有難いことにお取引先から、初鰹を一本、丸々頂戴しましたので、婦人連合のご要望どおり、刺身にさせていただきました。初夏のような陽気ですから、「たたき」を提案しましたが即座に却下されての「刺身」です。まあ、すりおろした大蒜と生姜でいただく鰹の刺身も旨いですし、文句もありませんが、ぽん酢ぶっかけのたたきが今宵の夢にも出てきそうです。
折角の初鰹ですし、つめたく冷えた「日高見」の冷酒でいただくことに決定です。地元で獲れた魚には、地元の酒が一番でしょう。平孝酒造の上級ブランド「日高見」は、キレがある呑み口が信条でもあり、くわえて特に冷酒は穏やかなで軽い香りに特長があります。軽い香りは、どちらの冷酒にも共通していえることですが、唯一「日高見」らしい趣は、艶やかな米の香りです。しっかりと旨さのある米の味と香りというのが、とても魅力的で、不思議に飲み続けても飽きがきません。
そして、ストレートよりもオンザロックで飲む方が、より「日高見」の冷酒の魅力を引き出せるような気がします。当然、氷がとけてしまっては元も子もないですから、それなりのスピードで飲まねばなりませんが、僅かに氷水が混じることで旨みが倍加することに、その面白さがあると思います。それこそが、食中酒としての「日高見」の冷酒らしさなのでしょうが。
さてさて、初鰹ですが、春の鰹ゆえ脂はほとんどありませんが、その分、はちきれそうな旨味がたっぷりです。独特の渋味もあって、やっぱり旨いものです。これが「たたき」だったら・・・と思ってしまうのは、やはり男らしくないですね。
少し不機嫌そうな旦那を気遣ったのか、女房殿が海鞘の刺身を作ってくれました。山葵醤油で食べる海鞘も旨いものです。不機嫌そうな顔は止めにして、思いっきり晩酌を楽しむことに専念しましょう。これも、旦那の務めでしょうから。σ(^_^;)