白熱のクライマックスシリーズに湧く日本列島。
昨晩行われた雨中の神宮決戦はスワローズが勝って王手、そしてパ・リーグはレギュラーシーズンのゲーム差を見せつけるかのごときスイープで、ホークスが2年連続の日本シリーズ進出を決定させたのであった。
そんななか、本日は惜しくもCS進出をわずかな差で逃してしまった、こちらのスタジアムの主がいる街へ…。
やって来たのはこちら、JR広島駅である。
無論マツダスタジアムを見に来た訳でも、がっかりしたカープファンを冷やかしに来た訳でもなく、本日の目的地は、初訪問となる広島ビッグアーチである。
このブログをさかのぼって見ると、どうやら広島に来たのは2011年以来 らしい。
こういうとき、せっせとブログを更新していると非常に便利である。
現在絶賛工事中で、自分の記憶の中の広島駅と全く違う姿を見せる構内を、田舎者のごときキョロキョロしながら、知人と合流。
本日は広島駅からJR→アストラムラインを使用してビッグアーチへ向かうことに。
サンフレッチェの現在の本拠地である通称「ビッグアーチ」は山の上にあり、かねてより広島サポーターからは「市内から遠い」「アクセスが悪い」という声が聞かれ、よい評判はあまり聞こえてこない。
伝聞でそういった声は把握しているいるものの、それでもスタジアムマニアとして「一度も行ったことがないスタジアムについて、伝え聞いた話だけであれこれ判断するのはよろしくない」というプライドも当然持っているため、今回初めて訪問するにあたり実態調査も兼ね、敢えてオーソドックス(と思われる)なルートを選択し向かうことにしたわけである。
ということで、JR広島駅をスタートし揺られることわずか2分。
お隣の新白島駅に到着。この駅でアストラムラインに乗り換えである。
こちらは今年の3月に、JR山陽本線とアストラムラインが交わる場所に開設された、まだ新しい駅である。
同行した知人が盛んに「形がおもしろい!」とアピールしていた、アストラムライン側の新白島駅。
駅舎は地上にあり、プラットフォームは天井が地上構造物天井までの吹き抜けになっている変わった構造。
JR-アストラムラインの連絡通路は、まだ工事中の箇所も目立つ。
ただ、全て屋根で覆われているため、雨でも濡れる心配をしなくて済むのは嬉しいところ。
「新白島駅」からスタジアムの最寄駅である「広域公園前」駅までは片道400円、時間にして30分強。
ただ、試合開催日に販売される「サンフレッチェ応援乗車券」を購入すると、1日乗車券が620円とお得な値段で購入できる。
「安い!」と大手を振って言える値段かどうかは人それぞれだろうが、いろいろ全国のスタジアムを訪問した立場から見ると、べらぼうに高いとまでは感じない。
そして30分後、広域公園前駅に到着。
路線図を見ると、新白島駅から広域公園前駅までは線路が大きく迂回して敷かれており、時間がかかる要因となっている。
さらに新白島駅が開設される前は、アストラムラインに乗るには始点を考えると一度中心部まで出る必要があり、市外・県外から来る人にとってはお世辞にも利便性がいいとは言えないものであっため、アクセスが悪いと広島サポから非難される一因になっていたと思われる。
さて、駅からスタジアムまでは、上り坂を10分ほど歩くことになる。
これぐらいならそこまで苦になる距離ではないが、周囲は聞いたとおり完全に山の中。
ナイターのときなどは、明らかに今日とは異なる雰囲気になりそうだなぁと…。
幸いにして今日はデーゲーム。気候もいいのでハイキング気分で歩く。
もう紅葉の季節か、今年はここで見れたからわざわざ紅葉狩りに行かなくて済むな(毎年恒例)。
ということで、広島駅に到着してからおよそ1時間弱、広島広域公園敷地内まで到着(正確にはスタジアムまでもう少し歩く)。
市の中心部から1時間という距離について、イメージ的には都内から西武ドームに向かうような印象を受け、正直そこまでアクセスが悪い気はしなかったが、それでも遠方から来る人は大変だろうし、平日ナイターなどは面倒くさいだろうなぁという印象。
まぁ他に全く代替場所がないのであればやむを得ないのかもしれないが、新スタジアム建設の話もあるわけなので、本当に早く事が進展することを願ってやまない。
