前日深夜に行われたリオ五輪最終予選決勝


U23日本代表の劇的な逆転勝利宿敵韓国を破っての優勝による余韻寝不足が抜けない中、2016年観戦初めに出向いた話をさせていただく。



名鉄電車を降り、1月にしては穏やかな暖かさのなかをテクテク歩くこと20分、やって来たのはこちら。



ウェーブスタジアム刈谷である。


寝不足の中、わざわざ刈谷まで来た理由がこちら。




「ナイトランニング」ではない。


デカデカと看板に貼られた「市長杯」の文字。


今日ここで、「第56回 刈谷市長杯サッカー大会 準々決勝」なるイベントが開催され、FC刈谷が出場することを知ったのはちょうど1週間前。


回数的に結構な歴史ある大会と見受けられるが、いくら調べても事前情報が極めて少なく、どのような位置づけの大会なのかイマイチ分からなかったものの、なんせ暇を持て余しに余しているシーズンオフの日曜日、単に「スタジアムでやっているサッカーを見よう」という動機で来た次第。



個人的事情(寝坊)により、スタジアムに到着したのは試合開始10分前。


事前情報の乏しさからおよそ予想していたが、場内は閑散としておりかなり寂しい雰囲気。


しかし、それでもメインスタンド中央を中心に熱心なファンが固まってたのは、さすが「サッカーどころ」と呼ばれるだけのことはある。


唯一の誤算は、スタンドを覆う屋根のおかげでスッポリ日陰になってしまい、尋常じゃなく寒かったことくらいである。



熱心に応援していた刈谷サポーターの皆さま。


今日は鳴り物が使用できないのか、持参した太鼓は通路に置き、手拍子で声援を送る。


そんななか、中央に陣取っていた千葉ロッテマリンフェスタユニフォームを着た刈谷サポのおっちゃんに、個人的に強烈なシンパシーを感じた。



今日はここから観戦。


およそ2か月ぶりに見る青々とした芝生。Jリーグと関係ないスタジアムであることを考えると、1月下旬における天然芝の状態としては上々の部類だろう。



昨年より立派になった電光掲示板、今日はお休み。


試合運営のレベルを見ていると、今日の試合の位置づけと言うものがだいたい見えてくるというものである。



そうこうしているうちに選手入場。


…と、ここである違和感に気付く…。



FC刈谷のユニフォームから赤襷が消えた…。


どうやら今日の刈谷は普通の練習着で試合を行う模様。




そして本日の対戦相手、デンソー刈谷のイレブン。


事前にネットでググって見たものの全くヒットせず、その素状が全く分からなかったのだが、さらにいろいろ調べるうちにどうやら「西三河リーグ」に所属していることが判明。


刈谷の所属している東海リーグ1部からみて、さらに4つ下のカテゴリー。J1から数えると9つ目のカテゴリーにあたる。そんなリーグがあること自体もちろん初耳である。


カテゴリーが相当離れており、果たしてどんな展開になるのかと思っていたが、案の定一方的な展開になってしまった。










前半3分のゴール(コンビニのおにぎり食べていたら見逃した…)を皮切りに、攻めも攻めたり前半だけで刈谷はなんと6得点


序盤こそ致命的なパスミスをやらかすなど、点差の割には気が抜けない展開がしばし見られたが、点差が離れるにつれて一方的なペースに…。


基本FC刈谷目線とはいえ、さすがにこうなって来ると反感贔屓的精神も沸き起こってしまう。



なお、この試合、ボールボーイなる気の効いた人は存在しないので、選手が自分で取りに行く形になる。


とくにデンソーのゴールキーパーは、刈谷の波状攻撃にさらされたうえ、何度も外れたボールを取りに行く羽目になり、見ていて気の毒であった。







刈谷は決して手を抜くことなく、後半もゴールを積み重ねていく。



その間、刈谷の控え選手はひたすら体幹トレーニング

なんともシュールな光景であった。



結局試合は13-0という、サッカーとはとても思えないスコアで刈谷の圧勝。


間違いなく自分の今までの観戦のうち最大得点差の試合。恐らくこの記録は今後も破られないと思われる。



デンソー刈谷の選手が刈谷ベンチにご挨拶。


明らかな実力差があり、正直何一つ自分たちのサッカーができなかった印象だが、それでも最後まで戦い抜いてくれた。


刈谷サポーターからも大きな「デンソー刈谷」コールが沸き起こる。




あまりに一方的すぎる展開に「楽しかったか?」と問われると正直「………」だが、緑の芝生にサポーターの歌声、ボールを蹴る音など2か月ぶりのサッカー観戦の空気を思う存分感じることができた。


開幕にはまだ遠いが、来たるべきシーズンに思いを馳せながら、今年も刈谷の挑戦を見守りたいと思う。



最後に今日の一コマ。


デンソー刈谷のベンチにいたこちらの選手。どんなに点差がついてもベンチから大きな声を飛ばしピッチ上の仲間を鼓舞していたのが非常に印象的。


どこの誰かは存じないが、こういう姿は本当に清々しい。いつかまたスタジアムでお会いしたいものである。