8月の下旬から9月第1週目にかけめっきり涼しくなり、夏の終わりが近いことを日に日に実感させられる昨今。


涼しくなるだけなら良いのだが、何故か最近、このタイミングで梅雨時のような空模様が続いており、本日は天気予報におびえながら遠征した話をさせて頂く。


やって来たのはこちら。ペナントも終盤に差し掛かった9月に入り、ようやく今季初訪問が叶ったほっともっとフィールド神戸である。


内・外野総天然芝の美しいグランドは、国内No.1と断言しても良いほど立派なボールパークであり、野球ファンの評価も高いこちらの球場だが、ご存じのとおり屋根はない。


天気予報的に今日は何とかやれそうだが、降水確率60%の明日が非常に心配…。



ひとまず場内へ移動。本日のマイシートはこちら。


今日は奮発して、人生初めてのフィールドシート(3塁側)を購入。


学生時代に初めてこの球場に来てからはや10年。もっぱら外野席観戦が中心の自分にとっては初めてのフィールドシート、もといほっともっとフィールド神戸の内野席に入ること自体、今回が初めてである。



初めての座種、まずは自分がこのあと座ることになる座席を繁々と眺める。


跳ね上げ式のセパレートタイプでドリンクホルダー付き。


個人的には、肘かけがきちんと椅子ごとについていた点が、非常にポイントが高い。



正面には、万が一の危険を回避するためのプラスチック製のプレートが設置。


「これでは視界が遮られる」「俺はファールボールくらい簡単に避けられる」という人のために、もちろんプレートを下げて観戦することも可能。


なお自分は、始め下げ方が分からず、しばらく一人でワタワタしていたところ、見かねた隣のオリックスファンのおばちゃんが助けてくれたことが今日のハイライトの一つ。



フィールドシートの横にはカメラマン席が。


今日は、カメラマンの方々とほぼ同じような視点で試合が楽しめるとあってこれは非常に楽しみ。



フィールドシート後ろにはブルペンが設置されており、中の様子も良く見える。


なお、試合中このブルペンの前に立って写真をバシャバシャ撮っていたら、係員の方に「写真はご遠慮ください」と注意を受けてしまった(もちろんフラッシュなどは使用していない)。


選手のプライバシーとか練習の邪魔になるとか理由があるのかもしれないが、目の前でプロのピッチングやブルペンの様子が見れる機会は限られており、せめて写真くらい撮ってもいいのでは…というのが正直な感想…。


初めてのほっともっとフィールド神戸の内野席。


せっかくなので、いつものようにあちこち散策。


今日・明日は今シーズン最後の神戸の試合ということもあるからか、コンコースは恐ろしいほどの混み具合。


ということで、早々に二階席に避難し、試合開始までの時間をまったり過ごす。上から見下ろしてみると、緑鮮やかなグランドが本当に美しい。これだけで個人的には入場料の元が取れた気分にすらなってくる。



そして、今シーズンからスコアボードも最新のLED大型ビジョンに更新されていた。


従来より見やすくなったのはもちろん、情報量も増えファンには嬉しい限り。


そんな新しいビジョンで見る本日のスタメン。



日本ハムの先発はルーキーの有原航平。


昨年のドラフトで4球団から1位指名を受けたアマチュアNo.1投手の呼び声も高いゴールデンルーキーは、前評判通りの活躍でここまで7勝。


ただ、現地でその姿を見るのは今日が初めてとなる。



対するオリックスの先発は西勇輝。


こちらは最近よく見ている気がするなぁと思って調べてみたら、今シーズン現地で西投手に遭遇するのは3回目。うち2回はここ1カ月以内いう、結構な遭遇率。


そもそも自分は日ハムファンなのだが、こうなってくると西投手のちょっとした追っかけをやっているみたいな気分になってくる。



さて、初めてのフィールドシートからみる試合の景色だが、普段より何倍もグランドが近く感じられ(当たり前だが)、想像以上の素晴らしい迫力。


ただ、3塁側に陣取っていることもあり、どうしてもT-岡田糸井あたりが打席に入ったときは、鋭いライナーが飛んでこないかと無駄に力が入ってしまう…。


イニング間に、スタメン出場している外野手とキャッチボールをするために登場した大谷。


流石の人気で、姿を見せた途端カメラのフラッシュがあちこちから…。


さらに、頑張ればこのようにブルペンへ移動する選手を撮影することも可能。



なお、皆が気になる?であろう選手のサインであるが、見たところ3塁側でかつ開門直後であれば、もちろん選手次第だがサインを貰うことは十分可能であるように見えた(実際もらっている人もいた)。


ただ、練習中に限り最前列に移動しての見学が可能ではあるのだが、もの凄い競争率が激しく、あっという間に人だかりができてしまうので、サインや練習見学を希望される方は開門前には入場口で並んでいた方がいいと思われる(自分はマスコットステージを見てから入場したところ完全に出遅れた)



