ヤフーニュースから、
日本の人事部 2016/7/13 7:30配信 より転載させていただきました。

職場の「ハラスメント」(パワハラ・モラハラ)の予防対処法
~基礎知識から予防・再発防止策までのポイントを開設 (前編)~

近年、職場におけるいじめや嫌がらせなどをはじめとするさまざまなハラスメントが急増し、企業の人事管理上、深刻な問題になっている。
典型的なケースとしては、「セクハラ(セクシャルハラスメント)」、「パワハラ(パワーハラスメント)」、「モラハラ(モラルハラスメント)」が挙げられるが、ハラスメントが起きた時に、迅速かつ適切な対応を怠ると、企業としてさまざまなリスクを抱えることになる。また、対応を誤った場合(裁判で敗訴した場合など)のダメージは、非常に大きなものになることも予測される。(略)

「ハラスメント」とは何か。
ハラスメントとは、広義には「人に対するいじめ・嫌がらせ」のことである。
(略)

職場における「ハラスメント」。

■セクハラ
相手を不愉快にさせる性的な色彩を帯びた言動によるもの。
【具体例】
・性的な事実関係を尋ねること。
・性的な内容の情報を意図的に流布すること。
・性的な関係を強要すること。
・必要なく体に触れること。
・わいせつ画面を流布すること。 など

■パワハラ
職権などのパワーを背景に、上司が部下に対してその権限を濫用するなどして引き起こされるもの。
【具体例】
・暴行、傷害(身体的な攻撃)。
・脅迫、名誉棄損、侮辱、ひどい暴言(精神的な攻撃)。
・隔離、仲間外し、無視(人間関係からの切り離し)。
・業務上、明らかに不要なことや、遂行不可能なことの強制、仕事の妨害(過大な要求)。
・業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや、仕事を与えないこと(過小な要求)。
・私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害)。 など

■モラハラ
上司部下男女間にかかわらず、言葉態度文書などにより、陰湿に(静かに、じわじわと)繰り返される行為・嫌がらせ全般のこと(精神的ないじめ)。
【具体例】
・継続的に無視した行動をとる(仲間外れにする)。
・見下した態度をとる。
・必要な情報を与えない。
・聞こえるように嫌味悪口を言う
・本人が気にしていることを揶揄する。
・わざとらしい行為をする。
・文句でもあるかのような行為をする。
・言われたことをしない。 など

一般的にセクハラはわかりやすい行為であるが、パワハラとモラハラは、その違いがややわかりにくいかもしれない。そもそもパワハラは和製英語であり、法律の条文において「パワーハラスメント」という概念を整理したものは存在しない。一方、モラハラは、海外で生まれた言葉で、1990年代の後半に、フランス人の精神科医である、マリー=フランス・イルゴイエンヌによって提唱された概念である。パワハラとは、力関係や優位性を利用して、身体的・精神的に苦痛を与えること。それに対してモラハラは、力関係や優位性を利用することなく、道徳(モラル)的に言葉や態度、身振りや文書などによって、相手に精神的な苦痛を与えることである。例えば、継続的に無視したり、見下す態度をとるといった、いわば、精神的暴力であることが、モラハラの特徴である。
また、ハラスメントは発生に関して密室性を帯びることが多く、人事がその実態をつかむのはなかなか容易ではない。しかし、問題が大きくなってからでは手遅れになってしまう。その意味でも、職場で日々発生するハラスメントの問題をいかに早期に発見し、適切に対応出来るかが「ハラスメント社会」を迎えた現在、企業の大きな課題となっている。
(略)
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(投稿;2019/3/16)