結婚当初
私は夫と同じ会社の別の支店で
正社員として働いていた。
ある日
夫の遠い親戚だと名乗る男性から
電話があった。
現在大学4年生で
2社から内定をもらったのだけど
どちらに行けばいいのか迷っているとのこと。
そのうちの1社が私達が務めている会社。
夫は悩みながらも
あれこれ説明しだした。
・やりがいはある。
・仕事終えた達成感は何事にも代えがたい。
確か
そんな綺麗事を言っていたと思う。
横で聞いてて私はこう思った。
たぶん彼は
そんなことを聞きたいんじゃない。
お給料がどのくらいとか
アフターファイブは充実してるとか
嫌な上司がいないとか。
私ならその辺りを詳しく聞きたい。
電話を切った夫にこう言った。
「仕事以外のことをもっと聞きたかったんじゃない？」
「え？そうかなあ。なら、お前と変わればよかったかなあ。」
ホントだ。
もし私なら
こう言ったと思う。
・絶対もう1つの会社の方がいいと思う。
・同じ一部上場でも圧倒的知名度の違い。
・もし将来お見合いすることがあれば、そっちの会社の方がいいお話が来るに違いない。
・自分に子供がいたら絶対そっちを勧める。
数日後
私達の会社に行くことに決めたと連絡が来た。
理由は
やりがいとかはまだ分からないけど
少なくとも
私達夫婦が
辞めずに今日まで頑張ってると言うことは
それなりにいい会社じゃないのかと判断したから。
ふーん・・・
いい会社ねえ・・・・
そう思ったか。
ま、
最後は本人が決めることだから。
数か月後
彼が
この会社を選んでよかったと
心から思える日がやってきた。
なんと
もう1つの会社が倒産した
なぜあの会社が？？？
世界中の人が度肝を抜かれた。
その会社は
山一証券
危ない、危ない。
もしあの時
私が電話でアドバイスしていたら
とんでもないことになっていたかも知れない。
彼が現在どうしているのか。
遠い親戚過ぎて
名前すら思い出せない。
あの日以来一度も連絡ないし
本当に入社したんだろうか。
関東在住なので
よほどのことがない限り
関東支社に配属になったはず。
きっと元気で頑張ってると信じたい。
昨日のレナウンの記事を読んで
ふと思い出した出来事でした。
