デジャヴュ | 秘密の扉

秘密の扉

ひと時の逢瀬の後、パパとお母さんはそれぞれの家庭に帰る 子ども達には秘密にして

これと同じこと7年前にもあった。それは不確かなデジャヴュではなく、確かに起こった出来事。未だに昨日の事のように鮮やかに思い出せる、全く同じシチュエーション。


相手を違えて同じことを繰り返そうとする私に、ビシャリと水を掛けたのは彼。
そう、前回は私だった。
7年の年を経て私も大人になったと思ったのに、全く成長していない。


確かに今の幸せを育んでいきたいと思う。それが私の選択。


それなのに
どうして心には隙間が出来てしまうんだろう。
どうしてそういう時出会ってしまうんだろう。


火傷しそうな情熱を冷ましてくれてありがとう。
「俺に意見するな、俺はどうなったって良い、誰かが助かるなら。」
だなんて私から見ると子供っぽい男気。
そんなところも可愛くて好きだけど、指摘すると怒るんだろうな。

こんなに好みなのに絶対上手く行かないのも見えている。

心に仕舞っておくね。



たかしとは会えない日々が続く。私に何があったか、欠片も知らずに。

体調が悪いという私の言葉を鵜呑みにして。
きっと暢気に穏やかに私の名前を呼ぶんだろう。にこやかに私を抱きしめながら。


彼のことだって愛しい。
私も何もなかった顔してまた彼に抱かれるんだろう。



そう別に何があったわけでもないけれど、
心の中の秘密の扉がまたひとつ増えていく。