前回 の続きである。


予定を1日繰り下げたにもかかわらず、わざわざ大分に立ち寄った理由はこちら。



ピッコロさんの肌色ばり「真緑」な車体が特徴の、JR九州が誇る豪華列車「ゆふいんの森」である。


運転開始から既に15年以上経過しているものの未だに大人気なこちらの列車、ひょんなことから切符が手に入ったため、今回は由布院から博多まで移動するためだけに大分県に立ち寄ったという訳である。



こちらのゆふいんの森、昔は博多から久留米、由布院、大分を経由して小倉まで走っていた時代もあったらしいが、現在は久大本線経由で「博多~別府」が1往復、「博多~由布院」が1日2往復走っているのみ。


そして、今回自分が乗車したのは由布院駅を12時09分に出発する「ゆふいんの森2号」。およそ2時間の旅となる。



ローマ字で書かれる「ゆふいんの森」。妙に雰囲気を感じる。


せっかくなので、車内の様子を撮ってきた写真とともに、簡単に紹介したいと思う。



こちらが座席。古い電車ではあるものの、座席は張り替えたのかまだ新しい印象。


肝心の座り心地についても特段不満はなし。



座席上の荷物置きは、飛行機のように開くタイプ。


電車でこのタイプはかなり珍しい気がする。



なかには、このような4人掛けのボックス席も。


折り畳み仕様のテーブルにライト付き。グループ旅行には最適だろう。



入り口付近。


いきなり階段があることから分かる通り、こちらの列車は通常よりも車高が高く、その分自然いっぱいの車窓を思う存分堪能することができる。



車両間のスペース。壁が木目になっているので、他の電車とは一味違う高級感が漂う。



木で編まれたゴミ箱。そしてフローリングの床も木製。


木のぬくもりと洗練されたデザインが目を楽しませてくれる。



そんなこんなで出発の時間。


駅員さんが総出で手を振り見送ってくれる。結構嬉しいものである。



ゆふいんの森には、食事やグッズを売っているビュッフェが併設されているのも特徴。


食事は弁当の他にも、ロールケーキ、チーズケーキ、ビールなど様々。



当然素通りできるはずもなく…。


ビュッフェで購入してきたもの等々。



まずはこちら。ゆふいんわっぱ720円なり。


彩豊かな小さなおにぎりと、優しい味の煮物。もちろん湯布院名物の椎茸も。若干量が少ないものの、見た目も綺麗でバランスのいいお弁当であった。




ゆふいんサイダー150円なり。


旅の気分を味わうのに、これ以上うってつけの飲み物はないだろう。一般的なサイダーに比べて甘味が抑えられており、かなり飲みやすい。



アイスクリーム300円なり。牧場のアイスだけあって濃厚で美味。


なお、ビュッフェを利用する際の注意点として、出発直後は尋常なく混雑するので、早めに行くことをお勧めしたい。ボヤボヤしていると完売する恐れもあるので、電車が出発した直後に行くのが一番いいと思われる。




さらに、こちらには手づくりの観光案内も置いてある。


こういうものは、パラパラめくるだけでも楽しくなってくる。



ところどころ、こうしたフリースペースも設置されている。


足元までにも窓があり、沿線の風景をしっかりと楽しめる。



移動中は、客室乗務員の方が乗車記念のプラカードを手に車両をまわり、記念撮影をしてくれる。


ということで、なんとなく立場が逆な気がしなくもないが、深く考えず自分も記念撮影をお願いする。




見覚えのある建物が…。


終点まではあと少し…。



ということで、終点の博多に到着。


客室乗務員に見送られて、2時間の旅は終了。



初めて乗車した「特急ゆふいんの森」号であったが、車内を探索したり弁当を食べているうちに、あっという間に終わってしまったという印象。


基本的に列車という物には昔からそれほど興味が無く、「移動できればなんだっていい…」というスタンスではあるものの、非日常的な雰囲気を演出してくれる内装、充実のサービス、のどかな風景と、旅を十分に満喫することができた。


たまにはこういうものもいいかもしれない。


ただ、「モダンでゆったりとした空間」を売りにしているのにもかかわらず、パックツアーのおばさん客や中国人客で満員の車内は、大変賑やかであったのが唯一の誤算であった。