たまには辛気臭い(?)話をひとつ
ここ1~2年で父のQOLがガタガタっと崩れてきました。それまで持病もなく健康だった父だけれど、筋力の低下・身体能力の低下はどうにも避けられません。ボケないのが逆にすごいくらいの感じ。
歳だから!
ストレートに、歳だから!
そんなわけで、今また身体の治療で父は入院してるんですが、戻ってきても店を開けることはもうきっと出来ないだろうな...という話になってます。
父はざっくり品物を売る仕事をしており、祖父の代からそこで店を開けてその売上で我ら4兄妹を養ってくれていました。
(末っ子の私が高校に進学した頃からは株転がして儲けてたという話は当時は知らない)
商店街育ちだもんで、同級生は半分くらい○○屋の息子&娘です。それが当たり前だったんですよね。
でもバブルが崩壊して失われた10年の間に、店を畳んだり夜逃げしたりする友だちも少なくはない数、見てきました。今や商店街はチェーン店ばかり。
あのドラッグストアは元は○○ちゃんのパン屋さんで、あのゲームストアは○○ちゃんの呉服屋さんで、あのカフェは○○ちゃんのおじいちゃんの瀬戸物やさんだったんですよ。しぶとく次世代へ繋いだ店は本当に少ししかありません。
きっと皆さんには伝わるだろう、この郷愁が。
飲み屋街の置くにある耳鼻科、そのまた奥にある○○ちゃんのおばあちゃんのバー。私達はランドセル背負いながら、飲み屋街を通りぬけて学校へ行ったんです。情操教育に最悪だよ(笑)
ま、そんなわけでAmazonが翌日配送してくれるこのご時世に、父の店はさして必要ないのです。
母が「店を畳まなければいけないか?」と尋ねるので、私は「そうしちゃえ」と言いました。人に貸すでも、更地にして地主に返すでも。
地代は払い続けたとしても父母の家計を圧迫するような金額ではありません。ただ思い出と心が、手放すのは辛いと言う。
私でさえそうなのだから、そこで生きた母はいかばかりだろうか。
だから私が「貸しちゃえば?」「手放しちゃえば?」て言わなきゃ
踏ん切りもつかないでしょう。
店は畳む。それを誰がやるのが一番いいかを考えるだけで。