こちらは、係員に注意される前に撮ったブルペンの様子。


ライブリーと石川亮の仲が良いことはよく分かった。



石川亮以外にも、ライブリーはいろんな選手と親しげに話していたのが印象的であった。


成績面では炎上を繰り返し、なんとなく「半年限りのネタ外国人」的な印象がぬぐえないライブリーであるが、グランド上では見ることができない、こうしたちょっとした素顔を垣間見ることができるのも、フィールドシートの魅力の一つであろう。



今日は今年最後の花火ナイト。


ということで花火…を見る選手たち。



花火をうまく撮るのは難しい。


恐らく、今年花火を見るのは個人的にもこれが最後だと思われる。


あぁ、結局今年もスタジアムでしか花火を見なかった…。




さて、肝心の試合の方であるが、序盤は両先発が素晴らしいピッチングを見せ、2塁ベースすら誰も踏まないままわずか40分で序盤の3回を終了。


本日は破格の6,000円(ファンクラブ会員価格)もチケット代を払って試合を見に来ているわけで、個人的にはもう少しゆっくり試合をやって欲しいものなのだが…。




そんなこちらの願い?が通じたのは4回表。


二死から田中賢介が内野安打で出塁すると、続く中田翔が左中間の一番深いところへと運ぶ、先制のツーランホームラン。

これで日本ハムが優位に試合を進めると、圧巻だったのだが6回表。




もちろん先ほどのリプレーではない。


中田翔が、二打席連続となるホームランを、先ほどと同じように左中間へと運ぶ。




すると、続く近藤もまさかのホームラン。


逆方向に放った打球は、浅めに守っていたレフトの頭上を越えそのままスタンドへ。


あんなに近藤にパンチ力があったとは…。まさかの二者連続ホームラン。




そして極めつけはレアード。


「どうせなら3者連続を見てみたい。レアードなら長打もあるし…。でもさすがに3人目はないか…。」と思春期の乙女心のようなときめきを持って見守ったレアードの打席。


打った瞬間スタンドインと分かる弾道は、綺麗な弧を描きレフトスタンドの日ハムファンの元へ…。


まさかまさかの3者連続ホームラン


思わぬ展開に白井コーチもニッコニコ。


もちろん現地で3者連続ホームランを見るのはこれが初めて。もうこれだけで入場料6,000円の元は十分取れるどころか、おつりが来るようなレベルである。


いやはや久しぶりに日ハム戦で凄いものが見れた。



ホームランを放ったあと、守備位置に着く際に笑顔でブルペンにいたライブリーと話すレアード。


こういった選手の表情を見ることができるのも、フィールドシートならでは。


9回には満塁の場面から、佐藤賢治がレフトへとどめの2点タイムリーツーベース。


この日のレフトスタンドは、「西日本限定チャンステーマ」「関西限定チャンステーマ」「チキチキバンバン」「ワッショイ」「北の国から」と、この球場で使用可能なチャンステーマは全て演奏されるという、まさにお祭り状態。



結局有原は自己最多の136球を投じ、9回を4安打(うち3本が糸井)に抑える嬉しいプロ初完投初完封。


過去2度、完投目前の9回1死から被弾し降板していたが、見事3度目の正直となった。


勝利のハイタッチ…も今日はいつもとは違う角度から撮影。




最終スコア。


懸念された試合時間も3時間14分と普通レベルまで持ち直し、何よりこの試合展開は日ハムファンにとって堪らないものであった。


試合開始前、プレートを下げるのを手伝ってくれたオリックスファンのおばちゃんと若干気まずい雰囲気になったこと以外は、ほぼ完ぺきな本日の観戦であった。



ヒーローは有原。


これで今シーズン8勝目。新人王も十分射程圏内。


日ハムで新人王を獲得した投手は、どの人もその後あまりいい成績が残せていないような気がするが、有原にはそんなジンクスすら吹き飛ばす活躍をこれからも期待したい。



歓喜に沸くレフトスタンド。


明日は(中止にさえならなければ)いつもの外野席に戻る予定。



ということで、初体験のフィールドシート。


最近の野球場ではどこも増設しており、珍しさも薄れてきた感があるが、国内でどこよりも早く最初に導入したこの球場のフィールドシートに座ることができたのは、スタジアムマニア的にも大変意義のあることで、本当に良かった。


正直、最初は「そこまで高い席を買わなくても…」という気もなくはなかったが、いざ座って見ると臨場感や普段なかなか見れない選手の顔など、実際に座ってみないと分からない魅力的な光景をいくつも味わうことができた。


競争率が高く、お値段的にもなかなか気軽に購入できるような場所ではないが、個人的には機会があれば、ぜひ他球場のフィールドシートにも、これからは足を運んでみたいと思う。