毎日新聞 9月15日(水)22時17分配信


菅直人首相が15日本格化させた内閣改造・党役員人事の調整で、焦点の枝野幸男幹事長の後任人事には二つの課題がある。一つは小沢一郎前幹事長との一騎打ちで深まった党内の亀裂修復、もう一つは参院で野党が過半数を占める「ねじれ国会」を乗り切る強力な執行部の構築だ。「脱・小沢」を貫くのか否か--。政権運営に有利なのはどちらなのか、菅首相は小沢グループの対応もにらみながら慎重に人選を進める構えを見せている。【須藤孝】

 首相が15日、小沢氏も含めた党内の有力者と相次いで会談したのは、人事を前に党内に十分配慮するとのメッセージだ。党代表選で勝利したものの、国会議員票は6票差の小差とあって、今後の党運営は慎重にならざるを得ない。

 幹事長に川端達夫文部科学相の名前が取りざたされるのは、中間派とされながら選挙戦終盤では「会長見解」として首相支持を打ち出した旧民社グループに所属しているためだ。元々中間派の旧民社なら小沢グループを強く刺激しないうえ、最後には首相を支持したことで、「非小沢」継続を主張してきた前原誠司国土交通相のグループも容認の構えを示している。

 ただ中間派でありながら、菅首相を支持した川端氏の起用には論功行賞との批判が出かねない。旧民社グループの中野寛成元衆院副議長は、02年の党代表選で鳩山由紀夫代表(当時)を支持し、幹事長に就任したが、「露骨な論功行賞だ」との批判を浴び、辞任に追い込まれた。14日夜の同グループの会合では「中野氏と同じことになる。川端氏は引き受けるべきではない」との意見も出た。こうした動きも首相の判断材料になるとみられる。

 一方、首相周辺は「岡田克也外相の幹事長就任はある」と語る。ねじれ国会乗り切りのため、野党との折衝の前面に立つ幹事長には、首相と密接な関係があり、野党への重みもある「本格派」が必要との考えからだ。

 岡田氏は仙谷由人官房長官や枝野氏と並ぶ非小沢系の代表格。首相サイドには、代表選で勝利した最大の理由が世論の支持にある以上、「脱小沢」を貫くべきだとの意見も根強い。中間派の幹事長登用は首相が「小沢氏に妥協した」との印象を与え、内閣支持率の低下を招く可能性もあり非小沢系の党幹部は「今さら中間派登用はありえない」と息巻く。

 それでも「岡田幹事長」なら小沢系議員の反発は必至で、党内の亀裂を一層深める可能性がある。党内融和を優先して中間派を起用するのか、世論や対野党という「党外」の論理を優先するのか、首相は難しい判断を迫られそうだ。


「ボクもいったい何だったのか?」


by 枝野