い》

「・・・はぁ」



~~~「回想」



それは2年近く前の事でした。


人間である私は、ストリートでデュエルをしながら働いているごく普通の人間でした。

ある日、町にドリーミストがやってきて入団募集の広告を配っていたんです。


私は病気の両親のためになんとかしてお金を稼ぐ為にドリーミストに入団した。・・・・ですが、知ってしまったんです。とんでもない事を。


「君は随分素質があるんだね」

「スゴイ!すごい!」

「ありがとうございます、次も頑張りますわ・・・・・・・?」


控え室に残った私は全員とは反対方向に行く現団長・セイクリシアを見ました。


ミス・セイクリシアは前団長の娘らしく、その後を継いで団長になりました。

とても美しく、経済力もありリーダーの素質がある人物ではあったんです・・・表向きにでしたが。


セイクリシアはその後、私達人間には立ち入れない部屋に入ったんです。

まぁそんな人間立ち入り禁止なんてものじゃなくて、特定の人物以外と書かれていますけどね、そんなに分かりやすい物じゃないですよ。

その時の顔つきがいつもと違っていて、彼女を追いかけました。そのすぐ後にです。


「まだ、エネルギーが足りませんわ。バイオの研究も進みつつあるはずなのに、中々エネルギーが足りないのです」


「一体、誰と会話を・・・・・・・・・・・・あれって」


――ゴンッ


「誰だ!?」


その時、近くにあった培養液の入ったケースに足をぶつけたらしくて見つかりました。

もう隠れる必要がないと思って部屋に入ると、生々しい生き物のなにかや人造人間のようなものがありました。


さすがに目を疑いました、あんなものが存在するはずないと思っていたんですから。



~~~



「でもアンタはどうして死んだのさ」

「簡単です。普通に秘密がバレたんですから、秘密のために殺されたんです」

「なるほど。それで、その培養液の中にあったのは・・・」

「3つの中には貴方達より大人くらいの人間、そして一際巨大なものには・・・この世の物とは思えないような・・・・」


そんなもんが、奴らの中に隠されてるってことなのかよ・・・。3人の人造人間っていうのも気になるけど、やっぱり巨大なのって・・・。またなにか、嫌な予感がする、この世界に関わる何かが・・・。


「ミス・セイクリシアはその巨大な何かを復活させる為のエネルギーが必要だと言っていたわ、もしかして遊矢さんたちのデュエルしたエネルギーとドリーミストにやってきた人々の記憶エネルギーを使っている・・・?」

