ジェレスタ9「隠 さ れ た 罠 (トラップ) !

.          タ イ ム リ ミ ッ ト は 1 時 間 ! ?」


あらすじ

・托都とのデュエル、そして遂に開催するワールドデュエルグランプリにカイトさんが俺を推薦してくれた!


「遊矢、ワールドデュエルグランプリに出るつもりはないか?」

「ワールドデュエルグランプリ・・・はいっ!出ます!」


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「うーん・・・これをああしたら・・・でもそうしたらコンボが決まらなくなるし・・・」


今日は日曜日、だけどデュエルには行かず家で・・・しかも部屋で引きこもってデッキを練り上げ中。中々良いのが思いつかない上にSsは特殊召喚に長けてるけどまだ億劫な部分も多い、なんとかしてそこを改善したい。


もしかしたら大会には托都も参加するかもしれない、だから次のデュエルまでに俺の実力を上げていかないと、それこそやるしかないじゃん!


「遊矢~どう?デッキはうまキャアアッ!?」


「あ、慶太、敏也それにアミも。どうしたんだよ」

「遊矢さんが来週のワールドデュエルグランプリに出るって聞いたんで、駆けつけたんです!」

「デュエルにも行かずにデッキ構築なんて珍しい事もあるんだな!」

「俺だって1人のデュエリストだからなっ!それくらいは当然だぜ!」


「遊矢ぁ・・・・!私の状態分かりなさーーーーい!!」


どうやらアミは俺が散らかしたカードで足を滑らせたらしい、ちょっと悪い子としたかな・・・。だから部屋に入るとき注意しろって言ってるのに・・・。


どうやら敏也が色々と調べてたらしい。今日はその報告も兼ねて家まで来てくれたっぽいけど色々とってなにを調べたんだか・・・。敏也のことだからおかしなことは調べないだろうケド。


「んで、なにを調べてたんだ?」

「ジェレスタエクシーズの所持者ですよ!確か15枚あるんでしょう?そのうちの2枚を遊矢さんが持ってるんで、それ以外をDセンサーで感知したデュエリストそれぞれを調べたんです!そしたら見てください!」

「どれどれ・・・?なんじゃこれぇ!!」


10人以上のデュエリストがリストアップされていた。・・・というか、こんなによく見つけたな・・・。ある意味で傾倒してしまいそうだ。


「デュエリストがこんなにかぁ・・・全部のジェレスタエクシーズまでには程遠そうだなぁ・・・」

「でも遊矢はなんで集めているの?」

「あぁ!そうそう、夢にアストラルって奴が出てきて、ジェレスタエクシーズを15枚全部取り戻してほしいって!」

「取り戻す?どういうことなんだ?」

「奴が言うには、ジェレスタエクシーズには願いを叶える力があって、その力を悪に使うととんでもないことになるって・・・」


まずアストラルの存在が信じがたいけどみんなとりあえず分かってくれたみたいだ。でも願いを叶えるなんて知ってる人そんなにいるのかな?そんな気がする、分かってる人のほうが少なくてむしろ拾っただけの人とかいそうだ。

でも敏也の願いがそれで悪い方向に叶ってんだから本当なんだろうケド。強いて言えば願いか・・・遊馬さんとデュエルがしたいってことくらいしか思いつかないかなぁ・・・。


「それよりもデッキ!デッキ組なおさねえと!」

「遊矢・・・・」

「頑張れよ!応援してるからな!」

「おうっ!絶対に優勝して見せるぜ!」


みんなの期待に応えるためにも優勝あるのみだぜっ!!



~~~



「くそっ!やれ!ボルティックスパークで攻撃!」


「ふっ・・・」


「ぐぁあああああああああ!!」

《??のライフ:0》


《WIN:??》


「他愛のない奴らだ・・・ヒヒッ、さぁって次は誰が・・・相手になるのだろうねえ・・・ヒヒッ」



~~~



「結局、なんにも遊矢のためになれなかったな・・・」

「いいや俺のジェレスタエクシーズに関することは役に立ったはずだ!」

「確かに・・・役に立ったと良いんだけど・・・」


遊矢・・・また悪い癖が出てる。1人で抱え込むというか、みんなを巻き込まないその性格。良いところだけど同時に悪い所でもある。私達が力になろうとすればするほど離れちゃうんだよね・・・。

遊馬さん、どうすればいいんでしょうね・・・私達は・・・。


「なにか遊矢の役に立てれば・・・」

「なら良い考えがあるぜ!」

「なんだ、言ってみろ慶太」

「ジェレスタエクシーズを俺たちも集めるんだ!それなら遊矢の力になれるはずだ!」

「確かに!それなら遊矢の役に立てるわね!」


慶太君のありがたい言葉、それじゃあ私達もジェレスタエクシーズを集めに~~~!!


