結婚について2 | 秘密の扉

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ひと時の逢瀬の後、パパとお母さんはそれぞれの家庭に帰る 子ども達には秘密にして

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それから彼が初めて私のうちに挨拶に来たとき、父に、君たちはどうして結婚したいのと聞かれた。そのときに2人で同時に相手を尊敬できるから。と答えたのだ。何の打ち合わせもなしに。そのとき、私はこの人を選んで良かったと思った。今考えれば2人とも愛なんて信じていなかっただけなのかもしれないが。
私たちはいろいろなことを一緒に愉しみ、あるときはお互いに好き勝手にやり、協力しあっていた。多少の喧嘩もあったが、信頼感で結ばれていた。そう、確かに和也のことを今でも愛しているのだろう。彼と過ごした日々のことをとても愛おしく思う。あちこちに旅行したこと、彼と一緒だといろんな面白い出来事に遭遇すること。センスのいい笑いの日々。バブルの時代でもあった。若かったし、いろんなことに挑戦できたちょうどいい時期を一緒に過ごしてきたのだ。
さて30を過ぎて、浮かれた生活を少しは落ち着いたものにして、子供を作ろうと思い立った。
「そろそろ子ども作った方が良いんじゃない」
「まだいいよ」
「でも、私もう30だし、すぐ子どもが出来るかどうかも分からないし、作るんだったら2人ぐらいは欲しい。35までに2人生むと考えるとそろそろ作り始めないと」
「でもまだいいよ」
実はそれ以前からかなりセックスの間隔が開いていた。私も彼も毎日仕事でくたくたになって帰宅していた。ちょうど2人とも仕事の一番面白い時期でもあったからそれほど気にならなかった。けれど気が付いて考えてみると、いつも私から誘っているような気がする。それだって、疲れているからと断られたことも何回かあった。他に女性が居ることも考えたがどう考えても周囲には50過ぎのおばちゃんぐらいしか居ない。そもそも、彼はどこへでも私を連れて歩くので有名だったくらいだ。

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