202号室 | ほぼ菜食日記

202号室

少女が簡素なベットに寝ている。

4人部屋で、ベットの2つは老人が、残り一つはあいていた。

少女は窓の外に目をやり、あとは動かなかった。

部屋に看護婦が入ってくる。

おはよう」

看護婦は少女のベットの横の椅子にすわった。

「どう、調子は?」

少女は窓に目をやったままだ。

「朝ごはんだよ、食べないと、元気になれないよ」

おかゆを口元に運ぶが、少女は食べようとしない。

「じゃあ、置いておくから、おなかがすいたら食べるんだよ」

看護婦は部屋を出て行った。

あとはいつもと同じ、何かしらの電気のモーターの音と、静寂、息を吸って吐く音だけが続いた。