「しゅっぱ~~つ!!」



~~~



みんな、協力してくれるのは嬉しい。だけどジェレスタエクシーズは普通のカードにない力がある。だからあいつらが巻き込まれるのはなんとしても防ぎたい、もっともっと俺が強くならなきゃいけないんだって思ってるのになにも起きないのかな・・・。


遊馬さんなら、こんな時どうするんだろう・・・。やっぱり仲間の力を借りる?それとも1人で戦うのか。俺は後者派だけど・・・こんな時こそどうすればいいのか・・・。誰でも良いから教えてくれないかな。


《ピピッピピッ》


「ん?・・・敏也?」

《遊矢さん!早く!早く来てください!》

「どうしたんだよ、敏也!おい!」

《くっ・・・うわぁあああああああああ!!」

「敏也!敏也!くそっ!!」


Dセンサーで敏也たちの場所を調べれば・・・!


「D地区の・・・裏通りの館・・・?」


なんで、なんでアイツらそんなところにいるんだ?


「とにかくッ!!」



~~~



D地区の裏通りにある館、廃墟の占い館らしいけど・・・。入ったのは初めてだ。進むしかない。この先にアイツらがいるならなおさら・・・・・・・。


「アミ・・・?慶太・・・・?敏也・・・?アイツら、一体どこに・・・」


1番奥にある部屋に来たけどアイツらはいない、姿も形もない。じゃあさっきのは通信ミス?いやいや、ありえないだろう。しかもデュエルしてたし・・・。


「よく来たねえ、今日はお客が多いよ・・・ヒヒッ」


「誰だ!!」


振り向くとおかしな奴がいた、フードを深く被ってて不気味というか・・・やっぱりコイツもなにかおかしい・・・。


「お前!アミたちをどこにやった?!」


「アミ・・・なるほど、さっきの子供達はそういう名前だったのかい。ならそこにいるよ・・・ヒヒッ」


変な男が指を鳴らすと右の中心辺りで映像が映された。なんだあれ・・・。


「おい!あれなんだよ!」

「あの柱はデュエルでダメージを受けるたびにあの炎が強くなるというものなのだよ、このままでも火はいつか彼らを焼くかもしれないけれどねぇ・・・まぁもってもせいぜい1時間くらいかねえ」

「ふっ・・・ふざけんな!!そんなこと、絶対にさせねえ!」

「ならばデュエルで私に勝てばよろしゅうて・・・ヒヒッ」


デュエルであの男に勝てば良いんだろ・・・分かった、それなら絶対に勝ってみせる!!


「良いぜ!その勝負、受けて立ってやる!!」


まけねえ・・・やるしかねえんだ!!みんなのためにも必ず勝つ!!勝つしかねえ。そしてみんなを助ける!


「行くぜ!Dシューター展開!デュエルディスク、セット!」

「デュエルディスクセット」

「Dゲイザーセット、デュエルターゲットロックオン!」


《ARヴィジョン、リンク完了》


「「デュエル!!」」



~~~



「ってここどこなのよ~~~!!」

「落ち着け!みんなで中心で、煙に巻かれないようにしないとダメだ!」

「おい!アレ見ろ!」


ARに映し出されたのはさっきのデュエリストと遊矢の姿、やっぱり私達は・・・。



~~~



「俺のターン、ドロー!俺は《Ss-バック・ガードナー》を召喚!」

《攻撃力:100/レベル:3》


「なるほどぉ、攻撃力100のモンスターをですかぁ・・・それに手札には罠はないと見える・・・」


「!?」


アイツ・・・手札が見えてるのか・・・!?確かに俺の手札に罠カードはない・・・どうして分かるんだよ・・・。

って惑わされるな、俺は俺だ!!