「お前にもわかんないとなると、もうなにもないか・・・ありがとな!」

「いえいえ、私に役立つ事ならば、夜にでも遊矢さんの元に訪れます」

「どうやって?」

「強く念じていただければ、OKですわ」

「なるほど。それじゃあこれからもよろしくな、アルト」


だけど、そこまで来ると、みんなの不安が心配だな。

そいつが復活したらこの戦い、いつ終わるかわかんねえよ・・・。



~~~



「おい・・・マジかよ・・・」

「本当だ、信じられないなら己の目でこの資料を全部読んでみろ、全89Pだ」

「こ・・・断らせてもらうぜ。だけど、これが本当なら、かなりまずいだろ。なにか手を打たないと」


あの連中、そんなことやろうとしてたのか。例のアイツのことも調べてくれてるし・・・需要あんのか・・・?


「手を打つ方法は、遊矢が揃ってからにしたほうがいい。少なくともお前だけじゃムリだ」

「んなこと分かってるよ、アンタの力はこれだけで十分だからな」

「・・・少しは成長したと褒めてやってもいいんだぞ」

「丁重にお断りさせてもらう。絶対にアンタのことだけは認めない」

「認めなくていい、お前は俺のことは知らなくてもいいからな」

「十分知ってるよこのバカ」


数年前よりも良い奴になってると思った俺がバカだった。なんにも変わっちゃいない、ドロワさんとハルトが可哀相だぜ。・・・・・・・ハルトの奴、元気にしてるのかな。


《ブーッ!ブーッ!》


「なんだ!?」


《侵入者発見、侵入者発見、メインコンピューターをハッキング。繰り返す。侵入者発見――》


「メインコンピューターだと・・・!?ヒカル、準備しろ!」

「フザけるな!アンタはここで大人しく待ってな!」

「こっちのセリフだ、ハルトがメインコンピューターの近くにいる!」

「はぁっ!?」


あのブラコン野郎なにしてんだ!?流石にハルトが13だからってさすがにそれはねえよ!!

ジジイがいるなら話は別だけどな!!


「ハルトーーーーッ!!」


「兄さん!」

「良かった、誰がいるのか?」

「まぁね・・・お目当ての人たちの誰かっぽいけど」

「俺が相手する、あんたらは下がってろよ」

「ヒカル、お前は・・・」

「兄さん、いいの?」

「・・・・しょうがない」


もしもカイトが敵だったら迷わずに倒してたんだろうな、俺。

とりあえず目の前にいる侵入者のほうを何とかしないといけないけど・・・。


「やぁやぁ、見つかりましたか」


「誰だ!」


「ドリーミストの1人、ミスター・ハットと申します!」


「・・・はぁ・・・」


「貴方が朽祈ヒカルさん、思ったとおりの童顔でしたか」


「・・・・・・・」

「ヒカル、10重スリーブカードをしまえ、そんなにやりたければデュエルにしろ。協力する」

「何度も言わせんな、アンタと協力する必要性が何処にある?」

「アイツはお前のことを知っている、ならば俺が相手をすれば良い」

「フザけたことを・・・」


アイツに言われた事よりもカイトに言われたことのほうがよっぽど頭に来るんだが・・・。しょうがない、コイツを無視してデュエルすればいい。バトルロイヤルルールでコイツもろともあのふざけた帽子野郎をぶっ潰してやる。


「このデュエル俺が―「ムリです、貴方はデュエルさせません」なんだと!?」


「兄さん!どうやら援軍がいるみたいだよ」

「・・・なるほど、そういうことか」

「アンタとハルトが相手しろよ、俺がこの帽子野郎を潰す」

「分かっている、ハルト、いいか?」

「うん」


とりあえずこれで邪魔はいなくなった。援軍もたったの3人か、カイトとハルトで十分だな、一応世界大会2年連続優勝者は伊達じゃないだろ。


「準備はできましたか?」


「もとよりできてる、お前こそ、地獄に行く用意は?」


「できてませんね、行きませんし」


「なら送ってやるよ。行くぜ!――Dシューター展開!デュエルディスク、セット!」


「デュエルディスクセット!」


「Dゲイザーセット!」


《ARヴィジョン、リンク完了》


「「デュエル!!」」




46話へ続く


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【あとがき】


(時を越えた)喧嘩。ヒカルくんマジ物騒。

公式でネタにされるコンポタと童顔女男。だんだんヒカルが可哀相だから今度は托都をいじってやる(伏線)。


というわけで新年2回目の更新です、デュエルなしだった代わりに色々とついにネタ晴らしされました。そして3期で様々な意味でヒカルが病むきっかけが明かされ始めました、もっともあれだけじゃわからんだろうケド。

「体が軽い!もうなにも怖くない!」(2期最初)→「チクショウ・・・」(3期全体)になるまでの勢いが凄い(デュエル回数的な意味で)。あと、ハルトォオオオォォオオォ!!!が思いのほか楽しすぎてもっとやらせたくなったのは俺だけで良い。3人まとめて超銀河の餌食でおk。


今回はカイトVSヒカル(物理)が異様に目立ってたかな?約10年前くらいからのアレだから仕方ない、特にヒカルの方が仕方ない。そして遊矢くん順応性高すぎワロえない。

次回はヒカルVS帽子野郎です、帽子野郎は噛ませなのでそこまで強くないです。その上にただの3期への伏線回というね。


【予告】

ハートランドのメインコンピューター室に現れたミスター・ハットとのデュエルが始まった。

序盤からモンスターエクシーズを呼び出して一気に畳み掛けるヒカルだが相手のトリックカードを使った戦術に追い詰められてしまう。

しかし1枚のカードによって逆転の糸口が掴まれてくるのだった。

次回!第46話「襲撃者現る!ヒカルVSミスター・ハット」



【おまけ】



遊矢「もしも、俺たちのカードがパック発売するならみんなはなにがほしいんだろうな」

ヒカル「お前のカードが一式ほしいと思うぞ」