普通に生活している人でも、気づかないうちに加害行為に加わってしまう人もいると思う。たわいの無い噂話に引っかかるかどうかを観察しているだけでも、その人の性格の一端を見ているようで、興味深い。噂話とは、話の中身のレベルはもちろん、誰がどのように反応するのか、そして、話の内容に応じて、どんな人達がその話に束ねられていくのか、冷静に観察をすることも、大切なことと思う。某芸能人の離婚話から、急に広まった言葉ではあるが、きちんと確立した意味があり、また、噂話に束ねられやすい人達にも、当てはまる部分があると思う。以下、Wikipediaさんから、一部、抜粋させていただきました。
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モラルハラスメント
モラルを装った、あるいは、そう思い込みながら為される心への暴力、嫌がらせのこと。
フランスのマリー=フランス・イルゴイエンヌが提唱した言葉。
外傷等が残る為、顕在化しやすい肉体的な暴力と違い、言葉や態度等によって行われる精神的な暴力は見えづらい為、長い間、潜在的なものとして存在していたが、イルゴイエンヌの提唱により、広く知られるようになった。
イルゴイエンヌは『社会は精神的な暴力に対しては対応が甘いが、精神的な暴力は、肉体的な暴力以上に人を傷つける犯罪である』と述べている。『モラルハラスメントは精神的な殺人』とも述べている。
安冨歩は、moralの「精神的の、」という意味を加味し『haracement moral=身体的でなく、精神的・情緒的な次元を通じて行われる継続的ないじめ・嫌がらせ・つきまといなどの虐待』と解釈している。
加藤締三氏は『「愛」だと思い込んで、相手を支配する「サディズムの変装」』を、モラルハラスメントをする人自身が理解できない、という側面を持つと指摘している。モラルハラスメントが成立する為には、嫌がらせが行われると共に、それが隠蔽されなければならない。
モラルハラスメントの加害者のサディズムは、攻撃的パーソナリティでは、顕著に現れ、直接攻撃でわかりやすいが、迎合的パーソナリティの人の場合には、狡猾に現れる。迎合的パーソナリティの人によるモラルハラスメントは、迎え入れられる相手に合わせて、優しい言葉や態度で相手を誘惑し、非言語コミュニケーションを通じて、非言語メッセージで相手を攻撃していく。攻撃的パーソナリティは不満、迎合的パーソナリティは不安が基になっている。言葉には出さない(非言語的)モラルハラスメントは、顔の表情、顔色、視線、身振り手振り、体の姿勢、相手との物理的な距離の置き方などで為され、録音による証拠が残らない。
モラルハラスメントの加害者となる人物は「自己愛的な変質者」である。
・責任を他人に押し付ける。
・普通の人なら罪悪感を持ってしまうような言動を平気でできる。
・誰かから奪うことを欲している。
・内心の葛藤を自身で引き受けることができず、外部に向ける。
・自身を守る為に、他人を破壊する必要を持つという「変質性」を持つ。
モラルハラスメントの加害者は、自分が常識であり、真実や善悪の判定者であるかのように振る舞い、優れた人物であるという印象を与えようとし、自分の欠点に気づかない為に、他人の欠点を暴き立て、賞賛してもらう為に、他人を必要とする。
モラルハラスメントの加害者の論理では、他人を尊重するなどという考えは存在しない。加害者は、復讐の気持ちを伴った怒りや恨みを持ち、被害者に全ての責任を押し付けてしまうことによって、ストレスや苦しみから逃れようとする。
相手の弱みを見つけ、暴き、攻撃することによって、優位を保とうとする。この時、その相手というのは、全てに責任のある悪い人間、破壊されなければならない人間になっている。加害者はこの相手に対し、執拗に攻撃を繰り返す。この過程で、加害者が相手のアイデンティティが破壊していくのを見て、喜んでいるのは間違いない。
モラルハラスメントの加害者は、誰かが楽しんでいるのを見ると、それが、他人であれ、自分の子供であれ、その楽しみを妨害しようとし、絶えず誰かの悪口を言っている。物質的・精神的を問わず自分が持っていないものを、持っている人を見ると、普通の人は、努力して手に入れるか、諦めるかするのだが、モラルハラスメントの加害者になるような人は、相手を破壊し、辱め、貶めようとする。『羨望』が加害者の原動力である。
『羨望』から相手の持っている物を手に入れる時、相手と与えあうような関係を築いて欲しい物をもらう方法をとらず、その物(あるいは考え)は、相手(被害者)のものではなく、加害者(つまり自分)のものである、という方法をとる。
いずれにしても『自己愛的変質者』には、気をつけた方がよい。この人達は、人を引きつけ、支配下に置き、価値観の基準をひっくり返すことができる。集団に混じっていれば、集団的倫理観が破壊されてしまう。
被害者が自立しようとすると、中傷、罵倒などの精神的な暴力を振るいはじめる。だが、モラルハラスメントのメカニズムが機能している限り、加害者の心の中は安定する為、被害者意外の人には“感じのいい人”として振る舞うことができる。
2002年1月には、フランスで、職場におけるモラルハラスメントを禁止する法律が制定された。日本においては、現在、厚生労働省や法務省など、政府関係のサイト、パンフレット等の配布物には、モラルハラスメントという表現ではなく、パワーハラスメント、いじめ、嫌がらせという表記が多く見られ、モラルハラスメントの周知徹底は、弁護士事務所や民間相談機関、個人などが開設したサイトが担っている部分が大きいのが現状である。(引用終了)

ストーカーの問題を、精神性の問題に限定するつもりは無いが、特定の個人に対するストーカー行為に、いとも簡単に協力してしまう人達のことを考える時の、一つの手がかりにはなると思う。
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(追記・訂正:2019/3/9、2021/4/19)