さて、スタジアムまではもう少し。
青い空と並木道のコントラストが美しい。
ということで、ようやく到着。
スタジアム正面には空想上の聖獣「UN・A」の像が2つ並んでおり、その神秘的な佇まいが、ありふれた陸上競技場を引き立てているように思えてくる。
原爆ドームをイメージしたとも言われるメインスタンドの屋根。愛称の“広島ビッグアーチ”の由来となっている。
綺麗なアーチを描いており実に美しい。
公園内はかなり広々としており、スタジアム前には様々な露店が並ぶ。
比較的低料金で様々な料理を楽しむことができるので、無理に買出しをする必要は全くない。
スタジアム周辺の景色。
ここが山の中であることを嫌というほど思い知らされる。
この感じ、どこかで見たことがあるなぁという既視感を感じたが、先週訪問した藤枝 とスタジアム周辺の風景がそっくりなのである。
コンコースは広く、スタンドに出るゲートも大きいので非常に開放感がある。
また、コンコース同士は直接つながってはいないが、広島の試合時はバックスタンドからもメインスタンドコンコースへ移動できるようになっており、さらにアウェーサポーターもメイン&バックスタンドコンコースに行くことができるのは嬉しい限りである。
反面、再入場が原則できないので注意が必要。
場外に盛大なフードコートを設営しておきながら、再入場不可にするのは正直どうかと思う…。
こちらのスタジアム、収容人数は5万人とのことらしいが、Jリーグ開催時には緩衝帯の設置など運営の関係上、実質的には3万2~3千人ほどとなる。
1992年開設と、どちらかというと新しい部類に入るスタジアムだが、そんな感じはあまりしない。
すり鉢状のスタンドは大きさといい、その形状といい、メインスタンド以外はベンチシートという点も含めて、非常に神戸ユニバー記念競技場に似ている印象。
陸上トラックはあるものの、どの席からも比較的見やすく、この点では陸上競技場の中では上等な部類であろう。
さて、先述したとおり、アクセス面で広島サポの悪評が高いこちらのスタジアムであるが、個人的にはアクセス面においても観戦環境においても、そこまで酷いという印象は抱かなかった。ここよりアクセスが悪いスタジアムは結構心当たりがある。
恐らく、今回使用しなかったアストラムライン以外のアクセスに問題があるのであろう。
こちらは試合終了後1時間経過したバス乗り場の様子。未だに列が掃けていない…。あの最後尾の人はどのくらい待っているのであろうか…。
そして何より酷いのが帰りの渋滞。
クラブ側は遠方から来る人のために無料臨時駐車場を用意してやりくりしているらしいが、周辺に住宅街などができてしまい土地が減り、スタジアム近辺の駐車場に集中してしまうらしい。
さらに、マイカー利用を減らすために駐車料金取ろうにも、広域公園を管理するお役所の意向で有料化できず、シャトルバスの増便もなかなか融通が利かないらしい(この渋滞では単純に増便してもどうしようもないと思われるが…。)
そもそも、このような交通機関やアクセスが軟弱な場所に、5万のスタジアムが建ててしまったこと自体が問題のようで、こうなってくるとクラブの問題というよりも、都市計画の問題という気がしてくる…。
個人的には、もっとアストラムラインを活用するのが一番有効なのではないかと思う。
輸送力が足りないとは言われるが、 地下と高架で渋滞とは無縁。一日乗り放題で620円。朝の通勤ラッシュと比べればそこまででもない混雑。新白島駅の開業で、利便性も若干上がっているように感じる。
少なくとも広島市内在住者や、山陽本線沿線住まいの人は大いに利用する価値はあるように思う。
全く土地勘のないアウェイサポーターが考えた薄っぺらい考えではあるが、それでも他サポが使えて地元サポが使えない理屈がイマイチよく分からないのである。
いつかまた再訪する機会があれば、今度は他の手段でのアクセスの検証も…気が向いたら考えてみたいと思う。
ということで、例によって試合には一切触れないまま結構な分量になってしまったので、その他もろもろは別記事で…。
続く…。