二人の立ち位置 | 秘密の扉

秘密の扉

ひと時の逢瀬の後、パパとお母さんはそれぞれの家庭に帰る 子ども達には秘密にして

ブログネタ:恋人の右に立つ? 左に立つ? 参加中

たかしはいつも私の右側にいる。ある日「ちょっと変えてみよう」と言ったらなんだか落ち着かないのだそうだ。
車の運転席と助手席の関係だからだろうか。歩くときも座る時も右側。いつもたかしに利き腕を預けている。
今まであんまり意識したことはない。いつの間にか決まっていた二人の立ち位置。

デートの帰りは私を家に送り届けること、右を歩くこと。
この二つをたかしは譲りたくない様子。どちらが右を歩くかなんて私にはどうでもいい事だから、たかしの言うとおりにする。私を家に送り届けることは、心配だからというよくわからない理由。もう絶対に痴漢にも逢わないと思うし、電車に乗ることにも慣れた。それなのに何が心配なんだろう。そこは頼み込んだけれど、よほどのことがないと無理そうな雰囲気。

相変わらずたかしの過去は詳しく聞けていない。ちらりと耳にして、それ以上聞く気を失った。興味が無いわけではない。でもそれは私には関係のない話。私たちの関係がよければそれで良いのではないだろうか。話したければ話すだろう。
もう白黒つけることに飽きた。立ち向かうことに逃げているわけではない。受け止める余裕だってあると思う。いつかそのときが来たらでいい。
今やこれからがどうか楽しくあればいい。お互い自分の辛いことを処理できるぐらいの大人なのだし。
それが私たちの今の立ち位置。