「俺はカードを1枚伏せてターンエンド!」


「私のターン、ドロー!私は魔法カード《指名者の罰》を発動、私がカード名を言い、そのカード名が当たっていれば相手フィールドのカードをすべて破壊する!私が選択するのは《サイクロン》、さぁ当たっていますか?」


・・・・・・・・なんで、なんでコイツあてやがった・・・!?


「俺の伏せカードは確かに・・・《サイクロン》であってる・・・」


ウソじゃねえよな・・・アイツ、伏せカードも手札も全部見えてやがるのか・・・。


「さぁフィールドはなくなった、私は《指名者ガロメ》を召喚!指名者ガロメは相手の手札1枚の種類を選択し、それが当たっていればレベルを7にあげ、デッキから同名モンスターを特殊召喚する」

《攻撃力:0/レベル:3》

「また同じ戦法かよ・・・!」

「私は1番左のカードを選択、それはモンスターカード《Ss-ワンダー・ガール》だな・・・ッ???」

「く・・・!当たりだよ・・・!」


「ならば私はもう1体を召喚して再び選択!これで2体のレベルは7だ!私はレベル7のガロメ2体でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!現れろ《大いなる指名神 ガルシルバ》!」

《攻撃力:2800/ランク:7/ORU:2》


もうランク7のモンスターエクシーズを召喚してきたか・・・面倒な奴だぜ、どうすればいいか・・・。


「私はガルシルバでダイレクトアタックだ!!手札にはなにもいないな・・・ヒヒッ!」

「くぅ・・・」

「行け!オリハルコンバーン!!」


「うわぁあああああああ!!!」

《遊矢のライフ:1200》


いてて、アイツいきなりライフを1200まで削るなんて・・・しかも最悪な事に手札や伏せカードが見えているとは。


「これで終わったと思うな!ガルシルバの効果発動!1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ使い、相手のデッキの1番上のカードの種類を選択、そして当たっていた場合、そのカードを墓地に送り相手のライフを半分にする!」

《ORU:1》


「ライフを半分に・・・!?しかもデッキの1番上って・・・」

「さぁ私はモンスターを選択しよう、デッキの1番上を見てみな」

「・・・・・・ッ・・・!?モンスターカードって・・・」


そんな、アイツの言ってるカードすべて当たっている!?


「さぁライフを半分にする!エナジングバースト!!」


「っ!!」

《遊矢のライフ:600》


このままじゃ確実に全ライフが削られる・・・。


「私はこれでターンエンドだ・・・さぁ小僧のターンだ」


「・・・俺のターン・・・・・・・!?」


手が震えてる・・・?!俺が、俺がデュエルを怖がってるとでも言いたいのかよ。ねえよ!絶対にありえねえ!みんなを助ける為なら怖くないってずっと思ってたのに、どうして・・・なんで今更・・・。


「っく・・・」

「どうした、サレンダーか?」

「サレンダーじゃねえ・・・俺は、俺はまだデュエルできる!やってやるよ、怖くなんて・・・怖くなんてねえ!!」


絶対にあいつらを助けるまではこの手の震え、そうだこれは楽しむ気持ち。いつでもデュエルを楽しむ気持ちを忘れない!!


「俺はあきらめねえ!そしてこのデュエル、なにも怖くないって貫いてみせる!それが俺のデュエル魂だ!!」


10話へ続く


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【あとがき】


ヘタレというか豆腐メンタル遊矢くん。あんだけワクワクしてても実は托都にコテンパンにされたのが怖かったと言う・・・。アストラルがいない分豆腐メンタルを8割増しさせていただきましたwwwおいおい、これじゃあミーの勝ちじゃないか!


今後、このヘタレ質がどのように改善されるかも魅力かな?いや、魅力でしょう!!つか魅力と信じてやまない自分がいるwww


【次回】

手札、伏せカード、デッキの1番上の全てが分かる謎のデュエリストに苦戦する遊矢。そして更には新たなジェレスタエクシーズが召喚され、ついに追い詰められる。

誰もが絶望し、諦めたその瞬間、遊矢の心に熱く燃える希望の光が新たな奇跡をその身に照らし出す!

次回!「雷光迅雷の魂!ライトニングスカイ・アーマード」