$Architecture∞Lighting⇒⇒DO!!-001先ず根津美術館の展示を観て。
日本や東アジアの古美術を収蔵・展示する施設として相応しい落ち着いた雰囲気が建物全体、展示室の細部に渡り感じられました。
中でも印象的だったのは、紀元前中国の青銅器の展示。床壁天井の内装色を黒くし、更に照明をぐっと抑えることで展示ケースの作品が浮かび上がり、陰影を与えることで太古の作品の持つ独特の質感や趣が、より魅力を持って鑑賞する側に訴え掛けていたように感じました。建築的にも、エントランスホールは明るい木目調をベースとすることで、展示室の暗さと対比させ、展示に対する期待感、緊張感を高めていると思いました。
LED、ファイバースポットといった新しい技術を駆使し展示効果への
きめ細かい配慮が感じられました。

$Architecture∞Lighting⇒⇒DO!!-002右の写真は2006年に訪れた建替え前の旧美術館です。館内の明るさと展示作品を照らす照明のコントラストが弱く、照明「技術」の進歩と同時に、展示効果に対する「意識」の推移が感じられます。
根津美術館の魅力の一つは、都心の青山にいることを忘れさせるような深く濃い庭園の「緑」との関係性だと思います。
表参道の喧騒から展示空間へと、心を鎮めるための40mの竹林のアプローチ。また、現れる構造体を80×150mmのスチールFB柱2本に抑え、屏風絵のように森を切り取ったNEZUCAFÉ。ここでは木漏れ日を抽象的に感じさせるトップライトのディテールなど、都心の中の豊かな「緑」を意識させるための工夫が随所に感じられます。

$Architecture∞Lighting⇒⇒DO!!-003都心の「緑」という視点では、最後に拝見した恵比寿LABOの環境も素晴らしいと思いました。窓の外一杯に樹木を間近に感じることができ、レセプション空間としてはとても贅沢に感じました。
クライアントの気持ちを解きほぐし前向きに話が進むこと請け合いでしょう。
インテリアの、つくり過ぎず、肩の力の抜けた感じがとてもよかったです。若くして亡くなられたデザイナー黒川勉氏の持つテイストに直接触れることができたのも大きな経験でした。

これからもあらゆる設計の場面で、生活空間に対する「豊かな環境」へのアプローチが求められると思います。今回の見学では、単に技術の新提案のみならず、真の豊かさを考えるきっかけを与えられたように思います。



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