謎は謎のままに | 秘密の扉

秘密の扉

ひと時の逢瀬の後、パパとお母さんはそれぞれの家庭に帰る 子ども達には秘密にして

恋愛状態になると相手に理解して欲しい、相手を理解したい。ずっとそんな風に思っていたが、もうそんな風に思うのは止めにした。下手に相手を理解した等と思いこんでしまうことがすれ違いの原因になるなら。所詮どこまで行っても分かり合うことが出来ないのなら、謎は謎のままに楽しくやっていこうと思いながらたかしと付き合っている。
なんと無神経と思うときもあれば、暖かな細やかさを見せる時もあり、それは彼にとって私もまた同じなのだろう。


ずっと無理を続けていて一度崩した体調がなかなか元に戻らなかった。

そして今朝。
「おはよー
 無理するなよー休んで病院へ行くのもありだよー」
自分が風邪の時は私が医者に行けと言っても行かなかったクセして。


そして私の出勤時間直前にもう一通。
「急に気温が下がったから、温かくして出掛けるんだよー」
半袖で出かけようとしていた私は、慌てて上着を羽織りながら家を出たところで感謝する。有難い。


この間はメッセでデートの計画を練っていた。
「上野をぶらぶらする?
 何とか博物館とか雨でも大丈夫かなーって」とたかし。
「そうだね」
「上野は小学生のときにパンダ見に行った以来だなー
 きっと迷子になるかもー」
「上野に何時くらいになりそう?」
「12時くらいかなー」
「なに食べようかな
 何がいい?」
「なんでもー」
「コリアンストリートもあるし、何か和食のお店でも」
タイプしながら思わず唾液が出てくる。久しぶりのテグタンスープ、辛いのがダメなのならサムゲタンでも。第一物産のカクテキを買って帰ろう。
私と一緒にいたら上野で迷子になんかなるわけが無い。


「そっかー詳しいんだね」

あら。反応が今ひとつ。
文字だけだからわかりづらいけど、私の過去をいろいろ考えてしまったのかしら。今更過去のことを拘っても仕方が無いってたかしにも分かっているだろうに。でもごめんと心の中で謝る。


結局私の体調が悪くて上野は延期になった。